これまでのあらすじ
【大会情報】パパウパウパー!成田店タカハシ、日本パウパー協会会長に就任!会長就任記念で2月24(土)に「日本パウパー選手権」を成田店で開催します!
— 晴れる屋 成田店 (@Hareruya_Narita) 2018年1月15日
優勝者には豪華賞品を進呈。店頭でのデッキ販売も行いますので、デッキ無しでもフラリと遊びに来てOK。来たれ、パウパー戦士たちよ!(タカハシ) pic.twitter.com/WyQZy6YKtmひょんなことから日本パウパー協会会長に就任したタカハシ。
非常に魅力的でありながら、あまり知られていないフォーマット「パウパー」を広めるべく、記事を書くのであった。
パウパーとは
Magic Onlineでコモンとして収録されたことがあるカードのみを使用できる、コモン限定構築を指します。
基準がMagic Onlineなので、現実のカードとは少し勝手が違います。
例として
などは現実ではコモンですが、Magic Online上でコモンではないため使用不可能。
その逆として
などは現実ではアンコモンですが、Magic Online上でコモンなため使用可能。
禁止カード
などなど、数々の凶悪デッキたちの果てに今の禁止カードがあります。
禁止後の今はとても健全な環境で、各色さまざまなデッキがメタゲームを動かしています。
パウパーの特徴
レガシー級の呪文の応酬
モダンで禁止の《ギタクシア派の調査》《思案》《定業》をはじめ、各種ドロースペルや《稲妻》などの優秀除去も豊富です。サイド後は《紅蓮破》《水流破》《払拭》など、インスタントタイミングでのやり取りがさらに増えるので、呪文の応酬好きにオススメ。
レガシー禁止、ヴィンテージ制限の《噴出》が4枚使えるのも大きな魅力です。
クリーチャーのタフネスが低い。
コモンクリーチャーが主役なためタフネス1が多く、除去もそれに寄ることになります。特に《電謀》《減縮》はナイスサイドカード。
地上は《グルマグのアンコウ》が最大サイズ、飛行は2/2程度のサイズがあれば十分フィニッシャーになります。
大量アドバンテージカードがほとんど無い。
1枚で大量にカードを得ることは難しく、良くても1:2交換です。
《熟考漂い》は1:2交換が取れる上にサイズも申し分なく、コントロールのフィニッシャーとして重宝されています。お互いの細かなリソースの削り合いになることが多く、少しミスしてリソースを失うと取り戻すのが難しいです。
土地が弱いため3色以上が組みにくい。
パウパーの世界には慣れ親しんだフェッチランドもデュアルランドもショックランドもありません。あるのは1点回復する2色タップインと、お帰りランド、《進化する未開地》(《広漠なる変幻地》)、そして《灰のやせ地》です。
そのため多色デッキを組みにくく、コントロールデッキを組むとしても2色が限界です。
《灰のやせ地》は2色カウントできる中では唯一のアンタップイン土地であり、アンタップインの無色土地か事実上タップインの有色土地か選択できます。
単色ビートダウンが多い。
上の項目とも被りますが、2色デッキがタップインするならその隙を狙って単色ビートダウンです。そう、信頼できるのはいつでもアンタップインの基本地形。
各色とも単色ビートダウンが存在します。今回は単色デッキ達を紹介していきます。
デッキ紹介
白単オーラ
ここ最近台頭してきた白単オーラ。『アイコニックマスターズ』のコモン収録で大幅に強化されたデッキです。
《道の探求者》はビート対決の殴り合いで貴重なライフゲインで、《無傷の発現》は無理なく構えられる上に2ターンブロッカーを無視する使い方もできます。
見慣れない《チョー=マノの祝福》はインスタントタイミングで守る&「英雄的」を誘発でき、このデッキのおかげで0→5チケまで上がりました。プロテクションで防げない《チェイナーの布告》系の除去が苦手なので、《結束のカルトーシュ》に加えてサイドからは《聖なる猫》で対策します。
《Holy Light》は白では珍しい全体除去。後述の緑単相手に重宝します。晴れる屋でもなかなか在庫が入りにくいカードなので、在庫があったら即クリック!
青単デルバー
いわゆるクロックパーミッション。飛行クリーチャーを展開しながら要所をカウンターとドローで補助します。《思案》《渦まく知識》《目くらまし》など、入っているカードはレガシーのデルバーデッキにも匹敵します。
以前は《深き刻の忍者》型が主流でしたが、《ボーラスの占い師》がコモンになってからは1/3で止まりやすくなってしまったため減りました。《尖塔のゴーレム》はパウパーの空の覇者で、これが使えるのが青単の強みです。
欠点はクリーチャー除去ができないことですが、そこはサイド後の《鎖の呪い》でカバー。《蒸気の絡みつき》は自分のクリーチャーに撃つことも多いのでお忘れなく。
青赤デルバー
1 《冠雪の山》
2 《進化する未開地》
1 《広漠なる変幻地》
4 《灰のやせ地》
-土地(17)- 4 《秘密を掘り下げる者》
4 《フェアリーの悪党》
4 《ボーラスの占い師》
4 《呪文づまりのスプライト》
4 《尖塔のゴーレム》
-クリーチャー(20)-
青単デルバーの除去できない欠点を補ったのが青赤デルバー。このデッキは厳密に言うと単色ではないですが、青単タッチ赤の構成であり、上記の青単デルバーとほぼ同じ構造なのでここで紹介します。《雪崩し》はパウパー屈指の除去で、ミラーマッチでは《尖塔のゴーレム》を除去し、パウパー最大サイズの《グルマグのアンコウ》も難なく撃破できます。
赤をタッチするとサイドボードが強力になるメリットもあり、青単ではできなかったアーティファクト破壊や全体除去もできるようになります。特に《渦巻く砂嵐》はパウパー界の《神の怒り》!!!(スレッショルドしないと何も起きない)
ただ、赤をタッチするとタップインが増えて、1ターン遅れることもしばしばあります。マナベースを優先するなら青単、カードの強さを選ぶなら青赤と言ったところでしょうか。
黒単信心
2 《やせた原野》
1 《ボジューカの沼》
-土地(23)- 4 《騒がしいネズミ》
2 《墓所のネズミ》
4 《クォムバッジの魔女》
4 《ファイレクシアの憤怒鬼》
2 《リリアナの死霊》
4 《アスフォデルの灰色商人》
-クリーチャー(20)-
昔から根強い人気を持ち、パウパーと言えば黒単というイメージがあります。「戦場に出たとき」の能力持ちクリーチャーでじわじわアドバンテージを取り、《アスフォデルの灰色商人》でフィニッシュを狙うデッキです。
《クォムバッジの魔女》は2-4枚で意見が分かれるカードですが、僕は4枚推しです。クリーチャーデッキ相手には2ターン目に出たら勝つカードですし、信心の達成効率も良い。コントロールや同系相手には弱いカードですが、勝てるところに勝つためにも4枚!
《Oubliette》は見慣れないカードかも知れません。黒い《未達への旅》と言えばわかりやすいでしょうか、これも信心カウントを増すことができ、このデッキが苦手とする「不死」「頑強」相手に役立ちます。お値段もしますが、晴れる屋でも中々在庫が入らないので見たらクリック!
《死せざる邪悪》や《発掘》が入ったバージョンもあり、特に《死せざる邪悪》は自分の《アスフォデルの灰色商人》に除去を撃って10点以上ドレイン、なんて使い方もできます。
赤バーン
モダンやレガシーでお馴染みのバーン。スペルはレガシー版と遜色なく、1マナ3点が豪華16枚体制かつ《火炎破》も使えちゃいます。
逆にクリーチャー陣は最近のものが多く、《火付け射手》《熱錬金術師》は火力に+1点上乗せしてくれます。また、《貫かれた心臓の呪い》はエンチャントを触るデッキがないためクリーチャーより信頼でき、2ターン目に張れたら5点確定の高火力です。
お試しで《針落とし》のスロットに《狂信的扇動者》が入っています。先手ならほぼ2点は入り、かつ後半はチャンプブロック+1点なので役立つのでは。
緑単
-土地(16)- 4 《イラクサの歩哨》
4 《クウィリーオン・レインジャー》
4 《スカルガンの穴潜み》
3 《若き狼》
4 《炎樹族の使者》
3 《巣の侵略者》
3 《シラナの岩礁渡り》
3 《大霊堂のスカージ》
-クリーチャー(28)-
シンプルにクリーチャーを出す+強化して殴るデッキです。《スカルガンの穴潜み》は《怨恨》がつくとほとんどブロックされないサイズとなり、《大霊堂のスカージ》+《象の導き》で疑似《悪斬の天使》だ!
緑単ゆえにクリーチャー除去が薄いのが短所ですが、そこは《勇壮な対決》でカバー。サイドに入っていることが多いカードですが、最近のクリーチャーメタを考えるにメインで問題ないと思います。
サイドボードの《ヴィリジアンの長弓》は主にミラーマッチで活躍し、《イラクサの歩哨》《クウィリーオン・レインジャー》と組み合わせるとお手軽にアンタップできる1点砲台の完成です。青単デルバー相手には《散弾の射手》でも同じことができます。
エルフ
1 《島》
-土地(14)- 4 《樺の知識のレインジャー》
4 《ラノワールのエルフ》
4 《クウィリーオン・レインジャー》
3 《エルフの神秘家》
3 《イラクサの歩哨》
4 《エルフの先兵》
4 《森のレインジャー》
3 《ティタニアの僧侶》
2 《幸運を祈る者》
4 《森林守りのエルフ》
4 《リス・アラナの狩りの達人》
-クリーチャー(39)-
コンボが軒並み禁止された今、パウパーで最もコンボデッキの動きをするのがエルフ。マナクリーチャーたちから高速展開→《暴走の先導》《遠くの旋律》で大量ドローの爽快感は《垣間見る自然》に匹敵します!(言い過ぎ)
《エルフの先兵》《森林守りのエルフ》のおかげで肉弾戦も強く、8/8サイズで殴ることもしばしばあります。ミラーマッチでは《ティタニアの僧侶》《エルフの先兵》が相手のエルフも参照することに注意。
タフネス1が大量に入ったデッキなので、《電謀》《減縮》は本当に苦手です。そのためサイドボード後は《蜘蛛糸の鎧》《拡大》で対策します。《蜘蛛糸の鎧》は先置きできるが重い、《拡大》は構えやすいが1回のみと、それぞれ利点があるので併用するのが良いかなと思います。
今回はここまで。次回は多色デッキやコントロールを紹介する予定です。
また次回。
高橋 優太