By Atsushi Ito
◆ 総合勝率
順位 | 名前 | 総合成績 | 勝率 |
1位 | 高橋 優太 | 11勝4敗 | 71% |
2位 | 名出 和貴 | 17勝10敗 | 63% |
3位 | 齋藤 友晴 | 16勝11敗 | 59% |
3位 | 藤村 和晃 | 16勝11敗 | 59% |
5位 | 齋藤 慎也 | 14勝10敗 | 58% |
6位 | 熊谷 陸 | 15勝12敗 | 56% |
6位 | 原根 健太 | 15勝12敗 | 56% |
8位 | 守屋 大輔 | 13勝11敗 | 54% |
9位 | 井川 良彦 | 8勝7敗 | 53% |
10位 | 廣澤 遊太 | 11勝10敗 | 52% |
11位 | 三原 槙仁 | 14勝13敗 | 52% |
11位 | 浦瀬 亮佑 | 14勝13敗 | 52% |
13位 | 小堺 透雄 | 10勝11敗 | 48% |
14位 | 檜山 俊輔 | 12勝15敗 | 44% |
14位 | 石井 泰介 | 12勝15敗 | 44% |
16位 | 小林 龍海 | 6勝12敗 | 33% |
17位 | 佐藤 啓輔 | 6勝18敗 | 25% |
18位 | 岡井 俊樹 | 6勝21敗 | 22% |
◆ 3-0まとめ
プレイヤー | 色 |
高橋 優太 | 白黒 |
浦瀬 亮佑 | 白黒 |
名出 和貴 | 赤緑 |
齋藤 慎也 | 赤緑 |
高橋 優太 | 白緑 |
守屋 大輔 | 黒緑 |
高橋 優太 | 赤緑 |
藤村 和晃 | 白黒 |
熊谷 陸 | 白黒 |
齋藤 友晴 | 白黒 |
廣澤 遊太 | 赤緑 |
原根 健太 | 白黒 |
齋藤 慎也 | 白黒 |
守屋 大輔 | 赤緑 |
熊谷 陸 | 青緑 |
齋藤 慎也 | 白黒 |
小林 龍海 | 白黒 |
齋藤 友晴 | 青緑 |
◆ 2色別の全体勝率
2色 | 勝敗 | 勝率 |
白黒 | 50勝34敗 | 60% |
赤黒 | 25勝17敗 | 60% |
赤緑 | 36勝27敗 | 57% |
青白 | 16勝17敗 | 48% |
赤白 | 13勝14敗 | 48% |
黒緑 | 7勝8敗 | 47% |
青黒 | 18勝24敗 | 43% |
青赤 | 9勝12敗 | 43% |
白緑 | 16勝23敗 | 41% |
青緑 | 26勝40敗 | 39% |
色別の全体勝率
色 | 勝敗 | 勝率 |
黒 | 100勝83敗 | 54.6% |
赤 | 83勝70敗 | 54.2% |
白 | 95勝88敗 | 51.9% |
緑 | 85勝98敗 | 46.4% |
青 | 69勝93敗 | 42.6% |
『イクサラン』ドラフトの特徴は受け継ぎつつも、実情は大きく異なる『イクサランの相克』ドラフト
『イクサランの相克』2パックと『イクサラン』1パックを使用し、『イクサラン』環境の続編という側面も持つ『イクサランの相克』ドラフトだが、その内容は一見すると『イクサラン』環境の特徴を受け継いだものとなった。『イクサラン』環境でも見られた「『白・黒・赤』の3色と『青・緑』の2色との間の埋めがたい隔絶」がそれだ。
ただそれは勝率ベースの優位が共通しているというだけで、ドラフト環境としての性質はやはり異なると言わざるをえない。たとえば前環境では軽視されがちだった除去カードの評価は、今回では大幅に上方修正されている。
大量のバニラクリーチャーたちとアドバンテージを取れないスペルばかりの環境では、終局的な除去スペルがシンプルに定石通りの強力カードとなる。ゲームのイニシアチブを握るために、引き込んだダメージクロックの展開力と土地の枚数とを考慮に入れた上でゲームスピードをコントロールできることが重要となってくるからだ。
しかも『イクサランの相克』の除去スペルの質は『イクサラン』よりも明らかに向上している。加えて『イクサラン』のトップコモンである《海賊のカットラス》の出現率減少は、除去スペルの評価を見直させるには十分だった。
ただそれはどちらかといえば、特殊な戦略の余地を排除した「基本への回帰」とも言うべき変化に等しい。こうした中で、干渉力に乏しい緑と攻める力が弱いためにショートレンジのプランをとれない青が相対的にイニシアチブが取りづらくなってしまうのは、やむをえないところだろう。
むしろ《新たな地平》と《風と共に》という、前環境におけるそれぞれの逃げ道を (出現率減少により実質) 失ったことで、より過酷な運命に晒されるようになってしまったとすら言うことができるかもしれない。
さらに堅固になった白黒の牙城を打ち崩せるアーキタイプは存在するのか
今回は3-0したデッキの色の組み合わせを見てもわかるように、18回のドラフトのうち白黒が9回も3-0しており、続いて白黒に対して相性が良い赤緑が5回3-0と、かなり偏った結果となった。これは、白黒という王道ピックに対する逃げ道がいまだ見出されていないことを意味している。
除去が強いために『アモンケット』の《這い寄る刃》ビートや『イクサラン』のオーラ戦略のようなアグロ側の逃げ道は成立しづらく、唯一3マナの除去スペルに対してすらテンポをとりにいく赤黒の《海賊の示威》アグロが奮闘したが、それもそもそもアグロである時点で白黒との直接対決時の相性差があり、3-0を逃しがちであった。
となれば、あとはコントロール側の逃げ道を探すしかないことになる。注目は緑多色と青多色だ。失った《新たな地平》の代わりになるマナベースの土台と、ライフコントロールを可能にするスペル構成が見いだされれば、重量級のレアや「昇殿」でロングレンジのゲームに強い多色デッキは白黒に対するメタデッキとして機能する可能性がある。
ここまで勝率に差がある以上、プロツアーでも白黒は人気アーキタイプとなることは間違いない。そうしたメタゲームを制するテクニックを開発できるかがプロツアーでの勝敗を大きく左右することになりそうだ。
プロツアー『イクサランの相克』は2月2~4日に開催となる。はたして白黒の牙城を打ち破るアーキタイプは見出されるのか、プロプレイヤーたちの創意工夫に注目だ。