晴れる屋劇場 -ITチームスタッフを急募します-

大久保 寛



前回までのあらすじ


 Hareruya Pros所属プロであり、普段は晴れる屋のITチームスタッフとして勤務している原根 健太(以下:J-SPEED)のもとに突如届いた一通のビデオレター。その中身は、晴れる屋の創始者であるペガハル・S・トモフォードからの”闇のゲーム”への招待だった!

 J-SPEEDはこの勝負を受けて立つが、ペガハルの圧倒的な力の前に成すすべなく敗れてしまい、ITチーム主任の志村 一郎の魂がカードの中に封印されてしまう!

 志村の魂を返してほしければ“次元渡りの王国”(プレインズウォーカー・キングダム)へ参加し、私を倒してみせろと言うペガハル。

 かくしてJ-SPEEDはペガハル打倒を決意するのだった――!!






「待ってろよ、ペガハル……僕1人の力でも、絶対に志村さんの魂は取り戻してみせる!」







へっ、水臭いぜ! J-SPEED!











久保之内くん!







「俺も(脳内の)妹の心臓の手術代を手に入れるために、“次元渡りの王国”に参加することにするぜ!」







「手術が必要なのは久保之内くんの脳の方だと思うけど、心強いよ! 」







 こうして“次元渡りの王国”に乗り込む2人。王国では「ペガハル城」で行われる決勝トーナメント進出のために必要な「《彩色の星》チップ」を賭けて数多のプレインズウォーカーたちが対戦していた。

 J-SPEEDと久保之内の2人もまた、負けじとプレインズウォーカーたちに勝負を挑み、順調に《彩色の星》チップを集めていたのだが、最後の《彩色の星》チップを巡り、殿堂入りプレイヤーであるバンデッド・コガモが立ちはだかる。






~中略~



 契約コストの支払い忘れによりゲームに敗北した久保之内の仇を打つべく、J-SPEEDはバンデッド・コガモとの戦いに挑む――!





「くッ……迂闊だったぜ、俺としたことが契約コストを支払い忘れるなんてな……」







「さっきの久保之内という男は契約コストを払い忘れてくれたから、楽に勝てて助かったぜ! だが、お前はなかなか注意深いプレイヤーだな!」







「まさか契約コストの支払い忘れに気付きながら、あえて指摘をしなかったというのか!? もちろんプレイヤーにそれを指摘する義務はないけど、津村 健志なら対戦相手の誘発忘れを利用するようなプレイはしないはずだ!!」







「残念だが、俺は津村 健志ではない……バンデッド・コガモなんだよ!」







「バンデッド・コガモ……なんて狡猾な男なんだ! 」

























俺は必ずお前を倒すぜ!!







「で、出た……闇J-SPEED!







(雰囲気が……変わった……!?)







「しかし《血染めの月》がある限り、お前の特殊地形は《山》のまま! 手札にある呪文を唱えることはできないんだ!!」







血染めの月



「何を勘違いしているんだ?」







……ひょ?







「俺が攻撃するのは……月!!







ジャッジ!







「王国編ルールなので問題ありません」







「そ、そんな馬鹿な~~~~~!!!!」













「やったな、J-SPEED! 《彩色の星》チップも10枚集まったし、これで俺たちも決勝トーナメントに参加できるぜ!」







「待ってろよ、ペガハル……必ず倒してみせるぞ!」







 かくして決勝トーナメントへの出場権利を獲得した2人は、さっそく『ペガハルの城』で決勝トーナメントに参加。

 同じく勝ち上がってきた強豪プレイヤーたちと死闘を繰り広げ、見事J-SPEEDはペガハルへの挑戦権を獲得する!




「さあ、志村さんの魂は返してもらうぞ!」







「ユーならここまで勝ち進んでくると思っていましたヨ、Jボーイ! さっそくゲームを開始しましょう!」







決闘!!!!







「ミーのターン! 《寺院の庭》から《トゥーン・ナカティル》をプレイします!」







「《トゥーン・ナカティル》? よく分からないけど、《稲妻》で焼いてやる!」







「《トゥーン・ナカティル》はトゥーン・クリーチャーなのでトゥーン・クリーチャーによってしか破壊されまセーン!」







ジャッジ!!!







「王国編ルールなので問題ありません」







「クソッ! なんてカードだ……もはやここまでなのか……」







「あきらめるな、J-SPEED!! 俺たちの絆の力でペガハルを倒すんだ!!」







「久保之内くん……? 絆の力……そ、そうか! このカードを使えば……!」







「ハハハ、何をしようと無駄なことデース」







そいつはどうかな? 俺には仲間たちとの絆があるんだ! 行け、《約束された終末、シムラクール》ッッ!!











「シムラクール……?」







「シムラクールは伝説のITチーム・クリーチャー。そのマナコストはITチームスタッフの絆の分だけ(1)ずつ減り、唱えたときにゲームに勝利するんだ!」







ジャッジ!!!!







「王国編ルールなので問題ありません」







「そんな……そんな馬鹿な……! グアアアアアァァァッ!!!







これが絆の力だ!!







「やったな、J-SPEED!!」







「久保之内くん! 長かった僕たちの戦いはこれで終わったんだね!」













■ ITチームスタッフを真面目に急募します。

 晴れる屋では業務拡充に伴い、ITチームのスタッフを急募します。

 マジックが好きで、ITに興味をお持ちの方大歓迎! デュエルスペースまで0分の職場環境で、休憩時間や退勤後にマジックをすることもできます!





★応募条件★

・ITに興味がある方(※未経験者歓迎)
・マジックが好きな方
・16歳以上(高校生不可)

特に以下のスキル・経験をお持ちの方歓迎
・HTML/CSS/Java Scriptに関する知識
・各種プログラミングスキル
・ネットワーク、ITインフラに関する知識
・動画編集
・ITに関する業務経験(WEBサイト制作、アプリケーション開発、ネットワーク/ITインフラの保守業務など)


 その他詳細については【コチラ】をご覧ください!

 強い絆で結ばれたITチームスタッフとともに、晴れる屋でマジックを満喫しながら楽しく働きましょう!











次回予告




 やめて! 《歓楽の神、ゼナゴス》の特殊能力で《世界棘のワーム》が速攻を得るとともに+15/+15の修正を受けてアタックしてきたら、闇のゲームでクリーチャーと繋がってる久保之内の精神まで燃え尽きちゃう!


歓楽の神、ゼナゴス世界棘のワーム


 お願い、死なないで久保之内! あんたが今ここで倒れたら、志村さんやJ-SPEEDとの約束はどうなっちゃうの? ライフはまだ残ってる。ここを耐えれば、マツガンに勝てるんだから!




 次回「久保之内死す」。決闘、スタンバイ!







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