By Kenji Tsumura
サンプルリスト
1 《島》
2 《湿った墓》
1 《血の墓所》
1 《蒸気孔》
4 《血染めのぬかるみ》
4 《汚染された三角州》
4 《沸騰する小湖》
-土地(18)- 4 《死の影》
4 《瞬唱の魔道士》
4 《通りの悪霊》
2 《黄金牙、タシグル》
2 《グルマグのアンコウ》
-クリーチャー(16)-
4 《思考囲い》
4 《選択》
4 《思考掃き》
2 《血清の幻視》
2 《コジレックの審問》
2 《頑固な否認》
1 《ティムールの激闘》
1 《終止》
1 《四肢切断》
1 《コラガンの命令》
-呪文(26)-
2 《儀礼的拒否》
2 《頑固な否認》
2 《ヴェールのリリアナ》
1 《仕組まれた爆薬》
1 《ティムールの激闘》
1 《集団的蛮行》
1 《紅蓮地獄》
1 《コジレックの帰還》
1 《コラガンの命令》
1 《最後の望み、リリアナ》
-サイドボード(15)-
基本的な動き
「グリクシスシャドウ」は、今ではすっかりモダンを代表するデッキとなった「《死の影》」デッキのバリエーションのひとつです。グランプリ・コペンハーゲン2017での栄冠を筆頭にプレミアイベントでも並々ならぬ存在感を放っており、数ある「《死の影》」デッキの中でも最も大きな成功を収めたバリエーションのひとつと言えるでしょう。
基本的な動きに関してその他のバリエーションと大きな違いはありませんが、「グリクシスシャドウ」ならではの魅力は《死の影》以外のフィニッシャーとして「探査」クリーチャーを使用できること、そしてドローサポートによる安定性の高さです。
充実した《死の影》以外の勝ち手段
これら「探査」クリーチャーはどちらも単体でゲームを掌握できるほどのサイズを誇り、なおかつ《死の影》対策としてお馴染みの《致命的な一押し》が効かない点が秀逸です。大量の “フェッチランド” と軽量呪文を擁するこのデッキであれば遅くとも3ターン目には登場させることができますし、《思考掃き》さえあれば2ターン目にキャストすることすら可能です。
また、上記2種のクリーチャー、そして《死の影》のパワーが4を超えることを加味し、妨害手段に《頑固な否認》が採用されています。
《頑固な否認》は各種コンボデッキからバーンのような攻撃的なデッキまで、幅広く対応できる1枚。今では他の「《死の影》」デッキでも使われるようになったこのカードですが、青を基調とする「グリクシスシャドウ」ではマナベースに一切の負荷をかけることなく運用することができます。
ドローサポート
ドローサポートによる安定性の高さも、「グリクシスシャドウ」ならではの強みと言えます。元祖「Super Crazy Zoo」にはフィニッシャーばかり引いてしまったり、逆にフィニッシャーを引かなかったりといった懸念材料がありましたが、このバージョンではそういった展開のムラが大きく改善されています。
《瞬唱の魔道士》でドローサポートを再利用すればお手軽にアドバンテージを獲得することも可能で、他のバリエーションと比べて比較的息切れしづらい点も特筆に値します。とりわけ《瞬唱の魔道士》と《コラガンの命令》は消耗戦最強の組み合わせと評されるほどで、メタゲームがミッドレンジやコントロールに偏った際には《コラガンの命令》を増量して長期戦に備えるといいでしょう。
TIPS
得意なマッチアップ/苦手なマッチアップ
大量の妨害手段に高速のクロックを合わせ持つデッキなので、盤面の構築が疎かなコンボデッキ全般に対して高い勝率を誇ります。ただし、基本的に大型のクリーチャー1~2体で攻防を繰り返すため、ブロッカーが尽きない横並びの戦略は少し苦手です。具体的には「親和」や「人間」、他には《集合した中隊》を使用したアーキタイプや「ドレッジ」などがそれに該当します。
これらのデッキに対してメインボードで打ち勝つためには、ブロッカーの上からでも対戦相手を葬り去ることができる《ティムールの激闘》が鍵となります。
《思考掃き》+《瞬唱の魔道士》があるおかげでデッキに1枚忍ばせておくだけでも大きな意味を持ちますが、上記デッキを意識するのであれば《ティムールの激闘》をメインボードに複数枚採用してもいいでしょう。
サイドボード後は《仕組まれた爆薬》、《紅蓮地獄》や《コジレックの帰還》などの全体除去を駆使することで “横並び” 戦略に対抗できるようになっています。「親和」を意識するのであれば《紅蓮地獄》や《コジレックの帰還》を、「ドレッジ」を意識するのであれば《神々の憤怒》をといった具合に、対策したいデッキに合わせて使い分けるのが一般的です。
それとサイドボード後に気を付けなければいけないのが各種墓地対策カードです。このデッキの主力である「探査」クリーチャーに加え、《瞬唱の魔道士》も墓地を利用するカードなので、墓地を封じられてしまうと途端にデッキの動きが歪になってしまいます。
この中で最も脅威的なカードは、手札破壊や《頑固な否認》を掻い潜って0ターン目に設置される《虚空の力線》です。もしも墓地対策カードを意識するのであればこのリストのように《若き紅蓮術士》を採用するなど、墓地に依存しない勝ち手段をしっかりと用意しておくといいでしょう。