Deck Tech: 今井 政介(東京)の「リッチの熟達コントロール」

晴れる屋

晴れる屋

By Hiroshi Okubo

 コントロールデッキの目指すところが「負けないこと」だとしたら、「あなたはこのゲームに敗北することができない」と書かれたそのカードは使い得なのではないか……?

リッチの熟達

 第11期スタンダード神挑戦者決定戦。第6回戦で赤黒機体を相手に上述の《リッチの熟達》を設置し、その心を叩き折って5-1(インタビュー時点)の好成績を収めていたそのプレイヤーが今井 政介(東京)だ。

 デッキリストには《首謀者の収得》などあまり見られないカードが採用されており、まさしく異様という言葉が相応しい。はたしてこのデッキはどのようにして生まれたのか? そして、どのようなデッキなのか? さっそくインタビューを行った。

今井 政介(東京)

今井 政介(東京)

カジュアルデッキのつもりが……?

--「デッキリストを拝見しましたが、《リッチの熟達》が入ってらっしゃるんですね。このデッキを組まれた経緯を教えてください」

今井「毎セットごとに1枚くらい、すごく重くて派手なことが書いてあるエンチャントってあるじゃないですか? たとえば『イクサランの相克』なら《太陽鳥の祈祷》とか。僕はああいったカードが好きで、そういう変なデッキをよく組んでいるんです」

太陽鳥の祈祷

--「それで今回は《リッチの熟達》に目をつけた、というわけですか」

今井「ええ。でも、普段一緒に遊んでいる友人たちに今回のデッキの原型を見せたとき、いつもと反応が違ったんです。『このデッキ、もっと行けるんじゃない?』って。それで、3週間ほど時間をかけて調整を手伝ってもらいながらデッキリストを少しずつシェイプアップしていきました」

--「カジュアルデッキのつもりが、意外とやれたと」

今井「ええ。それで、リストが今と変わらないくらいまで調整が進んだ段階で晴れる屋のスタンダード杯に参加したら、6-0できたんです。それで『これはイケるかも』と確信しました」

--「それはすごい! 誕生の経緯も非常に興味深いですね。次に、デッキの詳しい内容について具体的に聞かせていただければと思います」

別次元のゲーム

--「まず、このデッキはどういったデッキなのでしょうか?」

今井「基本的には除去や打ち消しでゲームを長引かせてフィニッシャーに繋いでいくエスパーコントロールデッキです。特に《燻蒸》4枚と《残骸の漂着》3枚を採っているので、ビートダウンに対しては強いと思います。勝ち手段になるのは《副陽の接近》《ドミナリアの英雄、テフェリー》の紋章などですね」

--「なるほど。とはいえそれだけ全体除去を採用されていると、コントロールデッキとのマッチアップは厳しそうな印象を受けます」

今井「ええ。そこで、このデッキでは《首謀者の収得》と、1枚でコントロールに勝てるカードとしてサイドボードに《原初の潮流、ネザール》を採用しているんです」

首謀者の収得原初の潮流、ネザール

--「《首謀者の収得》ですか! たしかに面白いですね!」

今井「このカードは本当にすごくて、あらゆる状況に対する有効牌を探し出すことができます。今言った《原初の潮流、ネザール》もそうですし、《首謀者の収得》のために《アルゲールの断血》《残酷な現実》などコントロールデッキに対して有効なカードを散らしています」

--「たしかにメイン戦から一方的にサイドボードのカードが使える、というのは凄まじいですね。《リッチの熟達》の使用感はいかがですか?」

リッチの熟達

今井《リッチの熟達》も強いですよ! 設置すれば手札や墓地もライフとして換算できるようになって、まさに別次元のゲームが始まりますから。他にも《ヴラスカの侮辱》《燻蒸》は除去兼ドロー呪文になりますし、《副陽の接近》とのコンボで一瞬でゲームが終わることもたびたびあります」

--「《副陽の接近》が解決される際に7枚ドローすることができるから、ライブラリーに戻った《副陽の接近》を引くことができるわけですか」

今井「ええ。ただ、最初は《リッチの熟達》の枚数がもっと多いリストを回していたんですが、6マナと重いことや重ね引きしたときに弱すぎたので現在は1枚になっています。もちろん、《首謀者の収得》で探すことができるというのも枚数を減らした理由の一つですが」

デッキの強みと弱み

--「このデッキはどういったデッキに強いのでしょうか?」

今井「メインボードは過剰と言ってもいいくらいビートダウンをメタっているのでビートダウンに対しては比較的有利です。特に《リッチの熟達》《副陽の接近》への対抗策を持たない黒緑のデッキなどに対しては強いです。コントロールミラーは先に言った《首謀者の収得》がキーカードになります。また、気休め程度ではありますがミラーマッチを想定してデッキが61枚になっています」

--「では、逆に弱点はありますか?」

今井「基本的にコントロールデッキなので、こちらが土地を並べきる前にブン回られると厳しいです。なので《ベナリア史》絡みのブン回りルートが存在する白黒機体などは少し不利なマッチアップになります」

--「ありがとうございます。このあとも頑張ってください!」


 《リッチの熟達》に目を奪われがちだが、その実《首謀者の収得》によってサイドボードカードを活用してゲームをコントロールする新機軸のエスパーコントロールデッキ。当初は身内で遊ぶためのカジュアルデッキだったそうだが、ここまで磨き上げたその構築センスは脱帽だ。

 一風変わったカードを使用したい、という方はぜひこのデッキを組んでみてはいかがだろうか?

この記事内で掲載されたカード

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