2016年下半期の総括とGPルイビル「青白奇跡」レポート

高橋 優太



■ これまでのあらすじ

敗北に敗北を重ねていたせいで筆が重くなってしまっていたが、昨年後半の成績は以下。

大会名 使用デッキ 勝敗 プロポイント
PT『カラデシュ』黒緑昂揚9勝7敗3点
GPクアラルンプール青白フラッシュトップ84点
GPワルシャワ黒緑昂揚初日落ち0点
GPロッテルダム
(玉田さん、なかしゅーさんと)
初日落ち0点
GP千葉青白奇跡9勝5敗1分0点
TheLastSun2016青白フラッシュ
&青黒フェアリー
8勝6敗
結婚記念夫婦対決ダークジェスカイ2勝1敗だが……-1点
(嫁ポイント)

現在のプロポイント合計は、 わずか7点!!!

お前に足りないものはそう、「危機感」だ。

お前、まだ自分がプロレベル落ちしないとでも思っているのか。

敗因を分析すると、 デッキの性質の理解が追いついていなかったり 、細かいところでの 選択ミス が目立った。また、異なるフォーマットのGP連戦で 練習量自体も足りていなかった。 海外遠征は月に2度が限界。 このままではシルバーレベルも危ぶまれるため、2017年に出るイベントのスケジュールを全て組み、それに向けてみっちり練習することを決意するのだった。

■ 1/6-1/8 GPルイビル(レガシー)

GP千葉の感想は、 「青白奇跡」が依然としてベストデッキなことに間違いない 、ということだった。 《思案》《渦まく知識》《師範の占い独楽》どれかと土地があれば自動的にキープできるためマリガンが少なく、どんな相手やどんな状況に対しても解答がある。

ただ、この《思案》《渦まく知識》《師範の占い独楽》の組み合わせは、安定材料であると同時にプレイヤーのミス誘発装置でもある。年始のGPルイビルに備え、「奇跡」を1か月間練習して臨むのであった。


高橋 優太「青白奇跡」
GPルイビル

4 《島》
2 《平地》
2 《Tundra》
2 《Volcanic Island》
4 《溢れかえる岸辺》
3 《汚染された三角州》
1 《乾燥台地》
1 《霧深い雨林》
1 《沸騰する小湖》
1 《カラカス》

-土地 (21)-

2 《瞬唱の魔道士》
2 《ヴェンディリオン三人衆》
1 《造物の学者、ヴェンセール》

-クリーチャー (5)-
4 《渦まく知識》
4 《思案》
3 《剣を鍬に》
1 《紅蓮破》
2 《対抗呪文》
1 《天使への願い》
4 《意志の力》
4 《終末》
4 《師範の占い独楽》
4 《相殺》
3 《精神を刻む者、ジェイス》

-呪文 (34)-
3 《狼狽の嵐》
2 《赤霊破》
2 《解呪》
2 《安らかなる眠り》
2 《基本に帰れ》
2 《血染めの月》
1 《紅蓮破》
1 《摩耗+損耗》

-サイドボード (15)-
hareruya

以下、思考メモ。

◆ メインボードについて

《思案》は4。 《渦まく知識》は1ターン目に撃つカードではないので、1ターン目のベストな動きは《思案》

《予報》は多くの場合は4ターン目以降のカードで、《瞬唱の魔道士》《精神を刻む者、ジェイス》より優先度が落ちるためカット。

● 負けるパターンの多くは「奇跡」カードが手札に来すぎることなので《天使への願い》を1枚にカット。 《天使への願い》は非青デッキには非常に強いが、打ち消しに弱く隙を生みやすいため、青デッキ相手にはサイドアウトすることが多い。

● 土地は21枚中青マナ18枚、《平地》2枚までは確定だが、残りの1枚を《Tundra》《カラカス》《山》のどれにするか。 《山》《不毛の大地》デッキ相手にサイド後重宝するが、メイン戦では無色土地と同じ働きで役に立たないのでカット。 結局自分のレジェンドを使いまわせる & 「リアニ」「スニークショー」に劇的に強い《カラカス》に。
思案 カラカス
◆ サイドボードについて

● よく《突然の衰微》デッキに《相殺》をサイドアウトする話を聞くが、これには反対意見。 サイドアウトせずに相手が《突然の衰微》しきれないくらい置物を追加したい。

● 墓地デッキに弱いので《安らかなる眠り》は確定。

サイドカードは劇的な効果がある方が良い。 相手のリソースを複数無効化するカードは多く取りたい。

《血染めの月》《突然の衰微》を使うデッキとデルバー系に強く、出した時点でゲームが終了する。 《突然の衰微》を撃つことができなくなり、フェッチランドを起動させず、《紅蓮破》されないのが《基本に帰れ》との違い。 ANTにも入れる。

《基本に帰れ》《血染めの月》と異なるゲームプラン。 「奇跡」は《魂の洞窟》を苦手とする。 《魂の洞窟》を使う「デス&タックス」「エルドラージ」「マーフォーク」は《血染めの月》を出してもその後動いてくる。 そのため別枠として《基本に帰れ》。 土地単には両方入れる。

● 「エルドラージ」「スニークショー」が少し不利だから劇的に効くサイドカードが欲しい。
  →《僧院の導師》を取らない形なら《謙虚》? 悩んだが重さがネックで入れなかった。

● 「奇跡」は《相殺》《精神を刻む者、ジェイス》以外ではアドバンテージを取りにくいデッキなので、コンボと「奇跡」同系以外にはアドバンテージを失う《意志の力》を抜きたい。
 →《意志の力》で打ち消すカードは何が多いか考えていたとき、主要なカードはエンチャント・アーティファクト・プレインズウォーカーだった。 ならば、それを破壊できるカードを多く取ろう。
 →《摩耗+損耗》で何を割りたいかというと、《霊気の薬瓶》《虚空の杯》《アメジストのとげ》《踏査》。これらのデッキは《不毛の大地》も入っているから赤マナは割られやすい。 なら《平地》から打てる《解呪》の方が良さそうだ。
 →しかし《摩耗+損耗》は軽さからエンチャントに強く、《動く死体》《騙し討ち》を意識するとこっちのが良い場面もあるので1枚は取ろう。
基本に帰れ 摩耗+損耗

以下、本戦。

ラウンド 対戦デッキ 勝敗
Round 1BYE
Round 2BYE
Round 3BYE
Round 4グリクシスデルバー 〇〇
Round 5土地単 〇〇
Round 6スニークショー ××
Round 7グリクシスデルバー 〇×△
Round 8スゥルタイデルバー ××
Round 9スニークショー 〇〇

6-2-1 で2日目へ。

血染めの月 精神を刻む者、ジェイス

「グリクシスデルバー」の2回目(ラウンド7)は、場に《血染めの月》《精神を刻む者、ジェイス》で完全に勝ちの場だったが1ターン足りずに引き分け。「奇跡」を使うなら《思案》《渦まく知識》《師範の占い独楽》を5秒でやらねば。

ラウンド 対戦デッキ 勝敗
Round 10青白奇跡 ○○
Round 11グリクシスデルバー ○××
Round 12感染 ○○
Round 13スニークショー ×○○
Round 14デス&タックス ××
Round 15感染 ×○○

10-4-1 でプロポイント 1点 獲得。 まずは小さな一歩から。

造物の学者、ヴェンセール 天使への願い

《思案》《師範の占い独楽》土地1が含まれる初手をキープして、そのまま引かずに負けのパターンが多かった。 残りが《剣を鍬に》《相殺》ならキープするし、こればかりは仕方ない。 次回レガシーの大会に出るなら《造物の学者、ヴェンセール》を2枚目の《天使への願い》に変更する。 非青デッキに対しては、それまでのゲーム展開すべてを無視して勝つ力がある。

■ これから

さて『霊気紛争』のフルスポイラーも公開され、 ここからはスタンダードとドラフトに集中していく予定だ。

スタンダードはまず「白緑トークン」「《守護フェリダー》《サヒーリ・ライ》コンボ」の二つから始めようと思う。《守護フェリダー》《サヒーリ・ライ》が環境定義になるとしたら、《サヒーリ・ライ》のマイナス能力に対応して1マナでコンボを阻害できる《ショック》は重宝しそうだ。

ゼンディカーの同盟者、ギデオン サヒーリ・ライ

『霊気紛争』ドラフトの色の強さの第一印象は 緑 > 黒 > 赤 > 白 > 青 。 新キーワードは「紛争」がかなり強力で、クリーチャーの相打ちからの「紛争」が強いので、 先手で2マナが大事なテンポ環境になるのではないか と予想。

ではまた。

高橋 優太

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