Translated by Takumi Yamasaki
こんにちは、みなさん!
いつものようにプロツアーが終わり、新しいスタンダードのメタゲームが誕生したね。現在、様々なデッキが【プロツアー『霊気紛争』】後のメタゲームでポジション争いをしている。
その中で今、2つの勢力が環境にあり、これらに続いて今後勢力を増しそうなデッキが1つある、というのが僕の意見だ。
その2つの勢力とは、まず……。
「マルドゥ機体」
 mellda「マルドゥ機体」
Competitive Standard League 2017-02-23(5-0)
3  
2  
4  
4   
4  
4  
1  
1  
 -土地 (23)-
  
4  
4  
4  
4  
2  
1  
1  
 -クリーチャー (20)- | 
4  
4  
4  
1  
1  
3  
 -呪文 (17)- | 
3  
2  
2  
1  
1  
1  
1  
1  
1  
1  
1  
 -サイドボード (15)- | 
このデッキは、いとも簡単に、遅いデッキやマナカーブどおりに動くことができないデッキを倒すことができてしまう。弱点は自身のマナベースに問題があることと、不利な状況から捲ることができないことだ。それでも、このデッキは「黒緑」デッキの脅威に対しても奮闘することができるし、同じく「サヒーリコンボ」相手でもしっかりと動ければ、倒すことができる。
しかし、後手から追いつくことや、やのような、”雪だるま式に大きくなって行く効果”を止めることはできない。このマッチアップにおいて、メインボードでは太刀打ちすることが難しいだろう。
そのため、というカードが鍵になってくる。このカードは、現在のメタゲームにおいて中盤戦や終盤戦で素晴らしい活躍をしてくれる。また、処理しづらく、仮に処理されたとしても、その分テンポアドバンテージを得ることができるんだ。
サイドボード後については、マルドゥカラーという色はアーティファクトを処理したり、いろいろな状況に対応できるカードがあるため、サイドボードに多くの選択肢を提供してくれる。さらに、青をタッチすればカウンターも搭載することができるんだ。これからのトーナメントで戦うとき、メタゲームの予想によっていろいろ組み替えることができるのは、とても良いことだよ。
「黒緑」
 Versicolor「黒緑」
Competitive Standard League 2017-02-23(5-0)
6  
4  
4  
4  
3  
 -土地 (21)-
  
4  
3  
4  
4  
4  
4  
4  
 -クリーチャー (27)- | 
4  
3  
2  
3  
 -呪文 (12)- | 
4  
2  
2  
2  
2  
1  
1  
1  
 -サイドボード (15)- | 
「黒緑」というデッキは、いろいろと形と大きさを変えることができる。たとえそれが、エネルギー型やカウンター型、「機体」型であっても、すべて同様にゲームに勝てる決定力を持っている。これらのデッキは、制御しきれない速さで強くなっていくんだ。「黒緑」はデッキ内のあらゆるカードのマナ効率が良く、実際のコスト以上の働きをする。例えばとは、他のカードをよりパワフルにしてくれるし、早いターンにプレイすることを可能にしてくれる。
このデッキは、時にを装備したときのように多くのデッキを薙ぎ払ってくれるが、や除去が多い相手に対しては相性が悪い。
これらのカードを潜り抜けるには、やのような手札破壊や、といった方法がある。
 
 
 
 
 
 
これらのカードとがあることによって「サヒーリコンボ」も牽制することができる。ミラーマッチや、長いコントロールとのゲームでも、おそらく今後のトーナメントにおいて定してプレイすることができるだろう。もしミラーマッチを意識し、次のトーナメントで良いフィニッシュを飾りたいならば、除去を多めに用意しよう。
ここまでは、おそらくみんなにとって新しい情報ではないだろう。一体どうやって「黒緑」を倒せばいいんだ!と思っている人は多いと思う。
「ティムール」
実際に、僕はマジックオンラインでたくさんスタンダードをプレイしたんだ。だけどまだ解答を見つけることはできていないんだ。ただ、僕がまず言いたいことは、もし自分のデッキを上手くプレイできたならば、多くのアドバンテージを得ることができるということだ。
時にこのフォーマットはドロー次第でゲームが決まるものだったり、相手の序盤の動きに除去を合わせるようなテンポに焦点を当てるゲームに見えるかもしれないが、しばしば起こるたった1つの小さなミスプレイが、やがて自分に跳ね返ってきて負けてしまうんだ。
 
 
 
20ターン以上にも及ぶコントロール同士の戦いや、コンボデッキが繰り広げるとても面白い試合もあれば、「黒緑」同型や、「黒緑」対コントロールのように古典的なミッドレンジ同士による削り合いといった試合もある。「マルドゥ機体」同士のとても速い試合まで、様々だ。これらを制するには相手のデッキによってマリガンやサイドボーディングを行い、どんなカードが入っているかを見極める必要がある。そしてこれが成功へのカギなんだ。
 
「最近のスタンダードはつまらない」と不平を述べる人も多いが、本当に面白いゲームもたくさんある。では、「どうやって『黒緑』を倒すのか」ということになる。先ほど述べたように、僕は最適なデッキなんて思いつかないんだけど……。
ペトル・ソフーレクが、僕にあるデッキリストを教えてくれた。これは僕がすでにMagic Onlineで何度か遭遇したことのあるデッキだったんだが、一般的にはまだまだ新しいアーキタイプだろう。
Petr Souchurek 「ティムール」 
4   
3  
1  
4  
4  
4  
2   
 -土地 (22)-
  
2   
4  
4  
 -クリーチャー (10)- | 
4   
1  
4   
3   
2   
2  
4  
4   
4  
 -呪文 (28)- | 
4  
3  
2   
2   
2  
1   
1  
 -サイドボード (15)- | 
僕が聞く限り、このデッキの原型は八十岡 翔太が自ら作成したものだ。ここで紹介したリストは、その元の八十岡のレシピと比べると、よりコントロールに近い形で調整してある。このデッキは、他のデッキが用いていないカードを使い、現在のメタゲームで戦おうと試みていることが分かる。
やの力を借りず、何度も使用可能な除去であるを採用しているんだ。このカードは「黒緑」や「機体」、「サヒーリコンボ」に対して有効に働いてくれる。
 
察するに、これは今まさにみんなが望んでいるデッキだろう。特に、後攻での「マルドゥ機体」とのマッチアップで奮闘してくれる。
環境全体を見渡してみても、このデッキは「マルドゥ機体」と「黒緑」、そして「サヒーリコンボ」に対して高い勝率を誇っているんだ。だから、このデッキは僕がグランプリ・ユトレヒト2017で使う一番の候補になっているよ。
さて、今日はここまでだけど、次回の記事を書くことが今から楽しみなんだ。マジックのトーナメントに出るための”マジック以外の部分での準備”であるとか、敗北をどう取り扱うべきで、僕自身が実際にどうしているか、といった話題に触れられればいいかな、と思っているよ。
それではまた次の機会に! みんなの“良い初手と勝利”を願っているよ!
Michael Bonde
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Michael Bonde Pilgaard
マイケル・ボンデ。【グランプリ・ストラスブール2013】、【グランプリ・マドリード2015】ではTop4に入賞。さらに【グランプリ・サンパウロ2016】では齋藤 友晴、Thiago Rodriguesと共に5位入賞を果たすなど、輝かしい戦績を数多く持つ。
盤面をコントロールして、複雑なロングゲームを制して勝利を掴む実力者。
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