こんにちは!
今期のモダン環境総決算となった「グランプリ神戸14」が終了いたしました。
僕は6-3で初日落ちと結果はふるいませんでしたが、BIGMAGICさん主催のイベントは催し物だらけで、負けても全力で楽しむことができました!これに関してはブログで改めてお伝えしようと思うので、そちらの方もお楽しみに!
グランプリ神戸の結果
さて、最終回となるこの度の「vol.5」では、その「グランプリ神戸14」の注目デッキをお伝えしていきたいと思います。
2,270名ものプレイヤーが集結した今大会。トップ8はこのような顔ぶれとなりました。
~「グランプリ神戸14」トップ8デッキ~
→トップ8デッキリスト
優勝 「ボロス(赤白)・バーン」
準優勝 「タルモバーン親和」
3位 「トリコロール(青白赤)・アグロコントロール」
4位 「赤緑ウルザトロン」
5位 「《風景の変容》」
6位 「ボロス(赤白)・バーン」
7位 「青赤《欠片の双子》コンボ」
8位 「タルモツイン(青赤緑《欠片の双子》コンボ)」
→トップ8デッキリスト
優勝 「ボロス(赤白)・バーン」
準優勝 「タルモバーン親和」
3位 「トリコロール(青白赤)・アグロコントロール」
4位 「赤緑ウルザトロン」
5位 「《風景の変容》」
6位 「ボロス(赤白)・バーン」
7位 「青赤《欠片の双子》コンボ」
8位 「タルモツイン(青赤緑《欠片の双子》コンボ)」
「グランプリ神戸14」のトップ8で印象的だったのは、「黒緑ジャンク」系統のデッキがトップ8に残れなかったことでしょう。ここまで国内のイベントを牽引していたデッキですが、最後の最後で結果を残すことができませんでした。
その代わりに存在感を示したのは、プロツアー予選(以下PTQ)で「黒緑ジャンク」と並ぶ好成績を残していた「青赤欠片の双子コンボ」デッキと、今大会の台風の目と言える「ボロス・バーン」デッキでした。
これまでの記事内に何度も登場してきた「青赤欠片の双子コンボ」デッキはともかくとして、「ボロス・バーン」デッキの躍進は今大会で最も大きなトピックと言って差支えないでしょう。
それでは、ここからは各デッキの詳細をご覧ください。
■「ボロス・バーン」
8 《山》 4 《聖なる鋳造所》 4 《乾燥台地》 4 《戦場の鍛冶場》 -土地(20)- 4 《ゴブリンの先達》 4 《苛立たしい小悪魔》 3 《渋面の溶岩使い》 4 《大歓楽の幻霊》 -クリーチャー(15)- |
4 《溶岩の撃ち込み》 4 《稲妻》 3 《欠片の飛来》 4 《頭蓋割り》 3 《ボロスの魔除け》 3 《灼熱の血》 4 《裂け目の稲妻》 -呪文(25)- |
4 《溶鉄の雨》 4 《石のような静寂》 4 《神聖の力線》 2 《摩耗+損耗》 1 《粉砕の嵐》 -サイドボード(15)- |
「モダン神決定戦」も制した「ボロス・バーン」デッキ。その勢いは留まることを知らず、この度の「グランプリ神戸14」をも制する結果となりました。
一昔前の「バーン」デッキといえば、少しメタられただけで勝ちきれないデッキという印象でしたが、そのような時代はもう終わりを告げました。
月日の経過とともに個々の火力カードが強化されていき、今では1マナ3点火力が11枚、《苛立たしい小悪魔》や《裂け目の稲妻》まで含めれば19枚も採用されていることになります。このような変化は「バーン」デッキの地位を確かなものへと昇華させ、昨今では「バーン」デッキは決して軽視できる存在ではなくなっています。
《大歓楽の幻霊》も、コンボデッキや除去カードに耐性のあるカードとして非常に優秀ですし、脇を固めるカードも年々強力になっていますね。
メインボードで特筆すべきカードは、《渋面の溶岩使い》でしょうか。「親和」デッキや「出産の殻」デッキに有効な1枚で、これだけ火力が満載のデッキであれば、もちろんガス欠になることもありません。他にも対戦相手の《タルモゴイフ》のサイズを減少させてダメージレースを楽にしてくれたりと、おまけとしては十分すぎる働きが期待できます。
また、サイドボードの《石のような静寂》や《神聖の力線》のように、1枚で特定のデッキに勝てるカードの存在もこのデッキの底上げに大きく貢献しています。「バーン」デッキは後述の「親和」デッキと同じくメイン戦が非常に強いデッキなので、このリストのようにサイドボード後もデッキのバランスを崩すことなく、目的意識のはっきりとしたカードで構成できると理想的だと思います。
余談ではありますが、この度見事に優勝を果たした覚前君は、「日本選手権04」でトップ8に入賞したこともある古豪プレイヤーです。つい最近まではマジックを休止していたそうですが、今月の頭に行われたプロツアー『マジック2015』にもPTQを抜けて参戦しており、その能力の高さを思う存分に発揮しています。
本人は「プロプレイヤークラブ・プラチナレベルを目指している」と公言しているようなので、これからの更なる活躍も期待されます。実はひっそりと同年代だったりするので、僕も覚前君のような復活劇をお見せできるようにがんばりたいと思います!
■「タルモバーン親和」
4 《ちらつき蛾の生息地》 4 《ダークスティールの城塞》 4 《空僻地》 2 《マナの合流点》 -土地(14)- 4 《メムナイト》 4 《羽ばたき飛行機械》 4 《大霊堂のスカージ》 4 《タルモゴイフ》 -クリーチャー(16)- |
4 《感電破》 2 《思考囲い》 4 《爆片破》 4 《アーティファクトの魂込め》 4 《オパールのモックス》 4 《彩色の星》 4 《バネ葉の太鼓》 4 《頭蓋囲い》 -呪文(30)- |
2 《呪文滑り》 2 《エイヴンの思考検閲者》 2 《流刑への道》 2 《摩耗+損耗》 2 《古えの遺恨》 2 《鞭打ち炎》 2 《陽光の呪文爆弾》 1 《思考囲い》 -サイドボード(15)- |
モダンを代表する「親和」デッキ。これまでに幾度となく紹介してきたデッキですが、後藤さんのリストはそんじょそこらの「親和」とは一線を画す仕上がりとなっています。
公式記事でこのデッキが「タルモバーン親和」と呼ばれたように、《感電破》と《爆片破》が4枚ずつ搭載されている点に始まり、《タルモゴイフ》と《アーティファクトの魂込め》といった強烈なダメージ源を4枚ずつ採用しているリストは、他ではまずお目にかかることはできません。
これらの面々を有効活用するためには、もちろん色マナの増量は必要不可欠となりますが、後藤さんは従来の《空僻地》、《オパールのモックス》、《バネ葉の太鼓》に加え、《マナの合流点》と《彩色の星》を採用することできっちりと色マナを確保できるようにしてあります。
有色カードを増やす→色マナを確保するという流れは至極当然のことかもしれませんが、後藤さんが有色カードの代わりに抜いたのは《信号の邪魔者》、《鋼の監視者》、《電結の荒廃者》など、「親和」を代表するカードばかり。これほどまでに思い切った構築にはただただ頭が下がるばかりですが、その源泉は圧倒的なまでの経験値によるものなのか、それとも柔軟な発想力によるものなのかは気になるところです。
後藤さんは名古屋では名の知れたデッキビルダーであり、このリストはそれを証明するかのごとく、個性と強さを兼ね備えた素晴らしい構築だと思います。メインボードだけでなく、サイドボードの《エイヴンの思考検閲者》や《陽光の呪文爆弾》も含め、「親和」デッキの新たなる可能性を感じさせてくれた一品です。
■「赤緑ウルザトロン」「風景の変容」
2 《森》 3 《燃え柳の木立ち》 4 《ウルザの塔》 4 《ウルザの魔力炉》 4 《ウルザの鉱山》 2 《幽霊街》 1 《ウギンの目》 -土地(20)- 2 《呪文滑り》 3 《ワームとぐろエンジン》 1 《無限に廻るもの、ウラモグ》 1 《引き裂かれし永劫、エムラクール》 -クリーチャー(7)- |
4 《古きものの活性》 4 《森の占術》 2 《紅蓮地獄》 1 《全ては塵》 4 《彩色の宝球》 4 《彩色の星》 4 《探検の地図》 3 《大祖始の遺産》 3 《忘却石》 4 《解放された者、カーン》 -呪文(33)- |
3 《自然の要求》 3 《焼却》 3 《防御の光網》 2 《スラーグ牙》 1 《隔離するタイタン》 1 《古えの遺恨》 1 《倦怠の宝珠》 1 《世界のるつぼ》 -サイドボード(15)- |
4 《島》 3 《森》 2 《山》 4 《蒸気孔》 4 《踏み鳴らされる地》 1 《繁殖池》 3 《霧深い雨林》 1 《溢れかえる果樹園》 1 《神秘の神殿》 2 《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》 -土地(25)- 4 《桜族の長老》 2 《瞬唱の魔道士》 -クリーチャー(6)- |
4 《稲妻》 2 《呪文嵌め》 1 《撤廃》 4 《深遠の覗き見》 4 《差し戻し》 3 《時間の把握》 2 《明日への探索》 2 《木霊の手の内》 4 《風景の変容》 3 《謎めいた命令》 -呪文(29)- |
3 《強情なベイロス》 3 《否認》 2 《自然の要求》 2 《古えの遺恨》 2 《紅蓮地獄》 1 《ヴェンディリオン三人衆》 1 《不忠の糸》 1 《仕組まれた爆薬》 -サイドボード(15)- |
「赤緑ウルザトロン」と「風景の変容」デッキ。このふたつに共通するのは、どちらも何らかの特殊土地をデッキの軸としていることです。
「赤緑ウルザトロン」はデッキ名の通り、《ウルザの塔》・《ウルザの魔力炉》・《ウルザの鉱山》から爆発的なマナを生み出し、「風景の変容」は《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》をもってして対戦相手を葬り去ります。これが意味するところ、このふたつのデッキは《大爆発の魔道士》や《地盤の際》の流行り具合によって、多少なりとも成績が左右されやすいということです。
ここ何週間かで、「黒緑ジャンク」デッキはミラーマッチを意識して《大爆発の魔道士》が抜けてしまうことが多くなっていました。また、《大爆発の魔道士》と同様に特殊地形を狙い撃ちにする《地盤の際》は、使用するデッキ自体が数を減らしています。その2種類のカードの減量こそが、これらのデッキの躍進を後押し要因ではないかと思います。
今後もしばらくの間は同じような状況が続くと思いますし、もとよりデッキパワーが高いので、これらのデッキは今後更なる活躍が期待できるでしょう。
■「青赤《欠片の双子》コンボ」
5 《島》 1 《山》 3 《蒸気孔》 1 《踏み鳴らされる地》 4 《沸騰する小湖》 4 《霧深い雨林》 3 《硫黄の滝》 2 《僻地の灯台》 -土地(23)- 4 《瞬唱の魔道士》 2 《呪文滑り》 4 《詐欺師の総督》 2 《やっかい児》 2 《ヴェンディリオン三人衆》 -クリーチャー(14)- |
4 《稲妻》 4 《血清の幻視》 3 《呪文嵌め》 3 《よじれた映像》 1 《払拭》 3 《差し戻し》 1 《電解》 4 《欠片の双子》 -呪文(23)- |
4 《誘惑蒔き》 3 《血染めの月》 2 《古えの遺恨》 2 《神々の憤怒》 2 《仕組まれた爆薬》 2 《大祖始の遺産》 -サイドボード(15)- |
今現在、マジック界で最も輝いているプレイヤーである市川 ユウキさん。そんな彼が相棒に選んだデッキは「青赤欠片の双子コンボ」でした。近頃日本のPTQで結果を残し続けていた「コンボ特化型」ではなく、《瞬唱の魔道士》+《稲妻》パッケージの入ったリストです。
市川さんご自身が仰っている通り、この形だと《突然の衰微》擁する「黒緑ジャンク」に苦戦を強いられることになりますが、実際に決勝ラウンドに「黒緑ジャンク」がいなかった事実をふまえると、市川さんの読みとデッキ選択は見事に当たっていたことになります。
しかしながら、メインから3枚採用された《呪文嵌め》や、サイドボードに潜む4枚の《誘惑蒔き》をみるに、市川さんは決してそのマッチアップを諦めていなかったことが分かります。《誘惑蒔き》は《突然の衰微》にも《ヴェールのリリアナ》にも強いカードなので、「黒緑ジャンク」を意識するのであれば、採用しておいて損のない1枚です。
前回紹介した「コンボ特化型」は、サイド後も《移し変え》を駆使してとにかくコンボにこだわる仕様でしたが、このように軸をずらす手法も今後の参考になりますね。
さて、ここまではトップ8の注目デッキをご紹介させていただきましたが、ここからは惜しくもトップ8に残れなかった9位から32位までのデッキの中から面白いものをピックアップしたいと思います。
■「青黒テゼレット」
4 《闇滑りの岸》 3 《涙の川》 2 《忍び寄るタール坑》 4 《変わり谷》 4 《ちらつき蛾の生息地》 4 《ダークスティールの城塞》 -土地(21)- 1 《呪文滑り》 1 《ワームとぐろエンジン》 -クリーチャー(2)- |
1 《殺戮の契約》 4 《コジレックの審問》 2 《燻し》 1 《破滅の刃》 1 《喉首狙い》 4 《知識の渇望》 2 《滅び》 2 《オパールのモックス》 2 《大祖始の遺産》 1 《真髄の針》 4 《ディミーアの印鑑》 3 《威圧のタリスマン》 2 《倦怠の宝珠》 1 《殴打頭蓋》 3 《ヴェールのリリアナ》 4 《ボーラスの工作員、テゼレット》 -呪文(37)- |
2 《誘惑蒔き》 2 《エレンドラ谷の大魔導師》 2 《強迫》 2 《瞬間凍結》 2 《否認》 2 《悪夢の織り手、アショク》 1 《曇り鏡のメロク》 1 《殺戮の契約》 1 《弱者の消耗》 -サイドボード(15)- |
八十岡 翔太。日本が世界に誇る鬼才が持ち込んだデッキは、彼がスタンダード時代に愛用していた《ボーラスの工作員、テゼレット》を使ったデッキでした。
《ちらつき蛾の生息地》+《変わり谷》のプチコンボや、《ディミーアの印鑑》・《威圧のタリスマン》によるマナ加速など、これまでに紹介してきた他のデッキに負けず劣らずの意欲作となっています。
サイドボードにも、これまでモダン環境でほとんど見かけることのなかった《曇り鏡のメロク》、《悪夢の織り手、アショク》のような独創的なカードが大量に投入されていますし、《ボーラスの工作員、テゼレット》への愛を貫きながらこれほどの結果を残すのはお見事としか言いようがありません。オリジナルデッキでこのような素晴らしい結果を残しただけでも尊敬に値しますが、僕が何よりも感銘を受けたのは、ヤソさんの今大会に挑む姿勢でした。
プロツアー『マジック2015』の時点ですでにデッキを決めていたヤソさんは、こちらのインタビューでもご覧いただけるように、今大会は「楽しみたい」と宣言していました。それだけにどのようなデッキを選ぶのか非常に興味津々だったわけですが、まさか《ボーラスの工作員、テゼレット》を選択するとは思いもよりませんでした。勝ちにこだわりつつも、マジック本来の楽しみ方をいつまでも忘れないプレイヤーが八十岡 翔太という男です。デッキの素晴らしさだけでなく、そういった背景も踏まえ、最終戦に敗れてトップ8に残れなかったことが悔やまれますが、ヤソさんのことなので、次回以降の大会で必ずや今回以上の結果を残してくれるでしょう。
■「グリセル・エムラシュート」
6 《沼》 4 《血の墓所》 4 《黒割れの崖》 2 《偶像の石塚》 1 《ラクドスの肉儀場》 4 《吠え歯のうろ穴》 1 《死の溜まる地、死蔵》 -土地(22)- 4 《猿人の指導霊》 4 《グリセルブランド》 1 《無限に廻るもの、ウラモグ》 4 《引き裂かれし永劫、エムラクール》 -クリーチャー(13)- |
4 《信仰無き物あさり》 4 《コジレックの審問》 4 《思考囲い》 4 《御霊の復讐》 4 《裂け目の突破》 1 《流転の護符》 4 《ヴェールのリリアナ》 -呪文(25)- |
4 《暗黒破》 4 《狂乱病のもつれ》 3 《仕組まれた爆薬》 2 《防御の光網》 2 《流転の護符》 -サイドボード(15)- |
先ほどのヤソさんのデッキに並ぶ、またはそれ以上のインパクトを残したのが塚本さんの駆る「グリセル・エムラシュート」デッキでした。基本的な動きは《信仰無き物あさり》、《思考囲い》、《ヴェールのリリアナ》でデカブツを墓地に落とし、それを《御霊の復讐》で一本釣りするデッキです。
ご本人曰く、デッキの完成度が高かっただけでなく、今大会は墓地への対策が緩かったことが功を奏したとのこと。仮に対戦相手が過剰な墓地対策を施してくることがあろうとも、《裂け目の突破》と《流転の護符》がそれらを乗り越える術として機能してくれます。《裂け目の突破》は、この手のデッキにはほぼ確実に採用されているカードなので驚きはありませんでしたが、《流転の護符》を採用した発想力には脱帽です。
これならば墓地対策はもちろんのこと、《御霊の復讐》と《裂け目の突破》の天敵である《やっかい児》や《謎めいた命令》のタップモードにも耐性があります。
速度的な問題もあって、《流転の護符》を「青赤《欠片の双子》コンボ」デッキに対してサイドインすることはないでしょうが、そういったカードチョイスも含め、「デッキ勝ち」といった言葉の相応しい秀逸なデッキリストですね。
■「蔵の開放」
4 《平地》 3 《島》 2 《秘教の門》 1 《アダーカー荒原》 1 《空僻地》 1 《氷の橋、天戸》 4 《ちらつき蛾の生息地》 4 《ダークスティールの城塞》 -土地(20)- 1 《大修道士、エリシュ・ノーン》 1 《引き裂かれし永劫、エムラクール》 -クリーチャー(2)- |
2 《差し戻し》 1 《変身》 4 《蔵の開放》 4 《オパールのモックス》 4 《彩色の星》 4 《テラリオン》 1 《妖術師のガラクタ》 4 《胆液の水源》 4 《予言のプリズム》 3 《精神石》 3 《飛行機械の鋳造所》 4 《クラーク族の鉄工所》 -呪文(38)- |
3 《消去》 2 《流刑への道》 1 《沈黙》 2 《ハーキルの召還術》 1 《紅蓮地獄》 2 《至高の評決》 1 《原基の印章》 3 《神聖の力線》 -サイドボード(15)- |
ぱおぱおぱおーん!この連載の最終回最後を飾るのは、以前ブログで紹介したこともある「マンモスの開放」デッキです。
マンモス(石井 泰介)さんご自身がプロツアー『神々の軍勢』以前から使い込んでいるこのデッキ。以前は「ウルザランド」から大量のマナを出す爆発力を重視した形でしたが、それらを普通の土地と入れ替えることで、安定性に加え《飛行機械の鋳造所》の採用を実現しています。
《飛行機械の鋳造所》と言えば、《弱者の剣》とのお手軽簡単トークンコンボが有名ですが、これまで単体で使われたことはほとんどありませんでした。しかしながら、このデッキにとって「アーティファクトを生贄に捧げることができる」ことは大きな意味を持ちます。
このデッキを使用、またはご覧になった方であればご存じかと思われますが、このデッキは極度に《クラーク族の鉄工所》に依存しています。それは《クラーク族の鉄工所》の圧倒的なマナ生産能力によるところが大きいのは確かですが、《テラリオン》や《胆液の水源》のような「アーティファクトを生贄に捧げられる」点が評価されていることも事実です。
《クラーク族の鉄工所》とは違い、《飛行機械の鋳造所》ではそのターン中にコンボを決めることは不可能でしょうが、手札に《蔵の開放》しかない状況で墓地を肥やしながらドローを進められる点、延命に大きく貢献する点はデッキの戦略と合致しています。
更に更に、貪欲なマンモスさんはそこから生まれくるトークンを生かし、《変身》から《大修道士、エリシュ・ノーン》か《引き裂かれし永劫、エムラクール》を導くギミックまで搭載しています。
他の成績上位のみなさんもそうですが、やはり使い込んだデッキに対する理解度や工夫は、勝敗を分かつ重要なポイントだと改めて思い知らされました。
「コガモダン」の連載はこれにて終了です。僕自身はまたもや結果が残せず悔しい終わり方となりましたが、成績上位の方のデッキを見て、1スロットの工夫だったり、1からデッキを作っている姿は非常に良い刺激となりました。
改めて今シーズンの国内モダン大会の流れを振り返ってみると、最後の最後で「黒緑ジャンク」が勝ちきれず、3強の牙城が崩れた点が印象的でした。久しぶりの活躍を見せた「赤緑ウルザトロン」や「風景の変容」デッキ、はたまた今回ご紹介させていただいた数々のオリジナルデッキは、今後のモダンシーズンに向けて新たなる可能性を感じさせてくれるに十分すぎるほどの力作だったと思います。
この度の「グランプリ神戸14」でモダンシーズンは一区切りといった様子ですが、「モダン神 挑戦者決定戦」・「The Last Sun2014」など、まだまだ大会は盛りだくさん!これからもこのフォーマットは更なる盛り上がりを見せてくれることでしょう。
次回の大会は、僕も人一倍調整に時間をかけて、できることなら皆が驚くようなオリジナルデッキで参加したいですね!
それでは、また次回の連載でお会いしましょう!ご愛読ありがとうございました!
※編注:記事内の画像は、以下のサイトより引用させて頂きました。
『マジック:ザ・ギャザリング 日本公式ウェブサイト』
http://mtg-jp.com/