by Jeremy Dezani
Translated by Takuma Kusuzawa
(掲載日 2017/12/09)
「プレイヤーフォーカス」へようこそ!
「プレイヤーフォーカス」は、世界に名立たるマジックプレイヤーにインタビューする企画です。日本のみなさん、そして世界中へ彼らの事を広めていきたいと思っています。毎回違うプレイヤーを紹介しますので、楽しみにしてくださいね!
今回はラファエル・レヴィ(@hahamoud)です。彼は古くから活躍を続けている、偉大なプレイヤーです。2006年11月にプロツアー殿堂入りを果たしました。
インタビュー
氏名: ラファエル・レヴィ
年齢: 36
国籍: フランス
スポンサー: TCGplayer.com
生涯プロポイント: 711
プロレベル 2017-2018: ゴールド
職業 / マジック以外の趣味
Jits Magazine Franceという出版社 // ブラジリアン柔術の紫帯
マジックを始めたのはいつ、どのセット? マジックを知ったきっかけは?
マジックを始めたのは1994年、12才のときに友達が教えてくれた。ルールやカードをよく理解できていなかったから、誰かにしっかりと教わろうと思うまでは、自分たちで考えて遊んでいた。それから、ずっと続けているよ。
プロプレイヤーになるまでに、あなたに一番影響与えた有名プレイヤーは?
プロプレイヤーになるのに影響を受けた人、というのはいないけど、Manuel Bevand, Marc Hernandez, Michael Sochonは強くなる頃に俺を導いてくれた。プロツアーに参加することは自然の流れだった、権利を勝ち取るのに、それほど時間はかからなかったからね。初めてのプロツアーは97年、15才のときだ。そして、98年にはグレイビートレインに乗ったよ。
これまでの実績
プロツアー・トップ8: トップ8を3回
グランプリ・トップ8: トップ8を22回、優勝6回
その他: 2006年プロツアー殿堂顕彰
好きな日本人選手とその理由
中村 修平、津村 健志、齋藤 友晴とは昔から友達だね。この12年、彼らとは常に同じ道を歩き、楽しい時間を共にしているよ。
今のドラフト環境(イクサラン)でお気に入りのアーキタイプとその理由
青緑マーフォーク。他のアーキタイプを選ぼうとは思わないくらい、唯一安定して勝てているデッキだね。
赤の良いレアよりも《ジャングルの探査者》を積極的にピックしても問題ないと思っている。この環境のコモンで一番強い《風と共に》が流れてきたなら、絶対に流したくはないね。
お気に入りのデッキ
モダン: ドレッジとゾンビローム。墓地を活かした戦略が好きだ。
スタンダード:今のスタンダードはそこまで好きじゃないかな。新しいセットが出るまで気長に待つよ。
レガシー:長いことレガシーはプレイしてないけど、青白奇跡が強いと言われる前から「これは行ける!」と言っていた。 《師範の占い独楽》が禁止になる随分前から強いと思っていたんだけどね。
アグレッシブやコントロール、ミッドレンジやコンボなどでお気に入りはありますか? また、それはなぜ?
今までの経験でいえば、アグロデッキに入れ込んでいるね。「常に悩めるプレイヤーの側でいたい」という気持ちがあるんだ。環境のすべての脅威に対処しようとするよりも、固い防御を突破する方法だけ考える方が良いのさ。
フォーマットを問わず、今現在、特に気に入っているデッキは何ですか?
今一番プレイしたいのはドレッジかな。何ヶ月か前のグランプリ・バーミンガム2017でこのリストを使ったんだ。
このデッキは、モダンで活躍を始めた頃からほとんど変わっていない。《ゴルガリの墓トロール》があってもなくてもこのデッキを止めるのは難しいし、相手のサイドボードに入っている対策カードも決して十分でないと感じている。ドレッジのためだけにスロットを割く余裕はなく、2,3枚しか入ってないことがほとんどだ。そして、モダンには多くの選択肢があって、好みの変化を付けることができる。
『アモンケット』ブロックは《悪戦+苦闘》や《腹背+面従》のような「余波」を持つカードが出てきて、デッキに良い選択肢を与えてくれているよ。
たくさんカードを引くことが好きな人がいるように、俺は墓地へカードを落としていくのが好きなんだ。
1パック目の1手目、どれをピックしますか?
普通に選ぶなら《薄暮の賛美者》か《弱者成敗》だろう。たださっきも言ったけれど、毎回マーフォークデッキを押し通したいと思ってる。この中でマーフォークデッキに入れられるのが《水罠織り》だけで、ベストじゃないと分かってても、ピックすることにためらいはない。
プロツアー『イクサラン』には出場していませんでしたね。それは何ででしょうか? それと、これまでのプロツアー連続出場数はいくつですか?
俺がいない間に妻のモニカが出産するかもしれなかったんだが、プロツアー『イクサラン』には参加する予定だった。数日離れるだけだし、戻ってから二週間後が予定日だったからリスクはかなり低かった。だけど、アルバカーキへ発つ数時間前にお産が始まったんだ。
息子のレイバンが生まれたのは、出発予定日の10:07。本当にギリギリのところで、出産に立ち会えなかったかもしれなかったんだ。プロツアー『イクサラン』までは、1998年の秋以来、91回連続でプロツアーに出場していたよ。
ということは、父親になったわけですね。マジック人生にどう影響があるでしょうか? プロツアーにだけ出るようになるのでしょうか? 家族を連れて世界を回るのですか?
あまりマジックに影響があるとは思っていないよ。コンテンツは作り続けるし、そのために大会に出る必要もある。今年は特にプロレベルを狙うつもりもないから、これまでよりもカバレージをやる予定さ。
お子さんにはいつマジックを始めさせたいですか?もう先のことを考えていたりしますか?
この子が旅行できるようになれば、もちろん一緒に連れて行くさ。できるなら、様々な場所へ行って自分のしたいことをできるようにしてあげたい。だけど、まだその話をするには早いよ。マジックを始めるかどうかは、彼次第だ。母親に似て、絵を描くかもしれない。けど、いつかその気になってくれると信じているよ。
古くから殿堂入りを果たしたプレイヤーの多くはプロツアーに参加していません。あなたはモチベーション、そして情熱をまったく失っていないことでも有名です。この長期に渡るマジックへの原動力はどこにあるのでしょうか?
何週か前の記事(The PT and Me)にも書いたけど、プロツアーは何年もの間、俺の人生を支えていたものなんだ。常に見据え続ける目標で、生活のすべてをプロツアー中心に考えてきた。ずっと楽しく続けているルーティーンであり、簡単に終わりが見えることもないだろうね。
プロツアーが辿った進化の生き証人なわけですね。昔との違いを教えてくれますか?プレイヤーのレベルやフォーマット、プロ同士のコミュニティや生き方など、思うことを教えてください。
今と昔との大きな違いは情報の手に入れやすさだ。今は、数日の間でも隠しごとをするのは大変だよね。日本の小さな大会で成功したデッキも、みんなが知るまでそんなに時間はかからない。昔はそんなことありえなかったよ。
プレイヤーのレベルは一緒にプレイしている人に依存していた。昔ほどプレイヤーのレベルが高くないと言うわけじゃないけど、今までより良いデッキに誰でも触れられるようになったと思っているよ。