こんにちは!
先々週、久しぶりにモダンデッキ案内が更新されたのですが、みなさんはもうご覧になりましたか?
僕も3月末から『アモンケット』発売まではモダンに首ったけだったので、今回はモダンデッキ案内の番外編としまして、お気に入りの 「青赤ストーム」 をご紹介させていただきたいと思います!
デッキリストと「青赤ストーム」の変化
「青赤ストーム」の歴史は古く、僕も遥か昔にデッキテクみたいなものを書いていたりしますが、そこから時は流れこのデッキは 大きく形を変えました。マナベースの負担を減らす《尖塔断の運河》の登場も比較的大きなトピックではあるものの、 以前との決定的な違いは《遵法長、バラル》が加入したこと です。
これにより 《ゴブリンの電術師》を実質8枚搭載できるようになった ため、それに伴い 新たな “勝ち手段” として白羽の矢が立ったのが《けちな贈り物》 です。
《けちな贈り物》を “サーチカード” ではなく “勝ち手段” と表記したことに違和感を覚えた方もいらっしゃるかもしれませんが、 このデッキにおける《けちな贈り物》は1枚でゲームを決めてしまえる正真正銘のゲームエンドカード です。
進化した「青赤ストーム」のここがすごい!ほとんど1枚コンボの《けちな贈り物》
《遵法長、バラル》、または《ゴブリンの電術師》がいる状態ならば《けちな贈り物》を3ターン目にキャストすることができますが、驚くべきことに 《けちな贈り物》をキャストする際に3マナが余っているだけで、ほぼ確実にそのターン中に勝利することができる んです。
上記条件が揃ったなら、《けちな贈り物》で下記4種類を導きましょう。
こうすれば 対戦相手がどの2枚を選んでも、1マナ浮かせた状態で《炎の中の過去》をキャスト することができます。
そして無事に《炎の中の過去》が解決すれば墓地にあるマナ加速呪文、さらには《けちな贈り物》が再利用できるようになるので、続く《けちな贈り物》の中に《ぶどう弾》 (と必要であれば2枚目の《炎の中の過去》) を加えればゲームに勝利することができるという仕組みです。
その他の勝ち手段:《ぶどう弾》+《差し戻し》
「青赤ストーム」の主な勝ち手段は上記《けちな贈り物》経由のプランですが、 それに次ぐのは《ぶどう弾》と《差し戻し》の組み合わせ です。
《差し戻し》は対戦相手の呪文に打って時間を稼ぐ使い方以外にも、 自分の呪文に使用して対戦相手の打ち消し呪文を無効化 したり、 「ストーム」呪文を再利用するといった使用法も あります。 (自身の《ぶどう弾》に《差し戻し》をキャストした場合、「ストーム」能力は通常通りに解決されます。)
《ぶどう弾》+《差し戻し》の組み合わせなら十数点は悠に削り切ることができますし、手札に両者が揃っている場合には《差し戻し》を温存してこのプランを選ぶことも多いので、 なかなか《けちな贈り物》にたどり着けないとき や 《安らかなる眠り》などで墓地を封じられているとき にはぜひ検討してみてください。
サイドボード後の戦い方
このデッキは コンボデッキらしくメインボード戦の勝率は高い です。しかしながら、対策カードが入るサイドボード後に苦戦するのもコンボデッキの常。
《大祖始の遺産》や《安らかなる眠り》といった墓地対策を筆頭に、《虚空の杯》や《弁論の幻霊》など、様々な対策カードと直面することになります。
これらのカード全てに対応しようとすると試合の前から頭が痛くなってしまいますが、基本的な考え方として 墓地対策は必ず入ってくる前提でサイドボーディングを行うように しましょう。そして、 その際に大活躍するのが《巣穴からの総出》 です。
墓地対策カードを乗り越えるための基本戦略・《巣穴からの総出》
《巣穴からの総出》は墓地を一切経由しない貴重な勝ち手段 です。
大量の《ゴブリントークン》を処理できるカードは数あれど、多種多様なデッキがひしめくモダン環境では、よほど「青赤ストーム」が目立ったり、メタゲームが偏ったりしない限りは 《巣穴からの総出》への解答を2枚程度しかデッキに入れられないことがほとんど なので、思いのほか簡単にこの戦略が成立してしまいます。
墓地対策が入っていないデッキはほとんどいないので、《ぶどう弾》による迅速な勝利が必要とされる、スピード勝負のマッチアップ以外ではほとんどサイドインしますし、 サイドボード後に最も頼りになる勝ち手段 です。
究極の時間稼ぎ・《血染めの月》
マナ加速呪文から2ターン目に設置できるため、このデッキにおける《血染めの月》は他のデッキのそれと比べて少しばかり強力です。
ただし、結局のところ《血染めの月》だけではゲームに勝てませんし、少しでも設置が遅れればフェッチランドから基本地形を揃えられて効果がなくなってしまうので、 コンボ達成まで、または《巣穴からの総出》でのビートダウンを完遂するまでの時間稼ぎ程度に考えておくといい と思います。
手札破壊を封殺する《神聖の力線》
手札破壊がたくさん入っている「アブザン」や「ジャンド」、そして「《死の影》デッキ」全般に効果的なカードが《神聖の力線》です。
初手にあるかどうかに依存するため好みが分かれるカードではありますが、今現在は手札破壊を多用したデッキが多いので個人的にはあった方がいい枠だと思っています。
もしも《トーモッドの墓所》、《虚無の呪文爆弾》や《貪欲な罠》など、 プレイヤーを対象に取る墓地対策カードが増えたならより信頼のおけるサイドボードカードになります ね。
サイドアウトするカードの優先順位
サイドボードプランは他の項目以上に僕自身もまだまだ勉強中ですが、 《商人の巻物》、《差し戻し》、《ぶどう弾》 (1枚) あたりをよくサイドアウト しています。
《遵法長、バラル》や《ゴブリンの電術師》にほとんど触れないデッキに対しては、それらを少し減量することもあります。
コンボデッキなので、 大幅な入れ替えをしてデッキのバランスが崩れないように注意 しましょう。
カード選択 / プレイ関連のTips
《商人の巻物》 or 《深遠の覗き見》?
どちらにも長所と短所がありますが、 この2種類の差が顕著になるのはサイドボード後 だと考えています。実はこのスロットはどちらのカードであれサイドアウト率が非常に高いのですが、 《差し戻し》や《残響する真実》にアクセスしたいときはサイドアウトしません。
それを加味すると、 上記2種類のカードが確実に手に入る《商人の巻物》が性能で優っている ため、現状では《商人の巻物》を優先しています。
《向こう見ずな実験》+《白金の帝像》なし
メインの勝ち手段と対処方法が異なるため優秀に見えますが、 「青赤ストーム」に対しては《遵法長、バラル》や《ゴブリンの電術師》を除去するためにありとあらゆる除去呪文をサイドインされることが多い ため、あまり効果的だと思えなかったので不採用に。
墓地対策の回避方法
墓地対策には様々な種類があるものの、その中で 真に厳しいカードは永続的に墓地を使わせてもらえない《安らかなる眠り》や《虚空の力線》といったカード です。
上記カードには《残響する真実》を合わせるか《巣穴からの総出》で無視するほかありませんが、《大祖始の遺産》や《虚無の呪文爆弾》のように瞬間的に墓地を空にするカードは、展開次第では無効化することができます。
具体的な方法は、 《魔力変》や《けちな贈り物》を手札に温存した状態で《炎の中の過去》をキャストし、対戦相手に《大祖始の遺産》などの起動を強いること です。
対戦相手が《炎の中の過去》に対応して《大祖始の遺産》や《虚無の呪文爆弾》を起動してきたら、それらが解決して《炎の中の過去》がまだスタックに乗っている状態で《魔力変》や《けちな贈り物》をキャストしていくことで、問題なくコンボを完遂できます。
放送中にたまたま理想通りの展開があったので、お時間のある方は下記動画をご覧になってみてください。
注意点としては、 墓地がスカスカだと《炎の中の過去》をキャストしても無視されてしまう ので、対戦相手が《大祖始の遺産》や《虚無の呪文爆弾》を起動したいと思うくらいには魅力的な墓地にしておきましょう。
また、墓地に《炎の中の過去》があり、なおかつ「あともう1枚マナ加速呪文をキャストしたらそれに対応して対戦相手が墓地対策カードを起動してきそうだけど、それだとマナが足りない」という状況であれば、 《炎の中の過去》を先に「フラッシュバック」 してしまい、それをスタックに乗せたままマナ加速呪文をキャストすればそれを打破できたりもします。
上記動画内の1分40秒あたりで《捨て身の儀式》→《炎の中の過去》「フラッシュバック」と動いたところも、 キャストする順番を逆にした方が良かった ですね。
青赤ストームを対策するには?
墓地対策+《巣穴からの総出》対策
「青赤ストーム」対策として真っ先に思い付くのは墓地対策ですが、それと同様に、またはそれ以上に重要なのが 《巣穴からの総出》対策 です。「青赤ストーム」側の視点で見ると、 対戦相手の対策カードがどれか分からない2本目はとりわけ《巣穴からの総出》に全力を費やすことが多い ので、それを対処できればグッと勝ちやすくなると思います。
全体除去カードの中では、《仕組まれた爆薬》がお勧めです。ゆったりとした展開であれば《遵法長、バラル》や《ゴブリンの電術師》を除去することもできますしね。
専用の対策カードを用意する
上記カードは「青赤ストーム」対策として最上級 です。幸いにも他のデッキに効きづらいので採用される機会は少ないものの、これらのカードを頻繁に見かけるようになったら「青赤ストーム」にとって危険信号ですね。
解説動画
メインボード編
サイドボード編
おわりに
本日のブログは以上です。そろそろ「グランプリ・神戸2017」に向けた練習も開始したいところですが、ひとまずは目の前のプロツアーですね。
晴れるーむ合宿での結果は良好だったので、この調子でスタンダードもがんばりたいところです!
それでは、また次回のブログで!
この記事内で掲載されたカード
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