Deck Tech: 萩谷 銀河(東京)の「4色《霊気池の驚異》サヒーリ」with《霊気風浴び》

晴れる屋

By Hiroshi Okubo

 このクリーチャーに見覚えはあるだろうか?

霊気風浴び

 《霊気風浴び》

 『霊気紛争』のカードプレビューでこのカードが公開されたときから、誰もが一貫して見て見ぬふりをし続けてきた存在。デカい以外の除去耐性もなく、一笑に付されてきたこのカードが、ついに輝ける舞台を見つけた。

 スイスラウンド7-1(※インタビュー時点)。驚異的な勢いで勝ち進んできた萩谷 銀河(東京)は、この《霊気風浴び》を入れた「4C《霊気池の驚異》サヒーリ」を使用していた。さっそく話を伺ってみよう。

萩谷 銀河(東京)

--「ここまで7-1だそうですね。見たところ『4C《霊気池の驚異》サヒーリ』のようですが、萩谷さんはなぜこのデッキを選ばれたのでしょうか?」

萩谷「実はデッキ自体は結構直前まで悩んでいたんです。スタンダードのトップメタは今BGアグロ、マルドゥ機体、サヒーリコンボの三竦みになっていると思っていて、このうちBGアグロに強いのが《霊気池の驚異》系のコンボデッキで、サヒーリコンボに強いのが《電招の塔》を使用したコントロールデッキなんですね」

霊気池の驚異電招の塔

--「《霊気池の驚異》を使うか《電招の塔》を使うか、2つの間で揺れていた……と」

萩谷「ええ。そこで、サヒーリコンボはある程度減るだろうと読んで《霊気池の驚異》を選びました。実際には思ったよりもサヒーリコンボが居ましたが、メインもサイドもある程度同型を意識した構成になっていたのでなんとか勝ち上がってこれた感じです。それに、デッキ選択の決め手はこのカードを見つけられたことも大きいですね」

霊気風浴び

--「……《霊気風浴び》ですか? 正直ガッカリ神話レアというか、除去耐性もないしあまり強そうには見えないですが……」

萩谷「いえ、このカードは強いですよ!本来なら《絶え間ない飢餓、ウラモグ》が入っている枠ですが、《絶え間ない飢餓、ウラモグ》は重すぎて手札にくると腐るし、チャンプブロックで凌がれてしまうとすれ違いのダメージレースで負けてしまうこともあります。ですが、《霊気風浴び》なら素出しもできて勝つまで早いんです」

--「そう言われるとそうかもしれませんが、《霊気風浴び》が無事なままターンが帰ってくることなんてあるのでしょうか?」

萩谷「そこで《サヒーリ・ライ》が活躍するんです。《守護フェリダー》とのコンボばかりに気を取られがちですが、《霊気風浴び》のコピーは速攻を持ちますし、このデッキはエネルギーは大量に出るので一撃で30点以上の打点になることもあります。何より、事前に《守護フェリダー》などに除去を使わせたり、そもそもBG系のデッキはメインに確定除去を取っていなかったりすることもあるので意外と決まることが多いですよ」

サヒーリ・ライ守護フェリダー

--「なるほど! たしかに《サヒーリ・ライ》《霊気風浴び》をコピーするという発想は目から鱗ですね。その場合は《霊気風浴び》本体とコピーのETB能力、さらに攻撃時の誘発でエネルギーが溜まるから、戦場に出ているクリーチャーの数×3のエネルギーが溜まるわけですか……」

萩谷「そうなりますね。《サヒーリ・ライ》さえ戦場に出ていれば《守護フェリダー》でも《霊気風浴び》でもゲームに勝てるので、疑似的にコンボルートが増えていると言えると思います。また、《霊気風浴び》との相性のこともあってメインボードには気持ちクリーチャーを多めにとっていて、《老いたる深海鬼》も『現出』しやすくなっています」

老いたる深海鬼

--「ふむふむ。ちなみにサイドボードの《発火器具》はサヒーリコンボ意識ということでしょうか? 若干受けが狭いカードにも見えますが」

萩谷「基本的には《ショック》《領事の権限》が入っていることが多いとは思いますが、アド損を嫌って《発火器具》にしています。というのも、サヒーリミラーはお互いにコンボ達成を牽制しつつ睨み合う展開になることが多いので、そこでカード1枚分の損失が無視できない展開になることもあります。《発火器具》ならば暇なときに設置して以降コンボに対して睨みを利かせ続けることができ、1ドローに変えることもできますから」

発火器具

--「他にも《キランの真意号》なども見られますね」

萩谷「ええ。これも同型に対して強いカードですし、クロックが速いのでビートダウン戦略にも役に立ってくれます。また、ごく稀ですが《サヒーリ・ライ》がぐだぐだと『+1』し続けて奥義まで到達してしまう展開もあるので、そういった状況でサーチできるかもしれません。まぁ、さすがにそうそうそんな状況になったりはしませんが……」

--「ありがとうございます。この後も頑張ってください!」


 《霊気風浴び》というシークレットテクを手に、見事トップ8進出を果たした萩谷。

 一見冗談のようなチョイスだが、実際に《霊気風浴び》で決めたゲームも多いという。今後、このトカゲモンスターが4色《霊気池の驚異》サヒーリの新たな標準となっていくかもしれない。


萩谷 銀河「4色《霊気池の驚異》サヒーリ」
第8期スタンダード神挑戦者決定戦

5 《森》
1 《島》
1 《山》
1 《平地》
4 《霊気拠点》
4 《植物の聖域》
2 《感動的な眺望所》
2 《尖塔断の運河》
1 《進化する未開地》

-土地 (21)-

4 《導路の召使い》
4 《ならず者の精製屋》
3 《つむじ風の巨匠》
4 《守護フェリダー》
2 《霊気風浴び》
2 《老いたる深海鬼》

-クリーチャー (19)-
4 《霊気との調和》
4 《蓄霊稲妻》
2 《ニッサの誓い》
4 《霊気池の驚異》
4 《サヒーリ・ライ》
2 《先駆ける者、ナヒリ》

-呪文 (20)-
3 《通電の喧嘩屋》
2 《否認》
2 《人工物への興味》
2 《慮外な押収》
2 《霊気溶融》
2 《発火器具》
1 《老いたる深海鬼》
1 《キランの真意号》

-サイドボード (15)-
hareruya





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