プロプレイヤーによる『カラデシュ』のプレインズウォーカー評

渡辺 和樹

渡辺 和樹

By Kazuki Watanabe


 『カラデシュ』の新カードが続々と発表されていますね。皆さん、プレインズウォークする準備はできていますか?

 ストーリーでは今回もプレインズウォーカーが大活躍するようですが、我々が気になるのは、やはりカードとしての能力!


反逆の先導者、チャンドラ生命の力、ニッサ
サヒーリ・ライドビン・バーン


 カード化したのは4人。カラデシュ出身の《反逆の先導者、チャンドラ》。彼女を追ってプレインズウォークした《生命の力、ニッサ》。カラデシュ最高の技師にして発明家である《サヒーリ・ライ》。そして、チャンドラたちがカラデシュに渡る契機ともなった《ドビン・バーン》

 そこで今回は、これらのプレインズウォーカーについてHareruya Prosの高橋 優太さん井川 良彦さん原根 健太さんにお話を伺いました!

 それでは、最後までお楽しみ下さい!


《反逆の先導者、チャンドラ》



反逆の先導者、チャンドラ



高橋: 「次のスタンダードは、このチャンドラを中心に回るのではないか?と思わせるくらい強力です。1つ目の「+1」能力は、前半の『唱えてもよい』、後半の『2点ダメージ』という2種類が内包されているので、実質忠誠度能力が5つあるようなものですね。鍵を握るのは、2つ目の『+1』能力を活かせるかです。赤2マナを有効活用できれば……《チャンドラの誓い》はどうでしょう?1マナを足して《コジレックの帰還》もありますね。次のターンには7マナなので《世界を壊すもの》という動きも強そうです。『-3』能力の4点火力も、『タフネス5』の評価を変えるかもしれません。いずれにせよ、『このカードを使ってみたい!』という人が多いので、大流行すると思います。環境を支配するかどうかは、『チャンドラを倒すカード』がどれだけ強いか、にかかっていますね」



井川: ランプにとってベストカードが来た、という感じです。《爆発的植生》のようなマナブーストするカードの弱点は、そのターン無防備なことなのですが、このチャンドラならマナブーストをしながら、火力を飛ばしつつ自身が居座ることができます。2ターン目にマナクリーチャー、3ターン目にチャンドラ、4ターン目に《世界を壊すもの》という動きは試してみたいですね。ただし、気になるのは他のプレインズウォーカーの存在です《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》に対しては無防備になってしまいますし、《生命の力、ニッサ》も脅威です。最初は『これはとても強いカードが来た』と思ったのですが、考える内に徐々に落ち着いてきた感じですね。強いことは間違いないのですが、手放しで高評価をすることがないように、慎重に見極めたいと思います。モダンやレガシーで活躍する可能性もありますね。『ジャンド』で試してみたいです」



原根: 「『忠誠度をプラスする能力が安定していない』、そして『自分を守れない』プレインズウォーカーは、個人的に評価が難しいんです。1つ目の能力は安定しませんので、そうなると2つ目の能力を活かせるかどうか、ということになりますね。夢のあるカードなのは間違いないですし、高評価なのも分かります。ただ、まだ具体的な使い方を考えていない人も多いんじゃないでしょうか?『多分、ランプとかに入るんじゃないかな』というように。『デッキにしてこそカード』だと思うので、これから考えてみたいと思います」



《生命の力、ニッサ》



生命の力、ニッサ



高橋: 「彼女が『チャンドラを倒すカード』の筆頭だと思います。『+1』能力を使えば、5/5、速攻。初期忠誠度4のチャンドラが『+1』能力を使っていたとしても、一撃で落とすことができます。『ミシュラランド』と違って、次のターンまでクリーチャー化しているのが良いですね。ブロッカーとして残しておくことができるので、自分を守ることができますから。『-3』能力は、自分を回収することができるので、『-6』能力を気兼ねなく使えます。紋章を得て、次のニッサを出して、回収して……。『-6』能力は当然ながら非常に強力で、コントロールが相手だったら、この紋章1つでゲームエンドですね。『+1』能力を1回使用すれば良い、というのも注目です。《不屈の追跡者》がいれば2ドローに繋がるのも忘れずに」



井川: 「スタンダードで言えば、チャンドラよりも強いのでは?『+1』能力と『-6』能力を主軸に使うと思います。『+1』能力があるので、5マナ5点、いや、次のターンも攻撃できる可能性が高いので、擬似的な10点火力に相当するかもしれません。『先手5ターン目のニッサ』は非常に強そうです。ブロッカーにもなれるのが良いですね。チャンドラの評価に慎重にならざるを得ないのは、このニッサの存在です。『チャンドラを出したけど、次のターンでニッサに倒された』ということもあり得るので。デッキに組み込むとすれば、マナカーブの頂点に置くのが良いと思いますね」



原根: 「これは強そうですね。『+1』能力が安定していますし、相手のターンもクリーチャー化しているので、自分を守ることができます。プレインズウォーカーは、出たターンが一番危険ですからね。《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》《ゼンディカーの代弁者、ニッサ》のトークン生成、《最後の望み、リリアナ》の-2/-1修正のように、忠誠度を減らすことなく自分を守ることができるのは高評価です



《サヒーリ・ライ》



サヒーリ・ライ



高橋: 「現状では評価が難しいカードです。2ターン目に出した何かを『-2』能力でコピーするのが主な使い方になるのか、それとも《奔流の機械巨人》などの『機械巨人』サイクルをコピーするのか……あ、《高速警備車》が居ますね。個人的に注目しているカードです。これなら10点火力のように使えます。積極的に『-2』能力を使用して、ETB能力と組み合わせるのが第一感でしょうか。《希望を溺れさせるもの》のようなエルドラージとも相性は良いですね。組み合わせ次第なので、無条件に強いカードではないと思います」



井川: 「3ターン目に唱えて『+1』、4ターン目《高速警備車》に『-2』、10点!というのが、すぐに思いつきました。あとは、《ラスヌーのヘリオン》をコピーして前のめりにビートダウンしていくのも考えられます。鍵となる『-2』能力の強さが相方次第なので、フルスポイラー待ち、というところでしょうか。『機械巨人』サイクルでは重すぎるので、4マナのカードがどれだけ強いか、でしょう」



原根: 「単体で決定的な仕事ができるわけではないので評価は難しいです。しっかりとデッキ全体で活かしてあげることができれば、3マナという軽さも合わせて評価が高くなると思います。組み合わせるカードが定まって、3ターン目に唱えて4ターン目にコピーと上手く繋ぐことができれば。能力もコンボ向きですよね。占術でカードを探しながら、2つのマイナス能力でコンボ開始、といった感じで「サヒーリ◯◯コンボ」なんていうデッキが考えられるかもしれません」



《ドビン・バーン》



ドビン・バーン



高橋: 「まずは『+1』能力で止めたい起動型能力ですが、《無私の霊魂》が候補ですね。『これから《次元の激高》打ちますよ』というブラフにもなり得ます。『+1』能力を突破するために、必然的に相手はクリーチャーを展開することになるので、そこで《次元の激高》というのは1つの形ですよね。『-1』能力を3回起動できて『6点ゲイン、3枚ドロー』になれば御の字ですが、果たして間に合うかどうか。白青という色には《反射魔道士》《呪文捕らえ》が居るのでそこそこ良いとは思うのですが、《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》、そして《大天使アヴァシン》というライバルが居ますからね。現代のスタンダードは、『4マナはゲームを決定付け、5マナはそれをひっくり返す』という状態なので、少し悠長過ぎる気がします」



井川: 「『+1』能力でマナ・クリーチャーを止められるのが目に止まりましたが、『-7』能力(奥義)が遠いですね。奥義に無理矢理つなげるようにプラス能力を連打する動きは、あまり強くない可能性があります。それから、青白という色拘束も気になります。このカードが輝くのは、まさに『青白コントロール』だと思うので、重たいコントロールが活躍できるならば……。それでも、《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》という強力なライバルがいます。気が早いかもしれませんが、次のローテーション後はわかりません。あの《思考を築く者、ジェイス》も、発売当初はほとんど使われなかったので、同じようなことになる可能性はありますよ」



原根: 《次元の激高》のような全体除去を打つ際、《無私の霊魂》を対象に取って対処できるのは大きいです。これまでの環境では、インスタントタイミングでクリーチャーを展開させる《集合した中隊》という天敵が居たため、ソーサリー主体のコントロールは居場所がなかったのですが、ローテーションによって状況が変わるかもしれません。ただ、カード自体は全体的にインパクトが少なくて、見かけ以上のことはしないと思います。完全に守備的なカードですよね。維持しづらいのに、維持しなければ輝けそうにないのが残念です。複数枚手札に来ても持て余しそうですし……。環境的に『青白コントロール』が求められるようになれば分かりませんが、いずれにしても、4マナのプレインズウォーカーにはライバルが多いですし、《ドビン・バーン》にしかできない仕事ができれば、といったところでしょうか」





 プロプレイヤーによるプレインズウォーカー評論、いかがだったでしょうか?

 まず、プロプレイヤーは《反逆の先導者、チャンドラ》に対して次の段階を見据えています。「強力である」という前提で、高橋さんは「チャンドラを倒すカード」として《生命の力、ニッサ》を挙げていますし、井川さんの「手放しで高評価をすることがないように」、そして原根さんの「デッキにしてこそカード」という言葉も印象的ですね。

 《生命の力、ニッサ》は、流行するであろう《反逆の先導者、チャンドラ》に対するカードとして、そして、自身を守れるプレインズウォーカーとして、かなりの高評価でした。「ミシュラランド」との違い、見落とさないように注意しなければなりません。

 『カラデシュ』を代表すると言っても過言ではない《サヒーリ・ライ》に関しては、揃って「組み合わせ次第」という答え。コピーする対象を求めて、カードリストを見返すのも良いかもしれません。


ブライトハースの指輪玄武岩のモノリスゴブリンの大砲


 ちなみに高橋さんに「『-7』能力で持ってくる3枚のアーティファクト、何か面白いものはありませんか?フォーマット問わず」とお聞きしたところ、「《ブライトハースの指輪》《玄武岩のモノリス》、そして《ゴブリンの大砲》」という無限マナ無限火力の組み合わせをいただきました。夢が広がります。

 《ドビン・バーン》に関しては、評価が辛めです。まさに重いコントロール向きのカードなのですが、なかなか活躍の場が見つからなさそうですね。とは言え、井川さんの「《思考を築く者、ジェイス》も、発売当初はほとんど使われなかった」という言葉のとおり、まだまだ発表されたばかり。環境は未知数ですし、青白の絡んだコントロールが環境に現れれば、間違いなく彼も活躍するはずです。



 プレインズウォーカーは、確実に環境で活躍します。「まったくプレインズウォーカーを見ない環境」というのは、現代のマジックではあり得ませんし、自分が使わなくても、対戦相手が使ってくる可能性は高いでしょう。

 プロプレイヤーは、それぞれの基準でカードを評価し、次の環境を見据えています。さぁ、次は我々の番です

《反逆の先導者、チャンドラ》は強力だから使ってみよう」
「だからこそ、チャンドラを倒せる《生命の力、ニッサ》を使おう」
《サヒーリ・ライ》の能力を最大限活かしてみよう」
《ドビン・バーン》が輝くコントロールデッキを組んでみよう」

 環境の初動は、あっという間に過ぎてしまいます。ぜひ、楽しんでくださいね。


 『カラデシュ』は9/30(金)に発売されます。アーティファクトによって彩られた華やかな次元で、果たして、どのような物語が展開され、どのようにプレインズウォーカーは活躍するのでしょうか?

 晴れる屋では、今回も予約キャンペーンを実施しております!

 詳しくは、下記リンクをご覧ください。





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