Translated by Atsushi Ito
今回も新セット『イクサランの相克』環境のドラフトをやっていきましょう。
ドラフトの最初の8手をシミュレートし、4名のHareruya Prosに何をピックするか答えてもらいます。
本日参加してくださるProsはこちらの方々です!
(彼らのプロフィールや詳細はこちら!)
彼らが同じ選択を行うのか、それとも違った選択なのか、ピックを見るのがとても楽しみですね。
初手
ルイス・サルヴァット
Pick
は有力なアーキタイプに向けて好スタートを切れる強力なピックだし、は極めて質の良い除去だが、俺が思うには『イクサランの相克』のベストアンコモンなので、初手でピックするのに何ら不満のない一枚だ。
齋藤 友晴
Pick
これが僕のこの環境最初のドラフト(笑) プレイしやすいコストの除去で、カードアドバンテージとテンポアドバンテージ両方兼ね備えてるからこいつは文句なしの初手カードっぽい。まだ方向性に対する戦略もないに等しいのでシンプルに単体で一番強そうなこれをピックします!
マルク・トビアシュ
Pick
どうやら『イクサランの相克』のアンコモンの中でも随一の優秀な1枚を引き当てたようだ。も着地さえすればゲームを決定づけるポテンシャルを有してはいるが、8マナという相応のリスクを孕んでいる。
クリスティアン・カルカノ
Pick
間違いなくをピックします。少なくとも現時点では、『イクサランの相克』における神話アンコモンと呼べるだろうからです。は8マナと単純に重すぎます。
各プレイヤーの選択
2手目
ルイス・サルヴァット
Pick
初手でを流したこともあり、ここでマーフォークはピックしたくない。ピックすべき強力なカードがあるとしたら、がそれに当たるだろう。
齋藤 友晴
Pick
たぶん赤のトップコモン。『イクサランの相克』は小さいクリーチャーが多いので相対的に中堅サイズのクリーチャーやオーラ強化の価値が高いと見ている。ということは……って感じ!環境のマナサポートもまあまあ良いし、おそらくタッチで使われることも珍しくないカードだと思う。
マルク・トビアシュ
Pick
インスタントの非常に使い勝手のいい除去で、2手目として申し分ない。他の候補はどれもパッとしないしね。
クリスティアン・カルカノ
Pick
はこのパックで単純に一番強力ですし、シングルシンボルで最終的に赤いデッキにならなかったとしてもタッチも容易です。
各プレイヤーの選択
3手目
ルイス・サルヴァット
Pick
がどれほどのものかはまだ計りかねているということもあり、4マナ2/4接死に「昇殿」による強化能力も持ち合わせているを取りたい。
齋藤 友晴
Pick
序盤だしカードパワー優先でこれを取ります。出されたら結構面倒だと思うし、チビに強く、デカいのと相打つかなり優秀なブロッカー。消耗戦での生き残りやトップデッキも劇的。
マルク・トビアシュ
Pick
「昇殿」しなくても十分強力なカードだし、ひとたび「昇殿」したら対戦相手にとっての悪夢に早変わりさ。
クリスティアン・カルカノ
Pick
ほぼほぼアグロデッキにならなさそうなことを考えると、このカードは後々重要な一手となりそうです。『イクサランの相克』は優秀な1~2マナ域のクリーチャーがたくさん揃っていますしね。
各プレイヤーの選択
4手目
ルイス・サルヴァット
Pick
ただの2/2をピックするにしては早い手順だが、青黒でも宝物・トークンを出すカードを絡めれば十分「昇殿」を狙えるし、がリミテッドにおいて常に頼もしい存在であることは言うまでもない。その他の選択肢としては良い2マナ域であるが挙げられるが、上家方面は青が空いていそうなのでね。
齋藤 友晴
Pick
アンコモン使ってみるイズム。ここまでのピック的に中速から低速目指しそうだし丁度良さそうな数合わせブロッカー兼フィニッシャー。『イクサラン』でが取れたら嬉しいなー。
マルク・トビアシュ
Pick
どの色も目立ったカードがなく弱いパックなので、赤黒海賊に進んだときのことを考えて強力な2マナ域を確保しておくとしよう。
クリスティアン・カルカノ
Pick
ここでこのピックは若干手順が早いかもしれませんが、私はしてカードも引けるという類のカードがとても大好きなのです。今自分のデッキがミッドレンジかコントロールになりそうということもあって、やにはそこまで食指が動きません。
各プレイヤーの選択
5手目
ルイス・サルヴァット
Pick
早速を流したのを後悔する羽目になったが、は6~7枚の2マナ域と5~6枚の3マナ域クリーチャーがいる赤黒海賊なら恐ろしく良い働きをするカードだ。
齋藤 友晴
Pick
高速で攻めるプランでなければ普通に優秀に見える。青黒「昇殿」ミッドレンジ~コントロールのようなデッキへの意識がどんどん高まる。パーマネント2個稼いでくれるが取りたいし、両パックに入っているから期待できる。
マルク・トビアシュ
Pick
赤黒海賊にとって喉から手が出るほど欲しい1枚で、他に赤の強い海賊も同時に流れて来ているな。
クリスティアン・カルカノ
Pick
ついさっき「ミッドレンジかコントロールになりそう」と言ったばかりなのは重々承知ですが、それでもこのカードはパック内で明らかにベストカードです。別に赤黒をやりたいわけではないですが、こんな手順で赤黒マルチのカードを流してしまうと下家は「赤黒が空いている」と考えてしまうでしょう。
各プレイヤーの選択
6手目
ルイス・サルヴァット
齋藤 友晴
Pick
再びこいつを取る。4枚目の4マナクリーチャーなのは気になるけど、絶対入りそうだしリターンが高い割に丸いカードだからOK!
マルク・トビアシュ
Pick
そこまで強力なカードというわけではないが、軽い海賊をたくさん確保しておいて損はないだろう。
クリスティアン・カルカノ
Pick
おそらく赤黒海賊に向けて方向転換すべきとき、ということでしょうね。
各プレイヤーの選択
7手目
ルイス・サルヴァット
Pick
そんなに使いたいカードというわけではないが、うっかりカードが足りなかったりしたときに穴埋めになるカードとなりうる。
齋藤 友晴
Pick
3枚目の馬と比較したらさすがに飛行ベター (多分そもそもベター)。
マルク・トビアシュ
Pick
特に欲しいクリーチャーやスペルはないし、青黒赤の海賊3色のうちメインカラーにならなかった色のカードを3色目としてタッチできるようにしておくことで選択肢が広がる。しかももうタッチで使いたいカードをピックしてしまっているわけだしな。
クリスティアン・カルカノ
Pick
赤と黒のカードは数枚ありますが、をピックしておいた方が上振れが期待できると思います。タッチできるカードを引いたり、ここから黒を切って青赤に舵を切ることも考えられますからね。
各プレイヤーの選択
8手目
ルイス・サルヴァット
Pick
さあこれで青黒/赤黒/青赤のどの海賊にも進める準備が整った。
齋藤 友晴
Pick
めっちゃ嬉しい!攻め力高い割に守りでも及第点。序盤に相打ちして、あとからたくさん出てたで回収して攻める展開も強くイメージできる☆
マルク・トビアシュ
Pick
ここではさすがに弱気すぎるかな。まだ状況次第で青赤タッチ黒や純正青赤にもなりうるし、実質2マナ2/1飛行というのは悪くないカードだ。
クリスティアン・カルカノ
Pick
地上もブロックできるですよ!とても好きなカードなので8手目で拾えるのは僥倖です。どうやら青はかなり空いているようですね。
各プレイヤーの選択
それぞれのピックまとめ
ルイス・サルヴァット
齋藤 友晴
マルク・トビアシュ
クリスティアン・カルカノ
まとめ
初手と2手目は全員が同じピックでしたが、3手目以降はそれぞれ違う経過を辿りつつも、多くが青黒赤という3色のうちのいずれの2色の組み合わせの海賊デッキにも進める状態となっています。
こういうドラフトをする場合、2パック目の間にどの2色を最終的にメインカラーにするのかを決めるのが重要になってきます。そうしないと均等3色のままピックを終えることになってしまうでしょう。そうなれば本来プレイできたカードを流す羽目になるかもしれませんし、サイドボードも足りなくなったりするでしょう。また、マナカーブもガタガタになってしまうかもしれませんからね。
この記事を楽しみ、そして『イクサランの相克』リミテッドへの理解を深めていただけていれば幸いです。
また次の記事で会いましょう。
ジェレミー・デザーニ
Jeremy Dezani
2013-2014年シーズンのプレイヤー・オブ・ザ・イヤー獲得プレイヤー。
プロツアー『テーロス』では、「青単信心」を使いこなし見事優勝の栄冠に輝いた実績を持つ。グランプリのトップ8入賞回数は10回にも上り、優勝2回、準優勝2回を記録している。
海外のプレイヤーとしては初のHareruya Pros加入となる。
デザーニの記事はこちら