コントロール好きに朗報!
序盤を除去とカウンターで凌ぎつつ、中盤以降はドローで選択肢を増やし、いよいよマナが伸びてゲームが終盤に差し掛かると、フィニッシャーを叩きつけてケリをつける……。
コントロールデッキのそういった“シブい動き”に魅了されるプレイヤーは少なくない。今回は、StarCityGames Open Atlantaから上位32位に入賞を収めていたデッキの中から古き良きコントロールデッキ、「スゥルタイコントロール」を紹介しましょう。
1. スゥルタイコントロールとは?
4 《沼》 2 《島》 1 《森》 2 《異臭の池》 4 《進化する未開地》 4 《花盛りの湿地》 3 《植物の聖域》 2 《伐採地の滝》 2 《窪み渓谷》 -土地 (24)- 1 《害悪の機械巨人》 3 《奔流の機械巨人》 2 《歩行バリスタ》 2 《不屈の追跡者》 3 《墓後家蜘蛛、イシュカナ》 -クリーチャー (11)- |
4 《致命的な一押し》 4 《ウルヴェンワルド横断》 2 《否認》 1 《造反者の解放》 2 《不許可》 2 《闇の掌握》 1 《殺害》 1 《餌食》 2 《天才の片鱗》 1 《ヒエログリフの輝き》 1 《不帰+回帰》 1 《暗記+記憶》 1 《最後の望み、リリアナ》 2 《死の権威、リリアナ》 -呪文 (25)- |
2 《氷の中の存在》 2 《ゲトの裏切り者、カリタス》 2 《精神背信》 2 《鞭打つ触手》 1 《払拭》 1 《自然のままに》 1 《造反者の解放》 1 《否認》 1 《ヤヘンニの巧技》 1 《慮外な押収》 1 《秘密の解明者、ジェイス》 -サイドボード (15)- |
スゥルタイコントロールは黒の除去、青のカウンター&ドローという典型的な2つのコントロール要素に加えて、緑のタフなクリーチャーで戦線を築くデッキです。特に、現在の緑には《不屈の追跡者》や《墓後家蜘蛛、イシュカナ》といった中・長期戦でも非常に強く、アドバンテージ源にもなるクリーチャーが数多く存在しており、《ウルヴェンワルド横断》といった優秀なサーチ呪文もあるため、多くの可能性に満ちた色の組み合わせと言えます。
除去には《致命的な一押し》や《闇の掌握》といったお馴染みの面々に加えて《不帰+回帰》という新たな“《戦慄掘り》の系譜を継ぐ除去”が採用されています。《破滅の道》の「覚醒」能力と比べると、《回帰》面でプレイした際に戦力として加わるクリーチャーのサイズは二回りほど劣りますが、比較的軽いマナコストでプレイできるため小回りが利くのが魅力です。地味ながら墓地対策能力もついているため、対戦相手の「昂揚」達成を防ぐなどの役割を持つこともできそうです。
注目カード3選
《ヒエログリフの輝き》
序盤は「サイクリング」によって1ドローになりながら、中盤以降は2ドローに変換できる新たな《霊感》の上位互換。《天才の片鱗》と比較すると4マナでプレイしたときのドロー効率はやや落ちるものの、高速アグロ相手にも腐りにくいいぶし銀のドロー呪文です。
地味ながらデッキの安定性に貢献してくれる1枚で、今後は青いコントロールデッキで広く採用されるでしょう。同様にこのデッキでは《造反者の解放》といったアーティファクト対策カードも「サイクリング」の一文があるためにメインボードから採用されています。
《暗記+記憶》
やや重いものの呪文のみならず盤面にも触ることができる《記憶の欠落》。アドバンテージの損失もなく、厄介な呪文やパーマネントをライブラリーの上から2枚目という“すぐにはドローされない場所”へ隠せる新たな分割呪文です。
何より《記憶》側の能力の派手さは目を見張ります。なんとテキストはパワー9が1枚、《Timetwister》と同様のもの! 「余波」コストは6マナとやや重いですが、《奔流の機械巨人》で「余波」の方を唱えることもできるため、《暗記+記憶》で呪文をライブラリーに戻しながら《奔流の機械巨人》+《記憶》でシャッフルさせつつ自身も手札を補充、盤面には5/6が残る……といった芸当も可能です。
よく見ると《暗記+記憶》の方のテキストには「打ち消す」という文字が書かれていないため、打ち消されない呪文にも対応できます。唯一無二といってもいい要素が多くあるカードなので、もしかするとモダン以下の環境でも活躍する日がくるかもしれません。
《死の権威、リリアナ》
みんな大好きリリアナが『アモンケット』でさらにパワーアップ! 5マナとやや重めですが、「+1」能力で墓地肥やし兼トークン生成、「-3」能力で《ゾンビ化》とマナコストに見合った強烈な性能を誇ります。このデッキでは《歩行バリスタ》を除くとすべてのクリーチャーが釣り上げておいしいただ強クリーチャーで、「昂揚」を達成した《墓後家蜘蛛、イシュカナ》を「-3」能力でリアニメイトすればコンバットではそうそう負けない鉄壁の布陣を築き上げることができるでしょう。
何より過去の《リリアナ・ヴェス》同様に5マナだけあって初期忠誠度5と非常に硬く、「+1」から入っても「-3」から入っても強力なプレインズウォーカーです。プロツアーでの活躍にも期待が高まります。
サイドボードピックアップ!
《氷の中の存在》
プロツアー『カラデシュ』で優勝した八十岡 翔太もメインボードに採用していた壁兼フィニッシャー、《氷の中の存在》がサイドボードに採用されています。
序盤は0/4というサイズで地上の《屑鉄場のたかり屋》や《異端聖戦士、サリア》をキャッチしつつ、2~3ターンも経過する頃には対戦相手の戦場を壊滅させながら素早くクロックを刻んでくれます。「余波」能力を持った分割カードとの相性も良好で、これからの活躍にも期待が高まります。
《ゲトの裏切り者、カリタス》
サイドボードには《ゲトの裏切り者、カリタス》の姿も見られます。《屑鉄場のたかり屋》のようなクリーチャーに有効なことはもちろん、『アモンケット』で新たに追加された《戦慄の放浪者》にも効果的です。
墓地から何度も戦場に戻ってくるクリーチャーの存在はコントロールデッキからすると頭が痛くなる厄介なものですが、《ゲトの裏切り者、カリタス》がいれば一安心でしょう。《死の権威、リリアナ》で再利用しても強い、信頼と実績のスロットです。
ゲームを支配しろ!
「マルドゥ機体」などの影に押されがちですが、カウンター・除去・ドロー、そしてフィニッシャーのすべてが強化された、一層柔軟なゲームプランを採ることができるようになったコントロールデッキもまた要注目のアーキタイプです。
これから徐々に環境が固まってくると、いよいよコントロールデッキが牙を剥くことになるでしょう。プロツアーでの活躍からも目が離せなくなりそうです。
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