どうも若月です。
ラヴニカへの回帰ブロックについては前回・前々回で書ききったと思っていました。ですが気づいてしまいました、「迷路走者なのにその記事二本に名前すら出ていなかった奴」がいることに……
ヴォレルのことかーーーっ!!!
「旧ラヴニカブロックでもRTRブロックでもシミックは目立たなかった」と前々回書きましたが、まさか名前すら出さなくて済むとは思いませんでした。嬉々としてキオーラの話をしていながら肝心のシミックキャラについて一言も触れてなかったとは。正直すまんかった。
まあそれに第11回では旧ラヴニカブロックのギルドマスターだけでなくギルドチャンピオン(当時そういう呼び名はありませんでしたが)達についても説明しましたし、RTRブロックでやらないのは不公平だよね。ということで第19・20回のおまけとして、今回は迷路走者達についてお話します。
1. 全走者入場!
ラヴニカ記事では毎度、「どういった順番で紹介すればギルド間の公平性が保てるか」が悩みの種です。今回は走者紹介ですので、DGMの小説『Dragon’s Maze; the Secretist part three』にあった「迷路走者の名乗り順」そのままに進めさせて頂きます。つまりオチはアレです。
■ボロス軍:軍勢の刃、タージク
ボロス軍は旧作において主人公ポジションのギルドでした。そのためか、第19回でも書きましたが回帰ブロックの物語における露出度は低めでした。小説におけるタージクの出番も、言ってしまいますがほとんどありませんでした。走者としての名乗りも、
「ボロス軍、ギルド魔道士タージク」
とごくシンプルなものでした。タージクが最も注目されたのはドラゴンの迷路プレビューにおける同じ迷路走者、《幽霊の特使、テイサ》のプレビュー記事でした。とても誠実かつ紳士的な態度はテイサが柄にもなくときめいてしまう程。また第19回にも書きましたがギデオンとも意気投合し、破壊不能コンビとして活躍していたようです。
公式記事「プレインズウォーカーのための『ギルド門侵犯』案内」によればタージクは「ボロス最高位のギルド魔道士」なのだそうです。破壊不能、大隊達成で+5/+5という強靭な肉体のギルド魔道士。ボロス軍の兵士は魔法で寿命を延ばしたり肉体を強化したりしていまして、思えば前作主人公のコス爺さんも110歳という年齢で現役の警察官でした。まあこれは「ラヴニカの一年は短い」という説もありまして、その両方かもしれません。
やはりこれか。お手軽にあなたも破壊不能!
■アゾリウス評議会:第10管区のラヴィニア
「あなたを逮捕します!(4マナだもん)」
ジェイスヒロインズの一人ラヴィニア。まず、彼女がアゾリウスの拘引者となった経緯は公式記事にて語られていました。彼女はアゾリウスの学院を卒業したばかりの兄をラクドスの凶漢に殺されたことから、拘引者となって秩序を成すことを誓いました。妹キャラだった! ラヴィニアは本人のカードの他に複数のカードのフレイバーテキストに登場しており、軽めの口調がいい感じに可愛らしさを醸し出しています。
《拘引》フレイバーテキスト
「あんたの罪なら立証してやるわ。うちらが無実の者を拘引するわけないでしょ。」
――第10管区の拘引者、ラヴィニア
《装甲輸送機》フレイバーテキスト
「うちの牢屋もこのぐらい頑丈ならいいのに。」――第10管区の拘引者、ラヴィニア
ラヴィニアはRTRブロック小説に三作続けて登場していました。ジェイスの研究室の破壊とラクドス教団の襲撃(前回参照)の調査に携わったことから彼と関わりを持ちます。現場の調査に現れた時、彼女は不審な精神魔術師を発見して参考人として来るように要求します。彼は拒否し、逃げるとともに共犯者のルーリク・サーを残して逃亡しました。そしてルーリク・サーによって部下が何人も負傷したことから、ラヴィニアは治安を乱す存在としてジェイスを快く思わず、彼を拘引できる機会をずっと窺っていました。
ですがギルドパクトは泣く子も黙るアゾリウス製。したがってジェイスがそのギルドパクトとなった後は多少なりとも彼を認めたのかはたまた監視していたいと思ったのか、DGM小説のエピローグでは建設中のギルドパクト庁舎を訪れ、今後についてジェイスと話し合っていました。
「俺を逮捕するチャンスですよ、拘引者さん」
「そんな事はできませんよ、生けるギルドパクト様」
(小説『Dragon’s Maze; the Secretist part three』 より)
これはデレた……のか?
■ゴルガリ団:縞痕のヴァロルズ
ヴァロルズはRTRブロック小説の第一作(RTR)と第三作(DGM)に、どちらもチョイ役といった程度出演していましたが、そのどちらでも完全に敵役といいますか、ゴルガリ団の縄張り守るべく立ちはだかる怪物役でした。RTR小説ではジェイスがイマーラを探しに地底街へと向かった時に、DGM小説では走者として。カードも本人と、フレイバーテキストが……無い!! 《墓所への乱入》に名前が出てるだけだった!!
あれだよ旧ラヴニカブロックでゴルガリ団も主人公ポジションだったから……ジャラドさん超格好良かったから……それにしてももう二つの主人公ギルド(ボロス・オルゾフ)に比べても扱い小さすぎやしませんか。
■グルール一族:自由なる者ルーリク・サー
ジェイスはまっすぐに向かうのが賢明だと判断し、グルールの戦団へと近づいた。「やあ、ルーリク」
ルーリク・サーと彼の部下達は一斉に振り向いた。
「ルーリクはこっちだ」 そのオーガの左側の頭が、右へと傾けて言った。「俺はサー」
そう、彼らは二つの頭にそれぞれ別の名を持っているのだった。ジェイスは彼らをある種の兄弟のようなものと考えたが、それは正確ではないようだった。彼らは首から下は一つの存在なのだから。
(小説『Gatecrash; the Secretist part two』 より)
「ルーリク・サー」というよりは「ルーリク&サー」でしょうか。一つの身体に二つの頭を持つ「双頭巨人」です。マジックにおいて双頭巨人の歴史は古く、その初代である《Two-Headed Giant of Foriys》は何とアルファ版から存在します。
グルール全体を統べるギルドマスターは《怒れる腹音鳴らし》ですが、ルーリク・サーは「腹音鳴らしに挑んで、生きて戻ってきた唯一の存在」なのだそうです。小説では三作続けて登場していました。割と出番は多く扱いも良く、ジェイスと拳を通じてわかり合い、また彼を狙ってやって来たラクドス教団の相手を引き受けて漢らしさを見せつけてくれていました。公式記事でも気持ちよく暴れ回っていましたが、そこで気になったことが。
(記事より抜粋)
「3つ……それと、ああ、2つ? ……それともうひとつ」 彼は斧の手を持ち上げた。「で、8つか?」
「そのくらいだ」
君ら一桁の足し算できないのかよ!!
■シミック連合:育殻組のヴォレル
再度すまんかった。どうにも不遇なシミックです。まあでもテーロスの物語では緑青小神クルフィックスが結構重要な役割を果たしてるみたいよ? いや何の慰めにもなってねーよ!
話がそれました。ヴォレルはそのフレイバーテキストが示すように、かつてはグルールに所属していました。
「私はかつて石を投げ、肉片を火で炙って食していた。今の私を見ろ。これでもシミックに無限の可能性がないと言えるのか?」
彼はグルールの野蛮さよりもシミックの知性に惹かれて所属ギルドを変え、その「生命を改良する」ことへの情熱に感服して自分自身を進化させました。小説では三作目(DGM)に少しだけ登場、ジェイス&イマーラと迷路レースの最中に遭遇していました。その際二人へと向けた台詞が、
(イマーラへ)「エルフか。古臭い種族だ。しかも未修正、未進化。すぐに退化するだろう」
(ジェイスへ)「人間。未修正か。だがまだ可能性を秘めている」
(共に小説『Dragon’s Maze; the Secretist part three』 より)
ジェイスへの評価の方が少し良いのは自分が元人間だから? 最初はこのように二人を見下していましたが、後にヴァロルズ相手に苦戦していた所を二人に助けられてからは素直になり、ゴルガリ団の縄張りを抜けるまではと一時協力していました。
そういえばシミックの走者について、おなじみDoug Beyerが興味深い質問に答えていました。要約します。
Q: イゼットは迷路レースに勝つために走者を創造しましたが、シミックは何故創造しなかったのでしょう?
A: それはイゼットが迷路レースで優位に立つための戦略だ。彼ら早くから迷路の存在を知り、準備をしていた。他のギルドへと迷路の存在を明かしはしたが十分な準備の時間は与えなかった。
シミック特製迷路走者……確かにシミック連合はバイオテクノロジーのギルドであり、実験の産物なのであろう怪しいクリーチャー・タイプのカードが多数存在します。ヴォレルも「人間・マーフォーク」。でもマーフォークがそもそも魚人なのに更に人間成分を混ぜて何してるんだ、四分の一魚で四分の三人間ってことなのか。ツッコミは尽きないのでした。
■オルゾフ組:幽霊の特使、テイサ
旧作主人公の一人テイサ。現在はオルゾフのギルドマスターである《幽霊議員オブゼダート》の声を伝える「大特使」の地位に就き、実質的にギルドを動かしています。各種資料から旧ラヴニカから回帰までの時間経過は30-40年程と推測できますので、今回のテイサは恐らく50-60歳程と思われます。とてもそうは見えない美しさ!
彼女が「オルゾフの代表」として登場することには何の不思議もないのですが、「オルゾフの走者」として登場する、とわかった時は少し困惑しました。旧作小説『Guildpact』にありましたが、実はテイサは若い頃から片脚が不自由です。オルゾフでも高い地位にある一族は血統を守るために近親婚を行うことが多く、それが原因と推測されます。その話中でも「伯父様」がテイサをセクハラ目線で見るというちょっと危うい場面がありました。
ですので「迷路走者」としてテイサが再登場すると知って、私は嬉しかったと同時に「どうやって走るの?」と疑問でした。「スラルが担ぐ豪奢な輿か何かに乗って進むんだろう」と考えていましたが、結局テイサがどうやって「走って」いたのかは何処にも描かれていませんでした。旧作ではその設定をたまに忘れるくらい精力的に動き回っていたので、自力で走っていた可能性もありますが。
そして「旧作で活躍したギルドは今作では目立たない」の法則通り、テイサも出番は多くありませんでした。小説ではDGMにのみ登場、オルゾフのギルド門前でジェイス達を妨害するも彼の精神魔法の強さを知って渋々二人を通していました。ですがテイサが注目を集めたのは、ドラゴンの迷路プレビュー週間に発表された公式記事でした。タージクの真摯な言葉にテイサが頬を赤らめるというシーンに「萌えた」人も多いでしょう。そしてこの記事最後で「オブゼダートを破壊する」という計画を口にした彼女ですが、それがどうなったかは……次の「回帰」待ち、かな?
■ラクドス教団:ラクドスの血魔女、イクサヴァ
ギルドマスター・ラクドスお気に入りの血魔女イクサヴァ。そういえばラクドス教団の「ギルドからの手紙」を書いてくれたのは彼女でした。血魔女はラクドス教団の幹部であり、イクサヴァはその中でも現在最も力を振るっている存在です。また自ら狂気の騒乱を指揮するだけでなく、本拠地リックス・マーディにて政治的な活動も行う頭脳派であるようです。
小説には三作続けて登場、イマーラの誘拐(前回参照)に携わったことでジェイスと関わります。ラクドスのナイトクラブに赴いた彼と対決し、精神を読まれ幻影で騙されたことに憤慨してジェイスを付け狙うようになります。最終的に部下の狂信者達を率いてジェイスを狩りに向かいましたが、ジェイスと対峙した所でニヴ=ミゼットによる迷路レース開催の演説を聞いてからは彼女の興味はすっかりそちらへ移ったようです。確かに「全ギルドの代表者が一堂に会して勝負する」なんてお祭りを一番楽しみそうなのはラクドス教団員ですよね。
■ディミーア家:精神を飲む者、ミルコ・ヴォスク
他の走者達がそれぞれギルドを主張する衣装を纏う中、半裸が寒そうな吸血鬼ミルコ。もしかしたらディミーアの一部の伝統なんでしょうか。
ミルコは人間と吸血鬼からなる工作員達を従える、ディミーアではそれなりに地位のある存在です。吸血した相手から血だけでなく記憶や情報を奪うことができ、その能力を買われてかディミーアによる「暗黙の迷路」の調査に携わっていました。ミルコもRTRブロック小説では三作通じて登場、こちらもまた何度もジェイスの記憶を手に入れようと狙っていましたが、迷路レースが始まってからは大人しくしていました。前回記事で彼のぎこちない「名乗り」場面を訳しましたが、秘密を司るギルドだけあって注目されるのは苦手なんでしょうかね。ちなみにMOのアバター画像は渋くて格好いいよ!
あ、そういえば。ちょっと書いたジェイスの助手カヴィンについてですが、彼は記憶を消された後ディミーアに囚われ、恐らくミルコの手によって吸血鬼にされ、しまいにはラザーヴに始末されてしまいました。何の救いもねえ!!
■セレズニア議事会:イマーラ・タンドリス
ディミーアのギルドマスター、ラザーヴがセレズニアの騎士に変身して他ギルドへの敵愾心を煽っていた、とは前回書きました。彼(カロミール/Calomirというのがその騎士の名)は元々イマーラととても親しく、二人の絡みを見たジェイスが嫉妬を覚えた程です。
穏健派のイマーラはそのカロミール/ラザーヴの策略によって反乱分子とみなされ、一時「エレメンタルを召喚して使役する」能力をトロスターニから奪われて幽閉されてしまいます。ですがジェイスからそのカロミールは偽物だと知らされるとその正体を暴き、議事会へと告発します。そして釈放されて迷路走者として選ばれるも、未だ半信半疑の議事会によるバックアップは無く、彼女はただ独りでレースの開始地点へと現れました。そしてジェイスとともにレースを開始し、あとは前回書いた通りです。
そうそう、DGM小説でのエピソードにひとつ面白いものがあります。ラクドスのギルド門にてラクドス(本人)が姿を現し、その巨大な手でイマーラを掴んで握り潰そうとするのですが、そこでセレズニアの兵士やトロスターニが殺到してイマーラを助け出すというシーンがありました。今まで背を向けていた議事会がイマーラを認めて助けに現れるという熱い展開なのですがつまりこれは、
カード能力通り、両者引き分け。ちなみにイマーラのMOのアバター画像はなんか強そうで、5/7というP/Tと合わせてしばしばネタにされています。
■イゼット団:イゼットの模範、メーレク
ヴォレルの項目で触れた通りに、イゼット団は「迷路を最初に発見し調査を進めていた」というアドバンテージを利用し、専用の走者を創造しました。メーレクはそのクリーチャー・タイプ「奇魔」が表すように、二種類の対照的な元素の融合体です。それはそのまま、青と赤という相反する性質のマナからなるイゼット団そのものの体現でもあります。イゼット団的にはその技術を披露するという狙いもあったのでしょう……が、
ラル・ザレックの隣に立っていたエレメンタルが前に進み出た。その身体には魔力が火花を散らしていた。
「私はメーレク、迷路走者として――」
だが彼が造り物のような声で喋り、軽く頭を下げた時、ラル・ザレックが動いた。彼はメーレクを遮り、その手甲を掲げた。前触れもなく、ザレックは手甲をメーレクの背中に突き立て、稲妻をほとばしらせた。その手甲はエレメンタルの精髄を吸収し始め、メーレクは稲妻を纏いながら震えた。そして枯渇し、氷の塊だけが残った。
「俺はラル・ザレック、イゼット団を代表して迷路を走る者だ!」
(小説『Dragon’s Maze; the Secretist part three』 より)
前々回に書いた訳そのままだけど、死亡シーンを回想で何度も流されるアニメみたいなものだと思って我慢して。あともしかしたら出落ちに対するウィザーズからのお詫びなのか、ゲームデープロモになりました。かっこいいよ!!
ギルドマスター&チャンピオンが片っ端から死にまくった旧ラヴニカブロックとはうって変わって、今作ではメーレクが走者唯一、いえラヴニカへの回帰ブロックの伝説クリーチャー唯一の死者でした(既に死んでいるジャラド&オブゼダートは除く)。なお、走者全員が迷路を走破しなければ「アゾールの至高の評決」(前回参照)が発動してしまう所だったので、実はラルは結構危ないことをしていたのかも。
2. ジェイス・ザ・ギルドパクト
生けるギルドパクトとなったジェイス、彼がその後ラヴニカ世界でどう過ごしているのか。デュエルデッキ「ジェイスVSヴラスカ」の背景ストーリー短編小説が公式ウェブサイトにて公開されていました。
ドラゴンの迷路の物語完結からまだ然程月日は経っていないような頃。「ギルドパクト庁舎」が建造され、そこでジェイスはギルドパクトの仕事である各ギルド間の揉め事の調停を行っているようです。この話ではボロスのミノタウルス達に押しかけられ、補佐官となったラヴィニアの力を借りて対処していました。彼女とは随分と仲良くなったようで、来客をあしらいながら思考で会話するツーカー。
ところでジェイスのカードを「姿勢の変遷」に注目して見ていくと面白いことがわかります。
と、見事なくらい「プラスの方向」へと変化しています。根暗な少年がだんだん前向きに生きるようになっていったかのように。次はどうなるのだろう……と思っていましたら、
なんと髪型を整えてきました。デュエルデッキが発表された際に「倍返しだ!」が連呼されたのは記憶に新しいですが思うにこれは、ジェイスは今やラヴニカへと秩序をもたらすギルドパクトの化身として「公人」となったので、それらしく髪型を整えたのではないでしょうかね。
そう、ラヴニカへと法の秩序をもたらすのはアゾリウスを始めとする白絡みギルドの役目です。そしてデュエルデッキ:ジェイスVSヴラスカの新アートなのですが、どうもジェイス側にはアゾリウスの気配があります。
新しい《差し戻し》ではアゾリウスの拘引者の女性がその力を行使し、《朽ちゆくヒル》に狙われているのは楽しそうに談笑するアゾリウスのヴィダルケン達です。志村うしろー!
そしてマローが質問に回答していましたが、実は「白青ジェイス」は考えられていたそうです。
Q:ラヴニカへの回帰ブロックにて白青ジェイスを作ることは検討されましたか? 生けるギルドパクトという彼の新たな役割には合っていると思うのですが。
A:事実、我々は検討し、話し合った。だが彼がアゾリウスと深く関係するという印象を与えかねないことを怖れた。
実際ギルドパクトはアゾリウス製であり、ギルドパクトとなった以降のジェイスはアゾリウスと深く関わりを持っていることが上記の公式記事からわかるので、「白青ジェイスが検討されていた」という事実にはとても納得です。
でも青単から白青になったらなんかその話で死んでしまいそ……
もう一つ。ジェイスはプレインズウォーカーの知識をそうでない者へと知られることをひどく怖れていますが、実はギルドの長達はわりと「他の世界やそこから来た者達の存在」を知っています。今のところその面子はというと、
ニヴ=ミゼット 「ラヴニカの外に他の世界がある? 無論よ」
オレリア 「ボロスの天使は知っていますわ」
イスペリア 「アゾリウスの長に代々受け継がれる知識だ」
テイサ 「ディセンションの時に聞きましたので」
ジェイス 「……」
そしてジェイスは時々ラヴニカから離れてはまたふらりと戻ってきているようです。上司(ある意味)のイスペリアはもしかしたらもうジェイスの正体に気付いているかもしれませんよ?
上記の公式記事では「数日で戻るよ」と言いつつ、何故かガラクを気にしていました。ですがこれは友人として心配しているのではなく、ジェイスにとってガラクは潜在的な危険人物なので、ジェイスはこの先自分に振りかかるかもしれない災難を怖れてのこと、なのだそうです。
確かギルドパクト庁舎の窓ガシャーンされても困りますし、脅威を事前に防ぐ、せめて確認するために向かったのでしょうね。もしくはここでガラクの名前が出てきたのは基本セット2015の伏線なのかも?
3. 最後に
ラヴニカへの回帰ブロックの物語については今回で本当に語りきったと思います。落ち込んだりもしたけれど、ジェイスは元気です。ラヴニカの平和を担うという責任を負うことになったジェイスは、もしかしたら今後は基本セット以外には登場しにくくなってしまったかもしれません。彼はこのままラヴニカに腰を落ち着けるのか、それともある日何処かへ旅立ってしまうのか、はたまた将来のセットで「ラヴニカの平和を担うギルドパクトの化身が突然姿を消し、世界は云々」とかいう話が描かれるのか。いやただの妄想ですよ。
そして、ニクスへの旅の発売が迫っています。テーロスブロックの主人公はエルズペス。波乱に満ちた人生を送ってきた彼女の、この神々の次元での冒険もクライマックスを迎えようとしています。
つい先日、小説も発売されました。まだ読み始めたばかりですがこれでそろそろこの連載でテーロスブロックストーリーのお話もできそうです。楽しみに待っていて下さい!!
(終)
※編注:記事内の画像は、以下のサイトより引用させて頂きました。
『Planeswalker’s Guide to Journey into Nyx』
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/ur/293