こんにちは、中村です。
連載予定記事を諸事情で第1回で終了させることに定評がある身ですが、奇跡的に第2回をこうしてお届けできることとなりました。
今回はグランプリ・北京2018 (5月4日~6日開催) 前までに仕上げるという制約があったため、レベル1・メタ戦略には触れず真っ当にドラフトをするならばという内容になってはいますが、環境理解の一助になれば幸いです。
それでは始めていきましょう。
▲ 基本的には
カードパワー低め、ゲームスピードも遅めでかつ癖の強い環境。
4種族からいずれかのアグロデッキを選択する環境だった『イクサラン』と比べて、大分落ち着いた速度になっている。もちろん速いと区分されるアーキタイプはあるが、それ以上に2ターン目からテンポを獲得していくのではなく、ワンクッション挟んだうえで特定のアーキタイプの中から任意の何種類かの組み合わせと相乗効果で盤面を作っていくアーキタイプが許容される環境となっている。
また、アーキタイプによって強さが大きく変動するカードが多く、直近の環境では多々見られた “このアーキタイプであればゴール地点はこのようなもの” というのが見えづらく非常に曖昧である。
クリーチャーの基本サイズ
マナコスト別で見た、クリーチャーの基本スタッツ (サイズ) は下記の通り。
マナ域 | 基準スペック |
---|---|
1~2マナ | 2/2 ~ 1/3 |
3マナ | 2/3 ~ 3/2 ・ 2/2飛行 |
4マナ | 3/3 ・ 3/2飛行 |
5マナ | 4/4 ・ 3/4飛行 |
スタッツのマジックナンバーは3/2と1/3。
4マナ生物は他のセットと比較しても優秀と言えるレベルではあるのだが頭数が少なく、基本的には3マナ域のクリーチャーが戦場の主役になる。
そもそも現代のリミテッドにおいて、ただの2マナ2/2にほぼ価値はないが、今回はそれがより顕著。なにもせずとも1つ上のマナ域の2/3を受け止められ、ダブルブロックすれば3/2とさえトレードに持ち込める2マナ1/3の方がそれぞれに能力が付加されていることもあって重用する。
ただし、当たり前の話ではあるのだがパワー1を並べるマジックは勝ち切ることが難しい。1/3の仕事は序盤の牽制、後続までの時間稼ぎであって、リミテッドの基本である序盤からライフを攻めて対戦相手の選択肢を奪っていくゲーム展開とは真逆を行くこととなる。
大前提としてカードパワーが弱く選択肢として攻撃的に行くのは貧弱な側ではあるが、攻撃的であるというのはただそれだけで強力な選択肢であり、決して除外するものではない。
そのために必要なのがパワー3。特に1/3に当たり負けせず、上のマナ圏ともやりあえる3/2というスタッツはとても重要になってくる。
環境の基調が遅いというのを踏まえて、自分が攻撃的なデッキを選択する際にはいかに2マナからパワー3以上を用意できるか、もっと直截的に言うと2マナ生物にいかに人権を持たせられるか、自分がどういうデッキを志向するかを明確に意識しておくことが必要である。
飛行
スタッツ的には4マナまでのほとんどが大差のないスタッツ、2/2程度でかつ数も少ない。
出す側に回った場合、ストレスなく延々と殴り続けることができる。その次の壁は5マナ3/4、あるいはアンコモン以上に限定されるが5マナ4/4相当。このクラスになると空中戦は完全に制圧できるが、どのコンバットトリックでも1発で沈んでしまうので過信は禁物。
一方で、対飛行に関してはとても貧弱。プレイアブルといえるのが《マンモスグモ》のみ。クモ自体は飛行生物を完全にシャットアウトできる良サイズなのだが、到達が環境になさすぎるゆえに相手の除去のマトになりがち。
タフネス1
タフネス1を咎めるカードは、黒に《菌類感染》、あまり見ないが《放射稲妻》、あとは《苗木》で止められるリスクがあるくらい。
前述のようにパワーが3あることに多大なメリットがあるため、無視して構築をした方が利益的な場合が多い。
以降の内容は有料となります。続きを読みたい方は以下の商品をご購入ください。
(※上記記事はhtml方式のメールでお送りさせていただきますので、スマートフォン、またはパソコンからご覧ください。)