By Hiroshi Okubo
「ボンバーマン/Bomberman」をご存じだろうか? 無論、ここで言うボンバーマンとはKONAMIのゲームタイトルではない。
《オーリオックの廃品回収者》と《ライオンの瞳のダイアモンド》による無限マナコンボを搭載し、《黄鉄の呪文爆弾》をはじめとした勝ち手段となり得る1マナ以下のアーティファクトを何度も使い回して勝利するという一風変わったコンボデッキだ。
片寄 貴仁(東京)はこの一風変わったローグコンボデッキを持ち込み、この第10期レガシー神挑戦者決定戦で6-1(※スイスラウンド7回戦終了時点)の好成績を収めていた。
果たして片寄はなぜ『ボンバーマン』というデッキを手に取ったのだろうか? さっそくインタビューを行った。
片寄 貴仁(東京)
--「片寄さんはなぜこの『ボンバーマン』というデッキを作ろうと思ったのでしょうか?」
片寄「強いからです。元々は大阪のKMCにいらっしゃるタナカ ミキトさんという方が使っていらっしゃったんですが、リストを見て面白そうだなと思って組み始めたのがきっかけです。お会いしたことはないのですが、Twitterで繋がっているのでデッキに関していろいろと相談したりしています」
--「ふむふむ……先ほど『強いから』と仰いましたが、具体的にこのデッキの強みはどういったものなのでしょうか?」
片寄「やはり一番の強みは分からん殺しですね。デッキがあまり知られていないというイニシアチブは馬鹿にできません。カードをプレイするたびにテキストを確認されることも多いですね(笑) たとえばこのカード……《Lodestone Bauble》とか分かります?」
--「いえ、初めて拝見しました……このカードは何ですか?」
片寄「勝ち手段の一つですね。私のリストでは《虚空の杯》を採用しているので1マナの《黄鉄の呪文爆弾》は入れることができなくて……《オーリオックの廃品回収者》でこのカードを100回くらい使い回してスロートリップで大量にカードを引かせて勝つんですけど、もちろん普段は自分を対象にしてカードを引き、コンボパーツを探すこともあります。勝ち手段が『ボム/Bomb』ではないので、デッキ名は差し詰め『バブルマン/Boubleman』ってところでしょうか(笑)」
--「なるほど! 《黄鉄の呪文爆弾》でフィニッシュするイメージでしたが、こんなカードもあったんですね! とはいえ、やはり手札破壊や打ち消しが強力なレガシー環境でこういったコンボが決まるとはなかなか思えないのですが……」
片寄「もちろん手札破壊も打ち消しも苦手ですが、このデッキに入っている《虚空の杯》と《血染めの月》が効くデッキ全般に強いので、今流行っている『4Cレオヴォルド』や『グリクシスデルバー』といったデッキにはそこそこ強いんですよ」
片寄「それに、以前は《罠の橋》で蓋をしても《死儀礼のシャーマン》でマナを出されたりライフを削られていましたが、『破滅の刻』で《削剥》を得たことでその弱点も克服しました」
--「それは目から鱗です。意外と最近のカードの恩恵を受けているんですね!」
片寄「そうですね、《削剥》の加入は非常に大きいです。たとえば対エルドラージデッキなどでネタが割れた後は《虚空の杯》を『X=0』で置かれてしまってコンボを封じられることも多かったのですが、その場合も《削剥》があれば対処することができますし……」
--「たしかに非常に強そうです。しかし《オーリオックの廃品回収者》と《ライオンの瞳のダイアモンド》、それに勝ち手段が1枚必要な3枚コンボと考えるとなかなか決めるのは難しくありませんか?」
片寄「《帝国の徴募兵》と《粗石の魔道士》の2種類のサーチカードがあるので意外と揃いますよ。《帝国の徴募兵》は《オーリオックの廃品回収者》はもちろん《ピア・ナラーとキラン・ナラー》や《歩行バリスタ》といった勝ち手段も探すことができますし、サイドボード後は《躁の蛮人》や《テューンの戦僧》、《月の大魔術師》といったカードをサーチするのにも役立ちます」
--「おお、すごくおもしろいデッキですね! この後も頑張ってください」
ドラゴン・ストンピィなどで定番の妨害アーティファクト+《血染めの月》によって対戦相手の動きを封じ、大量のサーチカードを駆使してコンボを決める、魅力溢れるコンボデッキ。
この「バブルマン」がレガシー界に新たな波を起こすかもしれない。これからの活躍からも目が離せなくなりそうだ。
1 《山》 1 《平地》 1 《Plateau》 1 《Volcanic Island》 3 《乾燥台地》 4 《魂の洞窟》 1 《カラカス》 3 《古えの墳墓》 3 《裏切り者の都》 1 《発明博覧会》 -土地()- 3 《歩行バリスタ》 3 《帝国の徴募兵》 1 《月の大魔術師》 1 《粗石の魔道士》 4 《オーリオックの廃品回収者》 1 《ピア・ナラーとキラン・ナラー》 -クリーチャー()- |
3 《削剥》 4 《虚空の杯》 4 《ライオンの瞳のダイアモンド》 4 《ミシュラのガラクタ》 3 《Lodestone Bauble》 3 《オパールのモックス》 2 《ウルザのガラクタ》 1 《仕組まれた爆薬》 4 《罠の橋》 -呪文()- |
3 《血染めの月》 2 《エーテル宣誓会の法学者》 2 《テューンの戦僧》 2 《フェアリーの忌み者》 1 《躁の蛮人》 1 《コジレックの帰還》 1 《正義の命令》 1 《忘却の輪》 1 《排斥》 1 《魔術遠眼鏡》 -サイドボード(15)- |
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