Translated by Daijiro Ueno
※今回のドラフトは、プレリリース前に行われたものです。
今日は新セット、『ドミナリア』のドラフトをしていきましょう!
ドラフトの最初の8手をシミュレートし、4名のHareruya Prosに何をピックするか答えてもらいます。
この度の企画に参加してくださる4名の紳士はこちらです!
(彼らのプロフィールや詳細はこちら!)
この企画は『ドミナリア』プレリリース前に行われました。彼らが同じ選択を行うのか、それとも違った選択なのか、ピックを見るのがとても楽しみですね。
初手
セバスティアン・ポッツォ
ピック
このパックはいたって普通というのが第一印象だ。キッカー持ちのプレイアブルなコモンがいっぱいあるが、からドラフトを始めるのが良さそうだ。こいつにしておくよ。
ドミトリー・ブタコフ
ピック
は初手としては手堅いと思う。トークン生成と本体ダメージを同時に狙えるからだが、それでも私は初手で多色カードをピックするのは嫌いだ。次点でだが、ウィザードデッキというのは『ドミナリア』では「極上のアーキタイプ」とみなされているので、ほかのプレイヤーにピック傾向がバレてしまうし、このカード自体は初手でピックするようなものではない。保守的に考えてをピックすることになるだろう。みたいな骨太を素早く繰り出せるのはいつだって素晴らしいものだが、マナ加速カードは「キッカー」持ちのおかげで終盤でも輝くね。
原根 健太
ピック
僕にとって初めての『ドミナリア』ドラフトです。例によって、カード間のシナジーやアーキタイプ毎の強みもわかっていません。例えばのようなカードは何か特定のアーキタイプで重要な役割を果たしそうに見えるものの、今はそれがわかりません。
そのため、単純なカードの強さでをピックします。綺麗なマナカーブを描く緑のビートダウンデッキはどの環境でも一定のパフォーマンスを期待できるでしょう。
オリヴァー・ポラック=ロットマン
ピック
初手で多色をピックするのは賛成じゃないけど、このカードは素直にカードパワーが高いと思う。第一印象としてこの環境は遅そうに見えるし、こいつみたいな終盤で威力を発揮するカードは他のプレイヤーに流したくないね。
各プレイヤーの選択
2手目
セバスティアン・ポッツォ
ピック
マナコストが(3)(白)で3/4、飛行。こんな素晴らしいやつを流してくるなんて、前のプレイヤーはフォイルのボムを引き当てたとしか思えないね!こいつをピックするのは確定だから、すこし補足説明しよう。初手でピックしたとの相性も良い。ここからはできるだけ白をガンガン集めていきたいね。も魅力的だが、パワーレベルはより劣るだろう。
ドミトリー・ブタコフ
ピック
おそらく前のプレイヤーはフォイルのかなにかを引き当てたんだろう。は完全にボムだ。軽いしシングルシンボルだから、もし緑を組むことになっても白をタッチしやすいし、2つの能力はどちらもゲームを決定付ける。はお気に入りだが、両者のパワー差は歴然だ。
原根 健太
ピック
強力なレアなので喜んでピックします。起動能力に(緑)が必要ですが1手目のと噛み合っていますし、この後のピックが簡単になりそうなのも嬉しいですね。も気になりますが、直接的に勝利できるレアの方がより魅力的です。
オリヴァー・ポラック=ロットマン
ピック
このカードは緑と組ませることで真価を発揮するが、単体でも強すぎるし、流してしまえばパックからすぐに消えてなくなるだろう。
各プレイヤーの選択
3手目
セバスティアン・ポッツォ
ピック
このパックは興味深いね。3枚ほど白の良いカードがあるし、除去が欲しいところでもある。「白緑」にとって除去は基本的に最優先でピックすべきだ。どれが良いかなんとも言えないところだが、をピックしたところだしにしようかな。『ドミナリア』のリミテッドはあまりアグロには見えないが、もし見当違いならの方が良いかもね。
ドミトリー・ブタコフ
ピック
「白緑」にとって、除去はノドから手が出るぐらい欲しい。こいつは英雄譚も追放できるし、によって戦場を一掃される前に処理できるのはかなり良さそうだね。
原根 健太
ピック
先ほどピックしたレアの使用を確定させたいので、白の除去を選ぶことは決まっています。と迷いましたが、環境のスピードがわからないので、とりあえず確定除去で、エンチャントにも触れることができるを選びます。実際にプレイしてみて、今考えてる以上に速い環境なのであれば、今後はをピックすることになるでしょう。
オリヴァー・ポラック=ロットマン
ピック
そんなに良いカードではないが、軽い除去だし、2手目でをピックしたことから判断すると白をプレイすることになりそうだからこいつだね。
各プレイヤーの選択
4手目
セバスティアン・ポッツォ
ピック
このパックの中で最も良いカードじゃないかな、それに色が自分のピックと合っている。こいつのためにこれからは伝説のカードを多めにピックするかもね。
ドミトリー・ブタコフ
ピック
は良いと思うが、前回言ったようにできるだけ除去を集めたいんだ。それに白緑のクリーチャーは基本的にサイズで勝るから、相手のコンバットトリックに注意さえすれば格闘はほぼ確定除去として機能するね。
原根 健太
ピック
悪くない低マナ域のカードで、今時点で明確に守りたい対象()がいるのも加点要素です。
5ターン目にとこれを合わせてプレイし、6ターン目に能力を起動する流れは美しいし強力ですね。
オリヴァー・ポラック=ロットマン
ピック
こいつのカードデザインは大好きだ。少なくとも2/1のクリーチャーとして仕事をするし、これ以上は望みようがないね。
各プレイヤーの選択
5手目
セバスティアン・ポッツォ
ピック
このパックはかなり弱いね。デカブツを確保したいからをピックするよ。
ドミトリー・ブタコフ
ピック
このパックにはほとんど良い要素がない。回避能力無しの7/6はサイドボードに居場所を見つけるかもしれないが、後半でも問題なくピックできるだろう。は英雄譚と組めば悪さができるが、良い英雄譚はレアだし、こいつをメインに入れておくのが得策だとは思わないね。はアグロデッキのお供だし、こいつとは対峙したくないからピックするよ。
原根 健太
ピック
この巡目では不満のあるピックですが、色を変えたいと思わせるだけの動機を見つけることができませんでした。
1手目をマナクリーチャーであるから始めていることだし、白緑のランプデッキのようなものをプレイできれば良いかなと思い、追加のフィニッシャーを確保することにしました。
オリヴァー・ポラック=ロットマン
ピック
このサイズとランプすることにどれだけ意味があるかは分からないが、このカードの方向性は好きだね。
各プレイヤーの選択
6手目
セバスティアン・ポッツォ
ピック
目立ったカードはこれといってない。色を散らす可能性を確保し、マナ域の穴を埋めるためにをピックするよ。
ドミトリー・ブタコフ
ピック
平凡なカードだが、もうピックした他の色のカードをプレイしやすくするし、もし白をやめたり他の色のボムをタッチする時でも、そいつらをプレイ可能にしてくれるのはえらいね。
原根 健太
ピック
ちょうどそれっぽいカードがあったのでピックしてみました。正直全く好みの戦略じゃないですが、フィニッシャーとマナ加速手段を全てコモンで賄えるなら試してみる価値のある戦略だと思います。
オリヴァー・ポラック=ロットマン
ピック
こいつはにはなり得ないが、マナ安定剤になるし、他に良いカードもないしね。3色デッキなら弱いであっても喜んでピックするよ。
各プレイヤーの選択
7手目
セバスティアン・ポッツォ
ピック
もう5マナのカードは持っているので、能力持ちの土地をピックするよ。環境が十分遅いとすれば、能力付きの土地は存在意義が大きいね。
ドミトリー・ブタコフ
ピック
だ。能力つきのタップランドはいつでも欲しいし、白緑デッキのトップ5枚をめくれば何かいいクリーチャーが見つかるだろう。
原根 健太
ピック
白緑のランプデッキは往々にして飛行戦略に弱いので、到達クリーチャーは非常に重要な意味合いを持ちます。重いのが気になりますが、さっきマナ加速呪文をピックしたことだし、まだ許容範囲だと思います。
オリヴァー・ポラック=ロットマン
ピック
をピックしても良さそうだが、今までのピックとを見てくれ。みんな緑のカードだろう?
各プレイヤーの選択
8手目
セバスティアン・ポッツォ
ピック
はこのパックのベストカードだと思う。ただ白緑中心で他の色もタッチするかもしれないから、もう一枚を確保したほうが良いね。他の色をタッチするとなると、3マナで有用なカードはこいつだけになるし、多色の伝説をピックした時にこいつはより輝くね。前にパスしたやでさえプレイ可能になるだろう。
ドミトリー・ブタコフ
ピック
色を散らすことは今の段階では主戦略にはなり得ない。それに3マナ3/2の方は魅力的じゃないからまたこいつをピックするよ。
原根 健太
ピック
ランプデッキにマナフラッドは付き物なので、それを緩和する策は用意できるに越したことはありません。「サイクリング」ランドと異なり、序盤にしっかりとマナを出しながら後半は能力を起動できるので、迷いなくプレイできるのが良いですね。
オリヴァー・ポラック=ロットマン
ピック
もしかしたらをピックしなかったことを後悔するかもしれないが、まだアーティファクトを持っていないし、ただのに成り下がるのは弱すぎるね。
各プレイヤーの選択
各プレイヤーの選択
セバスティアン・ポッツォ
ドミトリー・ブタコフ
原根 健太
オリヴァー・ポラック=ロットマン
まとめ
全員が白緑中心でピックする結果となりました。最初に緑をピックしたこと、なによりの存在が大きかったですが、それぞれの方向性は少し異なりましたね。白緑のカードのピック優先度をこの段階で判断するのは少し早いかもしれませんが、正しいピック順序については、今後の記事で明らかになるでしょう!
では次の記事をお楽しみに!
ジェレミー・デザーニ
ジェレミー・デザーニ
2013-2014年シーズンのプレイヤー・オブ・ザ・イヤー獲得プレイヤー。
プロツアー『テーロス』では、「青単信心」を使いこなし見事優勝の栄冠に輝いた実績を持つ。グランプリのトップ8入賞回数は10回にも上り、優勝2回、準優勝2回を記録している。
海外のプレイヤーとしては初のHareruya Pros加入となる。
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