はまさんの事件簿 ~チームGP2連戦編~

金川 俊哉

どもども。はま屋のはまさんこと金川です。

グランプリ・サンアントニオ2017 (以下GPサンアントニオ) とグランプリ・メキシコ2017 (以下GPメキシコ) のチームグランプリ2連戦に参加してきたのでそのレポートをお送りいたします。

GPサンアントニオはチームモダンで、GPメキシコはチームリミテッドと、珍しくチームGPが2つ続きました。

実はサンアントニオはテキサス州にあり、テキサス州はメキシコと隣接しているので連続でGPに出るには結構適していたりするのです。

ただ、日本が大好きな僕は、

サンアントニオ → 日本一時帰国 → メキシコ

というちょっと何言っているかわからないスケジュールで連戦してきました。

精神錯乱

当初サンアントニオのGPだけ参加する予定で、その旅券を取ったあとに井川さんに誘われてメキシコに行くことにしたので、泣く泣くこうなったわけです。

わいだって最初から連戦する予定だったらそういう日程組んだんやっ!!

■ GPサンアントニオ

◆ チームモダンについて

GPサンアントニオはチームモダンのGPでした。なじみのないチームモダンというフォーマットですが、どんなフォーマットかというと、3人1組でチームを組みモダンで戦います。

ただし、デッキ構築には制限があり、各々のデッキに入っているカードをサイドボードを含めてほかの2人は1枚も使うことができません。

あとは普通のモダンと一緒です。

昨年のワールド・マジック・カップ2016で採用されたフォーマットであり、GPでは今回が初めてとなります。

◆ チームとデッキ

今回僕らのチームは、マンモス (石井 泰介) さん、ポマ (青木 力) さん、僕というモダン大好きおじさんチームで参加しました。

左からポマさん、はま、マンモスさん。

それぞれ使ったデッキはこんな感じです。

使用者 デッキ
マンモスさん《蔵の開放》デッキ
ポマさんドレッジ
はまエルドラージトロン

基本的には各々が得意とするデッキやカードが被らないように選択してデッキを決めました。

僕のデッキ選択の候補としては、グリクシス死の影・アブザン・エルドラージトロン・バントエルドラージがありましたが、一番うっかりミスが少ないであろうエルドラージトロンを選択しました。

使ったデッキはこんな感じです。


金川 俊哉「エルドラージトロン」
グランプリ・サンアントニオ2017(チームモダン)

1 《荒地》
4 《エルドラージの寺院》
4 《ウルザの塔》
4 《ウルザの魔力炉》
4 《ウルザの鉱山》
4 《幽霊街》
1 《魂の洞窟》
1 《海門の残骸》

-土地 (23)-

4 《歩行バリスタ》
4 《猿人の指導霊》
4 《作り変えるもの》
4 《難題の予見者》
4 《現実を砕くもの》
3 《終末を招くもの》

-クリーチャー (23)-
3 《四肢切断》
4 《虚空の杯》
4 《探検の地図》
3 《大祖始の遺産》

-呪文 (14)-
3 《漸増爆弾》
3 《全ては塵》
2 《バジリスクの首輪》
1 《呪文滑り》
1 《ワームとぐろエンジン》
1 《絶え間ない飢餓、ウラモグ》
1 《外科的摘出》
1 《真髄の針》
1 《世界のるつぼ》
1 《殴打頭蓋》

-サイドボード (15)-
hareruya

メインに《虚空の杯》を4枚取ることで、《死の影》系のデッキへの耐性を上げ、《流刑への道》を防ぐことでエルドラージ生物を守ります。

死の影虚空の杯流刑への道

『霊気紛争』で登場した《歩行バリスタ》が非常に強力で、今まで苦手としていた序盤の除去や《罠の橋》などを張られた際の別の勝ち手段にもなり、エルドラージトロンというデッキをトーナメントシーンまで押し上げた1枚といえます。

歩行バリスタ

そんなこんなで、最近良く見られるようになってきて面白そうだなと思ってこのデッキを使うことにしました。

◆ GPサンアントニオ結果

ラウンド 勝敗
Round 1
Round 2
Round 3×
Round 4×
Round 5
Round 6×
Round 7
Round 8×
Round 9×

結果は4-5という成績で残念ながら初日落ち。

GPサンアントニオ・チームとしての反省点

終わったあと何が問題だったかを少し話し合いましたが、今回は調整をMagic Online (以下MO) ベースでやっており、その時期MOでは《死の影》系のデッキが非常に多くそれに勝てるような形にデッキを調整していったため、それ以外のデッキへのガードが下がってしまいました。

チームモダンではどんなに当たっても《死の影》デッキは1/3の確率でしか当たらず、むしろそれ以外の親和やバントエルドラージなどのデッキに当たる確率のほうが高いのです。

電結の荒廃者難題の予見者

僕たちのデッキは《石のような静寂》に弱いデッキが2つ、《安らかなる眠り》に弱いデッキが2つと、クリティカルに効くカードがよく効く構成になっていたのも反省点の1つです。

石のような静寂安らかなる眠り

要するに仮想的の設定が間違っていたためにデッキ選択・サイドボード選択を間違えてしまったということです。

GPサンアントニオ・個人としての反省点

個人的な反省ですが、僕の選択したエルドラージトロン。チームモダンというフォーマットだと、バントエルドラージや他のデッキ選択のほうが良かったかなと。

まず通常のモダンGPよりバントエルドラージや親和に当たる確率が高く、エルドラージトロンはそれらのデッキが非常に厳しいマッチアップとなっています。

バントエルドラージは《変位エルドラージ》《希望を溺れさせるもの》と苦手なカードが多くサイドボード後は《石のような静寂》などにより不利になります。

変位エルドラージ希望を溺れさせるもの

親和も同様に全体除去である《全ては塵》が効かない相手のため、《漸増爆弾》などで凌がないといけませんが、基本的に速度で間に合わないことが多いため相当厳しいです。

全ては塵漸増爆弾

バントエルドラージであれば、親和には必殺の《石のような静寂》を取ることができ、それ以外にも3色であることを利用して柔軟なサイドボードを採用することができます。

モダンというフォーマットにおいてバントエルドラージはすごく強いデッキではないと思っていますが、チームモダンというフォーマットにおいてはかなり強いデッキの1つという認識に変わりました。

チームモダンはモダンはモダンですが、結構別物!という当たり前の結論を得て終わりました。

次の機会があればもうちょっと頑張れるかなと思います!初日落ちしてしまいましたが、笑顔のたえない楽しい週末を過ごすことができました。

組んでくれたチームメイトにはめっちゃ感謝です。

■ GPメキシコ

GPサンアントニオが終わったのもつかの間、火曜日に日本に帰国し、金曜日に再び成田からアメリカ経由でメキシコへ。

さすがに笑っちゃいます。

◆ チームについて

今回は同じHareruya Prosの井川 (良彦) さんと、リミテの神様rizer (石村 信太朗) さんというチームです。

僕のよく使うスタンプにぴったりのやつがありました。要するにこういうチームです。

◆ メキシコ到着まで

海外GPはいつも何かと問題が起こりやすいのですが、今回はいつも以上に色々ありました……。

GPメキシコ事件簿その1

飛行機飛ばず。

搭乗予定時刻に空港の出発ゲートに行ったら、どうやら2時間遅延しているようです。まぁ2時間ぐらいならなんとかメキシコまで行けそうだなって話しをしてたのもつかの間。

なんと2時間の遅延が10時間に!

さすがに10時間も遅延したらメキシコへの乗り継ぎ便がなくなってしまうので慌てる一同。

結局別の飛行機を手配してもらい5時間遅れでいけることになりました。

GPメキシコ事件簿その2

チームメンバーこず。

やっとの思いで乗り継ぎのヒューストン空港まで着き、乗り継いでいざメキシコへ!となる予定だったんですが……。

途中入国審査とかでバラバラになってしまって先に飛行機に乗ってたら、一緒の飛行機に乗るはずの日本人が結構到着しておらず、なんとそのまま飛行機は出発。

その中にはチームメンバーの井川さんとrizerさんも……。

どうやら入国審査でめちゃくちゃ時間がかかって乗り継ぎに失敗したと。

結局次の便に振り替えてもらって、2時間遅れぐらいで無事メキシコ入りしてなんとか事なきを得ました。

GPメキシコ事件簿その3

荷物届かず。

なんやかんや色々あったので、当然メキシコ空港に預けた荷物は届いておらず。

届いたらホテルまで送るということで空港職員と話してホテルで待つことに。

待てども暮らせど荷物は届かず、その日の到着をあきらめて寝てたら深夜1時ぐらいにホテルの電話で起こされる。やっと届いたかと思ってフロントに行ったら、同じく届いていなかった高尾くんの荷物で僕のは届いておらず。

なんでやねん!

結局翌々日になんとか受け取れました。

◆ チームリミテッドの作戦

今回の僕の作戦はきわめて単純。

僕はモダンの練習などで全然練習時間が取れなかったので、井川さんとrizerさんにおんぶにだっこ作戦です。

繰り返しますがこういうチームです。

◆ デッキ構築

基本的におんぶにだっこ作戦なので僕がココで書けることはあまりないのですが、今回デッキ構築をしていった流れについて書きます。

まずはカードを色毎に分けたあと、エネルギー系のカード・レア・マルチで分けます。

この段階で基本的に弱いカードは取り除いておきます。それが終わったら各色の組み合わせを検討していきます。

組み合わせ 点数
白青
白黒
白赤
白緑
青黒×
青赤
青緑
黒赤
黒緑
赤緑

たとえばこんな感じで評価し、なるべく△や×が入らない3つのデッキの組み合わせを考えます。

そのあと実際に組んでみて、3つのデッキがそれぞれ強いデッキになっているかを考えます。

一度仮組みできたら今度は別のデッキの組み合わせも試し、最終的に一番3つが強く使えるデッキの組み合わせを決定します。

あとは細部の調整をして、サイドボードの振り分けをして完成です。

この一連の流れを井川さん・rizerさんがやっているのを応援するのが僕の仕事でした。

いや~大変でした。

◆ GPメキシコ結果

わずか160チームという非常に参加者数の少ないGPだったんですが、とにかく面子が濃すぎ。

適当に石を投げたら殿堂に当たるぐらいで、もはやプロツアーメキシコって感じでした。

初日のプールは中の上。レアも除去もそこそこあり、そこそこ良い感じでした。

ラウンド 対戦相手 勝敗
Round 1
Round 2
Round 3
Round 4アンドレー・クネオ
エリック・フローリッヒ
ベン・スターク
×
Round 5
Round 6ジョン・フィンケル
トム・マーテル
ジェイミー・パーク
×
Round 7ブラッド・ネルソン
セス・マンフィールド
ミカエル・メジャー
Round 8マルシオ・カルバーリョ
ウィリー・エデル
メデイロス・マージャム
Round 9×

2日目のプールは中の下。緑色のプールに除去がなく、3つ目のデッキ構築が難しいプールでした。

ラウンド 対戦デッキ 勝敗
Round 10再びマルシオのチーム
Round 11ウィリアム・ジェンセン
オーウェン・ツァーテンウェルド
レイド・デューク
Round 12×
Round 13
Round 14再びフィンケルのチーム
(リベンジできず)
×

とにかく強い相手ばっかりで結果は少し残念でしたが、かなり楽しいGPとなりました。

誘ってくれた井川さん・rizerさんありがとうございました!

個人成績については書いてもしょうがないので割愛しますが、2日目は一度も勝てずにかなり申し訳なかったことだけ書いておきます。

しょ、初日はそこそこ勝ったのでチャラということで……。

GPメキシコの反省点

反省点として初日は構築がギリギリとなり、サイドボードのカードの分配で時間に余裕のあった井川さんにたくさんのカードを渡してしまいましたが、井川さんのデッキはそのままでも結構強いものだったので、デッキの強さに不安が残るrizerさんに振り分けたほうが、サイドボードのプランに幅が出てやりようがあったんじゃないかと。

2日目の構築はプール自体がそこまで強くなかったことと初日の反省点を生かし早めにデッキ登録をしたためにサイドボードの分配はかなりうまく行ってました。

ただ僕のデッキが結構厳しかったので、何とかならなかったのかというのが反省点としてあがっていました。

結論としては、《高峰の注入》を4枚入れ《歯車襲いの海蛇》などの重いカードを採用せずにメインボードは前のめりのビートをして、サイドボード後に変化をつけメリハリの利いた戦術を取ることでトータルの勝率を上げられるんじゃないかということでした。

高峰の注入

「プール弱かったね~」で終わらせないところにチームメイトの頼もしさと強さを感じたGPとなりました。

■ まとめ

今回2週連続でチームGPに出場しましたが、どちらのGPも大変楽しく過ごすことができました。

GP自体非常に楽しいイベントですが、仲の良いチームメイトで参加するGPはそれ以上に楽しいものでした。びばっチーム戦っ!

また出たいっすね~。ではでは。

はまさん

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