By Hiroshi Okubo
晴れる屋TC番付表の年間ポイントランキングで第1位に輝いた人物。
小林 龍海(東京)。
「白青奇跡」の名手として知られており、グランプリ・京都2015およびグランプリ・千葉2016トップ64、BIGMAGIC Open vol.7 Sunday Legacyトップ4、日本レガシー選手権2016 Springトップ8、昨年末のEternal Festivlal 2016優勝などなどその戦績は枚挙に暇がない。
だが、輝かしい戦績と裏腹に小林の情報はあまりにも少ない。これだけ勝ち続ける豪傑は果たしてどのような人物なのか? 本インタビューでは、未だ謎のベールに包まれる小林の人物像に迫った。
マジックと龍海さん
--「小林さんはいつごろマジックを始められたのでしょうか?」
小林「『ミラージュ』の頃ですね。中学で流行ってて……」
--「『ミラージュ』(※1996年10月発売)ですか! かなり昔からプレイされていたんですね……」
小林「まぁ学生時代はお金もなかったですし、本当にカジュアルに友だちと遊ぶ程度でしたが。本格的にプレイし始めたのは社会人になってからです。『ローウィン』時代ですね」
--「小林さんといえばレガシーで白青奇跡を使用されている“生粋のコントロールデッキ使い”というイメージが強いですが、やはり当時からフェアリーなどカウンターを積んだデッキを組まれていたのでしょうか?」
小林「いえ、その頃はまだプレイングも全然でしたし、昔はコンボデッキが好きだったので『赤白ヒバリ』(※1)などを使っていました。《大いなるガルガドン》などが入っている形ですね」
4 《冠雪の島》 1 《冠雪の沼》 4 《冠雪の山》 3 《鮮烈な小川》 3 《鮮烈な岩山》 2 《偶像の石塚》 2 《涙の川》 2 《シヴの浅瀬》 1 《アダーカー荒原》 1 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》 -土地 (23)- 2 《造物の学者、ヴェンセール》 2 《誘惑蒔き》 3 《影武者》 3 《包囲攻撃の司令官》 4 《熟考漂い》 4 《目覚ましヒバリ》 3 《大いなるガルガドン》 -クリーチャー (20)- |
4 《稲妻の斧》 4 《虹色のレンズ》 2 《冷鉄の心臓》 2 《入念な考慮》 2 《滅び》 3 《その場しのぎの人形》 -呪文 (16)- |
2 《エイヴンの裂け目追い》 3 《隆盛なる勇士クロウヴァクス》 2 《台所の嫌がらせ屋》 2 《ザルファーの魔道士、テフェリー》 2 《テフェリーの濠》 1 《ヴェズーヴァの多相の戦士》 2 《太陽と月の輪》 1 《薄れ馬》 -サイドボード (15)- |
--「小林さんがコンボデッキをつかって使用されていたというのはあまりイメージが湧きませんね……それから徐々にレガシーなど下のフォーマットをプレイされるようになった、という感じでしょうか?」
小林「ええ。たしか《神秘の教示者》が禁止になるかならないか(※2010年7月1日)、くらいの頃だったと思います。昔のカードはそれなりに持っていましたし、わりとすんなり始められました。まぁ、とはいえ当時はレガシーのイベントもそこまで多くありませんでしたし、『ゴブリン』などを組んでカジュアルに友だちと遊ぶ感じでしたね。それから晴れる屋ができて、のぶや成樹(※2)と知り合って今に至る、という感じです」
※1:『時のらせん』~『ローウィン』期に見られた《目覚ましヒバリ》と《影武者》と《大いなるガルガドン》による無限ループが搭載されたコンボデッキ。キーカードを墓地に落とすために《稲妻の斧》などが採用されていることが特徴。
※2:のぶ=斉藤 伸夫。成樹=高野 成樹。どちらも東京の強豪レガシープレイヤーで、「白青奇跡」使いとして知られている。彼らの戦績については割愛(書き切れないため)。
レガシーと龍海さん
--「さて、特に後半の競争が激しかったレガシー番付で年間獲得ポイント1位になられた小林さんですが、やはりポイントレースのことはかなり意識されていたのでしょうか?」
小林「いえ、気がついたら勝手に1位になってたという感じです。最初は『ああ、1位だなぁ』とぼんやり認識していたのですが、途中で大会参加費の学割などが始まったタイミングで『これは学生に抜かれるだろうなぁ』と思って気にしなくなりました。ただ、それでも結局1位でしたね。会社帰りなど、週4くらいでちょこちょこ大会に出ていただけで、特別なことは何もしていませんけれども……」
--「なるほど、いつの間にか、と……話は変わりますが、昨年末にはEternal Festivlal 2016で優勝されていましたね。優勝したときのお気持ちはいかがでしたか?」
※画像は『Eternal Festival Tokyo 2016』 カバレージページから引用しました。
小林「強いプレイヤーと戦ってしっかりと勝ち切ることができたので、やっぱり嬉しかったですよ。ああいったタイトルのついたトーナメントで優勝した経験はこれまでになかったんですよね」
--「初優勝だったんですか! 失礼かもしれませんが、様々なトーナメントで上位入賞されているのを拝見していたので、てっきり優勝経験もおありなのかと思っていました……」
小林「そもそもトーナメントでトップ8に入れるようになったのもわりと最近でして……いつも1没や2没で優勝まではできていなかったんですね。それもあって、嬉しさも
強さの秘訣と龍海さん
--「では、小林さんの強さの秘訣についてお伺いしたいと思います」
小林「めっちゃ普通のこと言うんですけど、一番大切なのは『練習量』と『同じミスをしないこと』だと思います。ミスはしゃーないですし、ミスするなってわけではないんですけど、同じような盤面で同じようなミスをしない、とか。本当に基本的なことですね」
--「基本が一番大事、と……他にはありますか?」
小林「あとは『トリッキーなことを考えるクセをつける』などでしょうか。たとえば《狼狽の嵐》の使い方などですね。普通に使えば《呪文貫き》もどき、あるいは『ストーム』対策カードですが、うまくやれば1対2交換も可能なので、じゃあどう使うかとか。そういったプレイングのパターンを常に考えることで引き出しも増えていくので、実際にそのプレイをするかどうかはともかく考えることが大事ですね」
--「ありがとうございます。最後に、これからレガシーを始めたい!という方に何か一言いただきたいです」
小林「えっ? うーん、『当たったらよろしく』とかですかね」
終始リラックスした様子で、しかし折り目正しくインタビューに応じてくれた小林。独特の風体ながら、謙虚で落ち着いた彼の様子が少しでもお伝えできたなら幸いだ。
これからの活躍にも期待が高まる、レガシー界の要注目プレイヤーだ。
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