あなたの隣のプレインズウォーカー ~第16回 \スリヴァーだー!/~

若月 繭子

若月 繭子

軍隊蟻蟻の女王



\アリだー!/

じゃなくて

鋼体スリヴァー捕食スリヴァー



\スリヴァーだー!/……え、スリヴァー?

こんにちは、ご無沙汰しておりました若月です。また「あいつら」と遭うことになるとは思いませんでした。まさしく寝ていた所を叫び声に叩き起こされたような感じでした。

マジックには他のファンタジー世界やゲームには存在しない「独自のクリーチャー」が幾つか存在します。その中でも屈指の人気を誇るのが「スリヴァー」という種族。今回は「あなたの隣のプレインズウォーカー」というタイトルの趣旨からは外れますが(これで二度目。前回は第11回)、5年ぶりに再登場したスリヴァー達の姿に迫ります!



1. スリヴァーとは?

まずそもそも「スリヴァー」とは何か。
クリーチャー・タイプの一つであることは明白ですが、「スリヴァー」の定義とは? 「スリヴァー」と聞いて最初にどのカードを思い出すかは人それぞれかと思います。
公式記事「マジックの独自クリーチャーたち」に、「スリヴァーとはどんなクリーチャーか」についての記述があります。


(記事より抜粋)
スリヴァーは目のない尖った頭、一本の鉤爪、そして蛇のような身体を持つ。彼らは堅固な群れを成すというメカニズム的独自性を持ち、それは忠実に守られ続けている。


そうですよね。誰もが思い浮かべる「スリヴァーの特徴」はこの記述の通りの、大体こんな感じではないでしょうか。

・尖った頭、鉤爪のような一本腕、細い胴体に長い尻尾
・だいたい1/1~大型でも3/3程度と割と小型
・一体の持つ能力を全てのスリヴァーが共有する


針刺スリヴァー肺臓スリヴァー幽体スリヴァー

そして各々の能力に応じて、少しずつ身体の形を変化させています。


スリヴァーが初めて登場したのは1997年10月発売のテンペストでした。そして「マジック独自のクリーチャー」として集団でババーンと登場し、活躍した初のクリーチャー・タイプである事は疑いないと思います。それまでにも、エルフやゴブリン等といったファンタジーの定番クリーチャー以外に《キノコザウルス》《ブラッシュワグ》《Phelddagrif》といったオリジナル?クリーチャー達が単発で登場してはいました。またフォールン・エンパイア(1994年)にてサリッド(ファンガス)やスラルといった独自クリーチャーが集団で登場してはいましたが、これらは特に活躍はしませんでした。

ではスリヴァーはそれらとどう違っていたのか? 何よりも、「全ての色に存在する」ことが挙げられます。


かぎ爪のスリヴァー有翼スリヴァー凝塊スリヴァー

ハートのスリヴァー筋肉スリヴァー


初出のテンペストの時点で、スリヴァーはあらゆる色に存在していました。そしてストロングホールドにて二色からなるスリヴァー、そして極めつけとして五色からなる《スリヴァーの女王》が登場しました。当時はおぼろげながらにも「エルフは緑、マーフォークは青、ゴブリンは赤」というように、そのクリーチャーの存在する色というのが何となく決まり始めていた時代です。確かに、スリヴァーは全ての色にいる。ならばその全ての色を含むマルチカラーのスリヴァーが出てもおかしくはない!! そして全ての色に存在するスリヴァーの長ならば、確かに五色が相応しい。これは衝撃でした(え、《1996 World Champion》? インターネットも普及していない当時に地方の一プレイヤーがそんなカード知ってるわけないじゃないですかー)。コストに五色のマナを含むクリーチャーは2013年8月現在16体存在しますが、人気で言えば《スリヴァーの女王》《大祖始》がツートップでしょう。


スリヴァーの女王

五色の貫禄。


「スリヴァーはあらゆる色に存在する」、それはつまり、「どんな能力を持っても違和感がない」ことを指します。例えば、全てのエルフが飛行を得たり、全てのゴブリンが絆魂を持ったりしたら、それはフレイバー的に違和感がありますよね。スリヴァーは、例えばキーワード能力に限ったとしても飛行にトランプルに速攻に再生に到達に、とあらゆる能力を持つことができます。この「持ち得る能力の多様さ」、それによって「いかにスリヴァー全体が強化されるか」。これがスリヴァーという種族の特徴であり、人気の理由の一つだと思います。


アメーバの変わり身

どうも、スリヴァーです。「Premium Deck Series: SLIVERS」にも入っている
れっきとしたスリヴァーです。




2. スリヴァー年代記

前述の通りスリヴァーは1997年10月、テンペストにて初登場しました。彼らはそのエキスパンションの舞台となった異次元ラースに生息する独自の生物です。蟻や蜂のように群れを成し、集団意識を持ちつつ「女王」的な存在に従っています。テンペストブロックの主人公である《ジェラード・キャパシェン》達は誘拐された《艦長シッセイ》を救出すべくこの次元へとやって来たのですが、敵の中枢である《ヴォルラスの要塞》へ侵入しようとする彼らに、スリヴァー達が襲いかかりました。

阻止

数枚のカードにスリヴァーとの戦いの様子が描かれています。ハナさん健闘。


そしてその《ヴォルラスの要塞》の中に《スリヴァーの女王》がいました。《銀のゴーレム、カーン》が彼女と話し合い、奪われていた多くのアーティファクトを返してもらいます。ですがこのことで女王は要塞の主である《墜ちたる者ヴォルラス》の怒りに触れ、処刑されてしまった……らしいのですがその公式の情報源がどうも見当たりません。ですがストロングホールド以降、女王の姿が一切見えないことからこれはきっと真実なのでしょう。


心変わり

カーンと女王との話し合いの場面がこちら。
この頃はストーリーの場面の多くがカードに描かれていました。


ジェラード達は様々な苦難の末にシッセイを救出し、犠牲者を出しながらもラースから脱出しました。そしてその後、ネメシスにて同じラースが舞台になったのですがスリヴァーは登場しませんでした。マスクスブロックの部族メカニズムと言えばレベル&傭兵でしたので、スリヴァーを入れたくなかったのでしょうか?
時は流れてプレーンシフト。ファイレクシアのドミナリア侵略計画の一環として、ラースの次元自体がドミナリアに「被覆」します。不幸なことに、スリヴァー達はアーボーグの火山の中心へと転移してしまい、そのほとんどが火山の熱で死んでしまいました。インベイジョンブロックでスリヴァーが登場しなかったのはこの理由によるものかと思われます。



スリヴァー達の墓標。


それから百年後、「激浪計画」に従事するオタリアの魔術師達がスリヴァーの化石を発見し、その生物を蘇らせようとしました。そのこと自体には成功したのですが、不幸にも彼らは「女王」の存在の重要性を、もしくは女王の存在を知りませんでした。群れを統べる女王がいないため、スリヴァー達は暴れ出して激浪計画の島を蹂躙しました
。また《触れられざる者フェイジ》《怒りの天使アクローマ》《クローサの拳カマール》の三つ巴の戦い、その結果誕生した《邪神カローナ》。彼女を誕生させた魔力の爆発は生き残ったスリヴァーの小さな群れにも襲いかかり、集団意識の究極形である《スリヴァーの首領》を誕生させたのでした。

激浪の複製機スリヴァーの首領

激浪の複製機のイラストをよく見て下さい。彼らが作っているのは……


更に二百年ほど後、「裂け目」に覆われ寒冷化とマナの枯渇にさらされたドミナリアにて(詳しくは第5回第6回第12回に)、プレインズウォーカー・フレイアリーズがその保護領域であるスカイシュラウドの森に細々と生き続けるスリヴァー達を何とか支配していました。そんな中、力を求める狂えるシャドー、織手の王がスリヴァーのコントロールを得てフレイアリーズへと襲いかからせます。ですがフレイアリーズが身を投じた「裂け目」を塞ぐための最期の戦い、そこでスリヴァーも併せて一掃されることとなったのでした。

こうして、スリヴァーの女王から続く系譜のスリヴァーは全滅したとされています。彼らが最後に生きたスカイシュラウドの森も、もうありません。実にしぶとく生き延び、復活をしてきたスリヴァー達は絶えました。ですがスリヴァーという種族が「マジックの中で」滅んだわけではありませんでした。何故なら……



3. みんな大好きスリヴァー

スリヴァーが嫌いなマジックプレイヤーなんていません!

……いないよね? 私も大好きです。でなきゃこんな記事書いてませんって。
スリヴァーは一つの次元にのみ生息する種族です。しかも一度ストーリー上で「全滅」していることから、再登場させるためには結構無理な設定を作らなければいけないというのに、スリヴァーはそれから二度も再登場を果たしました。プレイヤー人気は勿論のことですが、これはR&Dの側もスリヴァーを愛していたからこそではないでしょうか。
そのことが読み取れるのが時のらせんブロックです。「郷愁」をテーマとした時のらせんブロックには、それまでのマジックにおける人気どころが種類を問わず集まっていました。


アムローの偵察兵戦慄の復活巣穴からの総出

例えばリクルート能力、フラッシュバック、ストーム。他にも色々あります。


そして、スリヴァーも顔を出していました。スリヴァーの登場は、そこに「スリヴァー」というテーマが存在することを意味します。「スリヴァー」のテーマそのものが、郷愁を感じさせられるものとして選ばれたのでしょう。確かに時のらせんの4年前(レギオン)に再登場してはいましたが、スリヴァーの全盛期はやはりずっと昔、テンペストブロック。レガシーにおける「カウンタースリヴァー」デッキも、テンペストブロックのスリヴァーをメインに構成されていますよね。


有翼スリヴァー筋肉スリヴァー水晶スリヴァー

昔ながらの3トップ。


そして、時のらせんブロックのスリヴァーの多くに「元ネタとなるカード」が存在します。そしてその多くは名前にもその面影を残しています。《基底スリヴァー》《Basal Thrull》《断骨スリヴァー》《骨断ちの矛槍》《暗心スリヴァー》なんて直前のラヴニカブロックで元ネタの《森の暗き中心》が再録されたばかりでした(元はザ・ダーク)。ただでさえノスタルジックな存在であるスリヴァーが、過去のカードの面影と一緒にやって来ました。

断骨スリヴァー骨断ちの矛槍

基底スリヴァーBasal Thrull

暗心スリヴァー森の暗き中心



ちなみに《基底スリヴァー》のフレイバーテキストに登場している「繁殖の達人、エンドレク・サール」は、《練達の育種師、エンドレク・サール》。フォールン・エンパイアのストーリーにてスラルを創造した人物です。そしてスラル達の祖体となったのが《Basal Thrull》という、まさに時のらせんが巡り巡る物語。

時のらせん・次元の混乱のスリヴァーは元ネタを踏襲しつつそれと関連付けた一種のリメイクとなっていました。ですが未来予知のスリヴァー達は様相が異なりました。未来予知には大量の新規キーワードが登場していましたが、《スリヴァー軍団》以外の全てにその新規キーワードが与えられています。未来に出会うかもしれない能力が、スリヴァーに託されたのです。前述したようにスリヴァーはどのような能力でも違和感なく持つことのできる、言い方は悪いですが便利なクリーチャーです。その新規キーワードを持っているクリーチャーがただ一体しかいなければ、よほど強力でもない限り触ってもらうのは難しいでしょう。ですがスリヴァーなら? ……結果、プロツアー・サンディエゴ07にて毒殺の嵐が吹き荒れました


悪性スリヴァー


ちなみに未来予知のカードデザインについての公式記事「Magic, Now With G5-27 Attachment!」(未訳)にはこの《悪性スリヴァー》について今読むとニヤリとする事が書かれています。抜粋して翻訳します。

有毒X (このクリーチャーが戦闘ダメージをプレイヤーへと与えた時、そのプレイヤーはX個の毒カウンターを得る。10個以上の毒カウンターを持っているプレイヤーはこのゲームに敗北する。)
 オーケー、それは薄い空気の中から現れてはない。このコンセプトは昔からあるものだ。だけどこのフレキシブルな形では存在しなかった。ウィザーズ社には毒カウンターの熱心なサポーターがいるので、もしこの未来予知の小片がいつか真の未来像となって現れても、私は全く驚かないだろう。


毒カウンターは真の未来になりましたねえ。
未来予知はマジックというゲームそのものの未来をも表現したエキスパンションです。そこにスリヴァーが登場していたこと自体、「マジックにおいて彼らが滅んだわけではないんだよ」というR&Dからの愛のこもったメッセージだったのかもしれません。そして……



4. 基本セット2014の衝撃

あれは忘れもしないゴールデンウィーク明け、日本時間2013年5月7日朝のことでした。何の前触れも無しに、

\スリヴァーだー!/

……の叫びがネットに響き渡りました。公式アカウントからのソーシャルメディアでの発表を辿ってみると、「The hive will return…(「群れ」が戻って来る……)」「This July. (この7月に。)」といった煽り文句とともに見慣れない人型生物が描かれたカードが数枚、ですがそのカード名とクリーチャー・タイプには「スリヴァー」の文字が……。







そのカード画像を見て、誰もが驚いたかと思います。よく見知ったあの尖った頭と鎌のような手ではなく、明らかに人型をした、なんかプ○デターとしか言いようのないようなその姿。おまけにテキストを見てみると、「Sliver creatures you control」……自軍のみの能力共有となっていました。当然、ネットのMtG界隈はその話題で盛り上がり、主に三つの疑問が提出されていました。

「何故またスリヴァー?」
「何故人型に?」
「何故能力が自軍のみに?」



私も同じようにそういった疑問が浮かんだのですが、もう一つ気になったことがありました。

「ここはどこだ?」




《鳴動スリヴァー》の背景は生い茂る緑の森、《鋼体スリヴァー》の背景は綺麗に澄んだ空。スリヴァーは非常に生息地が限られる種族です。マジックには多くの次元世界が登場してきましたが、スリヴァーが生息していたのは二つだけです。一つはもう存在しない次元ラース、これは荒れ狂う嵐の空と流動する大地の過酷な次元です。もう一つはそのラースが「被覆」した先のドミナリア。度重なる次元規模の大災害で疲弊し、今は「大修復」から復興のさなかにあるものの、まだ荒廃の爪跡も残っていると思われます。

不毛の大地

かつてスリヴァーが生きていたのは、どちらも厳しい土地でした。


基本セットには明確な背景ストーリーはありません。また過去のエキスパンションからの再録カードが多数あることから、その舞台となる次元も、それぞれの時系列も様々です。だとしたらこのスリヴァー達は、ラースとドミナリアの過去か未来なのか……と考えていた所で手がかりがありました。むしろ公式が手がかりを入れておいてくれたのでしょう。《戦闘スリヴァー》のフレイバーテキストです。




手がかりはこの最後の「Thunian scout」でした。Thunian……Thune。テューン。《テューンの戦僧》《テューンの指輪》のテューン。これはシャンダラーという次元の地名です。

テューンの大天使テューンの指輪


ああ、確かにシャンダラーならスリヴァーが人型でも仕方ないですね! 一件落着!!












いやいやいや! 何が仕方ないのか! 何で一見落着なのか!! そもそもシャンダラーってここ数年の基本セットでよく出て来るけどどんな次元なのか!!
第10回にも書きましたが、シャンダラーは1997年に発売されたPC版マジック:ザ・ギャザリングの舞台となった次元であり、純粋で豊富なマナで名高く、また魔法が身近な次元として知られています。また最近では《ヴェールのリリアナ》が身に付けているヴェールが安置されていたのがこのシャンダラー次元だという事がわかっています。更にはネットに流れるそのPCゲームの話、「道端にMOXが落ちている」「住人達が皆人外」等からどこか「何でもありの魔境」という印象が固まりつつある世界です。
とはいえ、真面目な解説もしっかり存在します。公式記事「The Planes of Planechase」(未訳)から、シャンダラーについて書かれた部分を引用して翻訳します。



シャンダラー、エローレン荒原


 シャンダラー次元は多元宇宙内の固定された位置にはなく、変わりに久遠の闇を不規則な進路でさまよっている。シャンダラーはマナが豊富で、プレインズウォーカーはその位置を制御することを切望した。エローレン荒原のような、野生の花や他の植物群が騒々しいほどにはびこる原野の土地。無害のように見えるかもしれないが、エローレン荒原は魔術師たちにとって危険を隠している。だいたい人間サイズの物体には魔法の刺が素早く巻き付き、それを永遠に「隠す」のだ。

多くのプレインズウォーカーが切望する、豊富なマナの次元。なんか別の次元思い出しますがまあそれはそれで。

スリヴァーというクリーチャーの起源は何処にあるのか、実はそれはわかっていません。何らかの形でラースのスリヴァーがシャンダラーに(もしくはシャンダラーのスリヴァーがラースに)持ち込まれたのか、はたまた二つのスリヴァーはスリヴァーという名を共有しながらも全く別の系統なのか、それすらも不明です。

そもそも、「Sliver」という単語は造語ではなく、英語の一般名詞です。手元の辞書には「(木・材木などの)細長い裂片」「細く裂く」とあります。なお中文版ではスリヴァーは「裂片妖」。M14スリヴァーとの遭遇について描かれた公式記事では《茨投スリヴァー》が身体から「裂片/ Sliver」を放ち、恐らく主人公はそれを見て「スリヴァー」と名付けたのでは、という流れになっています。


茨投スリヴァー

「Sliver」を投げるスリヴァー。


更に言いますと、この記事でスリヴァーに遭遇したハストリック氏は《戦闘スリヴァー》のフレイバーテキストで彼らはシャンダラーのスリヴァーだ、ということを教えてくれたまさにその人物なのですが、読む限り一介の斥候であろうこの人自身も何かシェイプシフター的な能力を持っているようで……シャンダラー怖い。

一方、背景的ではなくデザイン的に「スリヴァーが変化した理由」を、クリエイティブ・チームのダグ・ベイアーが個人blogで説明していました。結構長いのでその「スリヴァーが変化した理由」をピックアップしますと、

「以前のスリヴァーの姿では外見デザイン的な限界があった」
「基本セットは新規プレイヤー向けのものであるため、他のファンタジー生物のように表情や仕草で個性がわかるようにしたかった」
「これまでのスリヴァーとは違うという点がイラストでもわかるようにしたかった」


外見デザイン的な限界、というのはとてもわかりやすいかと思います。M14より前に登場したスリヴァーを数えてみますと既に76体もいます。基本の姿から外れないようにそれが持つ能力を表現するのは、イラストを発注する方ももう困難だったのでしょう。そして「表情や仕草」。確かに、ロボットのような無感情さこそがスリヴァーの特徴だと言えばそうかもしれません。ですが叫びを上げ、獣のように唸るM14のスリヴァーは「生き生きと」しています。過酷な世界でじっと耐えるのではなく、活発に動き回るスリヴァー達。マナが豊富で生命力に満ち溢れるシャンダラーの生き物としては、その方が自然だと私も思います。


吸管スリヴァー

これまでにない、「獰猛そうな叫びを上げる」スリヴァーもいます。


また上に挙げられた三つには入っていませんが、ロード系の強化能力持ちクリーチャーはここ数年「自軍のみ強化する」という方向になっています。基本セット2010の公式記事「倍はイケてる」では《清浄の名誉》《栄光の頌歌》を比較し、また《皺だらけの主》《萎れ葉のしもべ》といったカードを挙げながら「自分だけに効くってのは今や普通になってきてるのさ」と、つまり「ロードは自軍のみを強化する」ということが主張されています。
確かに、ロード系クリーチャーを昔と今とで比較してみると、今は「自軍のみ強化」が圧倒的です。M14スリヴァーのシステム変化も、この流れに乗ったものなのではないでしょうか。

アンデッドの王ゴブリンの王

墓地を刈り取るものゴブリンの酋長

ロード今昔。同じ種族強化でも、確かに違います。




5. ここで特別企画~全部のスリヴァーを出したら《メタリック・スリヴァー》はどうなるの?~
※多相クリーチャー及び《霧衣の究極体》は含めないものとします


Q. 《ヴェンセールのスリヴァー》じゃないんですか?
A. 一応、最初のバニラスリヴァーに敬意を払いまして……



どうだこの能力の数! 《怒りの天使アクローマ》だろうが《鋼の風のスフィンクス》だろうがかかってこいよ!! (防衛)



6. 最後に

突然の再登場に、まもなく発売の新セット「テーロス」にもスリヴァーは入るのでは? と期待した人も多かったと思います。ですがテーロスはギリシャ神話ベースの世界であり、ケンタウルスやサイクロプスといった「古典的」クリーチャーがメインのため、残念ながらMtGオリジナル生物のスリヴァーが入る余地はないようです。
とはいえ、彼らはこの先もまたどこかで、忘れかけた頃にきっと登場するのでしょう。\スリヴァーだー!/ の驚きの声を私達に上げさせながら。

それでは、まさにM14スリヴァーの全てを表現していると言える《捕食スリヴァー》のフレイバーテキストで今回の記事を締めたいと思います。

スリヴァーがどれだけ変化しようとも、その集まることによる強さは変わることがない。

(終)


※編注:記事内の写真は、以下のサイトより引用させて頂きました。
『MTG Salvation / Return of Slivers』
http://forums.mtgsalvation.com/showpost.php?p=10157451&postcount=1
『「スケープ」の囚人/または私は如何にしてスリヴァー達と遭遇し生還したか』
http://mtg-jp.com/reading/translated/ur/023047/