こんにちは!
『イクサランの相克』発売前にドカーンと飛び込んできた禁止制限告知のニュース。
あまりに驚きすぎて1時間くらい放心状態になってしまいましたが、《エネルギー》というシステムはあまりにも強力すぎるため仕方がないように思います。
できれば禁止カードは出してほしくはないものの、各種「エネルギー」デッキと「ラムナプ・レッド」ばかりの環境はスタンダードに閉塞感や停滞感を生む原因になるので、この変化をポジティブに捉えてこれからのスタンダード環境が面白くなることに期待しましょう!
さてさて、僕自身はと言いますと、来月の頭にモダンのプロツアーが控えているので相変わらずモダンばかり遊んでいます。というわけで、今回は少しモダン目線でもカードを選んでみました!
それでは、『イクサランの相克』20選をご覧ください。
(※各カードは順位ではなく、カード番号順に並んでおります)
1.《飢えた聖騎士》
無限ライフ!
2.《執着的探訪》
《好奇心》におまけが付くだなんて、実に良い時代になったもんです。
攻撃が通りやすい回避能力持ちのクリーチャーと併用する分かりやすい使い方になりそうですが、このカードを生け贄に捧げるのは “《執着的探訪》が付いているクリーチャーで攻撃しなかったとき” ではなく、 “クリーチャーが1体も攻撃をしなかったとき” なのでご注意ください。
3.《海底の神託者》
大量の新戦力の加入により、スタンダードのみならずモダンでも話題騒然の「青緑マーフォーク」。
そんな中で僕のお勧めは《海底の神託者》さん。殴るだけでカードが引けるだなんて、これ以上の幸せはありません!『イクサランの相克』におけるハッピーの貴公子!
4.《戦凧の匪賊》
HareruyaCOMBAT vol.29内でもお勧めさせていただいた1枚。攻撃が止まりづらくなるだけでも十分な効果ですが、《歩行バリスタ》と組み合わせれば憎き《熱烈の神ハゾレト》も 親愛なる 《スカラベの神》も除去することができます。
動画内では実現しませんでしたが、《航空船の略取者》→《戦凧の匪賊》→《歩行バリスタ》という流れは非常に強力かつ気分爽快なので、青い海賊デッキをお考えの方はぜひご検討ください!
5.《凶兆艦隊の毒殺者》
《戦凧の匪賊》と同じく、攻撃を継続しやすくなる新戦力。普通に使うだけでも対戦相手にブロックを躊躇させる効果がありますが、《凶兆艦隊の毒殺者》をちらつかせながら先制攻撃持ちのクリーチャーで攻撃すると対戦相手もタジタジ。
《凶兆艦隊の毒殺者》自身にも接死が付いているので、攻撃面だけでなく守る際にも役立つのが利点となりそうです。
6.《薄暮軍団の盲信者》
地味ながら堅実な1枚。こういったアドバンテージを失わずにパーマネント数を増やせるカードは「昇殿」の条件達成にうってつけなので、後述の《黄昏の預言者》のお供にぜひ!
7.《首謀者の収得》
僕は昔からシルバーバレット戦略 (サーチカードと1枚差しのカードを多用して対応力を上げる構築) が嫌いなんですが、それは1枚差しのカードが多いゆえに多様性と引き換えに安定性に難があるからです。
ところが、《首謀者の収得》なら特定のマッチで強いカードを1枚差しにする必要はありませんし、それでいてサイドボードから劇的なカードをサーチできちゃいます。サーチカード特有のテンポの悪さは気になるものの、歴代のサーチカードの中でも屈指の性能を秘めた1枚。
8.《黄昏の預言者》
「昇殿」を達成してしまえばとんでもない効果を発揮する《黄昏の預言者》。早速「白黒吸血鬼」デッキで採用されて結果を残しています。
5 《平地》
4 《秘密の中庭》
4 《手付かずの領土》
4 《イフニルの死界》
-土地(23)- 4 《空渡りの野心家》
2 《薄暮まといの空渡り》
4 《アダントの先兵》
4 《軍団の副官》
4 《才気ある霊基体》
3 《薄暮軍団の盲信者》
2 《薄暮の使徒、マーブレン・フェイン》
2 《不死の援護者、ヤヘンニ》
3 《聖域探究者》
2 《黄昏の預言者》
-クリーチャー(30)-
「昇殿」は思った以上に達成するのが簡単なので、構築でも十分に通用するキーワード能力だと思います。上記リストは《聖域探究者》まで入れて「吸血鬼」に特化した形ですが、《オケチラの碑》を入れて「昇殿」を達成しやすくした形にも可能性があると思います。
9.《原初の死、テジマク》
リミテッドでの被害報告が止まない《原初の死、テジマク》さん。 かくいう私も5回目のドラフトでついに大人の階段を上ってしまいました……。
控えめに言って本体が1/1でも初手級だと思いますが、6/6というダイナマイトボディのおかげで構築でもいけるオーラが漂っています。なお、自分のターンの間であればインスタントタイミングで黒マナのある限り能力を使用できるので、《逆毛ハイドラ》のようなカードも概ね対処することができます。
10.《血染めの太陽》
モダンやレガシーで絶賛大活躍中の《血染めの月》。その系譜を継ぐ新カードが《血染めの太陽》です。
《血染めの月》と比較すると《ウルザの塔》・《ウルザの魔力炉》・《ウルザの鉱山》などの「ウルザランド」に効果がなかったりと用途が大きく異なりますが、《血染めの月》の効き目が薄かったバーンなどのデッキに対しても効果が望めるのは《血染めの太陽》ならではの魅力ですね。
今回はすでにMagic Onlineに『イクサランの相克』が入っているので、早速《血染めの太陽》を使って大会に参加してみました。
このデッキを使って分かったことは、《血染めの太陽》を《血染めの月》の追加として入れるのはやばいということです (当たり前体操)。マナ加速が豊富で、それゆえに1ターン目に設置できる可能性が段違いなレガシーではその手法もありえるのかもしれませんが、モダンではそういった使い方よりも《廃墟の地》や《地盤の際》を封じる目的の方が合っているように思えました。
また、デメリットと思わしき各種能力も失われるので、《焦土》や《水蓮の谷間》といった強烈なメリットとデメリットを併せ持つカードも注目を集めているとかいないとか?
長々と書いてまいりましたが、これほどの影響力を持ったカードにキャントリップ (カードを引く効果) が付いているのは驚きそのもの!様々な環境での活躍が期待できる1枚です。
11.《凶兆艦隊の向こう見ず》
アドバンテージを得ることができる能力を内包した新戦力。スタンダードでも活躍間違いなしのスペックですが、スタンダード以上に呪文が強力なモダンやレガシー、はたまたヴィンテージなどでより一層光り輝くカードかもしれません。
対応して《瞬唱の魔道士》を出されたり、《時を越えた探索》で対象に取ったカードを追放されると悲しみに暮れてしまうので、その点にだけ気を付けましょう。
12.《無謀な怒り》
驚異的な軽さが魅力の《無謀な怒り》。自分のクリーチャーにダメージを与える能力も、「激昂」と相性が抜群で使いやすい印象を受けました。リミテッドだと《寵愛される幼生》との組み合わせがお化けだったので、「赤緑恐竜」をピックしている際にはぜひお試しください。
13.《再燃するフェニックス》
近頃のスタンダードのトレンドとも言える死にづらい能力を持ったクリーチャー。追放除去という明確な弱点こそあるものの、それらのカードは比較的マナコストが重く設定されていることが多いので、対応して自らの火力を打ち込むことでかわすことができるはずです。
14.《原初の飢え、ガルタ》
《世界棘のワーム》とは違い、《御霊の復讐》で釣ることができる大物。《裂け目の突破》で出した際の威力こそ落ちますが、《滋養の群れ》での回復量も大きいですしグリセルシュートにすんなり採用されそうな1枚。
スタンダードではぜひとも《レギサウルスの頭目》から走らせてみたいですが、あんちゃん (高橋 優太) が紹介してくれたようにパワーの高いクリーチャーと「機体」を組み合わせて即座にキャストするのも面白そうです。
3 《森》
4 《陽花弁の木立ち》
4 《秘密の中庭》
4 《花盛りの湿地》
3 《まばらな木立ち》
-土地(23)- 3 《歩行バリスタ》
4 《模範的な造り手》
4 《栄光半ばの修練者》
4 《屑鉄場のたかり屋》
4 《誇り高き君主》
4 《改革派の結集者》
2 《不屈の神ロナス》
4 《原初の飢え、ガルタ》
-クリーチャー(29)-
15.《翡翠光のレインジャー》
もはやアドバンテージは緑の十八番!?《ならず者の精製屋》が大好きだったというみなさんにぜひともお勧めしたい一品。
16.《むら気な長剣歯》
歩く《踏査》!……本当に歩いているかどうかは構築次第ではあるものの、モダンの緑白カンパニーの《迷える探求者、梓》枠で活躍してくれそうです。
2 《平地》
2 《寺院の庭》
4 《吹きさらしの荒野》
3 《樹木茂る山麓》
2 《地平線の梢》
4 《幽霊街》
1 《ガヴォニーの居住区》
-土地(23)- 4 《極楽鳥》
4 《貴族の教主》
4 《復活の声》
1 《漁る軟泥》
4 《聖遺の騎士》
4 《クルフィックスの狩猟者》
2 《エイヴンの思考検閲者》
2 《ラムナプの採掘者》
2 《不屈の追跡者》
1 《迷える探求者、梓》
1 《永遠の証人》
-クリーチャー(29)-
2 《仕組まれた爆薬》
2 《外科的摘出》
2 《石のような静寂》
2 《太陽の勇者、エルズペス》
1 《戦争の報い、禍汰奇》
1 《再利用の賢者》
1 《静寂の守り手、リンヴァーラ》
1 《鷺群れのシガルダ》
1 《異界の進化》
-サイドボード(15)-
《迷える探求者、梓》は追加で土地が2枚置ける代わりに、戦闘能力が皆無でなおかつ火力呪文に弱いという欠点がありました。マルドゥ・パイロマンサーにジェスカイ、さらにはヤソコンなどなど、ここ最近は火力呪文を使ったデッキが活躍しているのでこの弱点は致命的です。
《むら気な長剣歯》も序盤は戦闘に参加できないものの、こちらは火力呪文をものともしない屈強なタフネスが魅力です。「昇殿」に関しても《不屈の追跡者》・フェッチランドと組み合わせればそれなりの速度で達成できるでしょう。
火力が多い環境においては《迷える探求者、梓》を上回る存在だと思いますし、伝説ではないので複数枚の採用もありえると思います。
17.《法をもたらす者、アゾール》
この手の殴り始めると勝ちが確定してしまうようなクリーチャーはあまり好きではないのですが、リミテッドで鬼神のごとき強さを発揮していたので、構築でもきっとやれるだろうということで選出させていただきました。毎ターン《スフィンクスの啓示》はインチキ。
18.《原初の災厄、ザカマ》
一目見た瞬間にときめいてしまった1枚。
とんでもなくかっこいいイラストになんでもできそうな能力の数々……「速攻ないんかい!」と思わず突っ込んでしまうお茶目な一面も最高です。ぜひとも子孫 (?) と思われる《太陽の化身、ギシャス》から出してみたい逸材。
これほどインパクトのある伝説のクリーチャーとなると、Magic Story -未踏世界の物語-上での活躍も気になりますね。
19.《胆力の道》
HareruyaWayfinderとHareruyaCOMBAT vol.29で井川さんが推してくれていた1枚。井川さんご自身も驚くほど (?) にデッキの完成度が高かったようで、すでにMagic Onlineの大会で似たようなリストが全勝を記録しています。
2 《平地》
4 《感動的な眺望所》
4 《ラムナプの遺跡》
4 《シェフェトの砂丘》
-土地(23)- 4 《ボーマットの急使》
4 《狂信的扇動者》
1 《帆綱走り》
4 《地揺すりのケンラ》
2 《航空船を強襲する者、カーリ・ゼヴ》
2 《執拗な猛竜》
4 《アン一門の壊し屋》
3 《熱烈の神ハゾレト》
-クリーチャー(24)-
そもそものカードパワーが高いことに加え、僕のようにタフネスの低いクリーチャーを愛するプレイヤーにとっては天敵のようなカードです。みなさんもガリガリなデッキを組む際には、くれぐれもこのカードにご注意を。
20.《アゾールの門口》
《原初の災厄、ザカマ》ほどではないものの、これまた心躍る1枚です。《アゾールの門口》の手札循環能力は及第点程度の性能しかありませんが、 “ライフの総量のマナを出す” という前代未聞の能力を持った《太陽の聖域》は歴代の伝説の土地すらをも凌ぐすさまじい性能。
HareruyaWayfinder 『イクサランの相克』 編でもご紹介したように、《オケチラ最後の慈悲》と組み合わせて20マナをひねり出して派手に勝利してもいいですが、単体で悠に5マナや10マナを生み出すであろう土地カードだなんて使い道を考えるだけでワクワクしちゃいますよね!
スタンダードで《削剥》の採用率が高いことは気がかりなものの、それを加味しても使ってみたい『イクサランの相克』で最注目のカード。
おまけ・『イクサランの相克』注目度トップ5
1位: 《アゾールの門口》
2位: 《翡翠光のレインジャー》
3位: 《黄昏の預言者》
4位: 《原初の災厄、ザカマ》
5位: 《戦凧の匪賊》
1位は夢と希望の《アゾールの門口》。《削剥》されて現実の厳しさを教えられる気がしなくもないですが、「変身」後の姿がこれほど楽しそうなカードを選ばずにはいられません!
2位は堅実な《翡翠光のレインジャー》を。このセットで最も手堅いカードを選べと言われたら、きっとこいつを選択します。
3位は「昇殿」能力持ちの中でも屈指の性能を誇る《黄昏の預言者》。前述の通り「昇殿」はかなり強い能力だと感じているので、期待を込めて3位にしてみました。
4位の《原初の災厄、ザカマ》さんは、まだ実際にどのように使うかが未知数なので控えめの順位に。イラストだけで見たらダントツの1位です。
5位の《戦凧の匪賊》は、数ある海賊カードの中でも一押しの1枚です。HareruyaCOMBAT vol.29中に気付いたんですが、海賊には飛行クリーチャーが多いので《順風》を入れてみてもいいかもしれません。
おわりに
『イクサランの相克』の20選は以上です!禁止カードのインパクトはすさまじいものがありましたが、「エネルギー」デッキや「ラムナプ・レッド」がいない世界は楽しそうなので早く遊んでみたいですね。
まずはその前にプロツアーで良い結果が残せるように、モダンとドラフトの練習をがんばります!
それでは、また次回の記事でお会いしましょう。