【グランプリ・広州2016】に参加してきました。
フォーマットはモダン。
【前回のレポート】で触れましたが、直前の【プロツアー『カラデシュ』地域予選in東京】に注力していた関係で練習時間が取れませんでした。
特に候補となるデッキがなく、使用経験のある「ジャンド」か「昇天」のどちらかを適当に選ぼうとしていたところ……
2 《森》 2 《繁殖池》 4 《新緑の地下墓地》 4 《吹きさらしの荒野》 2 《樹木茂る山麓》 2 《ペンデルヘイヴン》 4 《墨蛾の生息地》 -土地 (20)- 4 《ぎらつかせのエルフ》 4 《貴族の教主》 4 《荒廃の工作員》 -クリーチャー (12)- |
4 《ギタクシア派の調査》 4 《古きクローサの力》 4 《変異原性の成長》 4 《巨森の蔦》 2 《よじれた映像》 1 《ひずみの一撃》 1 《呪文貫き》 2 《使徒の祝福》 1 《森の占術》 1 《四肢切断》 4 《強大化》 -呪文 (28)- |
3 《台所の嫌がらせ屋》 2 《自然の要求》 2 《呪文貫き》 2 《四肢切断》 1 《ドライアドの東屋》 1 《呪文滑り》 1 《ヴィリジアンの堕落者》 1 《払拭》 1 《よじれた映像》 1 《墓掘りの檻》 -サイドボード (15)- |
突然の天啓。出発前夜に「感染」デッキを手にしていました。
僕はこのデッキを一度もプレイしたことがなく正直かなりヤバいのですが、一度くらい誰かにすべてを託す経験をしてみるのもいいかな……と思い、天の声を享受。
行きの飛行機でOwen TurtenwaldとTom Rossの対戦動画を見て勉強に励み、ホテルについてからは延々と一人回し。
翌日bye明けの第3回戦が初の対人戦という運びです。
寝る前に風呂に浸かりながら「よくこんな状態でここまで来たな……」と呆然としていました。
グランプリ1日目
不安が募り過ぎて開始前から既にゲッソリ。
とはいえ「感染」はモダンにいくつか存在するオールインデッキの類。
手札がよければ3キルどころか2キルだってあり得ます。困ったときの「ブン回れば行けるやろ」です。
何よりスナイパーの目に狂いはない。
本戦スタート!
ラウンド | 対戦デッキ | 勝敗 |
Round 1 | bye | |
Round 2 | bye | |
Round 3 | マルドゥ | ×× |
Round 4 | SCZ | ×× |
わぁ現実。
そうなんです、このゲーム実はそう簡単に勝てないんです。
両ラウンドともに経験不足がモロに出たゲームでした。
■R3 vs.マルドゥ
除去満載のコントロールデッキであるマルドゥを相手取る上では、好きなタイミングでクリーチャーとして扱える《墨蛾の生息地》は非常に頼もしい存在です。
しかし相手側の有する《未練ある魂》はこのカードの天敵で、なかなか攻撃を通してもらえません。
そこで活躍するのが《ペンデルヘイヴン》。墨蛾を2/3までパワーアップすれば、迎え撃つには3体のスピリットトークンが必要で、仮に3体でブロックされた場合でもパンプスペルを1枚唱えれば返り討ちにできますし、「フラッシュバック」分で損を被ることもありません。
相手は1体ずつでのチャンプブロックを行わざるを得なくなり、俄然有利な戦闘を行うことができます。
……ということを、微塵も考えられなかった僕は《森の占術》で2枚目の《墨蛾の生息地》をサーチ。
結果、返しにプレイされた《未練ある魂》でビタ止まりしている内にあれよあれよと追加をプレイされ、最後には16体のスピリットに蹂躙されながら幻の《ペンデルヘイヴン》に思いを馳せていたのでした。
■R4 vs. SCZ
このマッチアップは感染クリーチャーにコンバットトリックを合わせながら相手クリーチャーを殲滅することを心掛けるといいです。
……ということを、マッチに敗北した後友人から届いたLINEで聞きました。
すれ違いのレースを狙った結果致死圏へのダメージを受けてしまい、《強大化》で押し込まれて敗北。
最速の窮地。
光を求めて天の声に耳を傾けますが……
はらねくんに何言われても「想像力、このデッキに必要なのは想像力。」しかアドバイスしてへん
— Yuuki Ichikawa (@serra2020) 2016年8月27日
……。
経験ハッピー。吹っ切れて残りのラウンドへ。
ラウンド | 対戦デッキ | 勝敗 |
Round 5 | 赤緑ヴァラクート | ○○ |
Round 6 | ナヒリジェスカイ | ○×○ |
Round 7 | 親和 | ×○○ |
Round 8 | 白日スケープシフト | ○×○ |
Round 9 | マーフォーク | ○○ |
5連勝により7-2、望外の2日目へ。
相性のいい(と思う)マッチアップが多かったことや、ラウンド経過毎に理解が深まっていったことが起因していると思われます。
グランプリに出るときは、そのデッキを前もって練習しておくといいですよ(発見)。
ホテルで少しリッチな夕飯を済ませた後、部屋に戻り休息。
今回井川さんの紹介で初めて5つ星のホテルに泊まったのですが、最高でした。
独創的ビジュアル。
キレイ。
えげつない吹き抜け構造。
下のラウンジにはピアノがあって歌手がいて、演奏と歌声が上層階まで上がってきます。
よくわからないガラス張りシャワー。
ところどころ理解が及びませんでしたが、気持ちに余裕が生まれるので精神衛生にもよく、万全の体調で大会に臨めるのでおススメです。
次回以降もなるべくいい宿泊先を選びたいと思いました。
グランプリ2日目
5勝1分でTop8のチャンスはありますが、現実的なところだと5勝1敗の3敗フィニッシュが目標ですね。
グランプリの3敗はプロポイント3点を獲得することができます。グランプリキャップ6個が埋まるまでこれを繰り返せば、なんとプロツアーに出ることなくこっそりシルバーレベルになることができるんです!
が、もちろんこれは現実的ではないです。
安定して12勝3敗の成績を残すような人間は概ねプラチナレベル級の実力を持っています(ヤソさんなど)。
さて、2日目の結果ですが……
ラウンド | 対戦デッキ | 勝敗 |
Round 10 | 白日スケープシフト | ○×○ |
Round 11 | 4色《珊瑚兜への撤退》コンボ (今大会Top8のKelvin Chewさん) | ×× |
Round 12 | トリコトラフト | ○×○ |
Round 13 | 赤緑トロン | ×○○ |
Round 14 | 黒緑感染 | ×× |
Round 15 | エルドラージタックス | ○×○ |
4-2。
1日目と合わせて11-4、最終順位は42位でした。
■R11 vs. 4色《珊瑚兜への撤退》コンボ
1ゲーム目、戦場に《荒廃の工作員》+手札に10点分のパンプスペルが揃っており、相手の《集合した中隊》に対して以下の2択を悩みました。
このときはまだ《貴族の教主》と《聖遺の騎士》しか見えていなかった関係で「人間カンパニーの可能性もある」と考慮して後者を選んだ結果、《呪文滑り》が出てきてしまい敗北。
2ゲーム目は《イゼットの静電術師》が《神聖な協力》でアンタップコンボしてきてボコボコにされました。1:3交換は法律で固く禁じられているはずですが……。
1本目の選択に後悔が残ったため、偶然近くにいたスナイパーに教えを乞うと、「1枚だけ打つのが正解ちゃう?」とのこと。
確かにその後《荒廃の工作員》の攻撃で5毒まで殴れるターンがありましたし、1枚だけなら除去クリーチャーが現れた場合のリスクも最小限。1枚も打たない場合《呪文滑り》は負けに直結することから、恐らくベストプレイ。
これが想像力……。
■R14 vs. 黒緑感染
飛行を《疫病のとげ刺し》、地上を《ファイレクシアの十字軍》でガッチリ固められてしまい、マウントを取られてボコボコに。
《荒廃の工作員》分優位があるはずですが、1枚も引くことができずに負けです。
もう少しがんばれたかもという印象ですが、付け焼刃ではこんなものかなとも……。
今大会の【山本賢太郎さんの「グリセルシュート」】に然り、【川崎慧太さんの「ジャンド」】に然り、はたまた【グランプリ・インディアナポリス2016】優勝の【Brandon M. Burtonさんの「バーン」】に然り、たまに聞く「モダンは愛」は結構当たってるのかも。
色々回り道して今回のような「デッキない案件」に陥っては元も子もありませんし、1本据えてしまったほうが効率もいいかもしれませんね。
ともあれ、これでプロツアーホノルルへの挑戦は終了。残念ながら権利獲得とはなりませんでした。
とはいえ、挫けているような時間もありませんので、先の目標へと切り替えます。
次なる舞台は【グランプリ・京都2016】、チームリミテッド。
スタンダード、モダンと来て、お次はリミテッドです。その次はレガシー(【グランプリ・千葉2016】)がありますね。トライアスロンかな?
それではまた次回。
原根
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