GPシカゴはスタンダード。
前回のGPモスクワの翌週開催でますます時間がない中、準備はそこでの反省を生かして青白系に絞った。
大きく可能性を感じたのは青白タッチ赤。
《天啓の神殿》という大きな力を得た割に、研究が進んでないカラーコンビネーションだと感じていた。
そのため、
「この色でのベストな構成に辿り着ければ群衆から抜きんでることが可能ではないか?」
という考えが少し前から頭にあった。
もうひとつ、今回この色を試す決定打になった理由は<次元の浄化>型の青白が環境で活躍していたこと。
6 《平地》 6 《島》 4 《神聖なる泉》 4 《啓蒙の神殿》 3 《アゾリウスのギルド門》 3 《変わり谷》 -土地(26)- -クリーチャー(0)- |
3 《急かし》 2 《中略》 4 《アゾリウスの魔除け》 1 《神討ち》 1 《否認》 4 《解消》 4 《予言》 4 《スフィンクスの啓示》 4 《至高の評決》 3 《次元の浄化》 1 《不死の霊薬》 3 《思考を築く者、ジェイス》 -呪文(34)- |
3 《反論》 2 《今わの際》 2 《天界のほとばしり》 2 《盲従》 2 《太陽の勇者、エルズペス》 1 《鬼斬の聖騎士》 1 《神討ち》 1 《真髄の針》 1 《記憶の熟達者、ジェイス》 -サイドボード(15)- |
現役最上位選手のレイド・デュークも大きな大会で使用していたほどのデッキだ。
6マナのパワーカードを安定して使うために搭載された4枚の《予言》、それを補うための3枚の《急かし》。
理屈は分かるけど、枠を取りすぎるよなあと思って考えていたら、1枚のカードが頭に浮かんだ。
<蒸気占い>!
一時代を築いたドローソース《嘘か真か》の効果を逆にしたこのカード。
「《嘘か真か》と比べれば弱いけど、スタンダードでなら充分いけるのでは」と思われながら、これまでトーナメントレベルのデッキでは使われてこなかった。
でも、この《蒸気占い》はインスタント、かつアドバンテージが取れる!弱い訳がない!!
これがあれば《急かし》なんていらない。
そして同じ4マナの<思考を築く者、ジェイス>よりも強い可能性がある。
<天啓の神殿>からの天啓、確かに受け取った。
でも《次元の浄化》は重すぎるし《太陽の勇者、エルズペス》減らすのアホらしいし気に入らないから抜いちゃったけど←あれ?笑
それで実際に《蒸気占い》入りの青白タッチ赤コントロールを試してみたら、MOバカ勝ち!!
気分良くなって、津村をはじめとする晴れる屋スタッフの一部にデッキ自慢しちゃったぐらい!
<蒸気占い>つえー!!キタコレ^^
……と思いきや、翌日試してみたらボロ負け。心身の疲労で試合中ちょっと寝るぐらいのボロ負け。
よくよく振り返ってみると、前日の《蒸気占い》のめくれ方が良かっただけだった(笑)
そして《蒸気占い》は《思考を築く者、ジェイス》と違ってビート相手にてんで駄目なカード(笑)
もっともそれは、《予言》にも言えることなんだけど……。
と、ここで出発前の練習はタイムアップ。
今回は8時間ぐらいしか練習時間を取れなかった。
前回同様、青白コントロール系のパーツだけ詰め込んでひとっ飛び。
今回は翌週のワシントンDCとの2連戦ツアーだったので、本戦前日の金曜日着。
会場入りして速攻GPTを偵察した内容と、前回言ってた
「青白系やるならやっぱり占術土地を沢山使いたい」
を生かした今回のベストアンサーはこれ☆
5 《島》 3 《平地》 4 《神聖なる泉》 4 《啓蒙の神殿》 4 《神秘の神殿》 4 《豊潤の神殿》 3 《変わり谷》 -土地(27)- -クリーチャー(0)- |
3 《中略》 3 《今わの際》 2 《アゾリウスの魔除け》 4 《解消》 4 《スフィンクスの啓示》 4 《至高の評決》 4 《拘留の宝球》 4 《思考を築く者、ジェイス》 2 《荒ぶる波濤、キオーラ》 3 《太陽の勇者、エルズペス》 -呪文(33)- |
4 《ニクス毛の雄羊》 3 《霧裂きのハイドラ》 3 《否認》 2 《印章持ちのヒトデ》 2 《払拭の光》 1 《宿命的報復》 -サイドボード(15)- |
(編注:細かいサイドボーディングは、SaitoCardShopのアカウントでつぶやいているので、そちらをご覧ください!)
結果は……
◆Day1
不戦勝×3
(後手)〇〇 VSジャンド
(後手)〇〇 VSジャンドアグロ
(先手)×× VS緑単ストンピィ
(後手)〇〇 VS青単信心
(後手)〇〇 VS青単信心
(後手)〇〇 VSセレズニア
◆Day2
(先手)〇〇 VS緑信心
(後手)〇〇 VS赤白バーン
(先手)〇×× VS赤スライ
(後手)〇×〇 VS青単信心
(先手)〇〇 VS青単信心
(先手)〇〇 VSナヤオーラ
13勝2敗でトップ8進出!
……
することが出来ず^^; …………まさかの2敗でトップ8やれない不完全燃焼で終了。
10位で、プロツアー『タルキール覇王譚』の権利と、若干の賞金・プロポイントのみ獲得。
今回は2049人もの参加者がいて2敗が3人もトップ8落ちするという驚愕の結果。
本来なら不戦勝3あって、初日のオポもトップだったのでオポ負けはしにくそうだったけど、
初日が2トーナメント運営の場合は2日目にひとつに合わせる際、そこまでのオポはリセットする仕組みらしい。
これにより、参照されるのは2日目の6回戦のオポのみなので、運ゲーかよ!っていう展開(笑)
しかも最後オポが約4%も下がってた(笑)
みんなが同じ条件&同じルールのもとやってるから今のルールのままだと仕方がないけど、ただただ残念。
そして、こういう可能性あるのが現代GPの実状だから自身に火の粉が降りかかってみて、改めて不戦勝3を減らす変更は良いと思った。
でも結果はともあれ、久々に75枚完璧だったと思えるデッキを使えたからハッピーだった^^
赤のハイスピードデッキ以外不利な相手はおらず、ほとんどが有利なマッチアップという強デッキ。
さて、ここで疑問に答えたい。
「<印章持ちのヒトデ>?なにこれ?ただの目立ちたがり??」
そう、目立ちたかった……。
ヒトデを使って優勝したら、みんなはまたトモハルの時代が来たと思ってくれるに違いない!
そう思った……。
のも事実だけどそれは置いといて、プロプレイヤーたるものそんな理由でデッキに嘘は付けないし、
《さまようもの》とか《黒猫》とかをデッキに入れる楽しみ方もあるとは思うが俺は好きじゃない。
純粋に、以下の理由から強いと思って採用した。
■青白コントロール系に対して強い
同系対決は土地を必要数まで伸ばしながら、実とカウンターをこれまた必要数揃えて動くゲームが本線。
ヒトデで毎ターンドロー調整出来ればグッと有利になる。
《万神殿の兵士》や《変わり谷》を止めれるのもありがたい。
■黒単系に対して強い
黒単系相手は大量手札破壊や除去すべきパーマネントの連打により手札を空にされてのトップデッキゲーに発展しやすいマッチアップ。
トップデッキをしやすく出来ることは純粋に勝率を上げてくれる。サイド後は除去を減らしてくるため、長時間活躍しやすい。
同じく、《罪の収集者》や《変わり谷》を止めれるのもありがたい。
■パワー2が多いビートに対してそこそこ
赤単など、こういうデッキの量自体が少ない環境なため、専用サイドの枚数を取りにくく、当たると厳しい。
青白系と黒系対策を主目的に採用した上で、ビート相手にデッキを軽くするサイドボーディングがしやすくなるのは大きなメリット。
実際に、タッチ赤で練習してる時も採用していてなかなか良いサイドパーツだと思った。
そして実戦では……
1度も起動することがなかった(笑)
まさかの青白系と黒系に1回も当たらないという結末で、赤白バーンと赤スライにはサイドインするも2枚だし引かず(笑)
つまり結果的には<さまようもの>とか<黒猫>レベルの活躍っていう空気っぷり><
そういう時は引き出しが増えてハッピーってことで^^
今回のシカゴでスタンダードはひと区切りとなる。
テーロスまでの環境のGP静岡から、グランプリもPTQも青白系ばかり使い続けてきた豊富な経験から、デッキ構成もプレイ選択もかなり磨かれていた。
「石の上にも3年」のことわざじゃないけど、
ひたすらひとつを頑張り続けることは大きな武器になると思った。
勿論、そのひとつを選ぶ際、これまた経験に基づいた良い選択ができるかも大事だけれど。
同じ青白系を使い続けてきたとは言ってもメタが変わればその時々のムラもあり、何度もの挑戦と失敗を繰り返してきた。
これによって確かな成長を実感し、自信がついた。
プレイングもマシになった今、これからは昔みたいに飛び道具を探すばかりでなく、
本命級のデッキで工夫することも大事にしていきたい。
夏のプロツアー『マジック2015』はスタンダードとドラフトでの開催となる。
久々にまとまった時間を確保して全力投球するこのイベントで、青白系を使うか他にするかはまだ全然分からないけど、
これまでのスタンダード経験を生かして75枚がベストなデッキ選択をできるようにしたい。
プロツアーは環境初期だし、そしたらきっと勝てると思う。今からすこぶる楽しみ^^
ありがとうスタンダード!
ありがとう青白コン!
トモハル