モダンデッキガイド: 「ジャンド・ムーン」

Jeremy Dezani

Translated by Tsubasa Tomita, Kazuki Watanabe

皆さん、こんにちは!

今日は私が【グランプリ・リール2016】のために作成し、使用して11位を勝ち取ったデッキの話をしようと思います。このデッキの反響が良く、私の【Facebook】でも多くの質問やアドバイスを求める声を聞きました。そこで、ちょっとしたガイドを書こうと思ったのです。

Jeremy Dezani 「ジャンド・ムーン」 グランプリ・リール2016

Jeremy Dezani – ジャンド・ムーン
グランプリ・リール2016(11位)

4 《沼》
1 《森》
1 《山》
1 《血の墓所》
1 《草むした墓》
1 《踏み鳴らされる地》
4 《樹木茂る山麓》
4 《新緑の地下墓地》
3 《血染めのぬかるみ》
4 《黒割れの崖》

-土地 (24)-

1 《渋面の溶岩使い》
4 《タルモゴイフ》
4 《闇の腹心》
2 《ゲトの裏切り者、カリタス》
1 《ピア・ナラーとキラン・ナラー》

-クリーチャー (12)-
1 《殺戮の契約》
4 《稲妻》
4 《コジレックの審問》
2 《思考囲い》
4 《終止》
1 《戦慄掘り》
4 《血染めの月》
4 《ヴェールのリリアナ》

-呪文 (24)-
2 《集団的蛮行》
2 《粉砕の嵐》
2 《墓掘りの檻》
1 《呪文滑り》
1 《吸血鬼の夜鷲》
1 《スラーグ牙》
1 《思考囲い》
1 《古えの遺恨》
1 《ラクドスの魔除け》
1 《滅び》
1 《仕組まれた爆薬》
1 《虚無の呪文爆弾》

-サイドボード (15)-
hareruya

血染めの月


《血染めの月》は「ジャンド」に対する強力な武器です。これがこのデッキに良い理由の一つであり、こんな武器を仕込んでいるなんて誰も考えていません。「ジャンド」にとって最悪のマッチングであろう「赤緑トロン」や「バントエルドラージ」に対しても、この《血染めの月》を採用することで、とても有利に戦うことができました。どれだけ基本土地を運よく引き込めたとしても、《血染めの月》の下ではやりたいことができないので、もしもあなたが全くプレッシャーを感じないような戦況ならば、そのまま勝ってしまうことが多いでしょう。

ヴェールのリリアナ


《血染めの月》《ヴェールのリリアナ》の相性も良く、相手は「呪文を唱えられないままカードを捨てることになって、リリアナの奥義を使われる」というループに入るでしょう。「感染」や「Super Crazy Zoo」に対しても《血染めの月》をがら空きの盤面に唱えられたら、絶望的な状況です。大会初日に当たった「親和」を使う相手にメインデッキの《血染めの月》に関して聞いたらこう言ってくれました、「メインに《血染めの月》が入ったデッキと当たってしまうなんて運が悪すぎる、もう笑うしかない」と言っていました。「バーン」相手には少し遅いかもしれませんが、少なくとも相手は《ボロスの魔除け》《アタルカの命令》《稲妻のらせん》は使えないでしょう。なぜなら相手は基本の《山》とそれ以外の土地しか使えないからです。

《血染めの月》のための構築
大渦の脈動漁る軟泥
タルモゴイフ突然の衰微


《血染めの月》を使いながら3色のマナを使うのはとても大変です。そこで私は「ジャンド」というよりも、「ラクドス(黒赤)に《タルモゴイフ》のための緑をタッチしたデッキ」を仕上げました。《タルモゴイフ》の代わりになるカードを探したのですが、黒赤のカードプールのすべてを見てもこの《タルモゴイフ》を上回るカードはなかった。その代償として《突然の衰微》《大渦の脈動》《漁る軟泥》はデッキで使えなくなりました。《突然の衰微》は何とかして使いたかったんですが、メインに緑絡みのカードは極力少なくしたいということに気づきました。そして、《強情なベイロス》《台所の嫌がらせ屋》は緑のダブルシンボルなため、サイドボードに入れたとしてもプレイはできないでしょう。そう、《血染めの月》のメインボード採用を実現させるために、様々なことを犠牲にしているのです。

マナベースの調整
新緑の地下墓地


まずは《怒り狂う山峡》《樹上の村》のようなクリーチャー化する土地は使いません。これはタップインする土地を序盤で使わずに済み、すべてのカードを適正なマナカーブ上で使えるという利点があります。マナベースは《血染めの月》を利用する準備として、基本土地を持ってくるためのフェッチランドが主軸です。《山》が1枚なのは7枚もフェッチランドがあれば何とかして持ってくる手段があるでしょうし、少しでもライフを温存できることはとても良いことです。アグレッシブなデッキと対戦する際、1ターン目の《稲妻》、2ターン目の《終止》を打つために、《山》がないことで3点ものダメージを受けるのは、あまりにも酷すぎます。

一番重要なフェッチランドは《沼》《森》も持って来ることができる《新緑の地下墓地》です。その他のフェッチランドではこの選択肢がありませんし、《血染めの月》を唱える準備をするためにも不十分です。《ヴェールのリリアナ》《ゲトの裏切り者、カリタス》、両方を使うには4枚の《沼》が必要です。《血染めの月》によって《山》に変身しない《沼》《森》は、できる限り素早く持ってくるべきです。

サイドボードのすすめ

サイドボードに有効なカードと、どのマッチングに適してるかをまとめました。

《集団的蛮行》:「バーン」「感染」「serum vision decks」「赤緑トロン」
《古えの遺恨》:「親和」「アドグレイス」「トロン」「ランタン・コントロール」
《粉砕の嵐》:「親和」「ランタン・コントロール」
《神々の憤怒》:「親和」「発掘」「白黒緑ジャンク」「感染」「白黒トークン」
《滅び》:「ジャンド」「エルドラージ」「親和」「感染」「スーパークレイジーズー」「白黒トークン」
《スラーグ牙》:「バーン」「ジャンド」「ジャンド」「各種コントロール」「スーパークレイジーズー」
《吸血鬼の夜鷲》:「バーン」「親和」「スーパークレイジーズー」
《墓掘りの檻》:「発掘」「ジェスカイナヒリ」「キキコード」
《真髄の針》:「ジェスカイナヒリ」「親和」「感染」
《虚無の呪文爆弾》:「グリクシスコントロール」「アブザンジャンク」「発掘」「死せる生」
《虚空の力線》: 「発掘」「死せる生」
《仕組まれた爆薬》:「スーパークレイジーズー」「親和」「感染」「白黒トークン」
《呪文滑り》:「親和」「スーパークレイジーズー」「感染」「バーン」
《外科的摘出》:「発掘」「各種コンボ」

最近使用しているリストはこちらです。


Jeremy Dezani – ジャンド・ムーン(改良版)

4 《沼》
1 《森》
1 《山》
1 《血の墓所》
1 《草むした墓》
1 《踏み鳴らされる地》
4 《樹木茂る山麓》
4 《新緑の地下墓地》
2 《血染めのぬかるみ》
4 《黒割れの崖》

-土地 (23)-

1 《渋面の溶岩使い》
4 《タルモゴイフ》
4 《闇の腹心》
2 《ゲトの裏切り者、カリタス》

-クリーチャー (11)-
4 《稲妻》
4 《コジレックの審問》
3 《思考囲い》
4 《終止》
1 《集団的蛮行》
4 《血染めの月》
4 《ヴェールのリリアナ》
2 《紅蓮の達人チャンドラ》

-呪文 (26)-
3 《集団的蛮行》
2 《古えの遺恨》
2 《ラクドスの魔除け》
2 《墓掘りの檻》
1 《スラーグ牙》
1 《神々の憤怒》
1 《コラガンの命令》
1 《粉砕の嵐》
1 《仕組まれた爆薬》
1 《虚無の呪文爆弾》

-サイドボード (15)-
hareruya


《紅蓮の達人チャンドラ》は大きなアドバンテージをもたらしてくれます。《未練ある魂》《若き紅蓮術士》のトークンを一掃してくれますし、《血染めの月》があれば彼女を唱えることはとても簡単です。初手が《コジレックの審問》《思考囲い》で始まり、後から《闇の腹心》《ヴェールのリリアナ》《血染めの月》と続いたらとても強力なので、これが7枚もの手札破壊をメインに積んでる理由です。《集団的蛮行》は手札に余った《血染めの月》や余分な土地を用いて、主に除去と手札破壊に使います。

新しい《反逆の先導者、チャンドラ》からは目が離せません!このデッキには最高のカードだと思います。

反逆の先導者、チャンドラ


《金線の使い魔》も「バーン」、《刻まれた勇者》を用いる「親和」そして、ミラーマッチでも役立つ良いサイドボードになりそうです。



ここに、《血染めの月》がどれだけ強力か、対抗する手段を講じていなかった対戦相手とのスクリーンショットを並べておきます。







ここに私とRaphael Levyが語った公式カバレージのデッキテックもあるので、もし良かったら見てください!
【グランプリ・リール2016カバレージページ(英文)】

私がグランプリ・リール2016を楽しめたように、このデッキを使用して、皆さんが大会を楽しんでくれることを願っています。

Jeremy Dezani

この記事内で掲載されたカード


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