齋藤友晴のGPアトランタ(準)☆優勝☆レポート!

齋藤 友晴



ただいまハッピー♪
アトランタ@アメリカから帰国して早速ブログ更新^^




報告!


ごめん、前回のエントリで調子乗って☆優勝☆レポートとか言ってたけど……








(準)付いちゃった!






って言っても、晴れてPT権利2回分!も取れて十分な結果。

応援してくれた人ありがとう!




マジックで勝った人は大体こう言うけど、まず今回は「ツイてた」と思う。
でも今回は、ツキを活かせるだけの「実力」があったとも思う。


そこで今日は、どういう「準備」「戦略」で臨んだか。そこを書き残しとく!




◆材料その1:「百初手巨人」の結果


前回のエントリに書いた「トモハル百初手巨人」から得たもの。


初手ピックの比較慣れができただけでなく、5色で見た場合スタート、次いでスタートの少なさが際立ってた。

もっとも、これをやったときには自分の中で「赤は比較的取っておきたい」っていう偏りがあったから、
(現に1回《サテュロスの重装歩兵》を初手取りしてる)
「普通の人が同様のことをやったらはもっと少なくなるはずだ」と感じた。


あと「ニクスへの旅」ではは神話レア&レア、アンコモン、コモンいずれも、
初手どころが2、3手目で取るようなカードすら少ないことが分かった。
でも、4手目以降での比較ならそこまで悪くない。




◆材料その2:ドラフトの勝率


自身がドラフトしてきた成績。
MOもあるから数が3の倍数じゃないけど、23回8人ドラフトした結果が以下。(勝率順)

組み合わせで見ると、

:11勝-02敗
:05勝-01敗
:07勝-03敗
黒単:02勝-01敗
:03勝-02敗
:03勝-02敗
:07勝-06敗
:00勝-03敗

単色ベースで見ると、

:18勝-05敗
:19勝-07敗
:22勝-12敗
:10勝-08敗
:05勝-04敗

環境的にどうこうは群集心理のタイミング次第でもあるから置いておくと、
単純に自分が1番勝ってる色だった。




◆材料その3:経験や意見交換の結果


その他諸々。
マジック経験、この環境の経験、みんなとの意見交換、など。


ここで特筆すべきはやっぱりに対して。
「テーロス」が減ったことで強い「授与」カード、各色「試練」や《残忍な発動》などの強いオーラ、
強い「英雄的」や「怪物化」クリーチャーが減り、一方的かつあっという間の「乱暴ゲー」がかなり減った。
きれいな「英雄的」デッキも組みにくくなった。

これにより、そういうのに対処しにくいという色のデメリットが大きく減少。
むしろ上記と現在のカードプール的に、環境最速のアーキタイプはの完成形となった。


そして、はとにかく「神々の軍勢」の最強色。
絞りドラフト」をすると2パック目がおいしいのは強豪たちの共通見解でもあった。




◆まとめ=今回の戦略


これまでの話をまとめるとこうなる。

・「ニクスへの旅」でに入るカードが少なく、ドラフト序盤で少人数になりやすい。
自身の勝率が1番高かった。
色として強くなってる。
絞りはできたら「神々の軍勢」でおいしい。


よって今回の戦略は……


積極的に赤ビートをやる!



のカード点数を上げて優先してピックする!
序盤を取れなくても、を受けやすい形にしておく!




え?ドラフトはいいけどシールドはどうしたかって?


数回やったのとあとはマジック経験とドラフトの経験を生かして……



いつも通り「パックの声を聴け!!」


それだけ^^;



真面目な話をすると、シールド練習も大事だけど、勝ちきるためにはドラフト練習を優先すべき。

色んなプレイヤーが入り乱れてる初日と強豪ひしめく2日目、
さあ勝つために優先して練習したほうが良いのはどっちだ?


リミテッドグランプリにおけるシールド練習は、ドラフトにある程度自信がついてからか、
「2日目進出」が目標に含まれる場合に、優先度を上げれば良いと考えてる。
シールドはカードプールのパターンが無数すぎて、1回1回の練習がなかなか脳内練習を上回らない。





といったところで、ここからは☆本戦レポ☆




◆本戦初日


いつもは前々日の木曜日に現地入りするものの、
今回は飛行機が故障で飛ばなくて前日の金曜日夕方にアトランタ到着。

しかも、預け荷物の買ったばかりのスーツケースが鍵かけてないのにロック状態になり、
ホテルスタッフに破壊してもらうという悲惨なスタート。

こういうのを「カルマ理論」だとか言って「この後運が良くなる」みたいな話聞くけど……
不運な出来事をどう捉えるかについては、ハッピー教タイム(?)入っちゃうからまあそれについてはまた今度!(笑)

俺の場合は、いつもは金曜フルにGPT出ながら仕入れとかするから、今回は体力温存に役立った♪


そして土曜日のグランプリ本戦、以下が今回のシールドデッキ。







極端なコントロールデッキだけどなかなか強かった。
充分な対処力とボムフィニッシャーが複数ある。

弱点は、《夢の饗宴》2枚が相手によってアタリハズレが大きいとこ。
利点は、珍しく後手を選びたいような、先手後手に左右されにくいデッキってとこ。


さて結果は、GPワルシャワでトップ8に入ったBen Yuさんの宇宙クラスの青緑に惜しくも負けた以外は何とか勝てて、


8-1(3bye含む)で2日目進出!




◆本戦2日目ファーストドラフト







ドラフトの流れは、まず画像左上にある、《全希望の消滅》を初手で渋々取ってのスタート。

結構強いカードだけど「渋々」って書いてあるのは、今回の戦略である「赤ビート」に合わないカードだから。
都合良くクリーチャー・エンチャントが並んでれば良いけど、はエンチャント弱い色だし、
ビートで6マナかけてこんなん打っても、ビートは細いカードが多いからその後も相手が有利になりやすい。

ただ今回は「赤を積極的にやる」ってだけで、決め打ちではなかったので単純にパック内で一番強いカードを取った。

その後、《黄金の雌鹿》、《ファリカに選ばれし者/Pharika’s Chosen》とピックし、
4手目で好機到来!流れて来た《マグマのしぶき》をすかさずピック。

に積極的なプレイヤーなら2、3手目で取るカードなので、4手目や5手目だとアツい!
をやるなら絞って下から軍勢ウマーだけじゃなく、1、3パック目で上からも回ってきたほうが当然良い。

その後《印章持ちのスキンク》《双角の連続襲撃》
などの赤カードを連打し、残り5枚で《警備隊の鷲》(!)をピックして1パック目終了。

2パック目初手でとんだおばけな《炉焚きのドラゴン》出現!
の流れも良く、をバンバン取りながら4手目《太陽神の一瞥》(!)
と、3パック目を見据えて道中《オレスコスの太陽導き》をつまんで終了。

3パック目も卓内にも白も少ない感じで優良カード沢山取れて終了。

手応えを感じるデッキになり、強豪ブライアン・キブラーとクリス・ファンネルも倒しつつ3-0☆

ここまで11-1で、セカンドドラフトは1番卓入り。トップ8入りには2-1以上がほぼ条件。

PT権利2回分かかってるとはいえ、落ち着いて戦略通りにピックしたいところ。




◆本戦2日目セカンドドラフト





1番卓でナベ(渡辺 雄也)やウィリアム・ジュンセンと同卓。卓順の下家はナベ。

初手で《黄金の呪いのマカール王》出現!
「これを取れたら黒を確定させてもいいか」って気になるほどの、新手の「乱暴ゲー」系ボム。
この段階では頭の中は赤黒濃厚。

2手目、3手目と黒を重ねた後、4手目で《欺瞞の信奉者》をピック。
コスト限定サーチ能力は、デッキ内に「中マナ域のパワーカード」が多いと真価を発揮する。
大袈裟にいうと、こいつを使えた場合「《黄金の呪いのマカール王》2枚」のようなデッキになる。

その後は赤の流れも悪く、そのまま黒を重ねて、
ピックしてるカード的に&比較的上はやってなさそうな青を取って、1パック目は終了。

2パック目は《不毛の大地》に足を踏み入れたかのような、「神々の軍勢」ならではの展開で、
そのまま黒と青をつまみつつ少しカットして終了。

3パック目で爆発!《雨雲のナイアード》《捕海》《海神の復讐》
《メレティスのほら吹き》《地平の識者》2枚が取れた。
地味に《メレティスの守護者》が取れたのも嬉しい。

でも「神々の軍勢」の不毛不作が響き、パワーカードはあるものの、
土地18枚なのにちょっとカード足りてないような微妙なデッキに。


しかも時間ギリギリまでデッキ組んでたせいで1マッチ目はバタバタと試合が始まり、
デッキ内の《悲哀まみれ》を忘れてブロッカー優先して《欺瞞の信奉者》で殴らなかったミスプレイでいきなり負け。

気を取り直してあと2回勝てばいいダブルPTQだと思って望んだら、
次でいきなりドラフト最高峰プレイヤーのナベに遭遇!するも接戦で勝ち。
ナベは白緑で色は被ってないものの、今回は失敗デッキだって言ってた。

さて最終戦、スタンディングを確認するもIDの選択肢はなく、
最後に新進気鋭のネースァン・ホリデイをこれまた接戦で倒してトップ8入り!







やった! これでまたすぐPTに出れる☆☆☆



でもそれはそれとして、ここまで来たからには8人だけができるボーナスステージを楽しみ、




優勝したい。





そして、始めたばかりのHareruya Pros Blog☆優勝☆レポートも書きたい!←




◆本戦2日目トップ8ドラフト





(実際のピックを追った動画は【こちら】

初手は文句なしの《エレボスの指図》をピック。
黒はレアがずば抜けて強い。その分黒スタートする人数も多いわけだけど……。

2手目は《炉生まれのオリアード》(よし!)
前述したように、赤には強いエンチャントが少ないし事故りやすいダブルシンボルだから、
カードパワー的にはグレートではないものの、赤をやりたい自分にとっては嬉しい。

3手目《刃牙の猪》でそのまま赤を固めて赤黒かと思っていたところに、
4手目でダンチで《アクロスの猛犬》が強いパックが来てそれをピック。
その後《アクロスの猛犬》がもう2枚(!)重なり、黒の流れも悪かった事で素直に白赤路線。

「神々の軍勢」では初手に最強白レア《万戦の幻霊》を引くという幸運。
個人的にはにゃんにゃん王(《オレスコスの王、ブリマーズ》)や《イロアスの英雄》よりも一回り強い。
その後、下に赤をほとんど回していないものの、出が悪いのか被ってるのか軍勢の割には微妙だった。

でも3パック目は《岩への繋ぎ止め》など、パワーカードを沢山取れて終了。
2手目の《ヘリオッドの槍》の時は、より安定して活躍する《稲妻の一撃》を取れば良かったかも。

そんなこんなで、結果としてできたデッキは事故ケアで白に寄せたすこぶる強いデッキ。
カードが取れすぎていて、サイドボードに沢山残った。


すべての準備から生まれた自分なりの戦略が功を奏していて、
この時、ハッキリと優勝がイメージできた。


ドラフトではこんなん珍しい。

長丁場での疲労から来るような相手のミスもあり、準々決勝、準決勝と勝ち、
自分は金曜日フル活動してないからか体調万全。



優勝トロフィー貰った!!





……気でいたけど、今回は神は対戦相手の強豪ジョン・スターンに降りて来た。

マリガンからのヌル回りvsブン回りの一方的な展開で、手を差しのべて握手した。

その直後、自然に笑顔で、ジョンに対して大きく拍手していた。
そして、心からおめでとうと言った。



とても晴れやかな気持ちだった。

この気持ちは、限られた時間の中で納得がいく戦略に辿りつけたからに違いないと、そう思った。

勝っても負けても、毎回こういう気持ちになれるよう、これからも頑張っていきたい!


そしたら結果もおのずと付いてくる♪


トモハル


※編注:記事内の画像は、以下のサイトより引用させて頂きました。
『Grand Prix Atlanta 2014 event coverage』
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/eventcoverage/gpatl14/welcome