By Atsushi Ito
木原 惇希 (ドルイドコンボ) vs. 本条 大樹 (紛争Zoo)
木原「ついにこのデッキが日の目を見るときが来ましたよ」
木原のデッキは、通常の「カウンターカンパニー」に過去に筆者が製作した「エターナル・デボーテ」成分を混ぜ込んで高速化させたようなデッキとなっている。対する本条は《ナーナムの改革派》《隠れた薬草医》という『霊気紛争』の「紛争」持ちカードとフェッチランドとのシナジーを利用し、《炎樹族の使者》《無謀な奇襲隊》と組み合わせることで2ターン目に爆発的な勢いでクリーチャーをレッドゾーンに送り込むことが可能となる「紛争Zoo」。互いに高速デッキ同士の対決となった。
高速デッキ対決において値千金となる先攻を取ったのは、スイスラウンド1位の木原。《極楽鳥》を送り出すと、本条が《実験体》を出した返し、早くも2ターン目に《献身のドルイド》をプレイする。
あれを生かしてターンを返すとマズイ。それはわかるのだが、《稲妻》を引けていなかった本条は《献身のドルイド》に触る術を持たない。やむなく《実験体》から《ナーナムの改革派》で6点クロックを作ってターンを終える。そしてその2マナがこのゲーム、本条に使えた最後のマナだった。
木原がプレイしたのは、これまでの「カウンターカンパニー」にはあまり搭載されていなかった《異界の進化》。《貴族の教主》が《療治の侍臣》へと生まれ変わり、(緑)マナ限定の無限マナコンボが成立する。さらに手札から公開されたのは《薄暮見の徴募兵》。ライブラリーに眠る《歩行バリスタ》を探し出す。
本条「……ありがとうございました(笑)」
鮮やかすぎる先手3キルで木原がまずはゲームを先取。
2ゲーム目はお互いにマリガン、だが構わず本条が《実験体》から《スレイベンの守護者、サリア》という展開に対して、木原も《極楽鳥》から《ブレンタンの炉の世話人》+《献身のドルイド》でどちらもトップスピードで動いていく。
さらに本条は3ターン目に《野生のナカティル》から《無謀な奇襲隊》「怒濤」で4/4/3/2の13点アタックを敢行するのだが、木原は《野生のナカティル》を《ブレンタンの炉の世話人》でブロックしつつ《無謀な奇襲隊》からのダメージを軽減して本体へのダメージを7点に留める。
だが今度は木原も《療治の侍臣》につながるパーツを引けていない。やむなく「紛争」した《改革派の結集者》で《ブレンタンの炉の世話人》を墓地から戻し、コンボパーツを引くまで耐える構えを見せる。
他方で本条もマナフラッドに陥ってしまっており、残り5点まで減った木原のライフを詰めきる手段がない。対する木原は《薄暮見の徴募兵》を出して能力を起動するが《療治の侍臣》にたどり着けず、返す本条のアタックは《極楽鳥》でチャンプブロックして1ターンを稼ぐ。木原のライフは3点、だが《ブレンタンの炉の世話人》がしっかりと火力をケアしている。
その1ターンで、木原は《召喚の調べ》にたどり着いたのだった。
木原 2-0 本条
小田 光一 (白緑カンパニー) vs. 田澤 雅之 (バーン)
バーンを駆る田澤に待ち受けていたのはあまりにも過酷な現実だった。1ゲーム目、小田が《貴族の教主》から2ターン目に早くも送り出したのは《クルフィックスの狩猟者》!
さらに、《裂け目の稲妻》「待機」→《裂け目の稲妻》「待機」+《稲妻》という火力ハンドだった田澤にとってなおも厳しいことに、小田は《献身のドルイド》を送り出す。
ただでさえ《クルフィックスの狩猟者》にライフ水準を維持されている現状、無限コンボがなければただのマナクリーチャーに過ぎないこのカードをいちいち焼いていては火力が尽きると判断した田澤は、小田の手札にコンボが揃っていない可能性に賭けてこれを放置してターンを返すのだが、小田は《無私の霊魂》をプレイして田澤の除去をケアしたのち、《療治の侍臣》をプレイ。さらに手札からは《召喚の調べ》が。
田澤「揃ってたー!」
2ゲーム目も《僧院の速槍》から《裂け目の稲妻》「待機」と軽快な動き出しを見せた田澤に対し、小田は事もなげに《極楽鳥》から《クルフィックスの狩猟者》を送り出す。しかも公開されたライブラリートップが《ブレンタンの炉の世話人》!
田澤「何でそういうことするの!w」
さらに《聖遺の騎士》をプレイして盤面を完全に封殺しにかかる小田に対して田澤が一言。
田澤「無情だ……w」
それでも《頭蓋割り》を駆使して1点でも多くのライフを削ろうとするのだが、《聖遺の騎士》の高すぎるクロックを前に、猶予はほとんど残されていないのだった。
小田 2-0 田澤
野口 駿介 (タイタンシフト) vs. 中尾 元彦 (青赤ブリーチ)
1ゲーム目はマリガンした野口がドローに恵まれず、序盤にマナ加速呪文を唱えることができないのはおろか、戦場に4枚の土地が並んでいるのに手札5枚はすべて土地といった有様になってしまう。
一方中尾は《選択》から《瞬唱の魔道士》「フラッシュバック」による再利用を駆使して手札を整え、解禁カードである《精神を刻む者、ジェイス》を降臨させる。
野口もここで《反逆の先導者、チャンドラ》を引き込み、「新旧神プレインズウォーカー対決」を実現させるのだが、中尾は返すターンに構わず「0」能力で手札を整えると、メインで5マナをタップしてゲームの終わりを告げた。
たとえライフが残るとしても、「滅殺6」に加えてさらに相手に《精神を刻む者、ジェイス》という状況では勝てるはずもない。
2ゲーム目も《大祖始の遺産》で《瞬唱の魔道士》をけん制する野口がやはり《反逆の先導者、チャンドラ》を通すのだが、再び《精神を刻む者、ジェイス》で手札を整えた中尾が《裂け目の突破》コンボを決め、準決勝へと進出したのだった。
野口 0-2 中尾