Translated by Kenji Tsumura
(掲載日 2018/01/18)
今日は新セット、『イクサランの相克』入りのドラフトをしていきましょう!
ドラフトの最初の8手をシミュレートし、4名のHareruya Prosに何をピックするか答えてもらいます。
この度の企画に参加してくださる4名の紳士はこちらです!
(彼らのプロフィールや詳細はこちら!)
彼らが同じ選択を行うのか、それとも違った選択なのか、ピックを見るのがとても楽しみですね。
初手
原根 健太
ピック:《巧射艦隊の帆綱引き》
『イクサランの相克』のドラフトを体験するのはこれが初めてです。セット内にどんなシナジーがあり、どのカラーリングが強力なのか、まだ何も分かっていません。
ですから、今の段階では単純に使いやすそうなカードをピックすることにします。青のテンポビートは過去のどの環境でもそれなりに戦えていたと思いますし、僕自身好みの戦略です。
ティアゴ・サポリート
ピック:《ジャングルの化け蔓》
このパックはとても弱く見えるね。初手で多色のカードをピックするのは好きじゃないけど、1番強そうなカードを取ることにするよ。
グジェゴジュ・コヴァルスキ
ピック:《ジャングルの化け蔓》
まず初めに、まだこの環境のドラフトを一度もプレイできておらず、かろうじてカードリストに目を通した程度だということを明記しておこう。したがって、明らかにピックすべきカードを見逃してしまったり、良くないカードを過大評価してしまうこともあるだろう。この度は正しくドラフトができるかどうかよりも、正真正銘このセットを使った最初のドラフトでどんなピックをするかを御覧いただくことになると思う。
俺のピックは《ジャングルの化け蔓》だ。3マナで3/3は良いスペックだし、その能力も長期戦 (一般的に黒緑デッキのゴールになるものだな) において役立つだろう。
ハビエル・ドミンゲス
ピック:《巧射艦隊の帆綱引き》
「強襲」さえできれば素晴らしくテンポが取れるカードだ。
各プレイヤーの選択
2手目
原根 健太
ピック:《帆凧の海賊》
1手目の《巧射艦隊の帆綱引き》と相性の良い2マナ域のカードをピックします。飛行クリーチャーは攻撃を通しやすいので、「強襲」と相性が良いですね。テンポデッキを構築する上では2マナ域から固めていく戦略も悪くないでしょう。
ティアゴ・サポリート
ピック:《屈強な古参兵》
《屈強な古参兵》は悪くない2マナ域に見える。これよりも《華麗なグリフィン》や《巧射艦隊の喧嘩屋》といった多色のカードの方が強いとしても、初手で《ジャングルの化け蔓》を取ったから黒緑に固執してみようと思う。
グジェゴジュ・コヴァルスキ
ピック:《帆凧の海賊》
黒緑向けの良いカードがないし、俺は《蒸気の精》が大好きなんだ。
ハビエル・ドミンゲス
ピック:《帆凧の海賊》
2マナの飛行クリーチャーは「強襲」と良くかみ合うだろう。仮にたくさんの「海賊」が取れなかったとしても、《帆凧の海賊》のマナレシオは素晴らしい。
各プレイヤーの選択
3手目
原根 健太
ピック:《サディストの空渡り》
まだ序盤なので、2枚目の《巧射艦隊の帆綱引き》よりも強いカードがあるならそちらを取ります。「飛行」・「絆魂」の能力は、今意識している戦力とも合致します。
ティアゴ・サポリート
ピック:《サディストの空渡り》
黒緑であっても数枚の「吸血鬼」クリーチャーが手に入るだろうし、仮に4マナ2/2で「飛行」・「絆魂」だとしても悪くはないね。悲しいことに2枚目の《華麗なグリフィン》がきてしまったため、このデッキは大惨事になる可能性が高いかもしれない。
グジェゴジュ・コヴァルスキ
ピック:《巧射艦隊の帆綱引き》
またもや黒緑にとってよろしくないパックだ。したがって2手目の《帆凧の海賊》を生かしていこう。「海賊」デッキはテンポに長けているし、《巧射艦隊の帆綱引き》は攻撃的な「海賊」デッキにうってつけだ。
ハビエル・ドミンゲス
ピック:《巧射艦隊の帆綱引き》
こいつは枚数が多ければ多いほどインパクトが増すカードだ。
各プレイヤーの選択
4手目
原根 健太
ピック:《深海艦隊の移乗要員》
他には《壮麗なヘリオプテルス》か《巨大な戦慄大口》が候補に挙がりますが、どちらも現状のピックと噛み合いが悪く、特に前者は《華麗なグリフィン》を2枚流している関係で青白飛行デッキとなった場合に2パック目の返しの悪さが懸念されます。後者は青のテンポビートと真逆の方向性を持っています。
青黒の海賊デッキの可能性が見えているため、手順的に不満ではありますが《深海艦隊の移乗要員》をピックします。
ティアゴ・サポリート
ピック:《発見の道》
おそらく強力なカードではないだろうけど、僕はこういったカードに挑戦してみたいと思う。なんてったって新セットはまだリリースされたばかりなんだからね。それにまたしてもパックがあまり強くないし、もしかするととんでもなく弱いカードかもしれないけどこのカードをピックするよ。
グジェゴジュ・コヴァルスキ
ピック:《深海艦隊の移乗要員》
青黒海賊向けの適当な攻撃要因だ。
ハビエル・ドミンゲス
ピック:《深海艦隊の移乗要員》
すでに3枚の攻撃的なクリーチャーをピックしているし、ここでは攻撃性を維持するためにも《深海艦隊の移乗要員》をピックしよう。
各プレイヤーの選択
5手目
原根 健太
ピック:《帆凧の海賊》
現状の方針に完璧にフィットする1枚です。喜んでピックします。
ティアゴ・サポリート
ピック:《翡翠細工の職工》
またしてもダメなパックだ。「絆魂」持ちのクリーチャーがたくさん取れれば、《翡翠細工の職工》は悪くないカードだろうね。
グジェゴジュ・コヴァルスキ
ピック:《帆凧の海賊》
もしかするとこのカードを過大評価しているかもしれないが、テンポデッキにおいて素晴らしい1枚だと思う。
ハビエル・ドミンゲス
ピック:《帆凧の海賊》
青はおそらくメインカラーになるだろうな。それに攻撃している《帆凧の海賊》はとんでもなく良いカードだと思う。
各プレイヤーの選択
6手目
原根 健太
ピック:《深海艦隊の移乗要員》
《連合の先駆け》の方が良い可能性がありますが、使い勝手が良く分かっていません。これには《巧射艦隊の帆綱引き》を持ってくる動きもありますが、逆に《巧射艦隊の帆綱引き》を生かすためには高いスタッツのクリーチャーであった方が良いという考え方もできます。私はその考え方を重視します。
ティアゴ・サポリート
ピック:《薄暮軍団の盲信者》
良い2マナ域で、《サディストの空渡り》を軽くキャストするのにも役立つね。
グジェゴジュ・コヴァルスキ
ピック:《勇敢な海賊》
ここまでに青い「海賊」は3枚、黒い「海賊」はわずか1枚のみであることから、青赤に移行してもかまわない。貴重な1マナの海賊ならば、リスクを受け入れるだけの価値があるだろう。
ハビエル・ドミンゲス
ピック:《連合の先駆け》
青黒海賊に向かおう。《連合の先駆け》は、4ターン目に《巧射艦隊の帆綱引き》が必要な際にそれを確約してくれる。
各プレイヤーの選択
7手目
原根 健太
ピック:《恐竜ハンター》
《捕らえ難い悪漢》は「昇殿」時に素晴らしいパフォーマンスを発揮しますが、現状アグレッシブな青黒デッキをイメージしており、「昇殿」の達成は今僕がやりたいことと矛盾します。
《深海艦隊の移乗要員》を2枚ピックしていることからも、今は2マナ域の海賊クリーチャーを優先します。
ティアゴ・サポリート
ピック:《ジャングル生まれの開拓者》
堅実な3マナ域のクリーチャーで、《発見の道》とも上手く機能するね。
グジェゴジュ・コヴァルスキ
ピック:《捕らえ難い悪漢》
「昇殿」を達成するのがどれくらい容易か判断しかねるものの、《捕らえ難い悪漢》は何かの間違いでゲームが長引いてしまった際の勝ち手段として良さそうに見える。《恐竜変化》も検討したが、まだ青赤になるか青黒になるか分からない現状では青いカードを優先したいと思う。
ハビエル・ドミンゲス
ピック:《恐竜ハンター》
攻撃的なデッキにおいて2マナ域は非常に重要だ。それにこいつは「海賊」だしな。
各プレイヤーの選択
8手目
原根 健太
ピック:《財力ある船乗り》
好ましいカードはありません。アグレッシブなデッキを目指しているのでこのカードも適切ではないものの、これを流したことで青系の多色デッキを始めるプレイヤーが下家に現れる可能性があり、このカードを流さないことには意味があります。序盤にマルチカードをたくさん流しているので、少なくない確率でそれは発生すると思います。
また、それらのカードが返ってくるか、2パック目で強力なレアを引き、自分が青系の多色をプレイすることになった場合にもこのカードは便利です。《川の急航者》や《霧まといの川守り》のようなカードをピックして形だけのアグレッシブさを目指すよりも、それはずっと良いことだと考えます。
ティアゴ・サポリート
ピック:《財力ある船乗り》
緑も黒もないパックだが、これは初手に固執してしまった結果、その後その色の良いカードがこなかったにもかかわらず初手を捨てることができなかった場合に起こりうることだね。もう少し良いドラフトができただろうけど、率直に言ってこのドラフトで簡単なピックはなかったと思うよ。
グジェゴジュ・コヴァルスキ
ピック:《財力ある船乗り》
これといったものはないな。《蒸気の精》で殴って《財力ある船乗り》で地上を止めよう。
ハビエル・ドミンゲス
ピック:《財力ある船乗り》
《霧まといの川守り》は「マーフォーク」デッキでもない限りは強くないだろうから、ここでは「海賊」を優先するよ。《宝物》は爆弾レアをタッチするのにも役立つな。
各プレイヤーの選択
それぞれのピックまとめ
原根 健太
ティアゴ・サポリート
グジェゴジュ・コヴァルスキ
ハビエル・ドミンゲス
まとめ
初手は単色のコモンと多色のアンコモンの2択でした。この状況下であなたが自問自答しなければいけないことは、
“これらのカードがどれくらい優れているのか?”
“その多色のカードは初手に値するほど強力で、なおかつ初手から複数の色に手を出すことが妥当なものか?”
“多色のカードと比較して、単色のカードは大きくカードパワーで劣るのか?”
これらの問題に答えることで、ピックは簡単になることでしょう。ただし、カードを評価するためには練習して知識を養う必要があります。今回のピックに回答してくれたプレイヤーが複数回のドラフトを終えたあと、再び同じパック内容を提示した際に回答に変化があるとすれば面白いですね。
この記事を楽しみ、そして『イクサラン』リミテッドへの理解を深めていただけていれば幸いです。
また次の記事で会いましょう。
ジェレミー・デザーニ