By Kazuki Watanabe
1stドラフトを2-1で終えた井川 良彦が、会場でカードを広げ、意見を交換している。
その様子を眺めながらドラフトの感想を聞き、「初手は何だったのですか?」と私が投げかけると、
井川「初手が《豊潤の声、シャライ》。次が《総将軍ラーダ》で……」
と手早くカードを並べながら、ピックを解説してくれた。
井川のドラフトピック
――「では初手からお伺いしていきます。《豊潤の声、シャライ》、《総将軍ラーダ》、《最古再誕》、この時点で4色ですね」
井川「そうですね。4手目で《這い回る偵察機》を取って、ここまでの4枚の内、2枚は使えるようにというのが最初に浮かんだプランです。次に《灰からの成長》が取れたので、緑多色が候補になりました」
――「緑多色を選ぶ利点、というのは、どの辺りにあるのでしょうか?」
井川「とにかく、受けが広いという点です。流れてきた強いカードが、すべてピック候補になります。卓の状況に合わせて臨機応変に進められるのが最大の強みですね」
――「なるほど。その後のピックは《マンモスグモ》2枚で緑が濃くなるわけですが、2パック目がものすごいことになってますね」
井川「正直に行って驚きましたね。初手は《ウルザの殲滅破》と《孤独な王、グラン》で、後者を選びました。そして2手目で《荒々しいカヴー》と、再び《孤独な王、グラン》……カードの強さから言えば《荒々しいカヴー》なのですが、《孤独な王、グラン》は流したくないな、と思ったんです」
――「まさか、10手目で返ってくるとは思えないですよね……」
井川「そうですね。7手目の《新緑の魔力》で『ん?』とは思ったのですが、卓に緑がまったく居なかったみたいです。これは望外でした」
――「その間に、《這い回る偵察機》をもう1枚、さらに赤の呪文も確保して、と進んで、3パック目ですね」
井川「《フレイアリーズの歌》も悩まずにピックしました。2パック目の初手で流した《ウルザの殲滅破》、そして《祝福の光》と白も良いところが集まったので、かなり強くまとまりましたね」
これまでを振り返って
――「では、少しプロツアーまでを振り返っていただきたいのですが、井川さんはPros&Hopes ドラフト練習会に参加されていましたよね。環境初期に比べて、何か変化はありましたか?」
井川「正直に言って、大きな変化はほとんどないですね。というのも、これまではスタンダードの練習しかしていない、という状態なんです。割合で言えば9.5:0.5くらいでしょうか」
――「そうだったんですね。ちなみに、ドラフトの0.5はどのように練習をしたのですか?」
井川「直前に、同じHareruya Prosの中村 修平さん、高橋 優太さん、熊谷 陸さんが所属するチーム・Kusemonoと意見交換をしました。各カードの評価を見直したのですが、そこでも大きな変化はなく、《逃亡者、梅澤哲子》が思ったより評価が高いな、といった程度でしたね」
――「なるほど。では、ドラフトを2-1で終えたので、ここからは打ち込んだスタンダードですね」
井川「そうですね。練習の成果を活かせるように頑張りたいと思います」
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