By Hiroshi Okubo
レガシーで戦い抜くのに欠かせないものの一つがサイドボードだ。物言わぬ15枚のカードたちは、しかれども雄弁にその存在を主張する。
数多のデッキとの戦いに備えるべく用意されるそれはいわば対抗意識の塊であり、当然そこにはプレイヤーたちの創意工夫が詰まっている。
本記事ではそんなシークレットテクの宝庫であるサイドボードについて、3名のプレイヤーに語ってもらった。
「エルドラージ」のサイドボードテク
◆ 菅谷 裕信(【グランプリ・北京2016】優勝)の場合
菅谷 「シークレットテクというほどのものでもありませんが、同型対策カードを少し多めに採用しました。というのも、エルドラージ同型は《虚空の杯》や《歪める嘆き》など不要になるカードが多いんですよね」
菅谷 「抜きたいカードと入れたいカードの枚数を合わせることを意識して、今日は《終末を招くもの》2枚と《漸増爆弾》2枚、《殴打頭蓋》1枚をサイドボードに入れています」
「デス&タックス」のサイドボードテク
◆ 高橋 優太(【プロツアー『異界月』】トップ8)の場合
高橋 「よく聞いてくれたね。今回は同型と対エルドラージ用に特別なカードを用意してきたんだよ」
高橋 「シークレットテク感あるでしょ? 残念ながら今日はこのカードの出番はなかったんだけど、今言ったような除去の薄いクリーチャーデッキには効果的だよ。《護衛募集員》からサーチもできるし、全国のデス&タックス使いは《Preacher》を1000枚買え!」
高橋 「あとはANT対策としてサイドに採用していた《審判官の使い魔》はすごく強かったからメインボードに入れてもよかったかも」
「白青奇跡」のサイドボードテク
◆ 高野 成樹(【BIGMAGIC Sunday Legacy vol.7】優勝)の場合
高野 「《コジレックの帰還》っすね。Joe Rossetをはじめとして海外の白青奇跡では最近よく使われてるんですけど、今日試してみたらめちゃくちゃ強かったです」
高野 「シングルシンボルのインスタントだから唱えやすいし、無色だからプロテクションも回避できるんですよ。《聖域の僧院長》で“6”を止められても《コジレックの帰還》なら問題ないですし、デス&タックスはもちろん感染やデルバー系のデッキにも効くのでオススメです」
メインボードと比べてあまり注目されることのないサイドボードだが、《Preacher》や《コジレックの帰還》などはプレイヤーの個性が垣間見えるカード選択と言えるだろう。
グランプリ・千葉2016に向けて、本記事がみなさんの参考になれば幸いだ。
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