はじめまして。この度Hareruya Prosに加入した山本 賢太郎です。
尊敬する齋藤 友晴さん、津村 健志さんと一緒のチームに入れて、とてもHappyです。
これからは、このブログをはじめ、Hareruya Prosとして色々な活動を行っていきますので、どうぞよろしくお願いします。
さて、8月1-3日にアメリカのポートランドで行われた、プロツアー『マジック2015』に参加してきました。
今回の目標は、日本人プロポイント上位2枠に入り、12月に行われる世界選手権の権利を獲得することです。
(参考)プロツアー『マジック2015』前の日本人プロポイント
上記の通り2位の位置につけていますが、トップ8入賞で20ポイントが入るため、全く油断はできません。
■ドラフト
今回のドラフト方針は、
1.最強色の赤、2番手の白のどちらかを軸にしたい
2.生物は多めに、理想は18以上
3.意識的に少し重めのデッキを組む
というものでした。
3.の「少し重め」という点について、M15は環境に「召集」というキーワードがあるために、どのデッキも1~3マナの軽い生物が多数入っており、軽い生物同士の戦闘が行われやすい環境です。
そのため勝負を決めるのは、回避生物か、5~6マナ域の重い生物になりがちです。
この重い生物枠をレアで埋めれれば最高ですが、毎回レアを引けるわけではないので、コモンでその枠を埋めなければなりません。
なので、個人的に《轟きの巨人》、《心鍛のゴーレム》、《突進するサイ》、《影外套の吸血鬼》、この辺りが明確に他の人より点数が高いですね。
特に《轟きの巨人》は4~6手目でピックしていいカードだと思います。
・ファーストドラフト
9 《平地》 7 《山》 1 《進化する未開地》 -土地(17)- 1 《無私の聖戦士》 2 《キンズベイルの散兵》 1 《天麗のペガサス》 1 《オレスコスの速爪》 2 《かき回すゴブリン》 1 《深夜の護衛》 1 《ヘリオッドの巡礼者》 1 《原野の霊》 3 《カミソリ足のグリフィン》 3 《轟きの巨人》 1 《毅然たる大天使》 -クリーチャー(17)- |
1 《稲妻の一撃》 1 《三つぞろいの霊魂》 3 《神聖なる好意》 1 《業火の拳》 -呪文(6)- | -サイドボード(0)- |
1パック目の5手目に白のトップコモンである《三つぞろいの霊魂》が流れてきて、まず白は確定。2色目を保留していたところに、マイフェイバリットカードの《轟きの巨人》が遅くに流れてきたので、すかさずピック!
結果3枚も取れてしまいました(笑)
Round 1 vs赤緑 ○××
Round 2 vs白青 ○○
Round 3 vs緑青 ○○
結果:2-1
Round 1こそ《シャンダラーの魂》に負けてしまいましたが、他のゲームでは《轟きの巨人》が《神聖なる好意》をつけて殴る殴る。完全にこのデッキのエースでした。
・セカンドドラフト
9 《山》 6 《平地》 1 《戦場の鍛冶場》 -土地(16)- 3 《鋳造所通りの住人》 2 《炉の小悪魔》 1 《アルタクの求血者》 2 《発生器の召使い》 2 《キンズベイルの散兵》 3 《クレンコの処罰者》 2 《ゴブリンの荒くれ乗り》 1 《好戦スリヴァー》 1 《ゴブリンの熟練扇動者》 2 《カミソリ足のグリフィン》 1 《巨大戦車》 1 《轟きの巨人》 1 《テーロスの魂》 -クリーチャー(22)- |
1 《槌手》 1 《業火の拳》 -呪文(2)- | -サイドボード(0)- |
1パック目から赤の流れが非常に良く、ほぼ赤単の状態で、2パック目の2手目に《テーロスの魂》が流れてきたので、これをキャッチ。「意識的に少し重めのデッキを組む」という方針からは外れましたが、非常に強力なデッキになりました。
Round 9 vs緑黒 ○○
Round 10 vs緑白 ○○
Round 11 vs白青 ○○
結果:3-0
《ゴブリンの熟練扇動者》と《テーロスの魂》は1度も引きませんでしたが、このデッキでの《鋳造所通りの住人》の強さは素晴らしく、速度で他のデッキを圧倒しました。
■スタンダード
調整の出発点は、環境に1番多いであろう黒単信心に有利がつくデッキを作ることでした。
まず好みのデッキタイプであった青白コントロールを試すも、メイン戦こそ黒単信心側の除去が腐るため、有利といえますが、サイド後はその除去部分が《強迫》、《死者の神、エレボス》などに変わるため、一転して不利になります。
青白コントロール側の有効なサイドが見つけられなかったという理由もあり、マッチでは不利と判断し青白コントロールは没に。
このままでは黒単信心を使うしかないか……と思っていた矢先に、StarCityGames.com Open(SCGO)でジャンドミッドレンジが活躍していました。
1 《森》 4 《踏み鳴らされる地》 4 《血の墓所》 4 《ラノワールの荒原》 4 《悪意の神殿》 4 《疾病の神殿》 2 《奔放の神殿》 1 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》 -土地(24)- 4 《森の女人像》 4 《クルフィックスの狩猟者》 -クリーチャー(8)- |
3 《ミジウムの迫撃砲》 3 《突然の衰微》 2 《ゴルガリの魔除け》 2 《ラクドスの復活》 1 《戦慄掘り》 3 《骨読み》 3 《英雄の破滅》 1 《化膿》 3 《歓楽者ゼナゴス》 2 《紅蓮の達人チャンドラ》 2 《見えざる者、ヴラスカ》 1 《リリアナ・ヴェス》 2 《頂点捕食者、ガラク》 -呪文(28)- |
4 《嵐の息吹のドラゴン》 4 《思考囲い》 2 《肉貪り》 2 《殺戮遊戯》 1 《ゴルガリの魔除け》 1 《ラクドスの復活》 1 《化膿》 -サイドボード(15)- |
除去+プレインズウォーカーで攻めるというコンセプトが黒単信心にとても強く、一目で気に入った僕は市川 ユウキさんと一緒にこのデッキを調整することに。
まず単純なカードパワーから、《世界を目覚めさせる者、ニッサ》が3枚入り、《世界を目覚めさせる者、ニッサ》を早く出すために《エルフの神秘家》が4枚入り、「いや《世界を目覚めさせる者、ニッサ》が強すぎるから4枚にしよう」と、日に日にデッキが大きく変わっていき、最終的にはジャンドプレインズウォーカーという新しいアーキタイプのデッキが出来ました。
3 《森》 4 《踏み鳴らされる地》 2 《草むした墓》 1 《血の墓所》 3 《ラノワールの荒原》 4 《奔放の神殿》 4 《悪意の神殿》 1 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》 2 《変わり谷》 -土地(24)- 4 《エルフの神秘家》 4 《森の女人像》 1 《漁る軟泥》 4 《クルフィックスの狩猟者》 -クリーチャー(13)- |
2 《思考囲い》 4 《ミジウムの迫撃砲》 2 《究極の価格》 2 《戦慄掘り》 1 《突然の衰微》 1 《化膿》 4 《歓楽者ゼナゴス》 2 《紅蓮の達人チャンドラ》 4 《世界を目覚めさせる者、ニッサ》 1 《見えざる者、ヴラスカ》 -呪文(23)- |
4 《霧裂きのハイドラ》 2 《マグマのしぶき》 2 《破滅の刃》 2 《ゴルガリの魔除け》 2 《ラクドスの復活》 1 《漁る軟泥》 1 《思考囲い》 1 《強迫》 -サイドボード(15)- |
このデッキは黒単信心系にマッチで有利で、青白コントロール系にもメインは不利ですが、サイド後は有利です。
反面、ビートダウン相手には場持ちの良い生物が少なく、軽い手数で押されると除去では追いつかないので、不利といえます。
Round 4 vs迷路の終わりコントロール(Gabriel Nassif) ×○×
Round 5 vsボロスビートダウン(Shahar Shenhar) ×○○
Round 6 vs黒緑ゾンビ(Conley Woods) ×○×
Round 7 vsボロスバーン ○○
Round 8 vs黒単信心 ××
Round 12 vs黒単ビートダウン ××
Round 13 vsボロスビートダウン ○○
Round 14 vs青単信心 ×○×
Round 15 vs緑赤信心 ×○○
Round 16 vs緑白ビートダウン ○○
結果:5-5
デッキは強かったのですが、細かいミスが多く、結果は奮いませんでした。欲を言えば、もう少し黒単信心系に当たりたかったですね。
デッキの変更点としては、《思考囲い》1枚を《紅蓮の達人チャンドラ》に変えたいです。
《紅蓮の達人チャンドラ》はアドバンテージ源としてマナフラッド負けを防いでくれますし、このデッキが苦手な《生命散らしのゾンビ》も簡単に対処してくれます。
そういうわけで、最終成績は10-6の75位で、1000ドル+プロポイントは5点獲得により通算47点。
目標の世界選手権の権利は、市川ユウキさんのトップ8入賞(通算51点)によりプロポイントが逆転され。
権利獲得ならず……
と思いきや。
既に「プロポイントat-large枠」で権利を持っていたIvan Floch選手が優勝し、「プロツアー『マジック2015』Winner枠」に入ることで「プロポイントat-large枠」が1つ空き、滑り込みで権利獲得することができました。HAPPY!!
ちなみに、プロポイント47点のプレイヤーは他に4人いたのですが、同点だった場合の規約「シーズン中のプロツアー最高順位で競う」が適用され、プロツアー『テーロス』で7位だった僕がこのタイブレーカーを制すことができたのです。
※編注:今回のプロツアーの順位が1つでも下だったら、46点止まりで権利獲得ならずとなるところでした。
ちょっと信じられないぐらいの幸運ですね。この幸運を生かせるように、世界選手権も頑張ります。
ではまたこのブログで!
やまけん
※編注:記事内の画像は、以下のサイトより引用させて頂きました。
『2014 MAGIC WORLD CHAMPIONSHIP COMPETITORS』
http://magic.wizards.com/en/content/2014-magic-world-championship-competitors