CARDBOX OPEN主催者インタビュー ~特別な体験を提供できるイベントを目指して~

晴れる屋メディアチーム

By Atsushi Ito

 2017年5月、日本のマジック界に新たなムーブメントの幕が上がる。

 ゴールデンウィークの終わりとなる5月の6・7日(土・日)、京都にて、賞金制の大会であるCARDBOX OPENが、この晴れる屋の全面協力のもとで開催される運びとなったのだ。

 だが、日本のマジックで賞金制の大会というだけなら、公式のグランプリの他にも『The Last Sun』や『BIGMAGIC OPEN』などもあり、必ずしも目新しいというわけではない。

 そしてそういった点を踏まえると、CARDBOX OPENについて読者諸兄にはまだ、「どういう大会なの?」「どうして開催するの?」といった疑問が尽きないことと思われる。

 そこで今回は主催者である橋本 裕史さんに、開催の経緯やコンセプトとイベントの魅力について、話を伺ってみることにした。

開催の経緯 ~特別な体験を提供できるイベントを目指して~

--「今回、どういった経緯でこのCARDBOX OPENという、賞金制の一大オープンイベントを開催する運びとなったのでしょうか?」

橋本「もともとは、うちでもグランプリのようなものを開催したいと考えたのがきっかけです。初めてグランプリというものに足を運んだのは2~3年ほど前のことですが、あれほど人が多く集まるイベントに今まで行ったことがなかったので、カードゲームでここまでできるのか、と驚いたのを覚えています」

--「グランプリのどういった点が魅力だと感じたのでしょうか?」

橋本「一言では言い表せないのですが、たとえば音楽のライブイベントとかだと壇上に立つアーティストが主役で、観客はあくまで脇役ですよね。ですがグランプリはそういうのとはまた全然違って、みんなで作り上げてる、みんなが主役のイベントという感じがすごいと思いましたね」

--「なるほど、それで参加者それぞれが主役として楽しめるイベントを作りたいと思ったわけですね」

橋本「そうです。イベントに来場した方ひとりひとりに特別な体験を楽しんでいただくというのはCARDBOX全体のコンセプトの一つでもあって、マジックチャレンジ沖縄マジックチャレンジ名張の際にも様々な取り組みをさせていただきました」

名張のマジックチャレンジでは忍者をコンセプトにした企画が催された

--「沖縄もCARDBOXさんだったんですね。『沖縄でもこんなに楽しまれてるんだ!』と思ったのをよく覚えてます。名張の方は、なんか忍者的なアレでしたね。そういえばプロツアー『破滅の刻』地域予選 in 名張 (レポートvol.1vol.2) では、食事が提供されて話題になっていたのをお見掛けしました」

RPTQでは特別提供フードとして牛丼が振る舞われた

橋本「三重県伊賀市は伊賀牛というブランド牛がありまして、そちらを使用した牛丼と、トン汁を提供させていただきました。初めてのRPTQ主催というのと、やはり関東・関西含めて遠方から多くの方がいらっしゃる機会ということで、少しでも『良いイベントだったな』と思っていただけるような、特別な体験を提供したかったのですが、ご好評いただけたようで何よりです」

--「今回、CARDBOX OPENは賞金制のイベントとなるわけですが、賞金制という部分についてはいかがでしょうか?賞金と特別な体験が必ずしも結び付くものではないように思えますが」

橋本「確かにそうですが、それでも日常生活の中で賞金をもらえるイベントってなかなかないじゃないですか。それに賞金をもらえるかも、となるとやっぱりテンションもアガりますよね。グランプリでもマネーフィニッシュできたことは良い思い出になると思います。そういった意味で、純粋に励みにしてもらえたら良いなと思います」

関西のマジックを今以上に盛り上げていきたい

--「今回、開催地が京都のパルスプラザということですが、関東での開催などは選択肢に入らなかったんでしょうか?」

橋本「そうですね、CARDBOXの店舗は加盟店様含めて北は北海道、南は沖縄まであるんですが、店舗数で言うとやはり関西を中心に展開させていただいているので、まずは関西を中心に盛り上げていきたいというのがあります」

--「関西というと、最近はうちも大阪店を出させていただきましたし、結構盛り上がってきているのかなと思いますが、さらに盛り上げたいということでしょうか」

橋本「関西で強くなりたい人がいたとしても関東に行ってしまうというような風潮もあり、強いプレイヤーがさらに上を目指しにくい環境になっているのかなと感じています。それは、大きなイベントがないのが要因なのかなと思いまして」

--「確かに150人~200人来るような大会でフィーチャーマッチに呼ばれたりトップ8に残ってデッキや名前を全国に知らしめたい、けれど関東に遠征するのは厳しいというようなプレイヤーにとっては、現状の関西でのイベント頻度・内容では物足りなかったところかもしれませんね」

橋本「実際、そういうプレイヤーがほとんどではないかと思うんです。そういった方々のためにも、関西のマジックを今以上に盛り上げていきたい、それを踏まえてのこの大会ということで、今回賞金とられた方などは、関西で賞金制のイベントがあるんだということを関西でマジックされる際のモチベーションにしてもらえたらいいなと思ってます」

CARDBOX OPENの魅力

--「それでは具体的に、今回のイベントの魅力についてお聞かせいただければと思います」

橋本「はい、まずはメインイベントが土曜日にオープンスタンダード、日曜日にオープンレガシーとGP神戸チャレンジモダンと3フォーマットご用意させていただきました。こちら3つとも賞金制となっておりますので、皆様奮ってご参加いただけるとありがたいです」

--「特にレガシーは今年国内グランプリがない関係で燻っているプレイヤーも多いでしょうし、大きなレガシーの大会で活躍したいという方にはうってつけですね」

橋本「はい。それからサイドイベントとして、『うまし国三重争奪モダン』『うまし国三重争奪スタンダード』がそれぞれ土曜と日曜に開催されます。こちらはなんと優勝すると伊賀牛特選セット(1kg)、準優勝で伊賀コシヒカリ(10kg)をゲットできるイベントとなっております」

10kgの米はもちろん宅配が可能だ

--「え、マジックで勝つと肉と米が手に入る?コンボじゃないですか」

橋本「確かに(笑) 2日連続で出場して優勝と準優勝を達成してもいいですし、もしくはご友人とお誘いあわせの上、ぜひ三重県産の最強コンボを獲得していただければと思います。参加賞で伊勢名物赤福もお配りいたしますよ。また、ほかにも各種サイドイベントをご用意させていただきましたので、早めに負けてしまった方でも一日中楽しんでいただけると思います」

--「カバレージ放りだして出てもいいですか?」

橋本「ダメです(笑)」

--「……さて、最後になりましたが、CARDBOX OPENに参加される方やこれから参加を検討される方に向けて一言いただければ」

橋本参加者の皆様ひとりひとりに『ああ、このイベントに来てよかったな』と満足してもらうことが最大の目標です。今回だけではなく、関西でずっと定着するイベントにしていけたらと思っておりますので、ぜひともお気軽にご参加ください」

--「ありがとうございました」


 グランプリの主催経験こそないものの、マジックチャレンジ、RPTQとステップを重ねてそれぞれにおいて参加者に「特別な体験」を提供することに成功してきたCARDBOX。

 そんなショップによる初めての賞金制オープンイベントならば、きっと参加者たちに「来てよかった」と思わせてくれるに違いない。

 近隣の方はもちろん、この機会に遠征してみたいという方も歓迎とのこと。ぜひ参加して、この新しいムーブメントを形作る主役の一人に名乗り出てみて欲しい。

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