タルキール導入後のモダン~テンポデッキとコンボ編

晴れる屋

晴れる屋

by Kazuya Hirabayashi

アグロデッキ編は【こちら】


さて『タルキール覇王譚』後のモダン環境考察、その後半である。

タルキール導入後のモダン~アグロ編に引き続き、本稿ではテンポデッキとコンボに属するアーキタイプの解説をしていく。


■タルキール覇王譚最大のメカニズム、”探査”

ここで早々にネタバレをしてしまうと、今回の主要トピックはバーンの項でもお伝えした二大探査スペルになる。

それもそうだろう、タルキール覇王譚発売直後の話題と言えば、レガシーにおける青赤デルバーが如何に強化されたかということだった。

まず《時を越えた探索》の日本語foilが高騰し、さらには現役セットのコモンである《宝船の巡航》までもがその後を追った。

話題性抜群のフェッチランド再録、そして多くのプレイヤーがパックを剥き続けていることを考えれば異常な事態である。

時を越えた探索宝船の巡航

事前予想を遥かに上回る潜在能力



そして先週末のプロツアー『タルキール覇王譚』

ある意味誰もの予想を超えたのが《時を越えた探索》だ。

公式カバレージで「大活躍カード――時を越えた探索」というタイトルの記事が書かれるほどで、今プロツアー期間中最も激しい値上がりを見せたカードとなった。


レガシー、そしてスタンダードで戦闘能力が証明された《宝船の巡航》《時を越えた探索》

モダン環境もこれらに続くだろうということ、想像に難くない。



■欠片の双子→青赤デルバーor《ジェスカイの隆盛》コンボ

さて黒緑と並び、モダンの双璧と考えられた時期もあった《欠片の双子》コンボ。

《タルモゴイフ》を使うタルモツイン、はたまた《欠片の双子》に頼らないテンポツインなど、主軸とするコンボは変わらずとも、環境に適合しようとするタフさを持ち合わせているアーキタイプであった。

詐欺師の総督欠片の双子



しかしながらここに来て欠片の双子のメタゲーム上の立ち位置が変わってきたようだ。

既にグランプリ神戸の時点でその兆しは見られていたのだが、まず加速する速度についていけない可能性があること。

そして黒緑に構造上弱いという欠点。

この二点を克服することが難しく、また双子コンボを使うプレイヤーがそもそもデッキを乗り換えているように見受けられる。

秘密を掘り下げる者ジェスカイの隆盛

環境の最適解は?


飽きてしまったのではないか、というのはやや軽率な発言かもしれないが、いずれにせよ新しいカードを使いたいのもまたプレイヤーの性だ。

《ジェスカイの隆盛》コンボ然り青赤デルバー然り、『タルキール覇王譚』の恩恵を大きく受けたアーキタイプになるし、環境初期ならばおそらく対策は薄いだろう。


こうして《欠片の双子》は静かに舞台より退場していった。



■青赤デルバー

青赤といえば《欠片の双子》、そんなモダンにおけるセオリーが変わるかもしれない。

むしろ変わった、そう言い切ってもいいだろう。

レガシーの躍進は決してフロックで無く、そして構成パーツの多くを併せ持つモダンでも同様の兆しを見せている。

かつては物好きが使うだけといった印象も強かった青赤デルバー、その全ては最早過去のもの。

瞬唱の魔道士若き紅蓮術士



そもそも青赤という組み合わせ自体がモダンでは強力なものである。

欠片の双子コンボに限らず、プロツアー『神々の軍勢』を制したトリコロール、はたまたスケープシフト。

件の《ジェスカイの隆盛》コンボにせよ、青赤という組み合わせを有するわけで、青赤という色の組み合わせそれ自体が、モダン環境の一部を定義付けているとも言えるのだ。

嵐の神、ケラノス


これはスタンダードと比較すると面白いところかもしれない。

プロツアー『マジック2015』で勝ったのは白青コントロールだったし、プロツアー『タルキール覇王譚』で取りざたされたのは青黒という組み合わせだったのだから。


さて件の青赤デルバー、何によって強化されたのか。

レガシーを良く知る諸兄には耳タコかもしれないが、この場はモダンになるわけで、ここでもう一度取り上げておく必要がある。

まずはしつこいぐらいに登場している《宝船の巡航》

手札が減りやすいテンポデッキにとって、これ以上に相性の良い相棒も無い。

そして《僧院の速槍》

僧院の速槍

ゴブリンの先達?それともデルバー?


兎にも角にもダメージクロックの設置が急務、だからこそ第1ターン《秘密を掘り下げる者》は恐るべき脅威に成り得る。

その枚数が増やせたなら?

愚問であろう。


結果だけ見れば青赤デルバーはバーンデッキの下位互換かもしれない。

だがモダンに確かな足跡を残している。

もはやメタゲーム上で無視することは出来なくなった、そのことはゆめゆめ忘れるべからず。



■スケープシフト

さてオオトリを務めるのはグランプリ神戸で思いがけず活躍を見せたスケープシフトだ。

風景の変容桜族の長老


まずコンボとしてはある意味異色なことだが、手札破壊に耐性がある。

こう書くと語弊がありそうなので補足しておくと、土地を伸ばすこと&《風景の変容》という組み合わせによるコンボになるため、《風景の変容》を奪われようと何をされようと、土地を伸ばしてさえいれば《風景の変容》1枚コンボと見なすことが出来るからだ。

もちろん継続的にリソースを削られてしまう《ヴェールのリリアナ》は天敵になるものの、ちょっとやそっとの妨害でスケープシフトを倒すことは出来ない。


強みとしては火力によるサポートが豊富なこと。

例えば《稲妻》はたまた《電解》

これもまた《ジェスカイの隆盛》コンボの登場による副次効果と言えよう。


そして冒頭での紹介に戻り、スケープシフトを引き立てるカードもまた新たな探査カードだった。

時を越えた探索

力が欲しいか、ならば・・・・


必要な構成パーツを掘り下げる《時を越えた探索》

土地を並べ、ただ一つの重要パーツを探し求めるスケープシフトにとって、これほどまでにマッチするカードがあるだろうか。


こうして《宝船の巡航》《時を越えた探索》の需要は高まるばかり。

『タルキール覇王譚』に眠る宝はフェッチランドだけでは無かったということだ。