Round 8: 熊谷陸(宮城) vs. 高野成樹(東京)

By Atsushi Ito

　The Last Sun 2017、長かった初日もいよいよ最終戦。

　6勝1敗という好位置で激突することになったのは、ゴールドレベル・プロの熊谷と、レガシーの大型大会のタイトルをいくつも持つ高野。スタンダードとレガシーの混合フォーマットにふさわしい、プロとレガシープレイヤーとのなかなか見られないマッチアップが実現した。

　オーソドックスなグリクシスデルバーを選択した高野に対し、熊谷は《師範の占い独楽》の禁止後しばらくは姿が見られなかったものの、最近再び注目を集めている白青の「奇跡」コントロール。プロが華麗に《渦まく知識》を使いこなすのか、それともレガシープレイヤーが意地を見せるか。

　熊谷は《思案》から、高野が展開した《死儀礼のシャーマン》《若き紅蓮術士》をそれぞれ即《剣を鍬に》で捌きつつ土地を伸ばす立ち上がり。

　続く高野の仕掛けは4マナあるところからの《真の名の宿敵》。熊谷はスタック《渦まく知識》で手札状況を整えつつこれをスルーし、返すターンに5枚目の土地を置いてから《議会の採決》。これに対して高野は秒で《呪文貫き》を放ち、《目くらまし》と絡めて守りきる気配を見せるが、熊谷はこの仕掛けを《狼狽の嵐》でうまくかわしきる。

熊谷陸

　虎の子の仕掛けを捌かれてしまった高野は、《ギタクシア派の調査》で《精神を刻む者、ジェイス》《瞬唱の魔道士》という熊谷の少ないけれども重厚な手札を確認しつつ、返す《精神を刻む者、ジェイス》は《意志の力》して、《秘密を掘り下げる者》はプレイしつつも再び手札が整うのをドローゴーで待つ。

　対する熊谷は《瞬唱の魔道士》から《渦まく知識》を「フラッシュバック」してクロックを作ると、《剣を鍬に》で《秘密を掘り下げる者》を捌いてビートダウンを開始する。

　さらに《相殺》を引き込んだ熊谷は即座にこれをプレイ、高野は5マナで《意志の力》しようとするが、《対抗呪文》ではじかれて着地。2枚目の《真の名の宿敵》で仕掛けるもこれも《至高の評決》で処理され、《グルマグのアンコウ》は《相殺》でめくれた《終末》「奇跡」で一度も攻撃することなくライブラリーの底へと還っていく。

　とにかくクロックを定着させてもらえない高野。《ギタクシア派の調査》で《僧院の導師》《渦まく知識》を確認し、「んー、厳しい」と漏らす。一方熊谷はプレイした《僧院の導師》に打ち込まれた《稲妻》を意を決して《意志の力》し、手札をゼロにしながらもフィニッシャーを定着させにいく。高野は2枚目の《稲妻》で《僧院の導師》を除去するが、果敢を持つモンク・トークンが一桁にまで落ち込んだ高野のライフを削りにかかる。

　《秘密を掘り下げる者》の返し、《瞬唱の魔道士》からの《剣を鍬に》こそカウンター合戦の末に弾ききった高野だったが、よりにもよってトップデッキした《死儀礼のシャーマン》が《剣を鍬に》を公開した《相殺》によって「ナチュラル相殺」でカウンターされてしまったことで、長かったゲームは決着となった。

熊谷 1-0 高野

　一方、返す3ターン目の高野は順調すぎるスタートに焦ったか《秘密を掘り下げる者》の「変身」チェックを忘れるポカをやらかして「あーミスった」と呟くも、次のターンには2枚目の《陰謀団式療法》をめくって「変身」、熊谷の手札から《ヴェンディリオン三人衆》をも奪い去る。

高野成樹

　《秘密を掘り下げる者》こそ《至高の評決》で処理した熊谷だったが、手札を整える材料が引けていないことに変わりはない。対する高野は《渦まく知識》で手札を整え、再び《秘密を掘り下げる者》を戦場へ。

　熊谷はどうにか「変身」チェックでめくれた《渦まく知識》を《予報》で落とそうとするのだが、《紅蓮破》→《狼狽の嵐》→解決してから《予報》に《意志の力》で防がれる。

　《相殺》は通ったものの、返すターンには《真の名の宿敵》までも着地。《議会の採決》で捌こうとするのだが、高野はしっかりと2枚目の《意志の力》を握っていたのだった。

熊谷 1-1 高野

　マリガンから《先触れ》シャッフルスタートと芳しくない動きの熊谷に対し、高野は《死儀礼のシャーマン》から、《仕組まれた爆薬》「X＝1」設置の返しで《若き紅蓮術士》、さらに《ギタクシア派の調査》を3連打！《アズカンタの探索》《終末》に土地2枚という熊谷の寂しい手札内容を確認しつつ、2ターン目にして巨大なクロックを形成する。