みなさん、こんにちは!『Hareruya Pros』の津村 健志です!
いよいよ来週末に『運命再編』が発売されます!
いつもスタンダード環境に多大な影響を与える新セットですが、2月にモダンのプロツアーを控える身としては、モダン環境への影響も気になるところです。残念ながら僕のマジック脳は80%くらいスタンダードで構成されているので、スタンダード視点でのカード評価となりますが、みなさんもぜひご自身の評価をコメントやTwitterでつぶやいてみてください!
1. 精霊龍、ウギン/Ugin, the Spirit Dragon
《解放された者、カーン》や《プレインズウォーカー、ニコル・ボーラス》が大好きなプレイヤーに、ぜひともオススメしたい今セット最大の注目株!
《太陽の勇者、エルズペス》すら容易に葬り去る「-X」能力、それに加え楽しそうな奥義と、マナコストの重さ以外には何も不満がありません! 《世界を目覚めさせる者、ニッサ》でクリーチャー化した土地は無色なので、《世界を目覚めさせる者、ニッサ》と《精霊龍、ウギン》の「-X」能力の相性の良さにも要注目です!スタンダード環境では、間違いなくよく見かけるカードになるでしょう。
2. 城塞の包囲/Citadel Siege
「青白コントロール」にうってつけの1枚。クリーチャーを展開しなければ突破できず、かといって展開すれば《対立の終結》の餌食に。《女王スズメバチ》のように数で押してくるカードには弱いものの、《ラクシャーサの死与え》や《龍語りのサルカン》のような《対立の終結》に耐性のあるクリーチャーを対処できる点は評価できますね。
また、「カン」モードと《時の賢者》を組み合わせれば、「無限ターン」も夢じゃない!?……かも?
3. 僧院の導師/Monastery Mentor
《若き紅蓮術士》を彷彿とさせる新カード!《若き紅蓮術士》より1マナ重いですが、その代わりにトークンにまで「果敢」が付いている大盤振る舞い!
さらにさらに、このカードは「ソーサリー」と「インスタント」のみならず、「アーティファクト」や「エンチャント」でも誘発する点にも注目です。《若き紅蓮術士》から《ジェスカイの隆盛》と動いた際に、トークンが出ないことにもどかしさを覚えたこともありましたが、《僧院の導師》ならそんな心配は無用です!
払いましょう。その追加の1マナ、喜んで払いましょう!
4. 魂火の大導師/Soulfire Grand Master
今回の白の豊作を示すカード第2弾!《僧院の導師》と同様に、これまたとんでもない能力をお持ちです。
《神々の憤怒》と組み合わせて大量のライフを獲得したり、《マグマのしぶき》や《稲妻の一撃》などの軽量火力を使いまわすだけでも十分に強力ですね。能力の起動マナを残しやすいので、《かき立てる炎》のような「召集」付きのカードとの相性も抜群です。《僧院の導師》と共に、今後のスタンダードやモダン環境を大いに盛り上げてくれそうな1枚。
5. 雲変化/Cloudform
数ある「予示」カードの中でも、ダントツで使い勝手のいい《雲変化》。
《聖トラフトの霊》や「白緑呪禁オーラ」デッキが示すように、「呪禁」能力はこれまでに数々の犠牲者を生み出してきた極悪な能力です。それに加えて回避能力まで付けてしまうのはいかがなものか……。「予示」を上手く活用するためには、スタンダードならば「占術」を、モダンならば《血清の幻視》などを、レガシーならば《渦まく知識》を利用するといいでしょう。
余談ですが、僕はキーワード能力の中で「呪禁」が最も嫌いです。手札に複数枚の《喉首狙い》を抱えながら、《聖トラフトの霊》に何度も殺されたあの日々を僕は忘れません。脱「呪禁」。なくそう「呪禁」。
6. 僧院の包囲/Monastery Siege
どちらの能力も強力ですが、「龍」能力は、とりわけモダンの「バーン」デッキ対策として重宝しそうです。
「バーン」以外にも、「手札破壊」とパーマネント除去に特化した「黒緑ジャンク」系統のデッキにも効果がありそうです。「追加の2マナを払わないとカウンターする」というテキストではないので、《突然の衰微》にも効果を及ぼすナイスカード。
一方の「カン」能力は手札の質の向上のみならず、「探査」カードの燃料供給になります。《宝船の巡航》と《時を越えた探索》はもちろん、後述の《時間への侵入》なんかも使いやすくなりますね。
7. 時間への侵入/Temporal Trespass
みんな大好き《時間のねじれ》の最新版。「探査」を上手く生かせるか、追加ターンをどう生かすのかに注目が集まりますが、はたして《宝船の巡航》や《時を越えた探索》に並ぶカードとして歴史を作るのか。
モダンやレガシー環境ならば、《思考掃き》や《留意》と組み合わせれば一瞬で墓地を満たすことができるので、この重さでも簡単にキャストできることでしょう。
8. 戦いの喧嘩屋/Battle Brawler
どんだけ喧嘩したいの!?と突っ込みたくなるお名前をお持ちのこのカード。名前に違わぬその戦闘力の高さは、久々に黒いビートダウンデッキを拝めるかもと期待を抱いてしまいます。《ゴブリンの熟練扇動者》や《軍族の解体者》、《岩への繋ぎ止め》をお供にどうぞ。
9. 粗暴な軍族長/Brutal Hordechief
帰ってきたぜ《地獄乗り》!今ならば、なんとライフ回復まで付いております!《戦いの喧嘩屋》と同様に、ぜひとも《ゴブリンの熟練扇動者》や《軍族童の突発》と組み合わせたい1枚ですね。
《戦いの喧嘩屋》→《ゴブリンの熟練扇動者》→《粗暴な軍族長》なんて動きは恐怖そのもの……。ミッドレンジばかりのスタンダードに風穴を開けてくれそうです!
10. 黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang
さらばマンドリル。まさかこんなにも早く完全上位互換が登場するなんて……右に描かれているバナナは、《わめき騒ぐマンドリル》への餞別でしょうか。性能もイラストも完璧な1枚!
11. 命運の核心/Crux of Fate
久しぶりに登場した構築レベルの黒き《神の怒り》。「青黒コントロール」にすんなりと入りそうな期待の全体除去ですが、カード名の通り、物語の核心に迫るイラストにも要注目です。
《精霊龍、ウギン》と《龍語りのサルカン》の行末ははたして!?背景ストーリーに関しては、若月さんの記事が非常に面白いので、ぜひご一読ください。ちなみに今回の終わり方はずるいですよね。早く続きが読みたいー(笑)
12. 死に微笑むもの、アリーシャ/Alesha, Who Smiles at Death
あなたが落としたのは《ゴブリンの熟練扇動者》ですか?それとも《クルフィックスの狩猟者》ですか?強欲なあなたは《女王スズメバチ》を釣ってもいいでしょう!「先制攻撃」のおかげで止まりづらい点も評価できますし、もしかすると「マルドゥ(赤白黒)」や「ナヤ(赤緑白)」の墓地活用デッキが誕生するかもしれません!
13. 炎跡のフェニックス/Flamewake Phoenix
《チャンドラのフェニックス》を想起させる優良クリーチャー。復活するために、他のクリーチャーを必要とする新しいタイプのフェニックスですが、《灰雲のフェニックス》や《凶暴な拳刃》を筆頭に、クリーチャーのインフレが進んでいる現代ならば、条件達成も容易でしょう。3色以上のデッキが幅をきかせているので、もしかすると(赤)(赤)がきついかもしれませんが、「赤緑ビートダウン」なんかにはすんなり入るのではないでしょうか。
14. 大いなる狩りの巫師/Shaman of the Great Hunt
《粗暴な軍族長》と共に、ビートダウンデッキにとって福音と呼べるカード。どちらもアグレッシブなデッキ専用ですが、かつて《地獄乗り》と《オキシド峠の英雄》が枠を争っていたように、これらのカードもデッキやメタゲームによって、取捨選択することになるでしょう。個人的な好みとしては、今のところ《粗暴な軍族長》推しですが、単体の性能では《大いなる狩りの巫師》に軍配が上がるので、このカードにも大いに可能性があると思います。
15. マルドゥの斥候/Mardu Scout
新能力「疾駆」の中からこの1枚。1ゲーム目は2マナ3/1として活躍し、サイドボード後には「赤単」系のデッキが苦手とする《悲哀まみれ》や《神々の憤怒》をものともせずに駆け抜けてくれます。毎ターン2マナというのは、思いのほか厳しい縛りではありますが、全体除去の克服は「赤単」にとって必要不可欠な命題なので、環境次第で「疾駆」能力が活躍する可能性はありえると思います。
16. 始まりの木の管理人/Warden of the First Tree
新たなる《運命の大立者》。「占術土地」が多用される現状では、速やかなる成長は難しいかもしれませんが、「占術土地」がローテーション落ちた後は期待できると思います。もしかすると《ラクシャーサの死与え》や《羊毛鬣のライオン》などと組み合わせて、今すぐにでも新機軸のビートダウンデッキを組めるかもしれません。
17. 囁きの森の精霊/Whisperwood Elemental
Let’s「予示」!「予示」するタイミングが自身のターン終了時なので、とりあえずアドバンテージを失いづらいのがいい感じ。ちなみにスタンダードで「予示」して面白そうなカードの代表格は、《頭巾被りのハイドラ》です。わずか2マナで表になって、5/5になれるなんてせこい!
18. 開拓地の包囲/Frontier Siege
注目はもちろん「カン」能力。第1メインフェイズにプレイすれば、第2メインフェイズに早速2マナが出るので、実質このカードのキャスティングコストは2マナのようなもの!問題はそのマナから何をするかですが、前述の《精霊龍、ウギン》を速攻でキャストするのが最も心躍る展開ではないかと思います。
19. 龍爪のヤソヴァ/Yasova Dragonclaw
「ティムール」界期待の新鋭。単体でも十分に強力なカードですが、《英雄の刃》なんかと組み合わせると即座にゲームを終わらせてくれそうです。タフネスの低さだけが気がかりなので、《頑固な否認》など、何かしらのバックアップ手段を用意してあげたいところ。
20. 世界を溶かすもの、アタルカ/Atarka, World Render
《世界を溶かすもの、アタルカ》+《歓楽の神、ゼナゴス》=24点!!
■ おまけ・『運命再編』注目度トップ5
1位: 精霊龍、ウギン/Ugin, the Spirit Dragon
2位: 粗暴な軍族長/Brutal Hordechief
3位: 僧院の導師/Monastery Mentor
4位: 魂火の大導師/Soulfire Grand Master
5位: 戦いの喧嘩屋/Battle Brawler
1位はもちろん《精霊龍、ウギン》さん。あちこちで話題騒然の《僧院の導師》と《魂火の大導師》も、その強さに疑いの余地はありませんね。
ただし、個人的には《粗暴な軍族長》と《戦いの喧嘩屋》を駆使したビートダウンデッキの誕生に期待しています。これまでは2色のビートダウンと言えば「青白英雄的」か「赤緑ビートダウン」でしたが、今後はそこに「赤黒」も加わるのではないかと思います。もちろん、「マルドゥ」系のデッキに組み込んでも強力でしょう。
『運命再編』はビートダウンデッキに向いたカードが多そうなので、もしかするとスタンダード環境が激変する可能性もありそうです。その辺りのメタゲームの変化は『津村健志の「先取り!」スタンダード・アナライズ』でお届け予定ですので、そちらの記事もお楽しみに!
それでは、また次回の記事で!