Written by Jun’ya Takahashi
が『ゼンディカー』に収録されて以来、このMTG界最高峰をフィニッシャーに据えたデッキはフォーマットを問わず活躍してきた。 ”他に少なくとも5つ以上のをコントロールしている” という厳しい誘発条件をどのようにクリアするかが腕の見せ所であり、 これまで様々な方法が試されたが、なかでも人気を集めたのはやを使ったデッキたちだった。
7枚の土地さえあれば『+*6』で瞬殺できる。 コンボ達成を早めつつ、フェッチランドとランプ呪文だけでも勝てる。 これらを使った「オーメンヴァラクート」「赤緑ヴァラクート」「青緑ヴァラクート」などはMTG史に幾度も登場する強力なデッキとして恐れられてきた。
しかし、これらすべてには共通する長所と短所がある。 それはデッキのコンセプトが ”戦場にある土地の枚数を増やすこと”に依存している ため、こちらが土地を並べる余裕のあるマッチアップではめっぽう強く、土地を並べる前に決着してしまうような高速デッキにはとにかく弱いというものだ。
2016年12月現在。 モダン環境のデッキの多様性は保たれているものの「感染」「バーン」「系」といった高速デッキの存在感は依然として大きい。 それらを狩る「ジャンド」のような中速デッキも存在するが、基本的にはゆったりと土地を伸ばすことが推奨される環境ではないのだ。 そのため、コンボデッキにも関わらず、環境最高速のデッキよりも約2ターンほど決着が遅いの立場は危うい。
しかし、そんな高速デッキたちに対応しつつ、大量の土地を並べずとも決着できるシステムを組み込んだデッキが上位入賞していた。
そのシステムとは+である。 コンボが7枚の土地を必要としていたところ、この2枚コンボならば わずか4枚の土地から18点ダメージを叩き込む ことができる。
また、特徴的なのはを採用していることだろうか。 モダンに現存する高速デッキの多くは、1マナ域をダンプするオールイン系が多い。 そういったデッキに対する x=1 のは実質的な勝利といえるだろう。 もちろんを利用した 1ターン目の設置 も十分に現実的な選択肢になっている。
やなど。重ねて引くと弱いカードが増えたことでデッキの安定性は以前よりも失われたかもしれないが、3ターンキルのコンボ速度、実質1ターンキルのというオプションには、それを補って余りある恩恵がある。
中速デッキには+で優位に立ち、デッキの構造的に不利な高速デッキにはとの力を借りて強行突破する。 なんとも隙のない二段構えが美しいデッキだ。