GP千葉トップ4! 佐藤啓輔のスニークショーができるまで

佐藤 啓輔


 初めまして! こんにちは! 佐藤 啓輔と申します。

 今回レガシーフォーマットで行われた【グランプリ・千葉2016】にてトップ4に入賞することができました。

 トップ4入賞という結果について、事前の準備や試合の模様などをレポートという形で記事にしていただけないかというお話を受け、今回のレポート執筆に至った次第であります。

 今までこういった記事を書いた経験はなかったため、読み辛い点が多々あるとは思いますが、その点はご理解ください。






1. 自己紹介

 僕が何者か知らないという方が大半だと思いますので簡単に自己紹介を。

 改めて、佐藤 啓輔と申します。出身は新潟で、現在は東京に在住しています。


佐藤 啓輔(写真は【第5期モダン神挑戦者決定戦】のもの)


 主な戦績としては、【グランプリ・静岡2014】トップ8や【第5期モダン神挑戦者決定戦】優勝などです。

 普段はマジックオンラインや、今回の【グランプリ・千葉2016】で準優勝した木原くんと調整をしつつフォーマット問わず大会に参加してマジックを楽しんでいます。


木原 惇希
※画像は【マジック:ザ・ギャザリング日本公式ウェブサイト】より引用しました。


 今回のフォーマットであるレガシーも昔から楽しんでいたこともあり、大好きなフォーマットです。


 前置きはこのくらいで、さっそくレポートに入りたいと思います。




2. 事前の準備

 今回僕はレガシーでお馴染みのコンボデッキであるスニーク・ショーを使用してトップ4に入賞しました。


実物提示教育騙し討ち引き裂かれし永劫、エムラクール


 スニーク・ショーを使用するに至った経緯について事前のメタ分析などを交えて記載します。


■ 2-1 事前メタ予想

 今回トップメタとして予想したのは白青奇跡とエルドラージです。

 理由としてそれぞれ以下の通りです。


◇白青奇跡


相殺師範の占い独楽終末


 プレイは難しいが、《相殺》《師範の占い独楽》によるソフトロックと《終末》のリセットにより、コンボやアグロデッキに対して安定した立ち回りができるため。


◇エルドラージ


虚空の杯難題の予見者現実を砕くもの


 《虚空の杯》の早期着地や《難題の予見者》により、青くないのにも拘わらずコンボにある程度耐性があること。ブン回ったときの爆発力が凄まじく、プレイもそれほど難しくないこと。


 上記の理由によりこれらのデッキを選択する人が最も多いと予想。

 この2大メタデッキに続いて、デス&タックス、BUGカスケード、オムニテルが多くいると考え、デルバー系デッキは白青奇跡やエルドラージが辛いものの、使い続ける人も多いため一定数存在すると予想。


白青奇跡、エルドラージ>>>デス&タックス>BUGカスケード、オムニテル>デルバー


 以上の事前メタ予想を元に、今回どのデッキを使用するかを考え始めました。




■ 2-2 デッキ選択

 事前メタ予想を踏まえて、デッキ選択の条件をざっくり決めました


◇白青奇跡とエルドラージに対して五分以上、最悪でも五分が付くデッキであること


相殺難題の予見者


 トップメタのデッキに対して相性のいいデッキを持ち込むことは自然だと思います。他のデッキへの相性を多少犠牲にしてもこの条件は必須だと思いました。


◇非青のアグロ系デッキは使用しないこと


終末


 元々ZooやマーベリックなどのGWxのアグロデッキはよく使っていましたが、トップメタの白青奇跡は《終末》という1マナのリセットスペルがフル投入されており、唱えられえたら防ぐ術がない非青のアグロデッキは選択肢から外れました。


《意志の力》を使用すること

 レガシーには多種多様なデッキが存在しており、コンボデッキもその一つです。


意志の力


 メタ上のデッキには勝てたけど、コンボデッキに負けたというのはよくある話なので、コンボにも耐性をつけるために《意志の力》を無理なく使えるデッキを使うことにしました。


 以上を踏まえると白青奇跡を選択することが一番いい選択だと感じますが、以下の理由で断念しました。


◇ミラーマッチを制することが困難

 トップメタの白青奇跡を使用するということはミラーマッチも当然数多く発生します。

 斉藤 伸夫さんを筆頭に、白青奇跡を使って勝ち続けている高野 成樹さんや小林 龍海さん、今回準優勝だった木原君など、グランプリでも上位に残るであろういわゆるマスタークラスの白青奇跡使いとのミラーマッチを制することは困難であるため、選択肢から外れました。


 ならば、《意志の力》は使用しないもののある程度コンボ耐性もあるエルドラ―ジはどうか?


 しかし、エルドラ―ジについても以下の理由で断念。


◇メタられやすい

 エルドラージが多いと予想するのは誰しも一緒だと思います。エルドラージは白青奇跡と違い以下のようなクリティカルに刺さるカードが多いため、簡単にメタることが可能です。


血染めの月基本に帰れ灰からの再興罠の橋


《血染めの月》……無色が出なくなる。
《基本に帰れ》……土地がアンタップできなくなる。
《灰からの再興》……自分だけ《ハルマゲドン》
《罠の橋》……攻撃ができなくなる。

 また、サイドボードも無色しか取れないため、上記カードに対処するカードも限られてきます。

 実際、メインに《血染めの月》をフル投入したドラゴンストンピィが多く、トップ8にもエルドラージは0だったので選択しなくて正解でした。


 というわけで、トップメタの2つのデッキは使用しないことは早々に決めました。初めは《意志の力》を使用し、海外でもそれなりに成果を上げているグリクシスデルバーを使用しました。



Noah Walker「グリクシスデルバー」
SCG Classic Columnbus(5位)

4 《溢れかえる岸辺》
4 《汚染された三角州》
1 《Tropical Island》
2 《Underground Sea》
3 《Volcanic Island》
4 《不毛の大地》

-土地 (18)-

4 《死儀礼のシャーマン》
4 《秘密を掘り下げる者》
2 《グルマグのアンコウ》
1 《真の名の宿敵》
3 《若き紅蓮術士》

-クリーチャー (14)-
4 《渦まく知識》
4 《目くらまし》
1 《四肢切断》
4 《意志の力》
4 《稲妻》
1 《呪文貫き》
2 《陰謀団式療法》
4 《ギタクシア派の調査》
4 《思案》

-呪文 (28)-
1 《仕組まれた爆薬》
1 《真髄の針》
1 《冬の宝珠》
2 《悪意の大梟》
1 《硫黄の渦》
1 《古えの遺恨》
1 《暗黒破》
1 《Fire Covenant》
2 《紅蓮破》
2 《外科的摘出》
1 《ヴェンディリオン三人衆》
1 《陰謀団式療法》

-サイドボード (15)-
hareruya



 白青奇跡やエルドラ―ジがきついと聞いてはいましたが、実際に戦ったわけではないので、試してみることに。


 結果としては白青奇跡とエルドラージがかなりキツいということを肌で感じました……

 対白青奇跡については相殺を置かれてしまうと対処できるカードがメインにはなく、サイドボードでも着地した《相殺》を確実に処理できるカードはありません。


相殺虚空の杯


 対エルドラージについては《虚空の杯》がとにかくキツい! グリクシスデルバーというデッキはクリーチャーとスペルがほとんど1マナであるため、「X=1」で置かれるだけでデッキとして機能しなくなります。

 トップメタに勝てないということでグリクシスデルバーはあきらめたわけですが、それなら《突然の衰微》を搭載したデルバーデッキである4Cデルバーはどうだろうか?


突然の衰微


 さっそくいろいろ試してみた結果、4Cデルバーでも対白青奇跡との相性が覆ることがないという結論に至り、こちらもあきらめることに。

 デッキ選択は早くも暗礁に乗り上げました……




■ 2-3 転機

 トップメタ以外のデッキにはそれなりに戦えてはいたので、他にデッキが思いつかなければデッキ選択の条件を無視し、強行してグリクシスデルバーにしようかなと考えていた矢先、木原君からこのデッキがメタ的にもいいのではと紹介を受けました。



田中 侑「スニークショー」
BIGMAGIC Sunday Legacy vol.8(トップ8)

3 《島》
1 《山》
2 《Tundra》
2 《Volcanic Island》
4 《溢れかえる岸辺》
4 《沸騰する小湖》
3 《古えの墳墓》
2 《裏切り者の都》

-土地 (21)-

3 《グリセルブランド》
3 《引き裂かれし永劫、エムラクール》

-クリーチャー (6)-
4 《渦まく知識》
4 《思案》
2 《定業》
4 《呪文貫き》
4 《実物提示教育》
1 《火+氷》
1 《直観》
4 《意志の力》
4 《騙し討ち》
2 《全知》
2 《水蓮の花びら》
1 《師範の占い独楽》

-呪文 (33)-
3 《渋面の溶岩使い》
3 《エーテル宣誓会の法学者》
2 《僧院の導師》
2 《ヴェンディリオン三人衆》
2 《紅蓮破》
2 《漸増爆弾》
1 《先駆ける者、ナヒリ》

-サイドボード (15)-
hareruya



 【BIGMAGIC Sunday Legacy vol.8】にて新潟の友人である田中 侑さんが使用していたスニークショーのリストです。

 スニークショーはデッキ選択の条件にも合致するため、こちらのレシピからスタートして今回はスニークショーに絞って調整をすることにしました。




■ 2-4 調整~デッキ決定

 まず3色のデメリットとして《不毛の大地》が刺さることが挙げられ、サイドから《僧院の導師》などを取ることのできるメリットも薄いと感じたため青赤の2色で組むことに。そして、《全知》はコンボに必要な枚数が増えるため採用を見送り。

 発射台は《実物提示教育》《騙し討ち》の2種類に絞り、その分《引き裂かれし永劫、エムラクール》《グリセルブランド》といった、いわゆるに枠を割くことにしました。


水蓮の花びら猿人の指導霊


 また、1ターン目 or 2ターン目に《実物提示教育》をキャストする確率を上げるために《水蓮の花びら》《猿人の指導霊》を採用しました。同じコンボ系に対しても速度負けしないことも狙いの一つです。


 そんなこんなで木原君と調整を続けた結果、今回のリストが完成しました。



佐藤 啓輔「スニークショー」

2 《島》
1 《山》
3 《Volcanic Island》
4 《沸騰する小湖》
1 《溢れかえる岸辺》
1 《霧深い雨林》
1 《汚染された三角州》
4 《古えの墳墓》
1 《すべてを護るもの、母聖樹》
1 《裏切り者の都》

-土地 (19)-

1 《猿人の指導霊》
4 《グリセルブランド》
2 《大祖始》
3 《引き裂かれし永劫、エムラクール》

-クリーチャー (10)-
4 《渦まく知識》
4 《思案》
3 《ギタクシア派の調査》
4 《目くらまし》
4 《意志の力》
4 《実物提示教育》
4 《騙し討ち》
4 《水蓮の花びら》

-呪文 (31)-
2 《ヴェンディリオン三人衆》
2 《裂け目の突破》
2 《血染めの月》
2 《漸増爆弾》
1 《すべてを護るもの、母聖樹》
1 《紅蓮破》
1 《赤霊破》
1 《残響する真実》
1 《突然のショック》
1 《コジレックの帰還》
1 《紅蓮地獄》

-サイドボード (15)-
hareruya



 簡単にデッキの解説を。基本的なパーツは一般的なスニークショーと変わらないので、今回調整した箇所について簡単に紹介します。


◇メインボード

・2マナランドの枚数


古えの墳墓裏切り者の都


 一般的なリストでは、《古えの墳墓》×3、《裏切り者の都》×2という構成を見かけますが、ダメージを食らってでも確実に土地を伸ばしたいという狙いから、《古えの墳墓》×4、《裏切り者の都》×1という構成にしています。


《すべてを護るもの、母聖樹》


すべてを護るもの、母聖樹


 今回はかなり白青奇跡をメタっているのでその一環として採用。白青奇跡はデルバー系デッキと違い《不毛の大地》が入っていないので割られる心配がなく、安全に《実物提示教育》をキャストできます。


《大祖始》


大祖始


 《グリセルブランド》の登場により控えに回ってしまった《大祖始》ですが、今回はデス&タックスに強いんじゃないかということで採用しています。デス&タックスに対して《実物提示教育》をキャストすると裏目パターンがいくつかありますが、《大祖始》は裏目パターンがほぼありません。




 その点《大祖始》《カラカス》《宮殿の看守》《ファイレクシアの破棄者》も効きません。出てしまえば、《議会の採決》さえなければ速やかにゲームを終わらせてくれます。


《目くらまし》


目くらまし


 一般的なリストでは《呪文貫き》の枠でしたが、木原君のアイデアにより採用しました。今回のリストは土地を切り詰めて、《水蓮の花びら》《猿人の指導霊》を多めに取っている速度重視の構成となっているため、ゲームの最序盤である2、3ターン目に仕掛けることが多くなります。その際に《呪文貫き》を構えるのは難しく、構えるまで待つと相手に準備時間を与えてしまうため、速度勝負というデッキの狙いとずれてしまいます。

 《目くらまし》であれば、仕掛けるために土地を寝かせても構えることができ、相手の《意志の力》にも損することなく対応できます。クリーチャーを打ち消せることも《呪文貫き》と比べた大きな利点です。

 また上記の通り、一般的なスニークショーには《呪文貫き》が採用されているケースが多く、ほとんどケアされないことが最大のメリットかもしれません。


◇サイドボード

《すべてを護るもの、母聖樹》


すべてを護るもの、母聖樹


 主に白青奇跡対策用。ミラーマッチでも入れます。


《ヴェンディリオン三人衆》


ヴェンディリオン三人衆


 青いデッキやコンボデッキ対策です。


《残響する真実》


残響する真実


 最大の弱点である《罠の橋》への対策。その他《虚空の杯》など場にあると厄介な置物対策です。


《コジレックの帰還》《紅蓮地獄》


コジレックの帰還紅蓮地獄


 デス&タックスや部族系デッキへの対策です。


《紅蓮破》《赤霊破》


紅蓮破赤霊破


 青いデッキとカウンター合戦で負けないように採用。相手が使用してくる《ヴェンディリオン三人衆》への対策でもあります。


《突然のショック》


突然のショック


 感染とデス&タックスへの追加除去枠。デス&タックスは《聖域の僧院長》《実物提示教育》封じの3を指定してくるため、《ルーンの母》をかいくぐり除去できるのがポイント。


《裂け目の突破》


裂け目の突破


 黒系デッキはハンデスで《騙し討ち》《実物提示教育》を落としてきた後に《外科的摘出》で取り除いてくるので、追加の勝ち手段として採用。白青奇跡やミラーでも《すべてを護るもの、母聖樹》経由でキャストしてゲームを終わらせることができるので採用してます。


《血染めの月》


血染めの月


 エルドラージや土地単デッキへの対策。デス&タックス相手にも《カラカス》があるためサイドインします。


《漸増爆弾》


漸増爆弾


 少し時間はかかりますが、《虚空の杯》《相殺》《罠の橋》など苦手なカードに触れるため採用してます。


◇今回採用を見送ったカード

《直観》


直観


 疑似的に5枚目の《実物提示教育》《騙し討ち》《グリセルブランド》になるのでとても便利なカードなのですが、上述の通り速度重視の構成を目指しているため3マナというのは実質1ターンパスしているのに等しく、目指す戦略と噛み合わないため見送りました。


《防御の光網》


防御の光網


 サイド用のカードですが、相手のカウンターを妨害するという意味では《すべてを護るもの、母聖樹》と役割が被るため見送りました。試したときの感触もいまいちでしたね。


 長くなりましたが事前の準備については以上です。グランプリ前に参加したいくつかの大会では思うように成績が振るわず、調整もギリギリまでかかってしまったのでかなり不安でした……

 しかし、最終的にできあがったリストを信じてグランプリ本戦を迎えます。




3. グランプリ千葉本戦

 いよいよ待ちに待ったグランプリ本戦です。実は前回レガシーフォーマットで行われた【グランプリ・京都2015】には参加することができなかったので、レガシーでのグランプリは今回が初です。

 グランプリはいつも楽しみなのですが、今回はいつもに増して楽しみでした。


■ 1日目


ラウンド 対戦デッキ 勝敗
Round 1BYE
Round 2BYE
Round 3スニークショー ×〇〇
Round 4白青奇跡 ××
Round 5白青奇跡 ×〇〇
Round 6BUG《食物連鎖》 〇×〇
Round 7カナディアンスレッショルド 〇〇
Round 8ANT 〇×〇
Round 9BUGデルバー 〇〇


 初日はPWPによる2BYE込みで8-1で折り返すことができました。昨今のグランプリの参加人数増加を考慮すると、トップ8に入るためには初日を8-1以上の成績で折り返すことがほぼ必須になるので、まずは目標達成でホッとしました。

 メインは相手のカードが腐りやすく基本的には有利なだけに、メイン戦を落としていたR3~R5はかなり苦しかったですが、その後のラウンドはメインを取ってから次のゲームに臨めたので気持ち的に少し楽でした。

 一つ一つのラウンドを記載すると長くなるので割愛し、印象に残ったマッチアップについてだけピックアップします。


R4:白青奇跡

 トップメタである白青奇跡と今大会では初マッチアップ。有利だと思って臨み、メインは《騙し討ち》着地まで行くも、弾である《グリセルブランド》《引き裂かれし永劫、エムラクール》を引けないまま落としてしまいました。


相殺罠の橋


 サイド後は《相殺》を置かれた上に《罠の橋》の着地を許してしまい、突破できずに落としてしまいました。有利だと思っていた分、負けたときのショックは大きかったですね。


R6:BUG食物連鎖

 お互いゲームを取り合って迎えた3本目は序盤にこちらから《実物提示教育》で仕掛ける展開に。相手の《意志の力》の2回構えに対して、こちらも《意志の力》《目くらまし》で応戦して《実物提示教育》を通すことに成功。

 相手はハンドが1枚で、こちらには《グリセルブランド》があったのでほぼ勝利を確信しましたが、相手から出てきたのがなんと《潮吹きの暴君》


潮吹きの暴君


 キャストできるスペルを引かれて《グリセルブランド》をバウンスされてしまうとかなり危なくなる場面でしたが、引かれたのがキャストできない4マナのスペルであったため命拾いし、7ドローから《騙し討ち》《引き裂かれし永劫、エムラクール》に繋いで勝利することができました。


 普段のグランプリであれば1日目終了後に仲間たちと飲み会や食事に行ったりするのですが、会場の周辺にはお店が少なく、自宅から1時間程度かけて会場に移動してきていることもあったので、翌日に備えて早めに帰宅しました。


■ 2日目

 1日目を8-1という成績で折り返すことができたため、トップ8に残るためにも2日目は5-1以上が目標です。地元新潟から参加した仲間も7-2以上の成績で多く残っていたのでお互いの健闘を祈りながら2日目の戦いへ。

 2日目の対戦デッキと結果は以下の通りです。


ラウンド 対戦デッキ 勝敗
Round 10白青奇跡 ×〇〇
Round 11BUGカスケード 〇〇
Round 12ANT
(トップ8の高橋 諒さん)
 〇×〇
Round 13白青奇跡
(木原くん)
 〇〇
Round 14エルフ
(トップ8の本間 彰さん)
 〇〇
Round 15ID

(渡辺 雄也プロ)


 2日目は5-0-1でフィニッシュ。1日目の成績と合わせて13-1-1でトップ8に進出することができました!

 1日目と同様印象に残ったマッチアップについてだけ記載します。


R12:ANT(高橋 諒)

 G1はANT相手は速度で勝つという戦略がはまり勝利することができ、G2を落とした後のG3。相手のハンデスでズタボロにされた状態でコンボがスタート。

 相手が唯一確認していないこっちのトップカードが《意志の力》でなければ敗北というところで《意志の力》をトップデッキしており勝利することができました。


R13:白青奇跡(木原 惇希)

 遡ること約2年前になるのですが、自分が以前トップ8になった【グランプリ・静岡2014】においてお互い2敗で後がない状態で当たり、試合をしているんです。そのときも確かR13だったかと思います。

 今回も当たるまでお互い成績が一緒だったので、「次当たるなぁ」という話をしていたら見事にフラグ回収しました。試合の方は事前の相性通り自分が勝利しましたが、ここで当たらなくても……というのが正直なところでした。


 R13を終えた後は、残り2戦をどちらか拾えればトップ8進出ということで、妙に緊張していたのを覚えています。緊張しつつもR14を勝利することができ、最後のR15はIDしてトップ8を確定できました。

 スイスラウンド15回戦を振り返ると、白青奇跡には多く当たりましたが、同じくらい多いエルドラージとは当たらず、デス&タックスとも当たりませんでした。


大祖始


 デス&タックス対策として採用していた《大祖始》は戦場で活躍の機会を見いだせず、《意志の力》のコストとして活躍していました(笑) もし僕が今後もこのデッキを使用するなら、《大祖始》のうち1枚は《猿人の指導霊》に変えて、より速度重視の変更を加えたいと思います。

 弾は全部で8枚あればよくて、4枚の《グリセルブランド》と3枚の《引き裂かれし永劫、エムラクール》は確定。残り1枚を《大祖始》にするか《引き裂かれし永劫、エムラクール》にするか、といった感じになるかと思います。


 スイスラウンド15回戦終了後にトップ8アナウンスがあり、自分は13-1-1の3位通過となりました。


■ 決勝ラウンド

 ここからチャンピオンを決める最後の3回戦です。【前回】は準々決勝で負けてしまったので、今回こそはと気合十分で臨みました。


◇準々決勝


ラウンド 対戦デッキ 勝敗
準々決勝ANT
(高橋 諒さん)
 〇〇


 準々決勝はスイスラウンドでも試合をした6位抜けの高橋さん。かなり厳しい試合になるだろうと予想していました。ビデオマッチであったため試合の詳細については割愛します。


高橋 諒
※画像は【マジック:ザ・ギャザリング日本公式ウェブサイト】より引用しました。


 結果だけ簡単にお知らせすると、1ゲーム目、2ゲーム目ともに2ターン目に《グリセルブランド》を着地させ2-0で勝利しました。相性差を速度で埋めるという戦略が見事に嵌った試合だったと思います。


◇準決勝


ラウンド 対戦デッキ 勝敗
準々決勝スニークショー
(山本 賢太郎プロ)
 ××


 準決勝は【Team Cygames】所属の山本プロとのミラーマッチとなりました。


山本 賢太郎 vs. 佐藤 啓輔
※画像は【マジック:ザ・ギャザリング日本公式ウェブサイト】より引用しました。


 こちらもビデオマッチであるのと、公式のほうでも【テキストカバレージ】が挙がっているので試合の詳細は割愛します。後で思い返して、1ゲーム目も2ゲーム目も自分のミスで落としてしまっているので、練習があと一歩足りてなかったことを痛感しました。


 というわけで、【グランプリ・千葉2016】は準決勝で敗北し、トップ4入賞という結果で終わりました。




4. 総括

 今回の結果は直近の大会成績から考えると、かなりできすぎた成績だと思います。とても楽しむことができましたが、それと同時に練習不足を痛感しました。レガシーというフォーマットはプレイの選択肢が多く、常にミスと隣合わせであるためとてもやり込み甲斐のあるフォーマットです。

 今後またレガシーによるグランプリが開催されるならしっかりやり込んでから参加します!


木原 惇希
※画像は【マジック:ザ・ギャザリング日本公式ウェブサイト】より引用しました。


 最後に、今回デッキの提供から調整まで付き合って貰った木原くんにはとても感謝をしています。惜しくも決勝では山本プロに敗れてしまいましたが、調整していた2人でトップ8に残れて本当に嬉しかったです。

 今回の結果を受けて、次回のプロツアーであるプロツアー『霊気紛争』の権利を得ることができたため、次なる最大の目標はプロツアーになります。前回権利を得た際は事情により参加することができなかったため、今回は絶対に参加します!

 プロツアーという舞台で戦い抜くためにしっかりと準備をして臨もうと思っています。


 かなり長くなりましたが、これまでお付き合いいただきありがとうございます! 冒頭でも記載しましたが、読み辛い箇所は多々あったかと思いますが、その点はご容赦ください。

 また何かの機会でお目にかかることがあるかもしれませんが、そのときはよろしくお願いします!




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