「神」直前!WMCQ名古屋結果分析~真価を発揮し始めたM15のカードたち~

津村 健志



 こんにちは!

 いよいよ明日は「スタンダード神・挑戦者決定戦」ですね!木原 惇希さんが見事な優勝を飾った「第1回神決定戦」から早4ヶ月。木原さんに挑戦するのは一体どのプレイヤーなのでしょうか?

 今回の記事では、そんな「挑戦者決定戦」に向けて、先週末に行われた「WMCQ名古屋」大会の結果を振り返ってみたいと思います。残り1ヶ月でローテーションするとは思えないほどの、激動のスタンダード環境は必見です。それでは、早速トップ8に残ったデッキをご覧ください。



■WMCQ名古屋 トップ8デッキアーキタイプ


~「WMCQ名古屋」トップ8デッキ~
→トップ8デッキリスト

優勝 「Rabble Burn」
準優勝 「緑単信心」
3位 「緑単ミッドレンジ」
4位 「ジャンド(赤緑黒)・プレインズウォーカーズ」
5位 「黒緑ジャンク」
6位 「ジャンド(赤緑黒)・ミッドレンジ」
7位 「ナヤ(赤緑白)・ミッドレンジ」
8位 「Rabble Red」


 「緑単」系統のデッキの活躍が目立った今大会。僕も9回戦で4回当たったほどの一大勢力でした。そんな中で見事に優勝をかっさらっていったのは、金川さんの操る「Rabble Burn」でした。金川さんのデッキは、独創的な素晴らしいリストに仕上がっていますので、まずは「赤単」系のデッキから見ていきましょう。



■赤単



Taki Yoshikazu 「Rabble Red」 WMCQ名古屋 (8位)

18 《山》
3 《変わり谷》

-土地(21)-

4 《鋳造所通りの住人》
4 《ラクドスの哄笑者》
4 《火飲みのサテュロス》
3 《軍勢の忠節者》
4 《炎樹族の使者》
3 《灰の盲信者》
2 《火拳の打撃者》
4 《ゴブリンの熟練扇動者》
3 《瓦礫帯のマーカ》

-クリーチャー(29)-
3 《稲妻の一撃》
4 《かき立てる炎》
1 《凱旋の間》

-呪文(8)-
4 《大歓楽の幻霊》
3 《マグマのしぶき》
2 《頭蓋割り》
1 《電謀》
1 《地鳴りの踏みつけ》
1 《ミジウムの迫撃砲》
1 《灼熱の血》
1 《力による操縦》
1 《凱旋の間》

-サイドボード(15)-
hareruya


 今をときめく「Rabble Red」。「マジック基本セット2015」の登場により、《ゴブリンの熟練扇動者》《かき立てる炎》が加わったことで、環境末期にも関わらず一躍メタゲームのトップに躍り出たデッキです。


ゴブリンの熟練扇動者かき立てる炎


 前者は圧倒的なカードパワーにより、単体でもゲームを決めうる力を持っており、特に《神々の憤怒》《至高の評決》の返しにキャストするカードとして最適です。《凱旋の間》との組み合わせは特筆に値しますし、今後の赤を支える強力な戦力です。

 後者は見た目以上に強い、新たな火力カード。「召集」のおかげで土地が少ない状況下でもキャストできる点も評価できますし、このカードの登場により、《クルフィックスの狩猟者》《ヴィズコーパの血男爵》を難なく対処できるようになったことは、赤いデッキの躍進を支えている大きな要因です。

 このデッキはまだ誕生して間もないですが、すでに多くのデッキに強烈に意識されており、それこそあちらこちらで《悲哀まみれ》《神々の憤怒》が飛び交うほどです。僕の生放送をご覧いただいた方ならご存知かもしれませんが、戦力のほとんどを軽めのクリーチャーに頼ったこのリストでは、それらを乗り越えるのはなかなかに困難なことです。

 そういった背景を踏まえてか、今大会を見事に制したデッキは、「Rabble Red」と「ボロス(赤白)・バーン」の良いとこ取りをしたようなリストでした。



Kanegawa Toshiya 「Rabble Burn」 WMCQ名古屋 (優勝)

17 《山》
4 《変わり谷》

-土地(21)-

4 《鋳造所通りの住人》
4 《ラクドスの哄笑者》
3 《軍勢の忠節者》
4 《若き紅蓮術士》
4 《ゴブリンの熟練扇動者》
3 《チャンドラのフェニックス》
2 《鍛冶の神、パーフォロス》

-クリーチャー(24)-
4 《ショック》
4 《稲妻の一撃》
2 《マグマの噴流》
4 《かき立てる炎》
1 《凱旋の間》

-呪文(15)-
3 《頭蓋割り》
3 《ミジウムの迫撃砲》
3 《灼熱の血》
2 《マグマのしぶき》
2 《漸増爆弾》
1 《パーフォロスの槌》
1 《紅蓮の達人チャンドラ》

-サイドボード(15)-
hareruya


 カードショップ「はま屋」のオーナーである金川さんが作り上げたのは、前述の通り「Rabble Red」と「ボロス・バーン」デッキの中間のようなデッキでした。


若き紅蓮術士ショック


 一般的な「Rabble Red」は先ほどのリストのように、基本的には火力が7~8枚しか入っていないリストがほとんどです。そのため、これまで《若き紅蓮術士》を採用したリストは全くと言っていいほどありませんでしたが、金川さんは火力を増量して《若き紅蓮術士》を取り入れる画期的な戦略を用いています。こうすることで同形対決などで有利に立ち回ることができますし、《若き紅蓮術士》で生み出すトークンもクリーチャー対決ではバカにできない戦力となります。《若き紅蓮術士》は対戦相手の除去カードを誘い出すのにもうってつけなので、《ゴブリンの熟練扇動者》をキャストする前の良い避雷針としての役割も期待できますね。

 更に注目していただきたいカードが、《鍛冶の神、パーフォロス》です。


鍛冶の神、パーフォロス


 《鍛冶の神、パーフォロス》《若き紅蓮術士》《ゴブリンの熟練扇動者》との相性はもちろんのこと、《悲哀まみれ》《神々の憤怒》のような全体除去が流行りつつある中で、全てのクリーチャーが最低でも2点火力になる点は非常に心強い限りです。現在の「Rabble Red」がメタられ始めた状況に合致した素晴らしいチョイスだと思います。

 サイドボードにも《パーフォロスの槌》《紅蓮の達人チャンドラ》という全体除去では対処されないカードが追加されていますし、「スタンダード神・挑戦者決定戦」でも、「WMCQ大阪」でも目が離せないデッキです。



■緑単



Mihara Takuya 「緑単信心」 WMCQ名古屋 (準優勝)

19 《森》
4 《ニクスの祭殿、ニクソス》
1 《ダークスティールの城塞》

-土地(24)-

4 《エルフの神秘家》
4 《旅するサテュロス》
4 《炎樹族の使者》
2 《森の女人像》
2 《起源のハイドラ》
1 《漁る軟泥》
3 《クルフィックスの狩猟者》
4 《世界を喰らう者、ポルクラノス》
1 《ナイレアの信奉者》
1 《狩猟の神、ナイレア》
1 《高木の巨人》
1 《小走り破滅エンジン》
1 《女王スズメバチ》

-クリーチャー(29)-
1 《セテッサ式戦術》
2 《召喚の調べ》
2 《世界を目覚めさせる者、ニッサ》
2 《獣の統率者、ガラク》

-呪文(7)-
4 《霧裂きのハイドラ》
3 《ナイレアの信奉者》
2 《再利用の賢者》
2 《スズメバチの巣》
2 《森林の始源体》
1 《ファイレクシアの破棄者》
1 《セテッサ式戦術》

-サイドボード(15)-
hareruya


 決勝で惜しくも敗れてしまったものの、大きなインパクトを残したのが三原さんの「緑単信心」デッキです。プロツアー『テーロス』マッキー(三原 槙仁)さんが結果を残して以来、少数派ながら確実に存在していたデッキですが、こと今回の「WMCQ名古屋」では最も活躍が目立ったデッキだったのではないかと思います。

 これは主に、このデッキが「Rabble Red」や「ボロス・バーン」デッキのような、赤系のデッキに強いことが理由として考えられるでしょう。マナ加速から速やかに登場する《世界を喰らう者、ポルクラノス》は、フィニッシャーとして申し分のないものですし、メインボードとサイドボードで合計4枚採用された《ナイレアの信奉者》は、赤いデッキにとってのレクイエム。淀みなくクリーチャーを展開するこのデッキに対して、赤いデッキは《頭蓋割り》をサイドボード後に残しづらいので、それもまた加点対象ですね。


スズメバチの巣


 「マジック基本セット2015」から加入した《スズメバチの巣》も赤いクリーチャーデッキにとって悪夢のような存在であり、このデッキの活躍の裏に「赤いデッキの台頭」があったことは間違いありません。




Gotou Yuusei 「緑単ミッドレンジ」 WMCQ名古屋 (3位)

18 《森》
4 《ダークスティールの城塞》
2 《変わり谷》

-土地(24)-

4 《エルフの神秘家》
4 《黄金の雌鹿》
3 《旅するサテュロス》
4 《加護のサテュロス》
3 《クルフィックスの狩猟者》
4 《世界を喰らう者、ポルクラノス》
2 《茨群れの頭目》

-クリーチャー(24)-
4 《セテッサ式戦術》
4 《宿命的介入》
4 《世界を目覚めさせる者、ニッサ》

-呪文(12)-
4 《霧裂きのハイドラ》
4 《ナイレアの信奉者》
3 《再利用の賢者》
1 《漁る軟泥》
1 《霊気のほころび》
1 《ナイレアの弓》
1 《真髄の針》

-サイドボード(15)-
hareruya


 堂々の3位入賞を果たしたのは、「グランプリ神戸14」で準優勝に輝いた後藤 祐征さんの駆る「緑単ミッドレンジ」でした。「グランプリ神戸14」では、独自の構成が光る「親和」デッキを使用していた後藤さんですが、今大会でもその才能を遺憾なく発揮した素晴らしいデッキを持ち込んできました。

 まず目を引くのは、4枚採用された《ダークスティールの城塞》でしょう。


世界を目覚めさせる者、ニッサダークスティールの城塞


 これはもちろん《世界を目覚めさせる者、ニッサ》の1番目の能力とのコンボを狙っての採用でしょうが、実際にこのコンボが決まってしまうと、それを止めることは非常に困難です。「破壊不能」の4/4クリーチャー。このコンボは、対戦相手のデッキを選ばぬ強靭さを持ち合わせていますし、ローテーション後でも間違いなく要注目のコンボだと言えるでしょう。

 それ以外のカードチョイスに関しては、このデッキが苦手とする《至高の評決》耐性を意識したものが目立ちます。《加護のサテュロス》《茨群れの頭目》《宿命的介入》は全てインスタントタイミングでキャストできるため、全体除去からの速やかなリカバリーを実現可能としてくれます。《世界を目覚めさせる者、ニッサ》《ダークスティールの城塞》コンボももちろん全体除去耐性を付けるために一役買っていますが、それだけでは心もとないため、こういったカード選択で、デッキ全体として苦手なカードに耐性を付けられると理想的ですね。

 今大会で緑系のデッキが目立った理由として、「赤いデッキの台頭」以外では「黒系デッキの減少」が関係していると思います。現状では赤いデッキの活躍に伴い、黒系のデッキが数を減らしているわけですが、特に《生命散らしのゾンビ》の流行り具合はこの手のデッキにとって死活問題なので、今後それらのデッキが増量するかどうかで、緑系デッキの命運が分かれると言っても過言ではないでしょう。今大会の結果を受け、黒系のデッキが巻き返しを見せるかどうかも気になるところですね。



■ジャンドプレインズウォーカーズ



Tsumura Kenji 「ジャンド(赤緑黒)・プレインズウォーカーズ」 WMCQ名古屋 (4位)

3 《森》
4 《踏み鳴らされる地》
2 《血の墓所》
2 《草むした墓》
4 《ラノワールの荒原》
4 《奔放の神殿》
4 《悪意の神殿》
1 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》

-土地(24)-

4 《エルフの神秘家》
4 《森の女人像》
4 《クルフィックスの狩猟者》

-クリーチャー(12)-
4 《ミジウムの迫撃砲》
2 《ゴルガリの魔除け》
2 《戦慄掘り》
1 《ラクドスの復活》
2 《骨読み》
2 《英雄の破滅》
4 《歓楽者ゼナゴス》
2 《紅蓮の達人チャンドラ》
3 《世界を目覚めさせる者、ニッサ》
1 《リリアナ・ヴェス》
1 《見えざる者、ヴラスカ》

-呪文(24)-
4 《霧裂きのハイドラ》
4 《強迫》
3 《マグマのしぶき》
2 《神々の憤怒》
1 《破滅の刃》
1 《ラクドスの復活》

-サイドボード(15)-
hareruya





Sakai Yoshiki 「ジャンド(赤緑黒)・プレインズウォーカーズ」 WMCQ名古屋 (6位)

2 《森》
4 《踏み鳴らされる地》
1 《血の墓所》
1 《草むした墓》
4 《ラノワールの荒原》
4 《奔放の神殿》
4 《悪意の神殿》
1 《疾病の神殿》
1 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》
2 《変わり谷》

-土地(24)-

4 《森の女人像》
4 《クルフィックスの狩猟者》
3 《嵐の息吹のドラゴン》

-クリーチャー(11)-
3 《ミジウムの迫撃砲》
2 《戦慄掘り》
2 《突然の衰微》
2 《ゴルガリの魔除け》
2 《ラクドスの復活》
2 《骨読み》
2 《英雄の破滅》
1 《信者の沈黙》
3 《歓楽者ゼナゴス》
2 《紅蓮の達人チャンドラ》
2 《世界を目覚めさせる者、ニッサ》
2 《見えざる者、ヴラスカ》

-呪文(25)-
4 《ナイレアの信奉者》
2 《漁る軟泥》
2 《強迫》
2 《化膿》
2 《神々の憤怒》
1 《ラクドスの復活》
1 《殺戮遊戯》
1 《地下世界の人脈》

-サイドボード(15)-
hareruya


 ブログでも紹介させていただいた「ジャンド・プレインズウォーカーズ」。今大会でもあちこちで見かけたデッキですし、すでに十分にトップメタに位置するデッキと評していいでしょう。

 せっかくなので自分のリストを中心に話をさせていただきたいと思いますが、このリストは《骨読み》まで入れて、赤系デッキの耐性を下げる代わりに、その他のデッキに強くした構成です。

 メインボードでそういった構成にしているため、やはりサイドボードにはクリーチャーデッキ対策を多めに採用しています。《悲哀まみれ》ではなく《神々の憤怒》にしているのは、「赤単」だけでなく「白緑」系統のデッキに目を向けているためです。「白緑」は《実験体》《羊毛鬣のライオン》など、《悲哀まみれ》では除去しづらいクリーチャーが含まれているため、そこを意識するのであれば、《悲哀まみれ》よりも《神々の憤怒》を優先すべきでしょう。

 《マグマのしぶき》は1マナと非常に軽いため、手数の増加に貢献するだけでなく、このデッキが苦手とする《チャンドラのフェニックス》対策として重宝します。現状では赤いデッキは無視できない一大勢力と化しているので、最低でも3枚は入れたいカードだと思います。

 このリストに改良を加えるのであれば、《紅蓮の達人チャンドラ》2枚を抜いて《戦慄掘り》《世界を目覚めさせる者、ニッサ》を1枚ずつ追加します。

 《紅蓮の達人チャンドラ》は、主に「黒単信心」「青白」系のデッキに強いカードですが、それらのデッキが数を減らしつつあること、ミラーマッチや赤系のデッキに対して効果が小さいことが、減量するにいたった理由です。最もサイドアウトする回数が多かったこともあり、《紅蓮の達人チャンドラ》《ゴルガリの魔除け》の枠に関しては、再考の余地があると思います。



■黒緑ジャンク



Yoshimura Genki 「黒緑ジャンク」 WMCQ名古屋 (5位)

7 《沼》
1 《森》
4 《草むした墓》
4 《ラノワールの荒原》
4 《疾病の神殿》
1 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》
4 《変わり谷》

-土地(25)-

4 《群れネズミ》
2 《漁る軟泥》
3 《生命散らしのゾンビ》
4 《冒涜の悪魔》

-クリーチャー(13)-
4 《思考囲い》
3 《肉貪り》
2 《突然の衰微》
1 《究極の価格》
1 《胆汁病》
1 《ゴルガリの魔除け》
4 《英雄の破滅》
2 《地下世界の人脈》
1 《骨読み》
3 《世界を目覚めさせる者、ニッサ》

-呪文(22)-
3 《霧裂きのハイドラ》
2 《強迫》
2 《破滅の刃》
2 《悲哀まみれ》
1 《漁る軟泥》
1 《夜帷の死霊》
1 《死者の神、エレボス》
1 《ゴルガリの魔除け》
1 《ファリカの療法》
1 《地下世界の人脈》

-サイドボード(15)-
hareruya


 この1年間に環境の王者として君臨し続けた「黒単信心」。しかしながら、「Rabble Red」、「ボロス・バーン」、「ジャンド・プレインズウォーカーズ」といった苦手なデッキが数を増やすにつれ、環境末期にまさかまさかの大失速を余儀なくされました。現状では、かろうじて上位デッキに踏みとどまっているデッキという印象です。

 2年連続で「WMCQ」でトップ8に残っている吉村さんは、そんな現状を加味して、いくつかの工夫を凝らした黒いデッキを持ち込みました。一般的なリストよりも2マナの除去が増量されている点、そしてなんと言っても、メインから《アスフォデルの灰色商人》を抜いて《世界を目覚めさせる者、ニッサ》を採用した点は、吉村さんのリストで最も特徴的な部分と言っていいでしょう。

 《アスフォデルの灰色商人》はその能力により、赤系のデッキ相手にも重宝するカードですが、問題はその相方と言える《地下世界の人脈》が環境的にあまり強くないことです。ビートダウンデッキが多いのならば、即効性を重視して《骨読み》を優先するのはよく見る手法ですが、そうすると前述の通り《アスフォデルの灰色商人》が弱くなってしまうため、その枠に《世界を目覚めさせる者、ニッサ》を入れるのは理にかなった構築だと思います。《世界を目覚めさせる者、ニッサ》は赤系のデッキに対しては微妙かもしれませんが、「ジャンド・プレインズウォーカーズ」や「青白」系のデッキには強力無比なカードです。もしも《地下世界の人脈》の減量を検討しているのであれば、《世界を目覚めさせる者、ニッサ》の採用をぜひご検討ください。

 メインボードに、ビートダウンデッキと《チャンドラのフェニックス》に強い《漁る軟泥》が採用されている点にも要注目です。これもまたメタゲームの産物だと言えますが、ここまで緑マナを必要とするカードを入れるのであれば、《沼》1枚を《ゴルガリのギルド門》に変えてもいいかもしれませんね。



■ナヤミッドレンジ



Nakazawa Seisuke 「ナヤ(赤緑白)・ミッドレンジ」 WMCQ名古屋 (7位)

2 《山》
4 《聖なる鋳造所》
4 《踏み鳴らされる地》
4 《寺院の庭》
4 《豊潤の神殿》
4 《奔放の神殿》
2 《戦場の鍛冶場》

-土地(24)-

4 《復活の声》
4 《羊毛鬣のライオン》
2 《漁る軟泥》
4 《ボロスの反攻者》
2 《加護のサテュロス》
4 《ゴーア族の暴行者》
4 《嵐の息吹のドラゴン》

-クリーチャー(24)-
3 《ミジウムの迫撃砲》
3 《岩への繋ぎ止め》
4 《ドムリ・ラーデ》
2 《歓楽者ゼナゴス》

-呪文(12)-
3 《ニクス毛の雄羊》
3 《空殴り》
2 《セレズニアの魔除け》
2 《不動のアジャニ》
1 《ミジウムの迫撃砲》
1 《神討ち》
1 《岩への繋ぎ止め》
1 《軍勢の集結》
1 《紅蓮の達人チャンドラ》

-サイドボード(15)-
hareruya


 最後を飾るのは「ナヤ・ミッドレンジ」。《ドライアドの闘士》《万神殿の兵士》を採用した「アグロ」バージョンから、《世界を目覚めさせる者、ニッサ》《太陽の勇者、エルズペス》を投入した「コントロール」バージョンまで、実に幅広い構築が可能な「ナヤ」デッキ。

 こちらのリストは、1マナ圏こそ採用されていないものの、《ゴーア族の暴行者》まで入った、攻めっ気の強いタイプになっています。「ジャンド」ではなく「ナヤ」を選ぶ理由としては、《復活の声》《羊毛鬣のライオン》《ボロスの反攻者》といった序盤のクリーチャーが強いこと、《岩への繋ぎ止め》という環境でも屈指の除去カードが使えることです。サイドボードには《ニクス毛の雄羊》なども採用できるため、単純なビートダウン耐性という意味合いでは、黒よりも白の方が優れていると言えるでしょう。

 個人的には《鍛冶の神、パーフォロス》《英雄の導師、アジャニ》《太陽の勇者、エルズペス》を入れた重めのデッキが構築できないかと目論んでいますが、赤いデッキに強いこの手の「ミッドレンジ」バージョンにも要注目です。





 「WMCQ名古屋」特集はこれにて終了です。今週末の「スタンダード神・挑戦者決定戦」、そして最後の「WMCQ」となる「大阪予選」では、はたしてどのような結果が待っているのでしょうか?





 WMCQの方は、僕はこのままだと「ジャンド・プレインズウォーカーズ」をアップデートして参加することになりそうですが、時間があれば「ナヤ・コントロール」と「黒緑白・プレインズウォーカーズ」を試してみようと思っています。

 その辺りの調整過程は「津村健志のゴキゲン!MO生活」でお伝えする予定ですので、お時間のある方はぜひぜひご覧になってみてください!


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 僕自身は友人の結婚式のため「スタンダード神・挑戦者決定戦」には参加できないので、参加される方は僕の分までがんばってください!

 最後まで読んでいただきありがとうございました。それでは、また次回の記事でお会いしましょう!