Translated by Kenji Tsumura
(掲載日 2017/11/23)
こんにちは!みなさん!
この記事では『イクサラン』ドラフトをやっていきたいと思います。今回も4人のHareruya Prosに初手から8手目までをどうピックするかを聞いてみました!
(前回の記事はこちら!)
今回一緒にピックしてくれるのはこの4名です!
(プロフィールや詳細はこちら!)
彼らが同じ選択を行うのか、それとも違った選択なのか、見るのがとても楽しみですね。
初手
津村 健志
ピック:《崇高な阻止》
初手は手広いカードがいいので《崇高な阻止》をピックします。吸血鬼、各種恐竜と、海賊以外ならなんでも使える万能除去。
齋藤 友晴
ピック:《崇高な阻止》
カードパワー的に 規格外なサイズの《結束した角冠》と悩むが、迷ったら一番やりたい白のカードをピック。白がメインのデッキはもちろん、タッチで使う可能性もあるため受けも広い。
緑は当然として、青や黒も《宝物トークン》があるため、この環境は3色目をタッチしやすい。
熊谷 陸
ピック:《風と共に》
中の上くらいのカードが1周分ある難しいパックですね。《狡猾な漂流者、ジェイス》、《結束した角冠》、《司教の兵士》、《風と共に》辺りが初手候補ですが、初手では勝利に直結する力を持つカードを取りたいので、《風と共に》をピックします。
セバスティアン・ポッツォ
ピック:《風と共に》
このパックはとても難しいね。たくさんの選択肢があるけど、僕は《風と共に》をピックするよ。《崇高な阻止》がそれに続くと思うけど、《風と共に》は実に多くの勝利を容易にもたらしてくれるし、替えが効かない効果なんだ。それに青はどんな色と組み合わせても強力だしね。
2手目
津村 健志
ピック:《怒り狂う長剣歯》
かなり強いパックなので悩みましたが、カードパワー重視でこいつを。
齋藤 友晴
ピック:《卑怯な行為》
特にめぼしいカードがないため、最強色の白黒に向かいやすい選択をしておく。
熊谷 陸
ピック:《怒り狂う長剣歯》
《火炎砲発射》と《ティシャーナの道探し》は名残惜しいですが、初手と同じくカードパワーから《怒り狂う長剣歯》をピックします。最終的に緑ベースのデッキになりさえすればタッチもしやすいでしょう。
セバスティアン・ポッツォ
ピック:《卑怯な行為》
これまた難しいパックだね。青を主張するために《見習い形成師》をピックするという意見もあると思う。でも《卑怯な行為》はたった1マナでほぼ確実に1対1交換を取ることができて、ときにはそれ以上の効果を発揮することもある素晴らしいカードなんだ。
それに加え、青黒というカラーリングは僕のお気に入りのコンビネーションだ。この環境では簡単に大惨事と呼べるようなピックが巻き起こってしまうものの、僕の経験上その中で青黒は最も堅実な組み合わせだ。
3手目
津村 健志
ピック:《野茂み歩き》
単純にこのカードが好きなのと、9手目に《日の出の追求者》が帰ってくると思うので。
齋藤 友晴
ピック:《軍団の飛び刃》
3手目でこれは寂しいが、初手、2手目も色を決める理由となるようなカードはないので、白固定に向かう。ここでは2パック目に向けて白を絞る作戦でいく。
熊谷 陸
ピック:《野茂み歩き》
緑をやりたかったところにちょうど良く《野茂み歩き》が。他のカードに大したものがないので、特に迷うことはないですね。
セバスティアン・ポッツォ
ピック:《吸血鬼の印》
ここまでクリーチャーがピックできておらず、そのうえで2枚目のオーラを取ろうとしていること、さらにすでに1枚のコンバットトリック呪文を持っていることは理解しているよ。僕は《鉄面提督ベケット》をほとんど使ったことがないし、パッと見ではタッチするほど強力には思えない。
もしもクリーチャーを守り切れるのであれば、《吸血鬼の印》と飛行クリーチャー (または《風と共に》付きのクリーチャー) の組み合わせは最高だ。したがって、これ以降は《潜水》と飛行クリーチャーを少しだけ高めにピックしようと思う。
4手目
津村 健志
ピック:《イクサーリの卜占師》
《野茂み歩き》とも噛み合う優秀な2マナ域。
齋藤 友晴
ピック:《選定された助祭》
白黒ができたときだけアンコモン級の強さ。基本的には寄り道せずに最強色に向かうことにする。
熊谷 陸
ピック:《群棲する猛竜》
緑の流れは悪くありません。《イクサーリの卜占師》が1周することを祈りつつ、《群棲する猛竜》をピック。
セバスティアン・ポッツォ
ピック:《選定された助祭》
このピックに関しては確信が持てていないけど、事実としてこのパックには素晴らしいと言えるような青のカードがないよね。《選定された助祭》は良き吸血鬼デッキを作るにあたって鍵となるカードだ。最終的に白黒吸血鬼になったとしても、これまでのピックで無駄になってしまうのは初手の《風と共に》のみ。すでに白と黒の優良カードを数枚流してしまってはいるものの、それらのカードは決して吸血鬼専用というわけでないし、その一方で《選定された助祭》は吸血鬼に向かいたいと思わせるカードだね。
最終的に白黒のデッキにならなかったとしても、このピックで犠牲にするのは平凡な海賊クリーチャーだけだし、ここではより手広いピックをしたいと思う。成功したときの見返りは大きいだろう。
5手目
津村 健志
ピック:《葉を食む鞭尾》
《襲撃》も捨てがたいですが、緑は《葉を食む鞭尾》がたくさんあるほうが勝ちやすいイメージなのでこちらを。
齋藤 友晴
ピック:《深海艦隊の殺し屋》
ゴーイング白黒。このカードは《吸血鬼トークン》と相性が良い。
熊谷 陸
ピック:《葉を食む鞭尾》
《襲撃》はこの手順では取りたくないですね。緑のグッドコモンをピック。
セバスティアン・ポッツォ
ピック:《深海艦隊の殺し屋》
これといったものがないパックだね。他の2枚の黒いカードも議論の的となるだろうけど、それらは《海賊のカットラス》と組み合わせて真価を発揮するもので、これまでにピックしているオーラ呪文と噛み合うものではない。
そこでここでは《深海艦隊の殺し屋》をピックしたいと思うよ。これさえあれば《吸血鬼トークン》で臆することなく攻撃できるようになるから、白黒吸血鬼でも活躍が見込める1枚だ。
6手目
津村 健志
ピック:《貪欲な短剣歯》
まだ2色目を決めたくないので、とりあえず緑のカードをピック。
齋藤 友晴
ピック:《猛竜の相棒》
パック自体たいしたことないので、これがくるだけでありがたい。
白が激混みではなさそうなので、もう色決めちゃおう。白黒は吸血鬼でもグッドスタッフでも強い。この環境のドラフトで白黒をドラフトしたのは14回で、勝率は74.19%とズバ抜けている。
熊谷 陸
ピック:《深根の勇者》
2マナ域は早めに確保しておきましょう。
セバスティアン・ポッツォ
ピック:《凶兆艦隊の貯め込み屋》
この順目で優秀な黒の2マナクリーチャーを確保できたのは嬉しいね。
7手目
津村 健志
ピック:《猛竜の群れ》
赤緑恐竜になるなら嬉しい1枚。
齋藤 友晴
ピック:《プテロドンの騎士》
最終的にデッキに入るか分からないが、白を絞ることに意味がある。今から赤に手を伸ばすと最悪2色被りもあるし、赤の恐竜は差し上げます。
熊谷 陸
ピック:《新たな地平》
《猛竜の群れ》との2択ですが、2色目を保留したいこともあり《新たな地平》をピック。先に取った《深根の勇者》のためにも、そのうち拾っておきたかったカードです。
セバスティアン・ポッツォ
ピック:《凶兆艦隊の船長》
《欲望の深み》や《凶兆艦隊の侵入者》といったカードがあるにも関わらず、このカードをピックするのは不思議に思われるかもしれない。でも《凶兆艦隊の船長》は素晴らしい性能を持った2マナのクリーチャーで、それはこのフォーマットにおいて非常に重要なんだ。
また、《深海艦隊の殺し屋》は青黒よりも赤黒の方が輝く (その代わりに《吸血鬼の印》は青黒で使った方が強いけどね) 。それに個人的にバウンス呪文はあまり好きじゃないんだ。可能であればデッキ内のクリーチャー以外の呪文は、コンバットトリックやオーラに装備品、そして除去呪文のみで構成したい。
8手目
津村 健志
ピック:《巣荒らし》
そんなに嬉しいピックではありませんが、貴重な2マナ域ということで。ここまでの流れを見た感じ《新たな地平》はいつでも取れそうなので、優先順位を多少低くしても大丈夫だと判断しました。
齋藤 友晴
ピック:《軍団の征服者》
同上。ここまで全ピックコモンで寂しい(笑) 強い色に決めて2パック目以降の爆発に期待する。
熊谷 陸
ピック:《新たな地平》
また《新たな地平》が回ってきました。複数あっても困るカードではないのでもらっておきましょう。
これから先どんなレアに出会えるのか楽しみですね。
セバスティアン・ポッツォ
ピック:《女王湾の兵士》
特筆するようなものはないけれど、2マナのクリーチャーは必要だし、ここで確保しておけば最後のパックで必死になって集める必要がなくなる。それに2パック以降に《流血の空渡り》が取れたりして最終的に白黒吸血鬼じゃなかったとしても《選定された助祭》を使うようなデッキになった場合に、《女王湾の兵士》はその恩恵を受けることができる。
ここで1パック目の内容を思い出してみると、おそらく《這い回る心止虫》が帰ってくるだろう。もしそうでなかったとすれば《風雲艦隊の紅蓮術士》が戻ってくるはずだ。この海賊はこれから赤黒海賊に向かいたくなるサインだと言える。
おそらく1パック目で僕が取った《風と共に》のあとにピックされるであろう7枚は、1列目の5枚、そして《翡翠の守護者》と《崇高な阻止》ではないかと思う。だから《這い回る心止虫》と《風雲艦隊の紅蓮術士》の両方が帰ってくるかもしれないし、そうなれば僕はどちらをピックしたとしても幸せだね。
それぞれのピックまとめ
津村 健志
齋藤 友晴
熊谷 陸
セバスティアン・ポッツォ
まとめ
初手は《崇高な阻止》、《風と共に》という2枚のコモンで意見が分かれました。
これら2種類のカードはどちらも非常に優秀ですが、カード単体の性能よりも彼らは “デッキの完成形” を見越して決断を下しているように思います。
『イクサラン』がリリースされて2か月が経過し、各人のプレイスタイルと経験が個々のカードパワーよりも重要になってきたのでしょう。
この記事を楽しみ、そして『イクサラン』リミテッドへの理解を深めていただけていれば幸いです。
また次の記事で会いましょう。
ジェレミー・デザーニ