齋藤友晴のPTQタルキール覇王譚@川崎レポート

齋藤 友晴



久々にプロツアー予選(PTQ)に参加してきた。

最近はGPをサーキットしてるから、スケジュールが重なっててあまり出られない。
まあ、GPも勝てば同様にプロツアーの権利と航空券が貰えるからPTQでもあるんだけど^^


今回の場所は馬場から1時間程度の移動ですむ川崎で、フォーマットはモダン


ここのところぐんぐん盛り上がってる種目だけど、実はいっちゃん自信が無い。
モダンはカードプールが広いため、デッキ選択&調整やプレイに沢山の経験があると有利。
いわゆる「やり込みゲー」要素が高い種目だ。


だからこそ、なるべくかわして来た。


モダンが生まれたのが出場停止中だったことに加え、
国内初のモダンGPが晴れる屋の主催で出れなかったこともあり、
最初から遅れている状態だったため、追いついて追い越すには時間がかかるという理由で、
例えばグランプリが重なったときなどは、違う種目のほうを選んできた。


モダン+ドラフトで開催されたプロツアー「神々の軍勢」では、準備中に経験不足が顕著に出た。
色んなデッキを試した結果、トリココントロールと感染、2つのデッキに絞られ、
僅差ではあるがどちらかと言えば運要素が少ない、トリココンのほうに魅力があった。

だけど結果として感染を選んだ。
経験不足によりトリココンを最速で正しくプレイ出来なかったことにより、
ミスや引き分けなどのリスクが高かったことが理由。
そして、神が「もっとモダンをやれ」と言わんばかりに、プロツアー本戦の優勝デッキはトリココンだった。


そうだ、モダンやろう!モダン野郎に俺はなる!!


……それから4ヶ月の時が流れ、多忙だったこともあり結局全然モダンは出来てない、他の種目で戦い続けてきた。
それで戦果はあったけど、モダン経験値の向上は小さかった。
晴れる屋で見学したり、デッキリストを見たりはしていたけど、それは実戦に大きく劣る経験でしかない。


そんな中、今回のプロツアー予選で久々にモダンをやる日が来た。
グランプリと被っていなかったため、他の種目を選ぶことは出来なかった。

でも、実は来週からモスクワ、シカゴと立て続けにスタンダードGPに出ることを決めていたため、
モダンPTQには一応参加するものの、準備にあてられる時間のほとんどはスタンダード野郎になろうと考えていた。


ところが、先週の使える時間を全部モダンに費やしてしまった。


赤タッチ黒白のバーン→ZOO→黒緑と、3つも試した。合計15時間程度だったと思う。

このブログをはじめて、「世界一のプレイヤーになる!」とか最近またデカいことを言ってるトモハル。
そして、現代マジックで世界一になるには、モダンも得意でなきゃならないことは分かってる。

目先の勝利よりてっぺん獲りに投資したい自分のやる気に、素直に従うことにした。


そんなわけで今回使ったのはこの黒緑



齋藤 友晴 「Saito GB」 PTQタルキール覇王譚

2 《森》
2 《沼》
3 《草むした墓》
4 《新緑の地下墓地》
2 《湿地の干潟》
1 《霧深い雨林》
3 《黄昏のぬかるみ》
4 《樹上の村》
1 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》
3 《地盤の際》

-土地(25)-

4 《タルモゴイフ》
4 《闇の腹心》
4 《漁る軟泥》
2 《クルフィックスの狩猟者》

-クリーチャー(14)-
1 《殺戮の契約》
4 《思考囲い》
4 《コジレックの審問》
4 《突然の衰微》
2 《四肢切断》
2 《大渦の脈動》
4 《ヴェールのリリアナ》

-呪文(21)-
4 《大爆発の魔道士》
3 《血統の守り手》
2 《ゴルガリの魔除け》
2 《悲哀まみれ》
2 《墓掘りの檻》
2 《殴打頭蓋》

-サイドボード(15)-
hareruya







先週の巨大GPTで優勝した宮下さん黒緑のコピーからスタートし、若干の調整のみという形になった。

現状の関東のトップメタで、今回も多い上に意識されるだろうとは思ったけど、
簡単には潰されないデッキパワーがある上に当たり運に左右されにくく、
昔からあるデッキタイプであることに加えて手札を覗けるのでプレイも簡単だからこれにした。


結果は、


(後手)〇〇   VS白緑ヘイトベアー
(後手)〇〇   VS《出産の殻》
(後手)×〇〇 VSジャンド
(先手)〇〇   VS青赤《秘密を掘り下げる者》
(先手)×〇〇 VSジャンド
(先手)〇×〇 VS《欠片の双子》
(後手)××   VS親和
(後手)〇×× VSジャンド
(後手)×〇× VSマーフォーク




6-0大躍進!


からの6-3フィニッシュ(泣)


後半運が悪かったというか、単純に相手が勢いあったっていう要素もあるけど、
デッキが中途半端な構成だったと感じた。

「付け焼刃な期間でも真の刀を準備出来るようになる」のは目標のひとつだけど、
素直に言って今回は「75枚完璧だった」とはまるで言えない。




■練習と本番からのデッキ感想


1.4枚パーツはひたすら偉大だった。

コジレックの審問タルモゴイフ漁る軟泥ヴェールのリリアナ


《コジレックの審問》《思考囲い》
《タルモゴイフ》《闇の腹心》《漁る軟泥》
《突然の衰微》《ヴェールのリリアナ》
それに《新緑の地下墓地》《樹上の村》、サイドの《大爆発の魔道士》

これらは4枚積みに値する活躍があった。

特に《漁る軟泥》は2枚並んだら能力潰しあうから3枚で良くない?と最初は思ったけど、
それは相手の《漁る軟泥》に対しても同様。
先に餌を枯らすことが出来れば相手の《漁る軟泥》トップデッキは脅威からラッキーに転じる。

また、トップメタの《出産の殻》デッキの「頑強」に対して、あるいはトリココンや《欠片の双子》《瞬唱の魔道士》に対して効果的だし、《死せる生》デッキに対しても勿論強い。
4枚入ってると、除去が厚い相手に1枚目を気軽に出せるのもグッド。

ただ、メタによっては《思考囲い》は2、3枚でも良い。
特にこのまま黒緑系とそれに強い親和がむくむく増えていった場合。


2.気軽に打てる軽い除去が欲しい。

見栄え損ない


親和の2種の蛾土地、バーンの《ゴブリンの先達》、先手1ターン目《野生のナカティル》、マナクリから《台所の嫌がらせ屋》or《出産の殻》《闇の腹心》など、
上記はすべてこのデッキが苦手とするもの。

1ターン目から使用可能でライフも減らない《見栄え損ない》が欲しいと心底感じた。


3.<クルフィックスの狩猟者>が惰性パーツ。

クルフィックスの狩猟者


《怒り狂う山峡》をはじめ、緑黒はジャンドよりも重いパーツが少ないから能力が生きにくい。
なのに自身はコスト3マナもかかる割にサイズ小さくて、《突然の衰微》でもやられる。

これ以降のマナ域に重いカードがほとんど無いのなら、《ヴェールのリリアナ》のように決定打となりえるとベターだと思う。
正直何がしたいのかよく分からない存在だけど丸くてそれなりに強いから、ジャンドで活躍→宮下さんリストに入ってたのをそのまま入れちゃった感じ。
アドバンテージを取るなら《ファイレクシアの闘技場》のほうが強いし。
バーン相手には緑緑出すのが痛いこと含めて重いし、これの1番のメリットは「丸い中途半端なパーツだからサイドアウトしやすいこと」だったかも(笑)

ミッドレンジやコントロール(黒緑、ジャンド、トリココントロール)には強いけど、
例えばそれらに対してはサイドに入ってた《殴打頭蓋》のほうがもっと強い。
双子には弱くなるけどもともとデッキ相性が良いからあまり気にしなくて良いかな。
《クルフィックスの狩猟者》も後手だと《突然の衰微》構えるために出せなくなったりするし。


4.<悲哀まみれ>がつよわい。

悲哀まみれ


特に親和に強くて、《出産の殻》デッキやその他にも最大効果は高い。

けど、蛾土地をやれないことや重いこと、自分の《闇の腹心》との相性が悪いのがデメリット。

勿論、事故ったりマーフォークからの《広がりゆく海》により黒黒が出ないこともある。
ムラが大きいから出来れば他のカードに変えたいと思った→《見栄え損ない》でいいじゃん!




上記の感想から、「今日モダンの大会に出るならこんな感じ」という構成は以下となった。



齋藤 友晴 「New Saito GB」

2 《森》
2 《沼》
3 《草むした墓》
4 《新緑の地下墓地》
3 《湿地の干潟》
3 《黄昏のぬかるみ》
4 《樹上の村》
1 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》
3 《地盤の際》

-土地(25)-

4 《タルモゴイフ》
4 《闇の腹心》
4 《漁る軟泥》

-クリーチャー(12)-
4 《思考囲い》
4 《コジレックの審問》
2 《見栄え損ない》
4 《突然の衰微》
2 《四肢切断》
2 《大渦の脈動》
1 《殴打頭蓋》
4 《ヴェールのリリアナ》

-呪文(23)-
4 《大爆発の魔道士》
2 《血統の守り手》
2 《見栄え損ない》
2 《ゴルガリの魔除け》
2 《ファイレクシアの闘技場》
2 《墓掘りの檻》
1 《殴打頭蓋》

-サイドボード(15)-
hareruya






上記感想内容に加え、《見栄え損ない》により1ターン目《沼》の重要性が上がったため《霧深い雨林》を3枚目の《湿地の干潟》にして、
サイドのスペースの都合上《殺戮の契約》と3枚目の《血統の守り手》をカットした。


黒緑は間違いなく、モダンの強力デッキのひとつだと思う。


メタや当たり運にも左右されにくい。
カード価格合計はすこぶる高いデッキだけど、そんなデッキほど高需要カードで構成されているため、
いらなくなった時の換金率期待値が高いということも付け加えたい。

ちなみに今回の川崎の結果もトップ8に黒緑が3人、ジャンドも1人いたとか。
そちらのリストも近々happymtgのデッキ検索に出ると思うから是非ご注目!


さあ、モダンで黒緑を使おう☆




今回はひとつのデッキの視点から頑張って考えただけだけど、
現状の環境に詳しくなったりモダンの経験が増えてハッピーなPTQ参加だった☆

今週末のモダン神決定戦の結果がどうなるかも楽しみ。
本命の黒緑や《出産の殻》を使う人も、他のデッキを使う人もグッドラック!





・・・あ、間違えた。


ゴッドラック!!!


トモハル