By Atsushi Ito
ブースタードラフトでは、環境によって色の強弱が存在する。
それはセットに含まれるキーワード能力の強さだったり除去の強さにもよるが、その環境における色の評価の共通認識を知っておくことは、ドラフトに挑むにあたっての重要な前提知識と言える。
そしてその色の評価は単一の色だけの場合の評価とは別に、2色の組み合わせ10種の評価もまた個別に存在する。
ではプロプレイヤーたちが考える、『破滅の刻』ドラフトにおいて10種の色の組み合わせの中で最もやりたい組み合わせとは何になるのだろうか?練習会に参加したメンバーにアンケートをとってみた。その結果が以下だ。
赤緑……2名
青黒……1名
青赤……1名
赤白……1名
赤黒……1名
緑多色……1名
白絡みならなんでもいい……1名
緑絡み (黒緑以外) ならなんでもいい……1名
緑以外ならなんでもいい……1名
赤と緑以外ならなんでもいい……1名
なんでもいい……1名
白黒
圧倒的一番人気となった白黒の強みは、「使い勝手の良い除去」そして「ライフコントロール」だ。
自分がビートダウン側にまわっての超短期戦には向かないものの、豊富な除去スペルと飛行クリーチャーで攻守に長けており、ダメージレースを中心とする中盤戦や消耗した後の長期戦の安定感は環境随一を誇る。
絆魂を利用しての先手後手の転換も容易であり、ドラフトに不慣れな初心者から環境を突き詰めた上級者まで、幅広いプレイヤーにオススメできるアーキタイプと言えるだろう。
赤緑
赤緑は人気色である白黒のカウンターカラーとしてのポジションが強い。マナカーブを埋めるだけのバニラやそれに近いクリーチャーたちは手順が遅くなりがちであり、それゆえにありったけの2マナ域を集めた上でコンバットトリックでサポートする赤緑は、強力なレアを引けなかった場合にコモンだけで組めるので、隙あらば狙いたいアーキタイプと言える。
なかでも鍵となるのが《ロナスの重鎮》。緑のコモンでは《待ち伏せ》と並んで2トップに位置する (といっても他に緑のコモンは存在しないようなものなのだが) このクリーチャーは、地上はタフネスの高い壁で止める戦略になりがちな『破滅の刻』環境において、ビートダウンにとっての突破口となる存在なのだ。
幅広い引き出しを持っていることが肝要
白黒の人気が最も高いとはいえ、ブースタードラフトでは毎回同じ色をピックできるわけではない。
たとえば上家や上上家が白黒や赤緑をやっているとき、最適に立ち回るためには、青絡みのアーキタイプを熟知している必要がある。
だからこそプロプレイヤーのドラフト練習とは、10通り (あるいは多色も含めるとそれ以上) の組み合わせをそれぞれ最低1回ずつ実際にドラフトしてみて感触を確かめることがその内容に含まれる。
勝率を高めるためには、どんな色の組み合わせにも対応できる幅広い引き出しが不可欠なのだ。
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