By Hiroshi Okubo
今週末にはいよいよグランプリ・京都2017が開幕される。『アモンケット』2パックに加え、先週リリースされた『破滅の刻』4パックを使用したシールドをみなさんはすでにプレイされただろうか?
「督励」や「サイクリング」といった『アモンケット』から引き継がれたメカニズムに「永遠」や「加虐」などの新メカニズムが加わり、さらに奥深さを増したこのリミテッド環境では、どのような戦略がベターなのだろうか?
本記事では来るグランプリに向けてHareruya Prosの井川 良彦と原根 健太の2名に『破滅の刻』シールドの極意について伺った。
この環境は速い or 遅い?
「《忘れられた王族の壁》や《オアシスの祭儀師》のようなタフネスの高い壁クリーチャーが増えたことと、『督励』とカルトーシュが減ったことでアグロが少し組みにくくなったからちょっと遅めになったと思うよ」
「遅いですね。レアがとにかく強い環境で、たくさんのレアを入れた多色デッキが増えたことで全体的にスピードが落ちています。逆に言えば、弱いレアを引いたときやレアをうまく使えないカードプールの場合は速いアグロ戦略に寄せたほうがいいと思います」
結論:やや遅めの環境になっている
カードプールが変化し、多色化が進んだことで環境は若干遅くなったようだ。原根は「レアが強い」と述べたうえで、レアを使用できない場合はアグロ戦略を採るのがベターだと述べていた。また、井川もこれには同意見だったようで「半端なミッドレンジデッキは勝てない」とコメントしており、爆弾レアをふんだんに使用した多色デッキの二極化が見られるだろうとのことだった。
先手 or 後手?
「メインは絶対に先手で、お互いにレアデッキなら後手も選択肢に入るかな。多色レアデッキかアグロデッキかの二択といっても差し支えない環境だから対戦相手がアグロデッキを使用してくる可能性も十分あるし、対戦相手に先手を譲るのはリスキーだと思う」
「3種類の神を使う遅めのデッキなら後手もありえるかもしれませんが、基本的には先手が有利だと思います。『破滅の刻』が入ったことでアグロデッキは減りましたが、速いデッキは依然として速いので、そういったデッキに対抗するためにも先手を取るべきだと思います」
結論:基本的には先手
2人とも意見は一致しており、基本的には先手を取るべき(ただし、お互いに多くのレアを使用した多色デッキだった場合は後手も選択肢に入り得る)とのことだった。若干減ったとはいえアグロデッキもそれなりに存在するため、特に互いのデッキを知らないメインボードでは後手の1ドローよりも対戦相手に先手でプレイさせるデメリットのほうが大きそうだ。
色はどのように決めればいい?
「まずレアを見て、なるべくレアを使うっていうのが基本原則かな。レアが使えない場合はアグロ戦略を採りたいからクリーチャーが多い色を探して、次に除去を見るようにすると間違えることが少ないと思う。あと、レアがないときはカウンターや《大災厄》のような対戦相手のレアに対抗できるカードも使いたいね」
「神など強力なレアが多い場合は緑のマナサポートカードを見て、多色化を検討します。そうでない場合は色に拘泥せず、普通に強いカードが多い色を2色か、タッチで3色ほど使用するのが良いです。弱いカードを使うと最後に詰め切れなかったりするので、アグロを組む場合はデッキ全体のパワーが高くなるように組みたいところです」
結論:色はそれほど重要ではない
レアが多く使えるカードプールでは緑多色を、そうでない場合はなるべくクリーチャーが多い色を使うことでアグロデッキを検討するのが良いとのこと。幸いにも『破滅の刻』のコモン、アンコモンの色の優劣は大きくないため、なるべく2色~タッチ3色で強力なアグロデッキを組めるように練習しておくと良さそうだ。
どんなアーキタイプが強い?
「多色かアグロ。アグロの場合はどの色の組み合わせでもいいけど、ちゃんと殴れるデッキにして細くならないようにしたいな。《送還》や《力強い跳躍》を使って差し切ったり、本体火力でとどめを刺せるような軸をずらしたデッキもいいと思う。あとは強いレアを引けるように祈るしかないね」
「神や爆弾レアを引いたらそれを使ったパワフルなデッキを組みたいところですが、祈ってレアが引けたら苦労しないので、レアに頼らないアグロ構築をしっかりと詰めておきたいところです。また、3種の神はどれもゲームを支配するだけのスペックを持っているので、アンコモン以下の《穿刺の一撃》や《捲土+重来》のような神に対処できるカードはチェックしておきたいところですね」
結論:レアが引けなかったときの退路を用意せよ
2人の意見は最後まで概ね一致しており、爆弾レアを引いたらそれを使う/引けなかったらアグロを使うのが良いそうだ。また、前項で井川が言っていたとおりコモン・アンコモン構築でも対戦相手のレアパワーに押しつぶされないように工夫する必要がありそうだ。カードリストは穴が開くほどよく見ておくといいだろう。