最高の遠征をするために

Oliver Polak-Rottmann

Translated by Kenji Tsumura

原文はこちら
(掲載日 2017/11/30)

やあ、みんな。新しい記事へようこそ!

グランプリ・リヨン2017が終了し、翌週にはワールド・マジック・カップ2017が開催されるわけだが、どうやらまだまだトーナメントは終わらないようだ。

ワールド・マジック・カップの直後にはグランプリ・マドリード2017とグランプリ・オクラハマ2017が、その翌週にはグランプリ・ニュージャージー2017とグランプリ・シンガポール2017が開催されるんだ。そこで今日は、マジックで最高の遠征をするためにどうすべきかをトピックにしたいと思う。

旅の準備

この度、俺は4週連続で大会に参加するわけだが、たくさんのフライトと運転はいつだって挑戦的だ。タイムゾーンの違う場所に行くこと、旅ごとに異なる人々との旅行は大変だからな。この記事では、これまでに過去の記事で取り扱ってきたようなマジックの調整記には踏み込まない代わりに、遠征をより良くするためにすべきことに焦点を当てていこう。

前もって諸々の予約をしておこう

これは遠征の半年前から飛行機の予約をしておけってことじゃあなく、大会の1ヶ月前かそれくらいの時期を指している。とても早い時期に予約をすることが必ずしも最安の航空券に繋がるわけではないが、予約が遅すぎるとそれが致命的になってしまったり、航空券が信じられないほど高価になってしまう可能性がある。3か月ほど前からどこかに行くことを知っているのであれば、それを予約し忘れるはずがない。さっさと予約すれば安心できるしお金の節約にもなるだろう。

hotwire.compriceline.com といったサイトでお手頃な宿が見つけられるとはいえ、航空券と同様にホテルの予約も早めに済ませておくべきだ。

(※編注:hotwire.compriceline.comは、色々なホテルを比較しながら安く予約できる海外サイトです。)

そして最も重要な点は、グランプリ本戦の受付を忘れないことだ!昨年は定員オーバーのグランプリはなかったと記憶しているが、たまにはそういったことが起こるし、グランプリ本戦に参加できないなんて最悪だよな。

一緒に遠征してくれる友達を探そう!

ガラクの仲間

1人旅を楽しみたいのでもない限り、一緒に遠征してくれる人やグループを探してみよう。そうすることでたくさんのお金を節約できるし、なんといっても1人で遠征するよりもみんなと共に旅行したり行動する方がずっと楽しいからだ。古くからの友人であったり、近くのお店にいるプレイヤー、または君の彼氏/彼女に一緒に冒険に繰り出さないかを尋ねてみよう。

異なる文化からは多くのことを学べるし、マジックをするうえで最高なのは知らないものに触れられることであり、それは決してマンネリ化してしまうことはない。個人的にここ数年はたくさんの遠征をしたためマジックをプレイできる場所もたくさん知っているが、そこにはいつだって新しい発見がある。すでに知っている場所や落ち着くことができる場所があるかもしれないが、知らないところを探検するのは素晴らしいことだ。そしてその経験を友人に共有すれば話に花が咲くだろう。

正しく旅行を手配しよう!

これは当たり前の話に聞こえるかもしれないが、経験上人々は間違った旅行の手配をしてしまうんだ。
巧みな軍略

年に1回か2回しかグランプリに遠征しないのであれば、どのグランプリに参加するかを賢く選択しよう

どの大会に参加するかを決めるためには、フォーマットであったり、開催場所であったり、同行者の都合などが判断材料になるだろう。だけど君自身が楽しめないと分かっているものは決して予約しないこと

旅行はとても高価なものだと忘れずに

君がスポンサーされていない、または旅行の予算を抑えられないのならば、先の旅行は計画的に。さもなければ最後には何も残らないだろう。これは金銭面と満足度の両面で起こりうる。グランプリの遠征費を見誤ったばかりに遠征後にお金がなくなってしまったり、それが原因で友人と遊べなくなったりしたくはないだろう。これは君の、または友人の遠征を破滅させてしまう可能性がある問題だ。

悲惨な旅

遠征する国についてあらかじめ学んでおこう

これから向かう国の詳細について学んでおくことは君の助けとなりえる。通貨は何か、レストランではチップをいくら渡せばいいのか、その国での社会的な規範はどのようなものか?君自身、そしてその国で君と交流する人々にとって物事を容易に済ませるためにも、この3つの質問には答えられるようになっておくといいだろう。

ヨーロッパに住む俺にとって、日々の暮らしと日本での生活は大きく異なる。チップは0%から10%程度。通貨は円。それに運転する道やエスカレーターのどちら側に立つかが地域によって違うんだ。これらは細かいものの積み重ねに過ぎないが、知っておけば異国で上手く生活するために役立つだろう。

過去に学ぶ

どれくらい滞在できるのか、またはどれくらい滞在したいのかを考えよう

俺にとってこの問題は開催場所次第で、大会の前後に0日~7日間ほど滞在するようにしている。これは毎回ニュージャージーのグランプリに参加する理由の1つでもある。ニュージャージーからニューヨークへの航空券は安いし、俺はニューヨークが大好きなんだ。初見ではニューヨークの物価が高いように感じるかもしれないが、8回ほど遠征した今では食べ物や飲み物に多くのお金をつぎ込まずとも素晴らしい時間を過ごせると感じている。

オランダの街並みも大好きだから、オランダでグランプリがあるときも必ず参加しようと試みている。奇妙に聞こえるかもしれないが、とんでもなく安い航空券が見つかったときは時間と出費を最小限に抑えるために木曜日発 – 日曜日の夜帰りのアメリカ遠征を行うこともあるな。

時間の把握

時差ボケを操ろう!

時差ボケは時差が6時間以上ある場所に移動する際に起こる可能性がある。時差が6時間しかないアメリカの東海岸に遠征するときにはほとんど問題は起こらず、1日過ごせばいつも通り生活できるようになる。だが逆に向かうことになる日本は全くの別物で、どうやら俺の身体はこの変化が好きじゃないようだ。時差が9時間、またはそれ以上あるアメリカの西海岸に遠征するときも同じ問題が起きる。

時間のねじれ

時差ボケはいつも自然に起こってしまうものだし、どうにかしてこれを解決できないものかと考えている。最も重要な事柄は何が何でも初日に起きておくことだ。いつも0時に眠りにつくのに、遠征先で20時から眠り始めては問題が起きてしまうことは明白だ。可能な限り起きておくようにして、できるだけ長くそれを継続しよう。

睡魔

もうひとつ重要なのは食事する時間をしっかりと現地時間に合わせることだ。朝食、昼食と夕食をきちんとした時間に取り、それを継続すること。空腹というものに関して、身体は正直には振る舞ってくれないものだ。だが仮に空腹だと感じなくても何かを食べるべきで、それだけが時差ボケを直す唯一の術なんだ。

大食のドラゴン

そして俺にとって有益なのは身体を疲れさせることだ。もし家に帰ったあとに時差ボケに苦しんでいる場合は、スポーツで体を疲れさせれば夜に眠りにつきやすくなる。いつもは週に1度か2度運動をするようにしているものの、マジックの遠征中にはそれが難しいし、他のプレイヤーもそうだろう。そこで2~3週間の遠征から帰国したら徹底的に身体をいじめることで、通常の時間通りに眠れるようにしているんだ。

疲労困憊

朝方の3~5時に目が覚めてしまう場合は、昼明けに30分ほど仮眠しよう。日中に眠り過ぎないように注意が必要だが、俺にとって30分の仮眠は英気を養うに十分な休息だ。

マイルを貯めよう!

これがひどい広告みたいだとは分かっているが、たくさん旅行するなら価値がある。これまでの経験からアメリカとユーロ圏のプレイヤーにはデルタ/スカイチームが最適だと言うことができるが、残念ながらアジア圏のプレイヤーにはどの会社がいいか明言することはできない。簡単にマイルのステータスが上がるもので、なおかつほかのアライアンスから利益を享受できるものがいいのではないかと思う。

夢での貯え

Wizards of the Coast社から航空券を提供してもらう代わりに、航空券相当の代金をもらうことができる

これはプロツアーにしか当てはまらないが、実は多くのプレイヤーが知らないオプションが存在しているんだ。君は航空券の代わりに、それに相当する代金をリクエストすることができるんだ。これはとりわけプロツアーの前後に1つや2つのグランプリへの参加を予定している際に役立つだろう。Wizards of the Coast社は自宅からプロツアーの距離を見積もって金額を出してくれるが、自身で予約するよりも高い金額を提示してくれることがほとんどだ。Wizards社側は航空券予約にかかる事務的費用を節約できるし、こちらは側はその費用を使って予約すれば航空会社も自分で選べるし、日程や出発場所も自由自在ってわけだ。

やり方さえ分かっていれば、自身で飛行機を取ることで航空券の領収書を税金申告に使えうことだってできる。

まとめ

遠征にはたくさんの重要な物事とトリックがあるが、それに関して少しでも参考になれば幸いだ。旅行中に最も重要なのは落ち着くことなんだ。ときには航空券やホテルで予期せぬ出来事に遭遇したり、家に忘れ物をしてしまうことだってあるだろう。でもそんなことは気にせずに、解決策を模索して休日を満喫しよう。

冒頭でも述べたようにグランプリ・リヨン2017はすでに終了しており、しかるべきチームが勝者となった。最終戦で優勝者たちに負けてしまいトップ4に残ることは叶わなかったものの、親友であり世界選手権2009・準優勝者であるデイビッド・レイトバウアー/David Reitbauer、そしてワールド・マジック・カップ本戦でもチームメイトのアドリアン・ソフレーク/Adrian Schrenkから成る俺たちのチームは10位だった。俺個人としては下記2つのデッキを使って13勝1敗だった。自身のプレイには満足しているし、ワールド・マジック・カップへの準備は万全だ。

Deck

初日のデッキ

Deck

2日目のデッキ

リヨンは素晴らしい大会だったし、俺たちは心からこれを楽しんだ。10位という成績は4週連続の大会1発目としては完璧なものだし、好成績を残したいと願っているワールド・マジック・カップ本戦への良い準備にもなった。

応援よろしくな!最後まで読んでくれてありがとう!

オリヴァー

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