By Atsushi Ito
今回の「第2期レガシー神挑戦者決定戦」については、特筆すべきトピックが1つある。
それは、新環境のレガシーであるということだ。
先週「エタフェス」が行われたばかりで何を言っているんだと思われるかもしれない。
しかし、思い出して欲しい。レガシーに影響を与えうるのは、何も新エキスパンションばかりではないということを。
そう、実はつい昨日『マジック:ザ・ギャザリング ― 統率者(2014年版)』によって、「ゴレメンタル」や「肉裂き魔」など多彩な新規カードたちがレガシー環境に解き放たれたばかりなのだ。
となれば、その影響が気になるところだろう。
なかでも、『統率者2014』のトップレアと目されているこのカードについては。
《封じ込める僧侶》。
スニーク・ショーを否定し、エルフを咎め、ドレッジすらも沈黙させるこの究極のヘイトベアー。
しかしこの手の対策カードには常にとある1つの疑問が付きまとう。
それは、「本当にレガシー環境で使われるのか?」ということだ。
散々騒がれて「やっぱり使いませんでした」なんてオチになるようでは期待外れなことこの上ない。
そこでレガシー環境をよく知るプレイヤーたちに、《封じ込める僧侶》はレガシーで本当に使われるのか?を聞いてみた。
斉藤 伸夫
当サイトにてレガシーコラム「のぶおの部屋」を連載中。
斉藤 「使われると思いますよ。ていうか使ってます(笑)」
斉藤 「昨日の今日なんで1枚しか手に入らなかったんですが、とりあえず『青白奇跡』のサイドボードには1~2枚入るんじゃないですかね。何が偉いって、対策範囲が広いのでスロットが節約できるんですよね」
斉藤 「例えば《墓掘りの檻》だとエルフ、ドレッジ、リアニメイトを対策できますが、《封じ込める僧侶》ならそれに加えてスニーク・ショーまで見れます。『青白奇跡』のサイドボードに関して言えば、丁度《墓掘りの檻》と《真髄の針》を1枚に合わせた感じなんですよね」
斉藤 「とはいえ、エルフ相手には盤面を《終末》で制圧する前に出してしまうと、《終末》で一緒に流れてロックが解けちゃうという弊害もあります。ただプレイングでカバーできる範囲ですし、相手がクソビートプランになったときに『瞬速』でシャクれるというメリットもあるんで、少なくとも1枚は入れ得かなと。2枚目は五分五分かなと思いますが」
斉藤 「それからパトリオットのサイドに入っている《翻弄する魔道士》もこのカードに差し替わるのかな、と思います。カード名指定による裏目がないですからね」
高野 成樹
高野 「使われるんじゃないですかね。とりあえずコントロール系の白いデッキのサイドボードには入るでしょうし」
高野 「あとこのカードはデスブレードやパトリオットのように《石鍛冶の神秘家》パッケージが入っているデッキで使うとより強いでしょうね。『瞬速』からの装備は奇襲性も高いですから」
高野 「何にせよ使って欲しくない1枚なのは間違いないですね」
景山 広樹
景山 「僕は普段スタンやモダンで遊んでいてレガシー歴は浅いので的外れかもしれませんが、使われると思います。デスタクやアグロロックなど、白のアグロ系デッキにメインから採用されうるかと」
景山 「スニーク・ショーやドレッジのような、これまで専用サイドカードをとるしかなかった相手全般に幅広く効く可能性があるカードということで、使えるデッキにとってはかなり重宝するんじゃないですかね」
景山 「(ジャンドにおける《ゴブリンの熟練扇動者》と《血編み髪のエルフ》の比較について尋ねられて)そうですね、3つの理由で《ゴブリンの熟練扇動者》の方が優れていると感じています。1つは青いテンポデッキが増えてきて、《死儀礼のシャーマン》が焼かれたり《不毛の大地》で《血編み髪のエルフ》が手札で腐る場面が増えたこと。2つ目は《ゴブリンの熟練扇動者》ならコンボデッキに対して速度勝負できること。3つ目は消耗戦になった後に更地でトップデッキしたときでも単体で素早く勝てることですね」
レガシープレイヤー3人が「使われる」で意見の一致をみたということで、どうやら《封じ込める僧侶》が出オチになる可能性は低そうだ。
とはいえ、あまりにもサイドの《封じ込める僧侶》が浸透すればコンボ側も《稲妻》などでさらに対策してくる可能性もある。
1~2枚散らす形にして、従来のサイドカードと併用するのが賢い使い方なのかもしれない。