メガナプトラって何!?

晴れる屋

By Kazuki Watanabe


 それは、ある日のことだった。




 !?


 ひゃ、100万枚!?総重量2トン!?

 カードショップの宣伝文句に登場してくる語句とは思えない。“メガナプトラ”!?



 ご存じの方も多いと思うが、晴れる屋には【ハレナプトラ】という商品がある。1ナプトラには、約4500枚のカードが詰まっていて、封印された財宝を発掘するような感覚を味わえる。


【ハレナプトラの画像】

 ちなみに、こちらが実際の1ナプトラだ。持ってみると、若干腰にくる。

 その後、上位互換(?)として、【スゴナプトラ】という商品も発売され、こちらには約10万枚のカードが詰まっている。約22ナプトラ、重量は200kg程度である。発表当初は「重すぎ(直球)」と話題になったのも記憶に新しい。



 そして、今回の“メガナプトラ”は、その10倍である。220ナプトラ重さ2トン



 100万枚で2トン、と言われてもまったく想像ができない読者諸賢のために分かりやすい例を用意した……つもりだったのだが、数が大きすぎて書いてる本人もさっぱりなので、「ふーん」と思いながら以下は読み進めて欲しい。



 カードの横幅は6.3cm。100万枚のカードを横に並べていくと、63kmになる。これは京都から神戸の直線距離に相当するらしい。


(【こちらのサイト】を利用した)

 1枚の厚さは約0.5mmなので、縦に積めば500m。NTTドコモ代々木ビル(240m)の2倍以上だ。

 枚数に目を向けてみよう。ドラフトでは1人が3パック(45枚)を用いるので、100万枚なら22222人分に相当し、8人卓が同時に2777卓成立することになる。ドラフト三昧である。


包囲サイ突進するサイロウクスの戦修道士


 ちなみに2トンという重さは、野生動物で言えばシロサイだ(【Wikipedia参照】)。

 筆者も晴れる屋で働きながら「サイ 体重」という検索ワードをgoogleに投げつける日が来るとは思わなかったが、それくらい規格外の物体が売り出されているわけである。

 小ネタついでに、もう1つ。「建築基準法」の「85条」によれば、一般住宅における居室の荷重基準(平たく言えば、「これくらいの重さには耐えられるはず」)は「1平方メートルあたり180kg」となっているらしい。この計算でいくと、“メガナプトラ”は6畳(約10平方メートル)の床を見事にぶち抜き得る



 うむ、「最終メガトン兵器」は伊達じゃない!

 筆者がナプトラの山を眺めていると、この兵器を開発したであろう人物が声をかけてきた。

齋藤「どう?驚いた?」

――「あ、トモハルさん。このクレイジーハッピーな商品は一体?」

齋藤「晴れる屋には、大量のカードがあるんだよ。それは知ってるよね?」

――「ええ、過去のエキスパンションから最新弾まで、それはもう驚くくらいありますね」

齋藤「古くても新しくても、そして価格に関わらず、どんなカードでも大切にするのは当然だと思うんだ。晴れる屋はカードショップだからね。今回の”ギガナプトラ”も、カードに商品としての価値を与えるための方法として、大量にまとめてみたんだ。もちろん、目玉商品は驚きの豪華さだよ」

――「デュアルランド全種にフェッチランド40枚ですもんね。でも、この超弩級兵器、売れますかね?購入したとしても、床が抜けるんじゃないかと……」

齋藤「まぁ、この”メガナプトラ”が売れるかどうかは、実はそこまで重要じゃないんだ。『マジックのカードは、商品としてこんな見せ方もできる』ということに挑戦してみた、という感じだね」

――「なるほど。たしかにインパクトありますよね。『マジックのカードでこんな枚数あるんだ』って思う人も多そうですし」

齋藤「この膨大な数を用意できるということは、それだけカードが印刷されてきたことでもあるよね。歴史のあるマジックだからこそできることだよね。今回は、そうだなぁ……『晴れる屋が、また面白いことやってる』と話題になってくれれば、それで当初の目標は達成かな。もちろん、売れてくれたらもっとハッピーだけどね」



 うーむ、こうやって唸っている時点で、すでに筆者も術中にはまっているのか。たしかに見たこともないインパクトだ。よし、記事は書くことになるし、もう一度商品情報を確認して……あ!





 売れてるっ!?



【前文ここまで】


■ インタビュー


 ということで、今回は”メガナプトラ”を購入した「フェイズ」の信下さんにお話を伺うことにした。「フェイズ」は(以下、ショップの紹介)。


「よろしくお願いします。『地方のTCGをハッピーにする為』とのことですが、まずはそこからお話を伺えますか?」

信下「こちらこそ、お願いします。一昔前まで、地方のショップが“マジックの入り口”という役割を担っていましたよね」

――「たしかに、私も初めてマジックに触れたのは、小さなおもちゃ屋だったと思います」

信下「そうですよね。黎明期のマジックは、そういった小さなショップでの大会を経験し、そこから都市部の大会やグランプリへ、という流れがあったんですよ。私自身は、もっとマジックが盛り上がって、この楽しさを多くの人に知ってもらいたい!という気持ちが非常に強いんです。そのためには、都市部だけでなく、地方のショップが盛り上がる必要があるな、と。そうなると、お客様にアピールできる”話題性”が必要ですよね」

――「そこで、”メガナプトラ”ですか」

信下「そうですね。これは面白いな、と思ってすぐに行動に移しました。まず、商品のインパクトがとても大きいですよね」

――「マジックを知らない人にデュアルランドの凄さを説明するのは難しいかもしれませんが、枚数や重さなら分かりやすいですからね」

信下「子供たちも食いつきそうじゃないですか、『100万枚!?2トン!?』って。マジック、そして地方を盛り上げるのならば、そういった若い世代にインパクトを与えられるかも大事なんです。フェイズではマジック以外のTCGも取り扱っているので、他TCGのプレイヤーにも『マジックってすごい!』と思わせることができると思います。『店の在庫を仕入れた』とは違った形で、お客様に見せるような形を取りたいですね」


■ “ギガナプトラ”を発掘したら?


――「早速2トンの山がフェイズさんの店舗を埋め尽くしていますね」

信下「まずは、開封することが一苦労ですよね(笑)。なので、今回はこの様子からお見せしていこうと思います」

――「搬入、そして開封からですか」

信下「そうですね。こんなインパクトのある画像は、なかなか撮れるものではないので……。マジックでは少ないのですが、他のカードゲームではユーザーがパックを開ける『開封動画』が一定の市民権を得ているので、これはその超大型バージョンですね」

――「『こんなレアカードが当たりました!』というやつですね。では、実際に見つけたお宝は?」

信下「目玉であるフェッチランドやデュアルランドは”メガナプトラ”から発掘次第、店頭に並べていく予定ですよ」

――「おお、早速。とは言っても、この量では簡単に発掘できなさそうですね」

信下「いつまでも見つからない、ということがないように頑張って開封していきます!その他のカードについては……実はまだまだ考え中な部分もあるんですよ。まずは、この物量をお客様に見てもらいたい、とも思います。それからは、子供たちに気軽に遊んでもらえるような仕組みを考えたり、『欲しい!』というお客様がいたら交渉したり、色々と挑戦してみたいと思っています。その様子については、【ホームページ】でお伝えしていくつもりです」



■ “ギガナプトラ”に惹かれた、もう1つの理由



信下「マジックをもっと盛り上げて、そして若い世代を育てるために、都市部には都市部の、地方には地方の役割がきっとあるはずです。どちらか一方だけではなく、マジック業界全体で頑張っていかなければ、と考えています。競技のみでなく、こういった”話題”を通じて、マジックを盛り上げることもできると思いますから」


 「マジックをもっと盛り上げたい」

 その力強い言葉に襟を正しつつ、筆者がインタビューを終えようとすると……。


信下「実は”ギガナプトラ”に惹かれた理由が、もう1つあるんですよ」

少し気恥ずかしそうに、そう打ち明けてくれた。

信下「同じカードショップとして、これだけのカードを在庫として確保していた、ということの大変さが分かるんですよ。あ、でもそれに同情して購入したわけじゃないですよ?」


信下「カードを大切にしているということが伝わってきたんですよね。これだけの量を捨てるのではなく、商品として扱う、ということに」



















おまけ


――「あ、再びトモハルさん。少しお聞きしたいんですけど、晴れる屋の総力を結集すると、”ギガナプトラ”って何個くらい作れるんですか?」

齋藤「んー、わからないけど●●●●●くらいじゃないかな」