Translated by Kazuki Watanabe
(掲載日 2017/07/20)
こんにちは、みなさん!
『破滅の刻』が発売され、この環境でどのようにドラフトをすれば良いのか、みなさんが知りたがっていることでしょう。特にグランプリ・京都2017とプロツアー『破滅の刻』が目前ですからね。そこで、この環境のドラフトに関する記事をいくつか書いていこうと思います。
1パック目
1手目
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まずは、レアから見ていきましょう。《ラムナプの採掘者》は3マナ、2/3で、平均以下です。サイクリング土地や生贄にする能力を持った他の砂漠と組み合わせたランプデッキならば良くなるかもしれませんが、それでも優れているとは言えません。
《川ヤツガシラ》は本当に強く、カードアドバンテージをもたらし、さらにライフをゲインさせる2マナ、1/3、飛行と、はただただ素晴らしいカードです。唯一の問題はマナコストで、初手で多色のカードをピックすることは常に多かれ少なかれリスクを伴います。どれも同じくらい強力か、パックの中に何も目ぼしいカードがない場合は、ピックしても良いでしょう。
このパックでは、《抑え難い渇き》と《オケチラの報復者》という、2枚の強力なコモンに目が留まりました。どちらも好きなカードですが、私は《オケチラの報復者》を取ります。このパック唯一の白のカードですし、私の左に座っているプレイヤーがこのパックのベストカードである《川ヤツガシラ》をピックすることに期待しましょう。
2手目
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《圧倒的輝き》はとても強力なカードであり、対戦相手のデッキを40枚の土地と《メムナイト》のみというレベルまで弱めることができます。しかし、やはり8マナであるため、良い働きをしてくれるのはランプデッキに入れたときがほとんどです。
既に緑のカードを左に流していますし、アグレッシブな白いデッキに焦点を合わせています。最初のパックと同じ2枚のコモンに目をつけ、他に何かピックする理由もありませんので、2枚目の《オケチラの報復者》を取ります。
3手目
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このパックには優良な白いカードが満載であり、右側のプレイヤーからの良いシグナルです。手元の《オケチラの報復者》と共にゾンビデッキをドラフトするつもりはありませんので、《ミイラの大王》のことは忘れましょう。
ここでは、《不屈のエイヴン》と《信義の侍臣》が候補です。このエイヴンは「督励」能力とシナジーがあります。白には「督励」を持つクリーチャーが満載で、既に2枚取っています。なので、《不屈のエイヴン》を選びます。
4手目
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ここで白のレアが来ました。しかし、正直に言ってリミテッドの《目を開いた者、デジェル》は貧弱なコモンのようなものです。なぜならば、プレインズウォーカーを取れる可能性が極めて低いからです。そして、2色目に手を出すこともできますが、いずれの可能性も私にとっては望むものではありません。
《シェフェトの砂丘》は、砂漠を持っている場合にボーナスを獲得できるクリーチャーと組み合わせたときに有用です。さらに、ゲーム終盤で、優秀なブロッカーに対して攻撃を仕掛けることが困難、といった場面では、その能力が役立ちます。そういった場面に出くわすことは確かですし、他のカードではそうは行きません。
5手目
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《孤高のラクダ》の3マナ、3/2は決して優秀な数字ではありませんが、砂漠をコントロールしていれば絆魂を得ます。砂漠は1枚取っていますし、絆魂はライフレースを食い止めるベストな能力です。対戦相手は何が何でも除去しようとしてくるでしょうし、ブロックをためらわず、倒そうとしてくるでしょう。そうなれば、コンバットトリックが良い働きをしてくれるはずです。
6手目
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このパックには白のカードがありませんので、選べるものがありません。なので、2色目を選びます。アグレッシブなデッキを使用するつもりですし、そういった今ドラフトしている種類のデッキにとって、《ロナスの重鎮》はこのパックの中で明らかにベストカードです。
7手目
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《孤高のラクダ》と《不動の歩哨》が候補です。《不動の歩哨》はコントロール向けのカードだと思います。2/3というスペックは、アグレッシブなデッキの4マナ域としては不十分な強さです。先に盤面に出ていたクリーチャーを助けることもありませんし、テンポを失うと同時に、後々で得られるかもしれない潜在的な価値というインパクトは、減少していくでしょう。
ここでは2枚目の《孤高のラクダ》をピックし、デッキに何枚か砂漠を入れることに注意して行きます。
8手目
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このパックには何もありませんので、《熱烈の砂漠》をピックします。もしも2色目として赤をプレイするならば、使用することは確実です。
9手目
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ここでの選択は簡単ではありません。白を使用することは分かっていますが、まだ2色目が確定していません。《チャンドラの敗北》は強力なサイドボード用カードですが、赤を使用するか、そして、赤いデッキと対戦するかも定かではありません。
砂漠というだけでなく、除去呪文のような働きをする《イフニルの死界》をピックします。
10手目から15手目
Pack 2
1手目
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ここからが2パック目です。そして、白の神話レアを引きました。《冠毛の陽馬》は、ライフゲインが可能で、さらにそれが唱えたターンにできるならば、とにかく優秀です。幸運にも、既に2枚の《孤高のラクダ》と砂漠を手に入れています。2色目を決める手助けはしてくれませんでしたが、1色目をかなり良くしてくれました。このパックには、たくさんの白の優秀なコモンがあります。一周後の9手目も期待できますね。
2手目
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パックで唯一の白いカードであり、3枚目の《オケチラの報復者》を取ります。《シェフェトの砂丘》を一周後の10手目で手に入れることは望み薄ですが、不可能ではありません。
3手目
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さて、白のカードではなく、他の色の優秀な呪文を取ったこのピックが、このドラフトの鍵となる瞬間です。《発射》と《待ち伏せ》という2つの除去呪文は、共に同じくらいのパワーレベルです。現在手元にあるのは、優秀な緑の《ロナスの重鎮》が1枚、砂漠、そして《火をつける怒り》。3枚の《オケチラの報復者》と共に使うならば、《待ち伏せ》は本当に強力であるため、ピックしましょう。
4手目
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おっと、すいません、3枚ではなく、4枚の《オケチラの報復者》になりました。《発射》が2枚、左から連続で来ました。これは流し難いのですが、今ここで重要なのは、白のウィニーデッキを目指すことです。
5手目
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簡単なピックです。私のデッキには砂漠が必要ですし、その中でも白の砂漠がベストです。《信義の砂漠》はタップ状態で戦場に出ますが、1マナのカードは持っていませんので、大した問題ではありません。
6手目
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3枚目の《孤高のラクダ》を取って進めます。除去呪文と攻撃を補助するコンバットトリックを探しましょう。
7手目
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7手目で《削剥》というのは信じがたいのですが、パックの中に良いものが何もありません。
8手目
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白緑か赤緑かで悩んでいるところですから、黒の砂漠を取ることはありませんし、白赤のボロスデッキを使用する場合に備えて、赤のカードを取ります。《マンティコアの永遠衆》はアグレッシブなデッキにとって、しっかりと働いてくれる高マナ域のカードです。
9手目
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よし、9手目で《不屈のエイヴン》が戻ってきました。4枚の《オケチラの報復者》が「督励」することをためらわなくなるでしょう。《毅然たる生き残り》も良い3マナ域ですが、まだ2色目を決め兼ねています。
10手目から15手目
3パック目
1手目
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もし白赤を使用するならば、私のデッキにとって《名誉ある門長》はとにかく素晴らしいカードです。とは言え、明確に安全なピックではありませんし、《断固たる修練者》の方が安定するでしょう。
白赤のカードをピックするというリスクを選んだのは、こちらの方が私のデッキにとって、より強烈であるからです。無論、両方をピックできれば良いのですが。それから、この卓で赤をドラフトしている人は少ない、と感じました。
2手目
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ゾンビはデッキに入っていませんし、《束縛のミイラ》は《灰色熊》以上のことは一切してくれないでしょう。引き続きボロスデッキに賭けて、私が探していた《孤高のラクダ》が攻撃することを助けてくれるカードである《激情のカルトーシュ》をピックしました。
3手目
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最初のターンにプレイする呪文として、2ターン目にプレイ可能な4枚の《オケチラの報復者》と共に使用する《血に飢えた振起者》は、私のデッキにとって明確に良いカードです。
4手目
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《デジェルの決意》は《孤高のラクダ》を助ける良い働きをしてくれます。しかし、既に自分を守る手段を持っている《オケチラの報復者》との相性は、そこまで良くありません。ここでピックした《蓋世の誉れ》は強力な除去呪文の一角です。
5手目
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なんと、4手目で《蓋世の誉れ》、その後の5手目で《激情の試練》が。どうやら、ベストな2色目を選択できたようです。一緒に使用する赤のカルトーシュも既に持っています。1パックしか使用しない『アモンケット』で両方がピックできたのは、素晴らしいと言うしかありません。
6手目
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そして、6手目では《アン一門の壊し屋》。赤のアンコモンを3枚連続で手に入れました。それぞれが強力で、ここに来てデッキがかなり引き締まりました。
7手目
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8手目
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アグレッシブなデッキでは特に素晴らしいカードです。《打擲場のマンティコア》はまともなスペックを持ち、ゲームを決める残り数点のダメージを与えてくれるでしょう。
9手目
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マナカーブのトップに据えるフィニッシャーとして、2枚目の《打擲場のマンティコア》を取りましょう。
10手目から15手目
デッキリストと結果
Round | Opp | Result |
Round 1 | バント | 0-2 |
Round 2 | 青緑 | 2-1 |
Round 3 | ジャンド・ランプ | 2-0 |
砂漠の枚数は4枚が正解でしょう。土地は16枚のみでプレイしたいので、5マナのクリーチャーは3枚で十分という想定です。ボロスデッキでは、クリーチャーを助けてくれるクリーチャーではないカードは、8枚使用したいと考えます。
一般的にドラフトでのクリーチャーは弱く、それでいて強大なブロッカーと対峙するという場面に遭遇しやすいからです。もし対戦相手が除去を豊富に使用して来るならば、その内の1枚抜いて、クリーチャーを加えるわけです。
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
Jeremy DEZANI
この記事内で掲載されたカード
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