【グランプリ・千葉2016】では本選だけではなく多様なフォーマットのサイドイベントを取り揃えている。
そのひとつ「ヴィンテージ選手権2016Winter」は、デッキこそあれど遊ぶ機会そのものが少ないプレイヤーにとってはまたとない機会となった。
大会が貴重であれば、そこに付随するカバレージを取る機会もそうそう訪れるものではない。この機を逃すまいと現地のテーブルに向かったところ、何やら『カラデシュ』のカードが多く搭載されているデッキがあるではないか。早速、デッキの使用者にインタビューを行った。
『カラデシュ』産アーティファクトが活躍するヴィンテージデッキ……そう、今回は新生MUDこと「アグロショップ」改め「カーショップ」(サンプルリストは【こちら】など)について話を伺うことにする。
ハヤシ トオル(神奈川)。ヴィンテージ専門(!?)チーム「チームりんてつ」のメンバーである(なお、チームの名称は彼の愛称に由来する)。
今大会にもチームメンバー数名とともに参加しており、ヴィンテージにかける意気込みが伝わってくる。
■ MUDを進化させた『カラデシュ』の発明品
ハヤシ: 「カーショップ」に入っている『カラデシュ』のカードは《高速警備車》《鋳造所の検査官》《ギラプールの宇宙儀》《領事の旗艦、スカイソブリン》の4枚となります。
ハヤシ: まずはデッキ名の由来ともなっている《高速警備車》ですが、速攻かつ高打点のアグレッシブな性能を活かして《Mishra's Workshop》からの高速展開することで早期に勝負を決めにいける力があります。プレインズウォーカーに対処しやすいのも利点です。
ハヤシ: 《鋳造所の検査官》は《高速警備車》と並び、『カラデシュ』発のカードでは二大巨頭と呼べるほどの存在です。アーティファクトのコストを軽減する能力が《Mishra's Workshop》や《トレイリアのアカデミー》で加速する「カーショップ」のコンセプトを強く後押ししてくれます。より高速で手札を使い切ることが可能になったため《ギラプールの宇宙儀》とも噛み合っています。
ハヤシ: 《領事の旗艦、スカイソブリン》は「カーショップ」の数少ない除去枠としてカウントできます。《四肢切断》と違ってプレインズウォーカーにも対応できるのは強みですね。《鋳造所の隊長》がいれば自身を除いたすべてのクリーチャーがパワー3以上となるため、一見重めに見える「搭乗」コストも難なくクリアできます。デッキにおける唯一の航空戦力であることも採用を後押しする理由ですね。
――そういえば《発明博覧会》は入っていないんですね。
ハヤシ: アグロデッキである「カーショップ」と《発明博覧会》の能力が噛み合っていないんですよね。基本的にはどこを切っても動くようにできているビートダウンに近いのでピンポイントでサーチしたい局面も少なく、そもそも起動型能力に4マナ払うこと自体が難しかったりします。ライフ回復もビートダウンの方向性とは合ってないんですよね。《発明博覧会》は昔ながらの、それこそ《からみつく鉄線》だけではなく《煙突》などでゆっくりロックしていくようなデッキにこそ合っていると思います。
アーティファクトセットである『カラデシュ』はMUDに多大な影響を与えた。《磁石のゴーレム》の制限を受け、大きくその在り方を変えることとなったMUDだが、その進化はまだまだ続くことだろう。
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