こんにちは!『Hareruya Pros』の津村 健志です!
来週末には、いよいよ『タルキール覇王譚』が発売されますね。
フェッチランドの再録というビッグニュースもあったり、個人的に大好きな多色環境ということもあったりで、今から新環境が楽しみでなりません!
この記事では、そんな新環境を彩る注目カード【20選】を紹介させていただきます。次期スタンダードの主役は一体どいつだ!?
1. 対立の終結/End Hostilities
待望の全体除去の登場です。しかしながら、おまけ能力がいまいちな点と、マナコストが4マナではなく、5マナなのが残念でなりません。前回の『マジック基本セット2015』20選で「全体除去さえ登場しなければ《霊気渦竜巻》にもチャンスがあるかも」と記しましたが、これはひょっとするとひょっとしちゃう流れかもしれません!
2. 風番いのロック/Wingmate Roc
かの悪名高き《若き群れのドラゴン》を彷彿とさせる1枚。5マナで合計パワーが6のフライヤーなんて、どう考えてもやばい予感しかしません。「強襲」能力は達成条件があまりにも容易ですし、構築シーンでも十分に活躍が期待できる能力だと思います。
ライフ回復能力もあるので、《ゴブリンの熟練扇動者》《オレスコスの王、ブリマーズ》《太陽の勇者、エルズペス》なんかと組み合わせると面白そうな1枚ですね。
5 《山》 2 《平地》 4 《聖なる鋳造所》 4 《戦場の鍛冶場》 4 《凱旋の神殿》 4 《変わり谷》 -土地(23)- 3 《ボロスの精鋭》 3 《軍勢の忠節者》 4 《若き紅蓮術士》 4 《ゴブリンの熟練扇動者》 3 《オレスコスの王、ブリマーズ》 2 《鍛冶の神、パーフォロス》 -クリーチャー(19)- |
4 《ショック》 4 《急報》 4 《稲妻の一撃》 2 《マグマの噴流》 4 《かき立てる炎》 -呪文(18)- |
3 《頭蓋割り》 3 《戦導者のらせん》 3 《岩への繋ぎ止め》 2 《異端の輝き》 2 《力による操縦》 2 《紅蓮の達人チャンドラ》 -サイドボード(15)- |
こちらは『タルキール覇王譚』加入前のリストですが、このようなデッキならばすんなりと入るのではないかと思います。5マナで3/4「飛行」が2体、《鍛冶の神、パーフォロス》で4点!なんて展開はとんでもないですよね。
3. 賢いなりすまし/Clever Impersonator
「アーティファクト」や「エンチャント」のみならず、ついに「プレインズウォーカー」までをもコピーできるようになった《クローン》の最新作。特に対戦相手の《世界を目覚めさせる者、ニッサ》辺りをコピーすると気分爽快!?何でもコピーはすごい!すごすぎるぜ!
4. 頑固な否認/Stubborn Denial
「《タルモゴイフ》の嫁」と評判の《頑固な否認》。新スタンダードでは、どれくらいの割合でパワー4以上のクリーチャーをデッキに投入できるか未知数ですが、《凶暴な拳刃》や《世界を目覚めさせる者、ニッサ》の入ったデッキであれば、このカードが1マナの《否認》になることも珍しくないでしょう。《否認》とどちらが優れているかはデッキによりけりでしょうが、前のめりなデッキなら構えやすい《頑固な否認》が重宝すると思います。
5. 血に染まりし勇者/Bloodsoaked Champion
《墓所這い》も驚きの復活っぷりを見せる人間クリーチャー。後述の《軍族の解体者》とは相性が良いですね。ただの攻撃要員として使ってももちろん強力ですが、「生贄に捧げる」系のカードと併用して、《エレボスの指図》のようなカードと組み合わせると、その真価を発揮しやすくなることでしょう。
6. 蔑み/Despise
『新たなるファイレクシア』からの再録となる《蔑み》。『新たなるファイレクシア』と言えば、「Caw-Blade」の全盛期であり、《石鍛冶の神秘家》と《精神を刻む者、ジェイス》の両方に対処できるこのカードには、それはそれは大きな期待が寄せられていたものです。しかしいざ蓋を開けてみると、《饗宴と飢餓の剣》や《殴打頭蓋》に触れない《蔑み》は期待外れの烙印を押され、結局そのまま目立った活躍ができずにスタンダードシーンを去ってしまいました。
当時と比べると、今現在は使用に値する、または使用したい「プレインズウォーカー」の数が圧倒的に増えている(=対象に困りづらい)ことが分かります。更には各種「神」にも対処できるカードということで、以前よりも露出の機会は増えるのではないかと予想しています。
7. 灰雲のフェニックス/Ashcloud Phoenix
決して滅びることのない、不死身の肉体を持つ不死鳥。近年では《チャンドラのフェニックス》の活躍が記憶に新しいところですが、《灰雲のフェニックス》はその後継者となれるのでしょうか。《灰雲のフェニックス》が戦場に戻るための条件は珍しいもので、このカードが「表向き」の状態で死ぬ必要があります。表にするマナコストは6マナと重めに設定されていますが、能力があまりにも強力なため、個人的には妥当なコストではないかと思います。
《チャンドラのフェニックス》ほど万能ではないものの、《ゴブリンの熟練扇動者》とともに、今後の赤いデッキの顔となりそうです。
8. 龍語りのサルカン/Sarkhan, the Dragonspeaker
みんな大好き「プレインズウォーカー」。そんな「プレインズウォーカー」の中でも、《龍語りのサルカン》は今セット期待の1枚。《世界を目覚めさせる者、ニッサ》ですら即座に討ち取る攻撃力。《かき立てる炎》でも生き残る十分な忠誠度。これだけでも活躍を予感させるに十分すぎるほどですが、唯一の問題点としては、対抗馬があまりにも強力すぎることでしょう。今現在のスタンダードで活躍している5マナ圏と言えば、真っ先に思い付くのは《世界を目覚めさせる者、ニッサ》と《嵐の息吹のドラゴン》の2枚看板。
これらのカードよりも《龍語りのサルカン》を優先するには、それ相応の理由が必要となりますが、《対立の終結》のようなソーサリー除去が流行るのであれば、《龍語りのサルカン》にお呼びがかかるでしょう。
9. 爪鳴らしの神秘家/Rattleclaw Mystic
通常コストで唱えると少し強くなった《黄金の雌鹿》にすぎませんが、このカードが真価を発揮するのは、「変異」から表返したときの爆発的なマナ加速です。わずか4ターン目にして6マナに到達するその効果は、これまでのマナクリーチャーとは一線を画す作りになっております。《爪鳴らしの神秘家》から速やかにキャストされる《悟った達人、ナーセット》や《書かれざるものの視認》などは非常に強そうですよね。
10. 書かれざるものの視認/See the Unwritten
出ました、《引き裂かれし永劫、エムラクール》と相性が良さそうなシリーズ。「獰猛」を達成していると2体も出せるので、《引き裂かれし永劫、エムラクール》+《隠れしウラブラスク》で一瞬でゲームが終わるかもしれません。
ちなみにスタンダードで最も派手な組み合わせを探してみたところ、《歓楽の神、ゼナゴス》+《彩色マンティコア》か、《女王スズメバチ》+《鍛冶の神、パーフォロス》辺りが候補に挙がるのではないでしょうか。《船団の災い魔》+《嵐潮のリバイアサン》も面白いですね。
もっとすごい組み合わせを思い付いた!という方は、ぜひぜひコメントでお知らせください♪
■多色(2色)
11. 完全なる終わり/Utter End
あの《名誉回復》が返ってきました!1マナ重くなって土地は対象に取れなくなってしまったものの、「神」が蔓延る現代において、「破壊する」から「追放する」になった点は加点対象と言って差支えないでしょう。白黒系のコントロールデッキを使うなら、間違いなく採用されるであろう1枚。《英雄の破滅》と《完全なる終わり》さえあれば、「プレインズウォーカー」でさえも完全シャットアウト!
12. 精神振り/Mindswipe
対戦相手のライフは残り3点。そしてあなたの手札には《蝕み》が。『インベイジョン』の頃にマジックをやっていた方であれば、こんな状況に出くわしたことがあるはずです。《精神振り》は、そんな状況をより一層演出しやすいX点火力のような1枚。《蝕み》と違って確定カウンターではないのは残念ですが、その分ダメージ量に制限がありません。もしも「カウンター・バーン」のようなデッキが完成するのであれば、このカードは欠かせないはずです!
■青緑黒(スゥルタイ)
13. 悪逆な富/Villainous Wealth
19 《森》 4 《ニクスの祭殿、ニクソス》 1 《ダークスティールの城塞》 -土地(24)- 4 《エルフの神秘家》 4 《旅するサテュロス》 4 《炎樹族の使者》 2 《森の女人像》 2 《起源のハイドラ》 1 《漁る軟泥》 3 《クルフィックスの狩猟者》 4 《世界を喰らう者、ポルクラノス》 1 《ナイレアの信奉者》 1 《狩猟の神、ナイレア》 1 《高木の巨人》 1 《小走り破滅エンジン》 1 《女王スズメバチ》 -クリーチャー(29)- |
1 《セテッサ式戦術》 2 《召喚の調べ》 2 《世界を目覚めさせる者、ニッサ》 2 《獣の統率者、ガラク》 -呪文(7)- |
4 《霧裂きのハイドラ》 3 《ナイレアの信奉者》 2 《スズメバチの巣》 2 《再利用の賢者》 2 《森林の始源体》 1 《ファイレクシアの破棄者》 1 《セテッサ式戦術》 -サイドボード(15)- |
■青白赤(ジェスカイ)
14. カマキリの乗り手/Mantis Rider
新時代の到来を予感させるスペックを誇る1枚。小さくなった《稲妻の天使》ともっぱらの評判ですが、どこからどう見ても3マナの性能ではありません。すげーぜ『タルキール覇王譚』!やべーぜ『タルキール覇王譚』!
■赤黒白(マルドゥ)
15. 軍族の解体者/Butcher of the Horde
これまたとんでもない性能を誇る1枚。かつて一時代を築いた《ファルケンラスの貴族》さんもびっくりの驚きのコストパフォーマンス!トークンを出すカードと相性抜群なので、《ゴブリンの熟練扇動者》や《マルドゥの隆盛》と併用すると〇。
■赤緑青(ティムール)
16. 凶暴な拳刃/Savage Knuckleblade
通称「バイオゴリラ」。心ない人間たちに改造されてしまったのか、それとも自ら進化したのかは定かではありませんが、とにもかくにもバカ強です。除去耐性まであるのはあきまへん。先ほどの《カマキリの乗り手》と言い、新環境の3マナクリーチャーの水準がこれくらいかと思うと恐ろしいですね。
17. ティムールの隆盛/Temur Ascendancy
「あなたがコントロールするクリーチャーは速攻を持つ」。この一文で《ヤヴィマヤの火》を想起された方も多いでしょうが、かくいう僕もその1人!昔は《ブラストダーム》や《はじける子嚢》でブイブイ言わせてたもんです。「バイオゴリラ」や《世界を喰らう者、ポルクラノス》《起源のハイドラ》あたりを走らせると気持ち良さそうです。特に手札に戻せる「バイオゴリラ」との相性は特筆に値しますね。
18. 龍爪のスーラク/Surrak Dragonclaw
《狩猟の神、ナイレア》とは一体なんだったんだ……。思わずそう叫んでしまいたくなる性能をお持ちの「スーラク」さん。いやマジで。仮にも《狩猟の神、ナイレア》さんは「神」なのに……。昨今はカウンター呪文が弱く作られる傾向にありますが、カウンターされないとかそんなのどうだっていいんじゃないかと突っ込みたくなるスペックの持ち主。本当に、唯一、ひとつだけケチをつけるとしたら、「伝説の」クリーチャーであることでしょうが、それすらもどうでもいいですね。
■黒緑白(アブザン)
19. 包囲サイ/Siege Rhino
これまで紹介してきたカードに比べると、些かパワー不足に感じてしまうかもしれません。しかしながら、こいつが活躍できそうな理由として、新環境にパワー4のクリーチャーが多そうな点が挙げられます。もしも環境のパワーの標準が4であれば、タフネスが5のクリーチャーはそれだけで評価に値します。残念ながら《荒野の収穫者》《世界を喰らう者、ポルクラノス》とライバルは強豪揃いですが、ライフ回復能力が付いているので、ビートダウンデッキ、とりわけ赤いデッキが増えた際には重宝するでしょう。
■アーティファクト・土地
20.神秘の僧院/Mystic Monasteryなどの各種3色タップイン土地
最後を飾るのは、各種3色タップイン土地です。今後のスタンダードは、各種「占術土地」が幅を利かせる環境になりそうですが、3色土地も非常に優秀なため、どちらを優先すべきか意見が分かれると思います。マナ基盤の安定を重視するのか。それとも中盤以降の無駄を省ける「占術土地」を選ぶのか。「占術土地」をフル活用するために、2色デッキを選択するのもまた一考!土地構成にこれだけ頭を悩ませるのも、多色環境ならではの贅沢な悩みと言えますね!
僕のオススメ20選は以上です!
おまけ
……と言いたいところですが、話題沸騰のフェッチランドに触れないわけにはいかないでしょう!
実に10数年ぶりに再録された「友好色フェッチランド」。スタンダードには《Underground Sea》や《湿った墓》のような特殊地形がないため、モダンやレガシーほどの強さは見込めないかもしれませんが、デッキのマナベースを支えてくれることには変わりがありません。
《クルフィックスの狩猟者》のように「ライブラリーをシャッフルする」ことと相性の良いカードもありますし、これもまたマナベースの構築を悩ませてくれそうな嬉しい悲鳴ですよね!
そういったマナベースの話も含め、久しぶりの多色環境は本当に楽しそうですね!まずは「プレリリーストーナメント」で、新しいカードを満喫しちゃいましょう!
それでは、また次回の記事で!