By Atsushi Ito
光があれば影もある。
Hareruya Pros・マーティン・ミュラーが華々しくトップ8を飾る一方で、成果を得られず忸怩たる思いを抱えるプレイヤーがいた。
プロツアー『運命再編』以来久しぶりのプロツアー出場だった、”はまさん”こと金川 俊哉だ。
ドラフトラウンド1勝2敗、スタンダード2勝3敗で惜しくも初日敗退となってしまった金川に、なぜプロツアーで勝つことができなかったのかについて伺ってみた。
--「今回のプロツアーは残念な結果に終わりましたが、反省点などがもしあれば、お聞かせいただきたいです」
金川「ひたすら準備が足りていなかったな、という印象です。スタンダードについては、機体・霊気池・ゾンビというメタゲームはある程度読み切れていて、スゥルタイ霊気池というデッキ選択も合っていたと思うんです。同じデッキを使った齋藤 慎也さんはスタンダード8-2してますからね」
3 《森》 2 《沼》 1 《島》 2 《進化する未開地》 4 《花盛りの湿地》 4 《植物の聖域》 4 《霊気拠点》 -土地 (20)- 4 《導路の召使い》 4 《ならず者の精製屋》 3 《墓後家蜘蛛、イシュカナ》 1 《害悪の機械巨人》 3 《絶え間ない飢餓、ウラモグ》 -クリーチャー (15)- |
4 《霊気との調和》 4 《致命的な一押し》 1 《ウルヴェンワルド横断》 1 《造反者の解放》 4 《発生の器》 1 《ジェイスの誓い》 3 《織木師の組細工》 4 《霊気池の驚異》 3 《死の権威、リリアナ》 -呪文 (25)- |
4 《不屈の追跡者》 3 《否認》 3 《ヤヘンニの巧技》 2 《餌食》 2 《没収》 1 《払拭》 -サイドボード (15)- |
--「どういった経緯でこのデッキを選択されたのでしょうか?」
金川「グランプリ・北京2017から帰って火曜日にLINEグループを立ち上げたんです。Hareruya Hopesの浦瀬くんや、よく海外GPに遠征しているナイデくんと、はま屋で働いてもらっているシミズくん、それと僕と齋藤さんの5人ですね。上記のようなメタゲームが想定されたので、赤黒の早いアグロとスゥルタイ霊気池の2択だったんですが、ナイデくんからマジック・オンラインでの対戦結果のフィードバックをもらえたのと、浦瀬くんがスゥルタイ霊気池のエキスパートでサイドインアウトも作ってくれたこともあり、このデッキに決めました」
--「どういった点が不足していたのでしょうか?」
金川「会場のメタゲームも予想した通りで、デッキの選択自体は合っていたけど、デッキを回す時間がとれなくて……調整チームとしてはある程度成功だったのかなと思いますが、プレイヤーとしての練度が足りていない状態、つまり乗り手がダメでしたね」
--「ドラフトに関してはいかがでしたか?」
金川「晴れるーむ合宿の中である程度勝てるデッキのイメージは掴めていたんですが、赤と緑と白のパターンばかりで。グランプリ・北京2017でもそうだったんですが、これらの3色が人気で被った場合に逃げられないという弱点を抱えていたんですよね。ただこれについても時間がどうしても足りなくて、青とか黒で勝つ準備ができなかった。実際、ファーストドラフトは赤が3人被った上での一番下という最悪のポジションでずるずる行ってしまった結果の1-2でした」
--「ありがとうございました」
プロツアー参加者にとって、「いつから」「どれくらい」練習をすれば十分かというのは常に付きまとう難題だ。
継続的にプロツアーに参戦できるレベルプロならばそれも己のスタイルとして生活に組み込むことが容易になるが、グランプリトップ8などで権利を獲得したプレイヤーにとっては必ずしも容易なことではない。
一方そんなとき、サポートしてくれる仲間がいることは大きな助けとなる。
プロツアーに限らず大きな大会に参加して目標を達成しようとする際には、こういったことを意識して準備に臨むことで、より良い結果が得られやすくなるかもしれない。
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