「カオスドラフト」なる遊びをご存知だろうか。
言葉通りにドラフトの遊び方のひとつなのだが、では何がカオスなのかというと、そこで使うパックの組み合わせがいつもと違ってくるのだ。
通常のドラフトは同一のブロックに存在するパックを使用する。現在では最大でも2種類までのエキスパンションの組み合わせに限定される。
ところがこのカオスドラフトにはそのような縛りは存在しない。かつて発売されたあらゆるエキスパンションのパックを混在させた摩訶不思議ドラフトには「そのブロックのドラフトにおける定石」のようなものがないのだ。
本日、【第7期ヴィンテージ神挑戦者決定戦】が開催される晴れる屋トーナメントセンターで、このカオスドラフトがサイドイベントとして併催されることとなった。
普段なかなか目にすることも、ましてや実際に遊ぶ機会も珍しいカオスドラフト。その様子を少しばかり眺めてみよう。
ランダムな3パックの組み合わせが手渡され、各々最初に開封するパックを選択する。この開封順を自身が決める自由度もカオスドラフトの楽しさのひとつだ。
いざ開封の時。卓上には昔懐かしなカードの数々が。「ああ、そういえばこんなカードあったな~」と過ぎ去りし過日を振り返りながらパックの中身を吟味する時間は普段のドラフトでは味わえないだろう。
エキスパンションがそれぞれ異なるため、例えば「金属術」や「昂揚」のようなキーワードに沿ったアーキタイプドラフトは実行が難しい。ピックの方向性を見つけることは困難だが、3パックを回し、1枚ずつピックしていき、デッキを作る。この手順は同様なれば、そこはマジックプレイヤー。己の直観と経験を信じて最高のピックを目指すのみ!
なお、今回のカオスドラフトでは英語パックのカードテキストを確認したいといった場合、ドラフト中に電子機器を使用してオラクルを確認することがジャッジから認められていた。
さあ、ピックが終われば構築の時間だ。
《チョー=マノの祝福》《原初の怒声》《激励》《激励》《ブランチウッドの鎧》、そして《樫の力》!!
こちらのプレイヤーはクリーチャー強化カードを多数盛り込んだ白緑のビートデッキを構築したようだ。4マナ域には人気カード《磁石のゴーレム》の姿も。
隣に目を向ければ、そこで組まれたいたのは青黒緑の3色デッキ。単体で完結しているエルフのロード《傲慢な完全者》や《造物の学者、ヴェンセール》といった優秀なクリーチャーに始まり、リミテッドでは一際強烈な《沿岸の海賊行為》の姿が!
発売された年も、枠のデザインもそれぞれ異なるカードたちだが、こうして並べていくとひとつのドラフトデッキとして自然と調和しているように見える。もしかしたら時間の壁を越えた思わぬシナジーが見つかるかも?
駆け足ではあったが、カオスドラフトの魅力、その一旦が伝わっただろうか。普段とは一味違うドラフトに興じたくなったら、昔のパックを持ち寄ってみてはいかがだろう。
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